新規エディションへのロールアウト実行のためのアルゴリズムは、使用環境における操作に密接に関係しています。アプリケーション・エディションのインストールと配布は、アクティベーションとは別の作業です。
中断のない置き換えについては、2 つの基本パターン、グループ・ロールアウトまたはアトミック・ロールアウトがあります。
新規エディションのロールアウトを実行するための手順は、これらのオプションのどれを選択するかによって異なります。
動的クラスターは、ロールアウト中は手動モードです。ロールアウト中のロードが重くなると、アプリケーションの配置は起こりません。
繁忙時や重いロードを避けるようにロールアウトを計画してください。ロールアウトが完了すると、動的クラスターは元のモードに戻ります。
問題の回避: トラフィックが多い間は、ロールアウトを実行しないでください。
gotcha
グループ・ロールアウト
グループ・ロールアウトの実行を選択すると、サーバーのグループからなるクラスター全体を通じてロールアウトが実行されます。各サーバーでは次のステップが起こります。
- サーバーへの処理が静止します。
- アプリケーションまたはサーバーを停止します。
- サーバー構成を更新します。
- アプリケーションまたはサーバーを再始動します。
- サーバーで、新しいエディションへの準備が完了します。
アトミック・ロールアウト
アトミック・ロールアウトを実行する前に、ターゲット・サーバー・クラスターの負荷能力を判別してください。
アトミック・ロールアウトを実行すると、まずクラスターの半分で新規エディションがアクティブされ、次にクラスターの残り半分のエディションがアクティブ化されます。クラスターの最初の半分がオフラインになり、更新されると、アプリケーション要求は、クラスターの残り半分にルーティングされます。クラスターの残り半分がロールアウト期間の負荷全体に対処できるか確認してください。
アトミック・ロールアウトの実行を選択すると、以下の手順が発生します。
- サーバーの半数への処理が静止します。
- アプリケーションまたは前半半分のサーバーを停止します。
- 構成を更新します。
- アプリケーションまたはサーバーを、前半半分のサーバーで始動します。
- 後半半分のサーバーの処理を静止します。
- 新規エディションへの要求のルーティングを開始します。この新規エディションは前半半分のサーバーで稼働しています。
- 後半半分のサーバーで、アプリケーションまたはサーバーを停止し、構成を更新し、アプリケーションまたはサーバーを始動します。
- ロールアウトが完了します。
デフォルト・ロールアウト設定
管理コンソールには、以下のオプションがロールアウトのアクションとして事前設定されています。
- グループ・ロールアウト:
- ロールアウト・ストラテジー = グループ、グループ・サイズ = 1
- リセット・ストラテジー = アプリケーション
- 処理待機間隔 = 30 秒
- アトミック・ロールアウト:
- ロールアウト・ストラテジー = アトミック
- リセット・ストラテジー = アプリケーション
- 処理待機間隔 = 30 秒
スクリプト・インターフェース・ロールアウト・オプション
管理コンソールでのグループおよびアトミックのロールアウト・オプションには、ロールアウト・オプションの選択が事前設定されています。
スクリプト・インターフェースにより、これらのオプションにより優れた柔軟性が提供されます。
詳しくは、アプリケーション・エディション管理の管理用タスクについての資料を参照してください。以下のスクリプト・オプションが存在します。
- ロールアウト・ストラテジー: ロールアウト方法として、ノードのグループの逐次更新、
または分割と交換のアトミック・ストラテジーのいずれかを指定します。
- グループ: ターゲット・クラスターがロールアウト対象のグループに分割されることを指定します。
クラスターが大規模な場合は、グループ・ロールアウト
が最も有効です。サブオプションにより、グループ・サイズを指定できます。
グループ・サイズには、同時に処理するノードの数を指定します。
デフォルトは 1 です。
- アトミック: アプリケーションの 1 つのエディションのみがロールアウト中に要求を処理できるよう指定します。
これにより、アプリケーション・サーバー・クラスターの半数がオフラインになって更新され、その後、残りが処理されます。
クラスターの半数がいずれもオフラインになっている間に到着したアプリケーション要求は、オンデマンド・ルーター (ODR) のキューに入れられます。
- リセット・ストラテジー: リサイクルするかどうかを指定します。
例えば、1 つのアプリケーションやアプリケーション・サーバー全体を、停止して再始動します。
- アプリケーション: アプリケーションをリサイクルすることで、
各アプリケーション・サーバーの新しいエディションをアクティブ化します。
アプリケーション・サーバーは実行を続行します。
- サーバー: サーバーをリサイクルすることで、各アプリケーション・サーバーの新しいエディションをアクティブ化します。
このオプションは、コネクターやネイティブ・ライブラリーの更新、または Java™ 仮想マシンのリセットが必要である場合に必須です。
- 処理待機間隔: アプリケーションやアプリケーション・サーバーが処理中の要求が完了するまで待機する時間 (この時間が経過すると停止する) を指定します。
デフォルトは 30 秒です。