データ・グリッドの最大容量の構成

集合内の各データ・グリッドの最大容量を定義できます。最大容量を構成すると、特定のデータ・グリッドで使用可能なデータ・ストレージの容量が制限されます。この容量限度により、確実に、集合の使用可能なストレージ容量が予測可能な形で使用されるようになります。

始める前に

このタスクについて

集合内の各データ・グリッドの最大容量限度の構成後、構成したデータ・グリッド容量限度をデータ・グリッド内の基本データの合計サイズと比較して 、容量限度を順守します。データ・グリッドと構成された容量限度とを比較する際には、データのレプリカ・コピーによって使用される容量は比較対象に含まれません。

最大容量限度とは、データ・グリッドに挿入可能なデータの最大容量です。この限度を構成しても、データ・グリッドに割り振られるスペース容量は保証されません。 したがって、集合にデータを格納できる十分な容量がない場合には、データ・グリッドで構成されている容量限度に達しないことがあります。 集合での容量不足の原因としては、データ・グリッドの高い容量限度、または集合内の他のデータ・グリッドに使用された容量の可能性があります。

特定のデータ・グリッドで容量限度を超えると、グリッドは次のいずれかの方法で挿入操作を処理します。
  • デフォルトでは、グリッドの限界容量を超えることが予想される挿入操作は拒否されます。クライアント・プロセスでは、挿入要求に対して例外を受け取ります。ただし読み取り操作、更新操作、および削除操作は、データ・グリッドの容量限度を超える場合でも正常に実行されます。これらの限られた操作では、データ・グリッドは最小機能レベルで稼働できますが、データ・グリッドのサイズが大きくなることが回避されます。
  • 単純データ・グリッドでのみ使用可能ですが、「このデータ・グリッドに最長未使用時間 (LRU) の除去を使用」オプションを選択することで、このデフォルトの動作をオーバーライドできます。このオプションを選択すると、最長未使用時間のデータ入力項目を削除することで、単純データ・グリッドへの新しい挿入が受け入れられ、容量限度が保持されます。最大容量をデータ・グリッドに設定しても再始動は必要ありませんが、単純グリッドで LRU オプションを選択した場合は、変更を有効にするためにグリッドが自動的に再始動されます。これは、単純グリッドで LRU オプションをオフにすることに決めた場合でも同様です。

手順

  1. ユーザー・インターフェース「データ・グリッド」 > data_grid_type > data_grid_name > 「拡張属性の表示」とクリックします。
  2. 「このデータ・グリッドの容量を制限する」を選択します。
  3. 単純データ・グリッドの最大容量を設定する際、グリッドが新規挿入操作を拒否するのではなく、最長未使用時間のデータ入力項目を犠牲にしてこれを受け入れるようにするには、「このデータ・グリッドに最長未使用時間 (LRU) の除去を使用」を選択します。「変更の適用」をクリックして保存します。再始動を完了するためにグリッド内のデータが失われる旨の警告が表示されます。
  4. 現在の使用容量を確認し、選択したデータ・グリッドに対して定義する最大容量を決定します。また、集合の合計容量を超えていないことも確認できます。
    MyGrid、すべての制限グリッド、すべての無制限グリッドのデータ使用容量を示す棒グラフ。
MyGrid の容量限度、すべての制限データ・グリッドの容量限度、および集合の合計容量が縦線でグラフ化されています。
    このグラフでは、構成する現行データ・グリッド (MyGrid) の現在の使用容量が 900 メガバイトです。このデータ・グリッドに対して現在構成されている容量限度は 2000 メガバイトです。集合のレベルでは、その集合の合計容量は 4000 メガバイトです。さらに、容量が制限されているデータ・グリッドの構成の容量限度の合計は 3400 メガバイトです。これらのグリッドの現在の使用容量は 2900 メガバイトです。最後に、この集合内で、容量限度が定義されていないデータ・グリッドが少なくとも 1 つ存在します。容量限度が未定義のこれらのデータ・グリッドによる使用容量は約 900 メガバイトです。
  5. 基本データの使用量限度の値を MB 単位で入力します。 Enter キーを押すと、基本データとレプリカ・データの最大使用可能容量が表示されます。この数値は、定義したレプリカの数に応じて変化します。ただし、レプリカの数は集合内のアプライアンスの数によって制限される点に注意してください。4 つのレプリカが定義されており、集合内に 3 つのアプライアンスがある場合、集合には 1 つの基本データと 2 つのレプリカが含まれます。
  6. 「変更の適用」をクリックして構成を保存します。新しい限度を有効にするためにデータ・グリッドを再始動する必要はありません。

容量限度の例: 複数データ・グリッド

集合内でデータ・グリッド A、B、および C が定義されており、合計ストレージ容量が 600 ギガバイトであるとします。どのデータ・グリッドでもレプリカは定義されていません。データ・グリッド A の容量限度は 100 ギガバイトです。データ・グリッド B の容量限度は 50 ギガバイトです。データ・グリッド C の容量限度は 200 ギガバイトです。このシナリオでは、集合内では常に 250 ギガバイト以上の未使用容量があることになります。3 つのデータ・グリッドの合計サイズが 350 ギガバイトを超えることはできません。

容量限度の例: レプリカ

2 つのアプライアンスが含まれている集合で、データ・グリッド A が定義されています。データ・グリッド A には、3 つのレプリカ (1 つの同期レプリカと 2 つの非同期レプリカ) があります。このグリッドの容量限度は 100 メガバイトとして定義されています。最初はこのグリッドの最大使用容量は 200 メガバイトです。この集合に含まれているアプライアンスが 2 つのみであるため、1 つの基本データと 1 つのレプリカ・コピーが存在します。基本データ・グリッドは 100 メガバイトまで使用できます。レプリカは基本データ・グリッドと同じ割合で増大するため、最大使用容量合計が 200 メガバイトになります。集合に 3 つ目のアプライアンスが追加されると、2 つ目のデータ・レプリカ・コピーが配置されます。グリッドの最大使用量は、1 つの基本データと 2 つのレプリカによって 300 メガバイトになります。

容量限度の例: 容量限度が未定義のデータ・グリッド

集合内でデータ・グリッド A、B、および C が定義されており、合計ストレージ容量が 600 ギガバイトであるとします。データ・グリッド A の容量限度は 100 ギガバイトです。データ・グリッド B の容量限度は 50 ギガバイトです。データ・グリッド C には容量限度が定義されていません。3 つのデータ・グリッドのいずれでもレプリカが定義されていません。データ・グリッド C には限度が定義されていないため、このデータ・グリッドによって、使用可能な容量全体 (600 ギガバイト) が使用される可能性があります。この場合、データ・グリッド A とデータ・グリッド B ではデータを挿入できなくなります。データ・グリッド A またはデータ・グリッド B で挿入されたデータはすべて保持されますが、これらのデータ・グリッドの容量限度に達することは保証されません。データ・グリッド C の最小使用可能容量として 450 ギガバイトが保証されます。これは、システムのその他のデータ・グリッドによる使用容量が、600 ギガバイトの容量のうち、これらのデータ・グリッドの容量限度合計である 150 ギガバイトを超えることがないためです。この 450 ギガバイトを算出する計算では、レプリカ・データによる使用容量が無視されています。 2 つ以上の無制限データ・グリッドが集合内にある場合、特定のデータ・グリッドの使用可能容量は保証されません。