iSeries および AS/400 システムの概要

IBM iSeries (AS/400 と呼称) は、高度に統合された信頼性の高いサーバー・プラットフォームで、複数のオペレーティング環境を同時に実行して業務に活用できます。特性として保全性とセキュリティーに優れているので、多くの重要なアプリケーションで使用することができます。

RPG は、単純な報告書作成プログラム (Report Program Generator、このプログラムの名前の出所) から、iSeries マシン上の強力なアプリケーション開発プロシージャー型言語に発展してきました。現在 RPG は、iSeries 上で ILE (統合化言語環境) によってサポートされています。

ホスト・サーバーは、図 1 に示すように、アプリケーションを実行している装置 (クライアント PC など) からの要求を処理して、文書の印刷などのタスクを実行できるようにします。iSeries コンピューターと AS/400 コンピューターは機能の充実したサーバーであり、ファイル操作、データベース操作、アプリケーション実行、メール処理、印刷処理、マルチメディア処理、FAX 処理、無線通信などの多数のタスクを同時に実行することができます。タスク・サーバーは、システム上でそれぞれ個別のジョブとして実行されます。また、サーバー・ジョブは、それぞれソケット接続を介してデータ・ストリームを送受信します。

このようなホスト・サーバーの 1 つに、リモート・コマンドおよび分散プログラム呼び出しサーバーがあります。このサーバーは、iSeries システムまたは AS/400 システムでのプログラムを実行します。

IBM Toolbox for JAVA には多数のパッケージが含まれており、これらのパッケージはさまざまな機能に対応しています。例えば、アクセス・クラスは、サインオン情報の管理、ソケット接続の作成と維持、およびデータの送受信を行います。一方、コマンド呼び出しクラスは、iSeries と AS/400 のバッチ・コマンドを実行します。

IBM の Adapter for iSeries は、アクセス・クラスとプログラム呼び出しクラスを使用して RPG プログラムを呼び出します。iSeries (または AS/400) 形式と Java 形式の間で数値データと文字データを変換する機能は、データ変換クラスによって提供されます。

図 1. AS/400 クライアント - サーバー・アーキテクチャーの概要
AS/400 クライアント - サーバー・アーキテクチャーの概要

AS/400 上で稼働する OS/400 はさまざまなタイプのタスクを処理することができますが、Adapter for iSeries から使用されるのはリモート・コマンドおよび分散プログラム呼び出しサーバーのみです。このサーバーは、AS/400 システムでのプログラムを実行します。

Adapter for iSeries を使用した場合のクライアントからサーバーへの接続図を、図 2 に示します。

図 2. Adapter for iSeries を使用した場合の接続図
Adapter for iSeries を使用した場合の接続図

データ・キュー

iSeries 上のデータ・キューによって、ジョブ間の高速なコミュニケーションが可能になります。従ってデータ・キューは、ジョブ間でデータを同期したり受け渡すための優れた方法になります。iSeries 上のデータ・キューによって次の処理が可能になります。

キー付きデータ・キュー上の各メッセージは、対応するキーを持ちます。メッセージは、対応するキーを指定することによってのみ、キューから取り出すことができます。

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