Service Location Protocol (SLP) の Directory Agent (DA) は、SLP のオプション・コンポーネントであり、ネットワーク・サービス・ブロードキャストを収集します。DA は、主として、SLP の管理を単純化し、SLP のパフォーマンスを向上させるために使用されます。
SLP DA は、SLP アーキテクチャーの中間層とみなされ、User Agent (UA) と Service Agent (SA) の両方が (相互にではなく) DA とのみ通信するよう、UA と SA の中間に配置されます。これにより、ネットワーク上のマルチキャスト要求または応答トラフィックの大部分を排除でき、環境内に多数の UA が存在する場合に、SA が多くのサービス要求により混乱しないように保護することができます。
SLP DA が存在する場合、SA および UA の動作は大きく変わります。最初の初期化時に SA は、マルチキャスト・サービス要求を使用して DA ディスカバリーを実行し、特殊な予約済みサービス・タイプ service:directory-agent を指定します。このプロセスは、アクティブ DA ディスカバリーとも呼ばれ、SLP を使用する他のディスカバリーと同様のメカニズムにより行われます。
同様に、ほとんどの場合、SLP UA も、最初の起動時に、マルチキャストを使用してアクティブ DA ディスカバリーを実行します。ただし、SLP UA が 1 つ以上の DA アドレスを使用して静的に構成されている場合は、代わりにこれらのアドレスを使用します。UA は、静的構成またはアクティブ・ディスカバリーのいずれかにより 1 つ以上の DA を認識すると、SA へのマルチキャストの代わりに、これらの DA にユニキャスト・サービス要求を送信します。DA は、ユニキャスト・サービス応答により応答を行い、要求されたサービス URL (Uniform Resource Locator) および属性を提供します。
SLP DA の機能は、SLP SA と非常に類似しており、登録要求および登録解除要求の受信、およびユニキャスト・サービス応答によるサービス要求への応答を行います。ただし、いくつかの違いとして、DA は SA よりも多くの機能を提供します。1 つは、すでに説明したように、DA は DA Advertisement 応答メッセージにより service:directory-agent サービス・タイプのサービス要求に応答して、DA の IP アドレスを含むサービス URL を戻します。これにより、SA および UA が、DA のアクティブ・ディスカバリーを実行できます。もう 1 つの違いとして、DA は最初の初期化時に、マルチキャスト DA Advertisement メッセージを送信して、ネットワーク上でアクティブな既存の SA (および UA) に対してサービスを公示します。UA および SA では、このような Advertisement メッセージを listen することができます (前者の場合はオプション、後者では必須)。このような listen プロセスは、パッシブ DA ディスカバリー とも呼ばれます。SA は、パッシブ DA ディスカバリーにより新しい DA を検出すると、現在登録されているサービスの登録要求をその新しい DA に対して送信します。
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