nismatch コマンド

目的

NIS+ テーブルを検索するためのユーティリティー。

構文

nismatch [ -A ] [ -c ] [ -h ] [ -M ] [ -o ] [ -P ] [ -v ]

説明

コマンド nisgrep は、単純なテキスト一致ではなく、検索基準における正規表現を受け入れる機能に関して、nismatch コマンドと異なっています。

nisgrep はコールバック機能を使用するので、テーブル作成時に特別に検索可能にされたカラムだけを検索するようには制限されていません。これによって、nismatch に比べて柔軟性はありますが、速度は遅くなります。

nismatch ではサーバーが検索を行います。nisgrep ではサーバーがすべての読み取り可能エントリーを戻してから、クライアントがパターン・マッチングを行います。

どちらのコマンドも、パラメーター tablename は、検索されるテーブルの NIS+ 名です。カラム名を指定せずに 1 つの鍵または鍵パターンだけを指定すると、その鍵または鍵パターンは最初のカラムの検索時に適用されます。特定の名前が付いたカラムは、その構文を使用して検索できます。

複数のカラムを検索するときは、すべてのカラムで一致するエントリーだけが戻されます。これは、論理結合演算と同じことです。 nismatch は検索基準の追加形式を受け入れます。これはその形式の NIS+ 索引付きの名前です。

フラグ

-A そのテーブル内のデータと、初期テーブルの連結パス内にあるテーブルの全データを戻します。
-c 検索基準と一致するエントリー数のカウントだけを出力します。
-h テーブルのカラムの名前が入っている突き合わせエントリーの前に、ヘッダー行を表示します。
-M マスター・サーバーのみ。指名されたデータのマスター・サーバーにルックアップを送信します。これによって、最新の情報の表示が保証されますが、マスター・サーバーがビジーになるという欠点があります。
-o 突き合わせ NIS+ オブジェクトの内部表現を表示します。
-P 連結パスの後に続きます。初期検索が失敗であった場合、ルックアップをテーブルの連結パスの後に続けるように指定します。
-v 突き合わせエントリーを表示するときに、バイナリー・データの出力を抑止しません。このオプションを指定しないと、バイナリー・データは文字列 *¥s-1BINARY¥s0* として表示されます。
  1. 0 - いくつかのエントリーが正常に突き合わせられました。
  2. 1 - テーブルの検索が正常に行われ、一致は見付かりませんでした。
  3. 2 - エラー状態が起こりました。エラー・メッセージも出力されます。

  1. この例では、zotz.com.domainorg_dir サブディレクトリー内のテーブル passwd を検索します。ユーザー名が skippy というエントリーを戻します。

    この例では、すべての作業がサーバー上で行われます。

    nismatch¥ name=skippy¥ passwd.org_dir.zotz.com.
  2. この例は上記の例と類似していますが、nisgrep を使用して、テーブル passwd 内で ksh (1) または csh (1) を使用しているすべてのユーザーを見付ける、という点が異なります。

    nisgrep¥ 'shell=[ck]sh'¥ passwd.org_dir.zotz.com.

関連情報

nisgrep コマンド、nisdefaults コマンド、niscat コマンド、nisls コマンド