トレース・メッセージ

トレースは、コネクターの動作を細かく追跡するためにオンにすることができるオプションのデバッグ・フィーチャーです。トレース・メッセージは構成可能で、動的に変更できます。必要な詳細に応じて、さまざまなレベルを設定できます。トレース・メッセージはデフォルトでは、STDOUT に書き込まれます。

また、ファイルへ書き込むようにトレースを構成することもできます。次の表では、iSeries コネクターが各トレース・レベルで出力するトレース・メッセージのタイプについて説明します。すべてのトレース・メッセージが、コネクター・プロパティー TraceFileName で指定されたファイルに書き込まれます。これらのメッセージは、IBM WebSphere Business Integration Adapter アーキテクチャーによって出力されたトレース・メッセージに追加されます。トレース・メッセージの構成の詳細については、『コネクターの構成』にあるコネクター構成プロパティーを参照してください。トレースの詳細 (使用可能にして設定する方法を含む) については、「コネクター開発ガイド」を参照してください。

表 6 に、コネクターのトレース・メッセージ・レベルの推奨される内容をリストします。

表 8. トレース・メッセージの内容レベルの説明
トレース・レベル トレース・メッセージ
レベル 0 コネクターのバージョンを識別するトレース・メッセージが必要な場合は、このトレース・レベルを使用します。このレベルでは、その他のトレースは実行されません。
レベル 1 なし
レベル 2 次のことを行うトレース・メッセージが必要な場合は、このトレース・レベルを使用します。
  • コネクターが処理する各オブジェクトに使用される BO ハンドラーを識別する
  • ビジネス・オブジェクトが統合ブローカーにポストされるたびにログに記録する
  • 要求ビジネス・オブジェクトが受信されるたびにそれを示すトレース・メッセージ
レベル 3 なし
レベル 4 次のことを行うトレース・メッセージが必要な場合は、このトレース・レベルを使用します。
  • アプリケーション固有の情報を示す。この例として、ビジネス・オブジェクト内のアプリケーション固有の情報フィールドを処理するメソッドによって戻される値があります。
  • コネクターが関数を実行または終了する時を示す。これらのメッセージは、コネクターの処理フローをトレースするのに役立ちます。
  • スレッド固有処理を記録する。例えば、コネクターが複数のスレッドを作成する場合は、メッセージによって各新規スレッドの作成がログに記録されます。
レベル 5 次のことを行うトレース・メッセージが必要な場合は、このトレース・レベルを使用します。
  • コネクターの初期設定を示す。このタイプのメッセージには、例えば、ブローカーから検索された各コネクター・コンフィギュレーター・プロパティーの値などが含まれます。
  • コネクターが実行中に作成する各スレッドの状況を詳述する。
  • アプリケーションで実行されたステートメントを表す。コネクター・ログ・ファイルには、ターゲット・アプリケーションで実行されたすべてのステートメントと、置換された変数の値 (ある場合のみ) が記録されます。
  • ビジネス・オブジェクト・ダンプを記録する。コネクターは、処理開始前およびオブジェクト処理の終了後に、ビジネス・オブジェクトのテキスト表現を出力します。処理前には、コネクターがコラボレーションから受け取るオブジェクトを表示し、処理後には、コネクターがコラボレーションに戻すオブジェクトを表示します。

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