インバウンド配送組み込みメッセージとは、 WebSphere Commerce が配送センター・システムから受信する要求のことです。 各インバウンド・メッセージは、特定の機能を実行する WebSphere Commerce のコマンドをアクティブにします。 インバウンド・メッセージの処理でエラーが起きた場合、失敗したメッセージはエラー・キューに入れられます。
WebSphere Commerce は、以下の機能を実行する配送組み込みメッセージをサポートします。上にリストされたどの機能も、XML 形式のメッセージでアクティブにすることができます。 XML メッセージは、UTF-8 形式でエンコードされます。
下の表は、使用されるインバウンド配送組み込みメッセージと、 このメッセージによって呼び出されるコントローラー・コマンドの概要を示しています。
XML メッセージ | 説明 | コントローラー・コマンド |
---|---|---|
Create_WCS_ExpectedInventoryRecord | 予定在庫レコードを作成します。 | ExpectedInventoryRecordCreate |
Create_WCS_PickBatch | ピッキング・バッチを生成します。 | PickBatchGenerateCmd |
Inquire_WCS_PickPackListDetail | CreatePickBatch で作成された詳細情報を要求します。 | GetPickPackListDetailCmd |
Create_WCS_InventoryReceipt | アイテムの在庫レコードを作成します。 | ReceiptCreateCmd |
Update_WCS_InventoryReceipt | アイテムの在庫を調整します。 | InventoryAdjustCmd |
Create_WCS_ShipmentConfirmation | アイテムの配送確認を発行します。 | ReleaseShipConfirmCmd |
予定在庫レコードの作成
WebSphere Commerce データベース内に予定在庫レコードを作成するには、
Create_WCS_ExpectedInventoryRecord XML メッセージを使います。 取引先の在庫およびオーダーに関する情報を配送センターが管理する場合のインスタンス用にこのメッセージが理想的です。 今後の在庫の入手の可能性に関する情報が WebSphere Commerce に知らされ、また、在庫レベルの追跡記録をとることができます。 商品の在庫レベルが低下した場合に、配送センターがこのメッセージのうちの 1 つを WebSphere Commerce に送信すれば、WebSphere Commerce データベース内に予定在庫レコードを作成することができます。 このレコードは、バック・オーダー用に使用できます。
ピッキング・バッチの作成
WebSphere Commerce データベース内にピッキング・バッチ・レコードを作成するには、
Create_WCS_PickBatch XML メッセージを使います。 ピッキング・バッチ機能を配送センターが管理する場合のインスタンスには、このメッセージが理想的です。 配送センターは、このメッセージのうちの 1 つを WebSphere Commerce に送信すれば、
WebSphere Commerce データベース内にピッキング・バッチを作成することができます。 ピッキング・バッチとは、特定の配送センターおよびストアで発送準備は完了したけれども未処理になっているオーダーをすべてまとめたものです。 ピッキング・バッチ内のすべての発送オーダーのピック・チケットは、
作成されてから PICKBATCH テーブルに保管されます。 各発送オーダーのパッキング・リストは、
作成されてから ORDRELEASE テーブルに保管されます。
配送パッキング・リストの詳細情報の表示
ピック・チケットの詳細情報を問い合わせるには、
Inquire_WCS_PickPackListDetail XML メッセージを使います。 このメッセージは、Create_WCS_PickBatch メッセージと一緒に使用します。 配送センターが Create_WCS_PickBatch メッセージを WebSphere Commerce に送信すると、
ピッキング・バッチが作成され、新規のピッキング・バッチ ID が配送センターに戻されます。 次に配送センターは、そのピッキング・バッチ ID をパラメーターとして指定して Inquire_WCS_PickPackListDetail メッセージを送信すると、
ピック・チケットとパッキング・リストの詳細情報を取り出すことができます。
在庫領収書の作成
オーダーした商品の領収書を作成するには、
Create_WCS_InventoryReceipt XML メッセージを使います。 このメッセージを使うと、取引先からオーダーされた商品の領収書を作成することができますが、
それは、手元にある在庫を WebSphere Commerce データベース内で更新する (RECEIPT データベース・テーブルのもとで) のに役だちます。 配送センターは、このメッセージのうちの 1 つを WebSphere Commerce に送信すれば、
オーダーされた商品の追跡記録をとるのに使える領収書を作成することができます。
在庫レベルの更新
在庫の物理カウントと、WebSphere Commerce で保守されている在庫レベルとの相違を解決するには、
Update_WCS_InventoryReceipt XML メッセージを使います。 このメッセージを使うのは、外部の配送センター・システムが在庫配送を管理する場合です。 配送センター・システムは、このメッセージを WebSphere Commerce に送信して、商品の在庫レベルを調整することができます。
配送確認の発行
WebSphere Commerce に対して配送確認を発行するには、
Create_WCS_ShipmentConfirmation XML メッセージを使います。 配送センターは、このメッセージのうちの 1 つを WebSphere Commerce に送信すれば、
オーダーは配送済みであることを確認するための配送確認メッセージを作成することができます。 またこのメッセージでは、オーダーの配送時に顧客に E メール通知を送信するかどうかのオプションも利用できます。 顧客に対する E メール通知を使用可能にする方法の詳細は、
配送通知 E メールを使用可能にするを参照してください。
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