VMware Infrastructure 3 プラットフォームと連携するように WebSphere® Virtual Enterprise を構成するには、サーバーが互いに通信できるようにセキュリティーを構成し、デプロイメント・マネージャーにカスタム・プロパティーを構成して vCenter または ESX サーバーを定義する必要があります。
始める前に
- ご使用の物理サーバーに VMware Infrastructure 3 プラットフォーム環境を構成します。VMware Infrastructure 3 プラットフォーム環境は、次の要件を満たす必要があります。
- VMware Infrastructure 3 プラットフォーム環境が、Intel® ハードウェア上の Solaris オペレーティング環境、Windows®、または Linux® x86 オペレーティング・システムが稼働するサーバー上にあること。
- VMware Infrastructure 3 プラットフォームをサポートする VMware 製品を使用すること。
サポートされているバージョンは、以下のとおりです。
- VMware VirtualCenter バージョン 2.5
- VMware ESX バージョン 3.5
- VMware vSphere バージョン 4.0 (VMware ESXi および VMware vCenter Server を含む)
この文書では、これらのサーバーを一般的に次のような用語で表記します。
- ESX サーバー:
VMware ESX バージョン 3.5、または VMware vSphere バージョン 4.0 の VMware ESXi サーバーを表します。
- vCenter サーバー:
VMware VirtualCenter バージョン 2.5、または、VMware vSphere バージョン 4.0 の VMware vCenter サーバーを表します。
- WebSphere Virtual Enterprise を各仮想マシンにインストールして構成します。
このタスクについて
VMware Infrastructure 3 プラットフォームが構成された物理コンピューターで稼働するノードが複数ある場合は、WebSphere Virtual Enterprise は、Web サービスを介して VMware と接続することができます。こうした通信方法は、セル全体に対するカスタム・プロパティーを管理コンソールで作成することにより構成することができます。このカスタム・プロパティーで、vCenter または ESX サーバーに対する URL、ユーザー ID、およびパスワードを定義します。また、vCenter または ESX サーバーから署名者を取得するための鍵ストアを構成する必要もあります。
WebSphere Virtual Enterprise と連携する
VMware 環境をどのように構成するかは、
VMware 構成によって異なります。
WebSphere Virtual Enterprise がすべての仮想マシンおよび物理コンピューターを認識するために必要な環境内の十分な数のサーバーに対してカスタム・プロパティーを作成する必要があります。
- ESX サーバーだけを使用している場合は、WebSphere Virtual Enterprise が環境内の物理サーバーおよび仮想マシンを認識するために必要な数の個別サーバーを構成する必要があります。
- vCenter サーバーを使用して環境を管理する場合は、vCenter サーバーに接続し、それによって、vCenter サーバーが管理するすべての仮想マシンおよびサーバーとの通信を確立することができます。各 ESX サーバーに接続する必要はありません。vCenter が使用可能な場合は、各 ESX に接続するのではなく、vCenter サーバーに接続することが最善の方法です。
- Microsoft Cluster Server (MSCS) を備えた複数の vCenter サーバーを稼働して高可用性が得られるようにしている場合は、vCenter サーバーごとに鍵ストアおよびカスタム・プロパティーを構成できます。
WebSphere Virtual Enterprise を VMware Infrastructure 3 プラットフォームと連携するように構成しないと、WebSphere Virtual Enterprise 環境は、ノードが仮想マシン上にあることを認識せず、その結果として、マシン・プロセッサーまたはメモリーが過負荷になる場合があります。
プロシージャー
-
vCenter サーバーと通信するように WebSphere Virtual Enterprise を構成する場合は、以下のようにします。
-
vCenter サーバーから署名者証明書を取得して保管し、
vCenter サーバーと通信するように WebSphere Virtual Enterprise を構成します。
./wsadmin.sh -lang jython -f retrieveVMwareCertificate.py
-host:<vmware_virtual_center_host_name> -port:<vmware_virtual_center_ssl_port_number>
-user:<vmware_user_id>
-password:<vmware_password>
ここで、<vmware_virtual_center_host_name> は、vCenter サーバーのホスト名、<vmware_virtual_center_ssl_port_number> は、vCenter サーバーのセキュア SSL ポート、<vmware_user_id> は、vCenter サーバーへのアクセスに使用される VMWare ユーザー ID、<vmware_password> は、<vmware_user_id> に関連付けられたパスワードです。
-
ESX サーバーと通信するように WebSphere Virtual Enterprise を構成する場合は、以下のようにします。
-
ESX サーバーから署名者証明書を取得して保管し、
ESX サーバーと通信するように WebSphere Virtual Enterprise を構成します。
./wsadmin.sh -lang jython -f retrieveVMwareCertificate.py
-host:<vmware_esx_server_host_name> -port:<vmware_esx_server_ssl_port_number>
-user:<vmware_user_id>
-password:<vmware_password>
ここで、<vmware_esx_server_host_name> は、ESX サーバーのホスト名、<vmware_esx_server_ssl_port_number> は、ESX サーバーのセキュア SSL ポート、<vmware_user_id> は、ESX サーバーへのアクセスに使用される VMware ユーザー ID、<vmware_password> は、<vmware_user_id> 値に関連付けられたパスワードです。IP アドレスではなく、-host パラメーターに使用されるホスト名を使用する必要があります。
-
このスクリプトを使用して、すべての ESX サーバーに対してこの前のステップを繰り返し、各 ESX サーバーの署名者証明書を取得、保管します。
結果
vCenter または ESX と連携するように WebSphere Virtual Enterprise を構成することにより、vCenter または ESX を単独で使用するよりも、より優れたサービス区分管理ができるようになります。WebSphere Virtual Enterprise により、アプリケーション・レベルの目標や特性を追加し、オートノミック・マネージャーが仮想環境で必要なフロー制御を実行できるようすることができます。
次に実行する作業
タイムアウト・エラーが発生する場合は、com.ibm.websphere.webservices.http.connectionTimeout および com.ibm.websphere.webservices.http.SocketTimeout カスタム・プロパティーをデフォルトの 300 秒から 600 秒にすることができます。
多数の物理マシン、仮想マシンがある仮想化環境がある場合は、このように変更することを検討してください。例えば、ご使用の環境に 400 の物理マシンがあり、
WebSphere Virtual Enterprise からハイパーバイザーに構成情報に関する要求が送信される場合、ハイパーバイザーは、この 400 の各物理マシンと通信することになります。各要求の実行に 1 秒かかるとすると、デフォルトのタイムアウト、300 秒ではすべての要求を処理できず、読み取りタイムアウトになります。カスタム・プロパティーの詳細については、『Web サービス・アプリケーションの HTTP トランスポート・カスタム・プロパティー』を参照してください。
WebSphere ノードにミドルウェア・サーバーを構成します。