WebSphere® Virtual Enterprise では、 動的アプリケーション配置は、負荷配分、サービス・ポリシー、 および使用可能なリソースに基づいて行われます。アプリケーションは、WebSphere Virtual Enterprise 環境内の さまざまなレベルで実行できます。その範囲は、 アプリケーションの相対的重み値の変更から WebSphere Virtual Enterprise セルの 拡張まで及びます。変更内容がより抜本的であり、インパクトがより甚大であると、 アプリケーションの実行に要する時間が長くなります。
リソースを動的に配置することによって、 WebSphere Virtual Enterprise はハードウェアをより効率よく使用できます。デプロイされたアプリケーションの組み合わせが多岐にわたるとすれば、すべてのアプリケーションが同時に ハイ・デマンド状態にあることはほとんどないでしょう。WebSphere Virtual Enterprise はこの状態を活用しています。そのために、必要な所ではリソース割り振りをサポートして、ハードウェアの使用効率を高めています。その結果、企業は、各アプリケーションの最大負荷を同時に満たすような ハードウェアを必要としなくなり、 必要とされた IT 投資を大幅に縮小することができます。
動的アプリケーション配置機能は、 アプリケーション配置コントローラー、動的ワークロード・マネージャー (DWLM)、 およびオートノミック要求フロー・マネージャー (ARFM) の 3 つの オートノミック・マネージャーによって構成されています。
各オートノミック・マネージャーは、 共通の目標を達成するための処理機能を提供します。目標は、 使用可能な能力を、デプロイされたアプリケーションと 構成済みサービス・クラスに割り振ることです。 あるアプリケーションに割り振られている能力の変更が必要になると、オートノミック・マネージャーは先頭または最速のレベルからアクションを実行します。デマンドを変更してもこれらの単純な調整は効果がないので、より過激な手段が必要になります。 例えば、 WebSphere Virtual Enterprise のオートノミック・マネージャーならば、 サービス・ポリシーに関連付けられている要求のディスパッチング優先順位を 変更することから開始します。WebSphere Virtual Enterprise は、このような調整を数秒ごとに行います。しかし、 このような調整はクラスターのサイズが過小である場合は効果がありません。 WebSphere Virtual Enterprise は、動的クラスターのサイズを数十分の時間単位で変更します。
動的アプリケーション配置の課題
あるアプリケーションを動的に配置するという課題には、 その能力の増減が含まれ、幾つかのレベルで実行できます。 リソース割り振りを変更する方法は、オートノミック・マネージャーを使用して決定されます。オートノミック・マネージャーは、さまざまなパフォーマンス測定基準をモニターし、モニター済みデータを解析して、予定されたアクションを導きます。 WebSphere Virtual Enterprise は、 構成可能な各種レベルの自律性をサポートします。 ほとんどのオートノミック・モードでは、 オートノミック・マネージャーは、計画したアクションを実行する自由を 認可されています。 ほとんどの手動モードでは、オートノミック・マネージャーは、 管理者が手動で実行する必要があるアクションを推奨します。