WebSphere Commerce サーバー
WebSphere Commerce は、WebSphere Commerce システム内の情報のフローを制御するために Java ベースの Commerce サーバーを組み込んでいます。 以下の図は、WebSphere Commerce サーバーのコンポーネントを説明したものです。

以下に各コンポーネントの概要を示します。
- ツール
- WebSphere Commerce アクセラレーター
- 作成後のオンライン・ストアを操作、保守するために使用できるブラウザー・ベースのコンポーネントです。 タスクは、アクセス制御レベルと権限レベルに基づきます。
- ストア・サービス
- WebSphere Commerce が提供するサンプルに基づいて、ストア・アーカイブを迅速に作成できるブラウザー・ベースのコンポーネントです。
- 管理コンソール
- サイト・レベルまたはストア・レベルでの管理操作を行うために使用できるブラウザー・ベースのコンポーネントです。
- サブシステム
- メンバー
- メンバー・サブシステムは、ユーザー、組織、およびメンバーのグループ管理を提供します。 これは、登録、認証、アクセス制御、およびセッションとプロファイルの管理サービスを管理します。 メンバー・サブシステムは、ユーザー、組織、およびシステムのメンバーとその役割、およびそのアクセス制御を定義します。 たとえば、ユーザーはサイト管理者、またはストア管理者の役割を持つことができます。 ストアは、2 つの認証タイプのいずれかを持つことができます。 ユーザー・レジストリーとしてデータベースが構成される場合、
WebSphere Commerce Server はユーザー ID とパスワード、および X.509 証明書を使用してユーザーを認証します。 ユーザー・レジストリーとして LDAP サーバーが構成される場合、
WebSphere Application Server のセキュリティー・サーバー・カスタム・ログイン方式によってユーザーが認証されます。
- カタログ
- カタログ・サブシステムは、オンライン・カタログのナビゲーション、
取引管理フィーチャー、買い物候補リスト、および検索機能を提供します。 カタログ・サブシステムには、カタログに関係のあるすべての論理とデータが含まれており、
その中にはカテゴリー、商品とその属性、アイテム、およびそれらの間に存在するすべての関連付けや関係などが含まれます。 これはメンバー・サブシステムおよびオーダー・サブシステムと対話して、
テンプレートの表示と価格設定に関する情報を入手します。 以下のフィーチャーが提供されています。
- グループ化
- 様々な商品のカテゴリー化で一般的なグループ化構成が導入されています。 カタログ・グループの所有者が、グループ内のすべてのカタログ・エントリーの所有者であるとは限りません。 これにより、ポータル所有者は提供された商品のカテゴリーを定義し、
他のサプライヤーはカタログ・グループに商品を追加することができます。
- カタログ・エントリー
- 1 つのカタログ・グループには、1 つ以上のカタログ・エントリーが属する可能性があります。 商品、在庫管理単位 (SKU) アイテム、パッケージ、およびカタログ・エントリーのバンドルを表す、
基本オブジェクト・タイプのセットが提供されます。
- 取引管理アソシエーション
- これにより、任意の 2 つのカタログ・オブジェクト間の関連を作成することができます。
これは、クロスセル、アップセル、および販売促進になります。
- 多文化サポート
- カタログ設計は、ロケールに従って、
商品表示、通貨形式などのマルチカルチャーのサポートするための要件を扱います。
- 取引
- WebSphere Commerce の取引サブシステムは、バイヤー組織とセラー組織の間で、
商品または商品セットの価格や数量を折衝するための論理、機能、およびデータを提供します。
取引サブシステムには、組織間で特定のトランザクションを実行するために使用するオークション、
契約、および見積依頼 (RFQ) コンポーネントが含まれています。
- Order
- オーダー・サブシステムは、ショッピング・カート、オーダー処理、
および管理をサポートする機能を提供します。 また、このサブシステムは、価格設定、税、支払い、
および配送などのオーダー関連のほかのサービスを実行し、組み込みます。 オーダー処理機能には、クイック・オーダーや購入、
スケジュール・オーダー、複数保留オーダー、およびリオーダーが含まれます。
- マーケティング
- マーケティング・サブシステムは、サイトに対してマーケティング機能を多数提供します。 WebSphere Commerce アクセラレーター、マーケティング管理者、
または取引管理マネージャーを使用すると、
顧客プロファイルや、クロスセルやアップセルの提案、広告、割引、
電子クーポンなどの販売イニシアチブを特徴としたマーケティング・キャンペーンなどを作成します。 これらすべてのコンポーネントを包括的にカスタマイズすることによって、
サイトのマーケティング戦略を、レンガとモルタル作りのストアのマーケティング戦略と一致させることができます。
- 在庫
- 在庫サブシステムは WebSphere Commerce Server のコンポーネントの 1 つで、リアルタイムの在庫管理を行います。 在庫サブシステムのコンポーネントは、
取引先から受け取った在庫と顧客から返品された在庫を記録する機能、
在庫の数量を調整する機能、返品された在庫の後処理を決定する機能、
および在庫の配送と受け取りを行う昨日が備わっています。
- 共通のサーバー・ランタイム
- 共通のサーバー・ランタイムは、コマース・アプリケーションが展開、
実行されるフレームワークを提供します。 このフレームワークは、プログラミング・モデル、プロセス・モデル、
例外処理、トランザクション制御、データ・アクセス、および永続モデルで構成されます。 共通のサーバー・ランタイムは WebSphere Application Server によって提供されるランタイム・サービスを使用して、
WebSphere Commerce Server アプリケーションをサポートします。 共通のサーバー・ランタイムは WebSphere Application Server で使用可能な多くのフィーチャーを利用します。
- JavaServer Pages (JSP) ファイルは、サーバー・サイドに動的 Web ページ・スクリプトを提供します。 これは、ビジネス・ロジックから表示ロジックを分けるのに役立ちます。 WebSphere Commerce は、ユーザー、カタログ、およびオーダーの情報を表示するための data bean のセットを提供します。 WebSphere Studio のページ設計ツールを使用すると、ストア開発者は bean を JSP ファイルにドロップすることができます。 JSP ファイルはサーブレットにコンパイルされ、ランタイムに動的データを表示するようにします。
- WebSphere Commerce は enterprise bean エンティティー・フレームワークを使用します。 開発者はデータ・オブジェクトなどの、システム内のデータにアクセスできます。
そのときに基本のデータベース・スキーマに直接バインドされている必要はありません。 共通のサーバー・ランタイムは、基本スキーマに対して entity bean のセットを提供します。 アプリケーション開発者は、基本スキーマを拡張し、エンティティー・オブジェクトを再マップすることによって、
ビジネス・ロジックをカスタマイズし、エンティティー・オブジェクトを変更することができます。 このプロセスは、VisualAge for Java enterprise bean マッピング・ツールを使用することによって行えます。 bean のマッピング・ツールは、VisualAge for Java, Enterprise Edition から入手可能です。
- WebSphere Commerce Server とスケジューラーのプロセスはすべて、
WebSphere Application Server のプロセスに組み込まれています。 これらのプロセスは、WebSphere Application Server の管理コンソールを使用して管理します。 デフォルトでは、各 WebSphere Commerce Server プロセスは、
単一のマルチ・スレッド Java プロセスにマップする WebSphere Application Server インスタンスとして構成されています。 プロセスでは JSP ファイル、サーブレット、および enterprise bean を実行できます。
作業負荷を平衡化し、可用性を高めるために、WebSphere Commerce Server プロセスが複数ある場合には、
複数の WebSphere Application Server インスタンスに複製することができます。
- システム管理
- WebSphere Commerce のシステム管理コンポーネントにより、
システムに対して信頼性、可用性、および保守容易性が与えられます。 WebSphere Commerce は、メッセージをログ記録して、
システム内の異常条件を管理者に通知します。 管理者は診断情報を使用することにより、エラーの原因を判断し、問題を修正することができます。 加えて、IBM HTTP Server、WebSphere Application Server、および DB2 ユニバーサル・データベースのすべては、
構成、モニター、およびチューニングを行うためのシステム管理ツールを提供しています。
- メッセージ・サービス
- メッセージ・サービスは、WebSphere Commerce からユーザーとシステムへメッセージを送信します。 これは、異なる通知タイプで、共通のメッセージ Application Programming Interface (API) を提供します。 サポートされるタイプには、マーチャントと顧客のブロードキャスト E メール、
および SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) サーバーを介したオーダーの通知が含まれます。 また、メッセージ・サービスは、MQSeries を介した非同期メッセージ送達 (別オーダー可能) も提供します。
- WebSphere Application Server
- WebSphere Application Server は、インターネットとイントラネットの Web アプリケーションを構築、展開、および管理するための、Java ベースのアプリケーション環境です。 また、WebSphere Application Server は JSP ファイルへのランタイム・サポートも提供します。
WebSphere Commerce サーバー・コンポーネントについて、
詳しくは WebSphere Commerce プログラマーズ・ガイド を参照してください。