maintshell コマンド

目的

AIX 保守シェルをオープンし、システム保守を実行します。

構文

maintshell [ - ] [ Name [ Argument ... ] ]

説明

maintshell コマンドは、Name パラメーターで指定されたユーザー・クリデンシャルを変更して、新規セッションを開始します。

Arguments パラメーターで指定されたフラグまたはパラメーターなどの引数は、Name パラメーターで指定されたユーザー用のログイン・シェルと関連付けされていなければなりません。これらの引数は、指定されたユーザーのログイン・シェルに渡されます。

次の機能が maintshell コマンドで実行されます。

アカウントの検査 ユーザー・アカウントが存在すること、ユーザー・アカウントが maintshell コマンドで使用可能であること、現行ユーザーが maintshell コマンドでこのアカウントに切り替えを許可されているグループ内にあること、およびそのユーザー・アカウントが現行制御端末から使用できることを確認します。
ユーザー認証 システム定義されたユーザー用の 1 次確認メソッドを使用して、ユーザー ID を確認します。パスワードが期限切れである場合は、ユーザーは新しいパスワードを与えなければなりません。
クリデンシャルの確定 ユーザー・データベース内の値を使用して、初期ユーザー・クリデンシャルを確定します。これらのクリデンシャルは、ユーザーのアクセス権限とシステム上での責任能力を定義します。
セッションの開始 - フラグが指定されると、maintshell コマンドはユーザー・データベース内の値を基にしてユーザー環境を初期化します。 - フラグが使用されないと、maintshell コマンドはディレクトリーを変更しません。

これらの機能は、上記の順序で実行されます。ある機能が異常終了すると、次の機能は実行されません。

前のセッションを復元するには、exit を入力するか、または Ctrl-D キー・シーケンスを押します。このアクションは、maintshell コマンドによって呼び出されたシェルを終了し、前のシェル、前のユーザー ID、前の環境に戻します。

maintshell コマンドが実行されるたびに、/var/adm/maintshelllog ファイルにエントリーが作成されます。 /var/adm/maintshelllog ファイルは、日付、時刻、システム名、およびログイン名を記録します。さらに、/var/adm/maintshelllog ファイルは、ログインの試行が成功したかどうかも記録します。+ (正符号) はログインが成功したことを示し、- (負符号) はログインが成功しなかったことを示します。

警告:
maintshell コマンドを実行すると、NAS 環境が終了し、直接 AIX 環境が開始されます。 AIX 環境の内部で NAS 構成を変更すると、予期しない結果になることがあります。

フラグ

- 新しいシェルに現在の環境を伝搬しないことを指定します。

  1. ユーザー jim の特権を取得するには、次のように入力します。

    maintshell jim

    このコマンドは、jim の実効ユーザー ID と特権を指定してサブシェルを実行します。

  2. ユーザー jim としてログインしたかのように環境を設定するには、次のように入力します。
    maintshell - jim
    これで、jim のログイン環境を使用したサブシェルが開始されます。

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