インストール・プロセス
このセクションでは、作成が必要となる可能性がある、さまざまな種類の WebSphere Business Integration Adapters 環境について説明します。また、環境を作成するためのワークフローについても説明します。
図 1 に、WebSphere Business Integration Adapter 環境の種類を示します。
図 1. WebSphere Business Integration Adapter 環境
ローカル・アダプター環境
アダプターは、通常、統合ブローカーがインストールされ、実行されているコンピューターと同じコンピューターにインストールします。ビジネス・インテグレーション・システム内のコンポーネントはすべて単一コンピューターにインストールされているため、このタイプの環境は保守および管理が最も簡単です。特に、インターフェースの開発およびテストを行う場合は、簡単に保守および管理できます。図 1 の環境 1 は、このタイプの環境を表したものです。
ローカル・アダプター環境を作成するには、以下の手順を実行します。
- ハードウェア要件を満たすコンピューターを必要な環境ごとに 1 台ずつ用意します。
ハードウェア要件について詳しくは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- 使用する統合ブローカーが、WebSphere Business Integration
Message Broker または WebSphere Application Server の場合は、WebSphere MQ 資料の説明に従って、WebSphere
MQ クライアントをインストールします。サポートされる WebSphere MQ クライアントのバージョンは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を説明する技術文書にリストされています。詳細については、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- インプリメントする統合ブローカーに応じて、以下のいずれかを実行します。
- 統合ブローカーが WebSphere InterChange Server である場合は、以下の手順を実行します。
- 「システム・インストール・ガイド (Windows 版)」または「システム・インストール・ガイド (UNIX) 版」の説明に従って、WebSphere InterChange Server とその前提ソフトウェアすべてをインストールします。
- Adapter Framework 2.6 を、ICS を含むディレクトリーとは異なるディレクトリーにインストールします。詳細については、「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」を参照してください。
Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 も適用することを強くお勧めします。
注:
WebSphere InterChange
Server を統合ブローカーとして使用する場合、および WebSphere Business Integration Adapter のインストール先を InterChange Server のインストール先と同じコンピューターにする場合は、別のディレクトリーに Adapter Framework をインストールする必要があります。バージョン 2.6 および 2.6.0.3 では、アダプター・フレームワークは WebSphere InterChange Server と一緒にインストールされなくなりました。
- 統合ブローカーが、サポートされているメッセージング・ブローカーのいずれか、または WebSphere Application Server である場合は、「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、Adapter Framework をインストールし、次に 2.6.0.3 フィックスパックをインストールします。
- この環境にインストールする予定の各アダプターについて、それぞれのガイドの構成に関する章を読み、この環境に必要なデータ・ハンドラー要件を判断します。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、この環境に必要な各データ・ハンドラーをインストールします。
- アダプターのインストールの説明に従って、この環境に必要な各アダプターをインストールします。
- この環境に必要な各アダプターのガイドの説明に従って、アダプター・ホスト・コンピューターへのアプリケーション・クライアントのインストールなど、アダプター固有のインストール・ステップを実行します。
- 以前のフレームワークと共にリリースされたアダプターを実行したい場合は、「Migrating Adapters to Adapter Framework, Version 2.6」ガイドを参照してください。
分散アダプター環境
ほとんどの場合、統合ブローカーがホストされているコンピューターと同じコンピューターにアダプターをインストールしますが、アダプターの分散が必要となる場合もあります。アダプターの分散とは、ブローカーがインストールされているコンピューター以外のコンピューターにアダプターをインストールすることです。
コネクター・エージェントを分散する理由のいくつかを以下に示します。
- ブローカーがホストされているコンピューターを、アダプターに関連する負荷から解放することにより、ビジネス・インテグレーション・システムのパフォーマンスを改善できるため。
- アプリケーションがホストされているコンピューターに、ネットワーク上で隣接するコンピューター上のアダプターをインストールすることにより、アダプターのパフォーマンスを改善できるため。
- ブローカーがホストされているコンピューターのオペレーティング・システムで、アダプターのバージョンを入手できるとは限らないため。
- ICS および以前のバージョンのアダプター・フレームワークがインストールされているマシンとは別のマシンに、Adapter Framework 2.6 をインストールし、Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用する必要のある場合があります。
図 1 の環境 2 は、このタイプの環境を表したものです。この環境では、アダプターがメインフレーム・アプリケーションと通信するために分散されています。
企業ネットワーク内で分散アダプター環境を作成するには、以下の手順を実行します。
- ハードウェア要件を満たすコンピューターを必要な環境ごとに 1 台ずつ用意します。
ハードウェア要件について詳しくは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- WebSphere MQ 資料の説明に従って、WebSphere MQ クライアントをインストールします。Java Messaging 機能がインストールされていることを確認してください。サポートされる WebSphere MQ クライアントのバージョンは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を説明する技術文書にリストされています。詳細については、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- 使用する統合ブローカーに応じて、以下の手順を実行します。
- 統合ブローカーが WebSphere Application Server、またはサポートされているメッセージング・ブローカーのいずれかである場合は、以下の手順を実行します。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、Adapter Framework をインストールします。次に、「Installing Adapter Framework Fix Pack 2.6.0.3」技術情報の説明に従って、Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用します。
- この環境にインストールする予定の各アダプターについて、それぞれのガイドの『コネクターのインストールおよび構成 (Installing and configuring
the connector)』という見出しの章を読み、この環境に必要なデータ・ハンドラー要件を判断します。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、この環境に必要な各データ・ハンドラーをインストールします。
- アダプターのインストールの説明に従って、この環境に必要な各アダプターをインストールします。
- 統合ブローカーが WebSphere InterChange Server である場合は、以下の手順を実行します。
-
分散コンピューター上で Adapter Framework インストーラーを実行し、そこにアダプター・フレームワークをインストールします。詳細については、「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」を参照してください。次に、「Installing Adapter Framework Fix Pack 2.6.0.3」技術情報の説明に従って、Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用します。
InterChange Server 構成ウィザードが表示されたら、InterChange
Server をブローカー・ホスト・コンピューターにインストールしたときと同じ構成値を指定します。
- アダプターのインストールの説明に従って、分散コンピューターにアダプターをインストールします。
「IBM WebSphere InterChange Server」画面で、ブローカー・ホスト・コンピューター上の
InterChange Server インスタンスの名前を指定します。
- repository ディレクトリーで作成されたコネクター定義を、「WebSphere Interchange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」の説明に従って、ご使用の開発環境にインポートします。
- アダプターのガイドの説明に従って、コネクターを構成します。
- 「WebSphere Interchange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」の説明に従って、コネクターを InterChange Server リポジトリーに配置します。
- ブローカーと通信する環境を構成するには、以下の手順を実行します。
- ProductDir¥bin ディレクトリーに配置された共用環境ファイルをテキスト・エディターで開きます。
Windows コンピューターの場合、共用環境ファイルのファイル名は CWSharedEnv.bat です。
UNIX コンピューターの場合、共用環境ファイルのファイル名は adapterEnv.sh または CWSharedEnv.sh です。使用するブローカーおよびリリースのバージョンによって異なります。
- ORB_PORT プロパティーの値を通信で使用するポートに設定します。このポートには、ブローカー・コンピューターにインストールされたオブジェクト・リクエスト・ブローカーが通信用に構成されています。
- ORB_HOST プロパティーの値を、ブローカーがインストールされているコンピューターの IP アドレスに設定します。
- この環境に必要な各アダプターのガイドの説明に従って、アダプター・ホスト・コンピューターへのアプリケーション・クライアントのインストールなど、アダプター固有のインストール・ステップを実行します。
リモート・アダプター環境
アダプターが、複数のネットワーク境界にまたがって、統合ブローカーとデータを交換できるようにするには、リモート・アダプター環境を作成する必要があります。これは、会社が取引先とのビジネス・データの交換を必要とする場合に共通します。
図 1 の環境 3 は、このタイプの環境を表したものです。この環境では、アダプターがインターネットを介してブローカーと通信できるようになっています。
リモート・アダプター環境を作成するには、以下の手順を実行します。
- ハードウェア要件を満たすコンピューターを必要な環境ごとに 1 台ずつ用意します。
ハードウェア要件について詳しくは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- WebSphere MQ 資料の説明に従って、WebSphere MQ クライアントをインストールします。Java Messaging 機能がインストールされていることを確認してください。サポートされる WebSphere MQ クライアントのバージョンは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を説明する技術文書にリストされています。詳細については、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- ネットワークを横断するコネクター・エージェントの分散の説明に従って、WebSphere MQ Internet Pass-Thru をインストールおよび構成します。
- 使用する統合ブローカーに応じて、以下の手順を実行します。
- 統合ブローカーが WebSphere Application Server、またはサポートされているメッセージング・ブローカーのいずれかである場合は、以下の手順を実行します。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、Adapter Framework をインストールします。次に、「Installing Adapter Framework Fix Pack 2.6.0.3」技術情報の説明に従って、Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用します。
- この環境にインストールする予定の各アダプターについて、それぞれのガイドの『コネクターのインストールおよび構成 (Installing and configuring
the connector)』という見出しの章を読み、この環境に必要なデータ・ハンドラー要件を判断します。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、この環境に必要な各データ・ハンドラーをインストールします。
- アダプターのインストールの説明に従って、この環境に必要な各アダプターをインストールします。
- 統合ブローカーが WebSphere InterChange Server である場合は、以下の手順を実行します。
- 分散コンピューター上で Adapter Framework インストーラーを実行し、そこにアダプター・フレームワークをインストールします。詳細については、「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」を参照してください。
InterChange Server 構成ウィザードが表示されたら、InterChange
Server をブローカー・ホスト・コンピューターにインストールしたときと同じ構成値を指定します。
- アダプターのインストールの説明に従って、分散コンピューターにアダプターをインストールします。
「IBM WebSphere InterChange Server」画面で、ブローカー・ホスト・コンピューター上の
InterChange Server インスタンスの名前を指定します。
- repository ディレクトリーで作成されたコネクター定義を、「WebSphere Interchange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」の説明に従って、ご使用の開発環境にインポートします。
- アダプターのガイドの説明に従って、コネクターを構成します。
- 「WebSphere Interchange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」の説明に従って、コネクターを InterChange Server リポジトリーに配置します。
- この環境に必要な各アダプターのガイドの説明に従って、アダプター・ホスト・コンピューターへのアプリケーション・クライアントのインストールなど、アダプター固有のインストール・ステップを実行します。
アダプター開発環境
カスタム・アダプターを作成するには、アダプター開発環境を作成する必要があります。ブローカーがインストールされ、アダプターが実行されている環境でアダプターを開発することもできますが、アダプター開発専用の環境を排他的に使用することもできます。
図 1 の環境 4 は、このタイプの環境を表したものです。
アダプター開発環境を作成するには、以下の手順に従います。
- ハードウェア要件を満たすコンピューターを必要な環境ごとに 1 台ずつ用意します。
ハードウェア要件について詳しくは、ハードウェアおよびソフトウェア要件を参照してください。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、Adapter Framework をインストールします。次に、「Installing Adapter Framework Fix Pack 2.6.0.3」技術情報の説明に従って、Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用します。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、開発するアダプターに必要な各データ・ハンドラーをインストールします。
- 「Installing WebSphere Business Integration Adapters, V. 2.6」の説明に従って、Adapter Development Kit をインストールします。
- アダプターの開発に使用する言語に適したコンパイラーをインストールします。
- C 言語または C++ 言語を使用してアダプターを開発する場合は、C コンパイラーまたは C++ コンパイラーをインストールします。
- Java を使用してアダプターを開発する場合は、次の手順に従って、IBM
Java Development Kit をインストールします。1 枚の CD に、Windows、AIX(R)、HP-UX、Solaris、および Linux 向けの JDK が格納されています。
注:
2.6 フレームワークに Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用した場合、IBM Java Development Kit のコピーが
<install location>/jdk にインストールされます。Adapter Framework フィックスパック 2.6.0.3 を適用しなかった場合は、
IBM Java Development Kit のインストールを参照してください。
