アプライアンスをセッション管理の目的で使用できるように WebSphere® Application Server アプリケーションを構成するには、
新規アプリケーションのインストール時にアプライアンスを選択するか、アプライアンスが使用できるように既存のアプリケーションまたはサーバーの設定を更新する方法があります。
始める前に
WebSphere Application Server で構成を変更する前に、以下の情報が必要です。
- 構成する WebSphere Application Server セルに対するアクセス権限。
- アプライアンスの IP アドレスまたは完全修飾ホスト名。
- アプライアンスのユーザー・インターフェースにログインするために使用するユーザー ID とパスワード。
データ・グリッドを作成するには、データ・キャッシュ作成許可が必要です。
- WebSphere Application Server 構成に WebSphere eXtreme
Scale クライアントがインストールされていること。詳しくは、WebSphere eXtreme Scale クライアント のインストールを参照してください。
- アプライアンスの Transport Layer Security (TLS) が有効であるか、
クライアントが必ず Transport Layer Security (TLS) を使用するようにしたい場合
、WebSphere Application Server 管理コンソールでグローバル・セキュリティーが有効になっていること。詳しくは、Transport Layer Security (TLS) の構成を参照してください。
- セッション・トラッキング・メカニズムとして Cookie を使用するセッションのみを
データ・グリッドに保存できます。セッション・トラッキング・メカニズムとして URL 再書き込みを使用するセッションは、
保持できません。
手順
- アプリケーションのインストール時にセッション管理を構成するには、
以下の手順を完了します。
- WebSphere Application Server の管理コンソールで、
をクリックします。「詳細」パスを選択して
アプリケーションを作成し、初期のウィザード・ステップを完了します。
- ウィザードの「eXtreme Scale セッション管理設定」ステップで、
使用するデータ・グリッドを構成します。 「セッション・パーシスタンスの管理」フィールドで、WebSphere DataPower XC10 アプライアンスを選択します。
アプライアンス、および使用するアプライアンス上のデータ・グリッド (data grid)の情報を入力します。
新しいデータ・グリッド (data grid)を作成するか、既にアプライアンス上で構成済みの既存のデータ・グリッド (data grid)を使用することもできます。
アプライアンス上の既存のデータ・グリッド (data grid)内でセッションを保存する場合は、使用するデータ・グリッド (data grid)の名前を知っていなければなりません。しかし、アプリケーションの構成の際に、
アプライアンス上で新しいデータ・グリッド (data grid)を作成するオプションもあります。WebSphere Application Server 管理コンソールでアプリケーションを構成する前に、
セッション・データ・グリッド (data grid)を作成する場合は、
をクリックします。
「追加」アイコン (
) をクリックして、作成するセッション・データ・グリッドの名前を指定します。
データ・グリッドの名前では、文字 ^ . ¥¥ / , # $ @ : ; ¥ * ? <
> | = + & % [ ] " " は使用できません。
- ウィザードのステップを完了して、アプリケーションのインストールを終了します。
wsadmin スクリプトを使用して、アプリケーションをインストールすることもできます。
次の例では、-SessionManagement パラメーターにより、管理コンソールで
作成するものと同じ構成を作成できます。
AdminApp.install('C:/A.ear', '[ -nopreCompileJSPs -distributeApp
-nouseMetaDataFromBinary -nodeployejb -appname A -edition 8.0
-createMBeansForResources -noreloadEnabled -nodeployws -validateinstall
off -noprocessEmbeddedConfig -filepermission .*¥.dll=755#.*¥.so=755#.*¥.a=755#.*¥.sl=755
-buildVersion Unknown -noallowDispatchRemoteInclude -noallowServiceRemoteInclude
-asyncRequestDispatchType DISABLED -nouseAutoLink -SessionManagement [[true
XC10SessionManagement myXC10.ibm.com:!:username:!:password:!:AGrid80]]
-MapWebModToVH [[MicroWebApp microwebapp.war,WEB-INF/web.xml default_host] [MicroSipApp
microsipapp.war,WEB-INF/web.xml default_host] [MicroDG1App microdg1app.war,WEB-INF/web.xml
default_host] [MicroDG2App microdg2app.war,WEB-INF/web.xml default_host] [MicroSip2App
microsip2app.war,WEB-INF/web.xml default_host]]]')
- WebSphere Application Server の管理コンソールで既存のアプリケーション上に
セッション管理を構成する場合は以下を行います。
- WebSphere Application Server の管理コンソールで、
をクリックします。
- フィールドを更新して、データ・グリッドへのセッション・パーシスタンスを使用可能にします。
wsadmin スクリプトを使用して、アプリケーションを更新することもできます。
次の例では、-SessionManagement パラメーターにより
管理コンソールで作成するものと同じ構成を作成できます。
AdminApp.edit('A-edition9.0', '[ -SessionManagement [[true
XC10SessionManagement myXC10.ibm.com:!:username:!:password:!:AGrid80]]]')
渡される
:!: 文字は、区切り文字として使用されます。渡される値は次のとおりです。
applicationIdentifier:!:username:!:password:!:
gridName
変更を保存する場合、
アプリケーションはアプライアンス上のセッション・パーシスタンスに構成済みのデータ・グリッド (data grid)を使用します。
- 既存のサーバー上でセッション管理を構成するには、以下を行います。
- WebSphere Application Server の管理コンソールで、をクリックします。
- フィールドを更新して、セッション・パーシスタンスを使用可能にします。
また、以下の wsadmin ツール・コマンドで、既存のサーバーでのセッション管理を構成できます。
AdminTask.configureServerSessionManagement('[-nodeName my_node
-serverName server1 -enableSessionManagement true -sessionManagementType
XC10SessionManagement -XC10SessionManagement [-applianceIdentifier myserver.ibm.com
-userName -password ******** -gridName myTestGrid]]')
変更を保存すると、今後サーバーはサーバー上で稼働するすべてのアプリケーションでセッション・パーシスタンスの構成済み データ・グリッド (data grid)を使用します。
タスクの結果
データ・グリッド (data grid)へのセッションをパーシストするように HTTP セッション・マネージャーが構成されました。
セッションがタイムアウトになると、項目はデータ・グリッドから除去されます。
WebSphere Application Server 管理コンソールでのセッション・タイムアウト値の更新について詳しくは、
セッション管理設定を参照してください。
アプリケーション・セッション・データを
ホスティングしている全データ・グリッドに Web コンテナー・クライアントから到達できない場合、クライアントは、
代わりに
WebSphere Application Server の基本 Web コンテナーをセッション管理に使用します。
次のようなシナリオでは、データ・グリッドに到達できないことがあります。
- Web コンテナーとアプライアンス間にネットワーク上の問題がある。
- アプライアンス上のサーバー・プロセスが停止されている。
最長未使用時間セッションは、Web コンテナーのセッション・キャッシュから無効にされます。アプライアンス上のデータ・グリッドが使用可能になった場合、Web コンテナー・キャッシュから無効化されたセッションは、リモート・データ・グリッドからデータを取得して、データを新規セッションにロードすることができます。アプライアンス上のデータ・グリッド全体が使用不可の状態で、セッションがセッション・キャッシュから無効にされている場合、ユーザー・セッション・データは失われます。この問題があるため、負荷をかけられた状態でシステムを実行している場合は、実動データ・グリッド全体をシャットダウンしないでください。
注意:
このシナリオを構成すると、IBM WebSphere DataPower XC10 アプライアンスのセキュリティー資格情報が WebSphere Application Server 構成に自動的に保管されます。
初期構成後にデータ・グリッドの資格情報を変更した場合には、WebSphere Application Server には適切な資格情報が含まれなくなります。
eXtreme Scale セッション管理設定を再度適用することで、資格情報を再設定できます。
次のタスク
- データ・グリッドへのデータの送信を開始する前に、セキュリティーを構成します。
詳しくは、データ・グリッドの保護を参照してください。
- レプリカを構成します。レプリカにより、基本コピーで障害が発生した場合にもデータ・グリッドのデータが使用可能になります。レプリカを構成するには、をクリックします。アプライアンスが集合内にある場合にのみ、レプリカが作成されます。集合内のアプライアンスの数が n の場合、レプリカの最大数は n-1 になります。したがって、3 つのレプリカを構成するが、集合内にあるアプライアンスが 2 つのみである場合、作成されるレプリカは 1 つのみです。集合にアプライアンスを追加すると、追加のレプリカが作成されます。アプライアンスが集合に追加されたときに新規レプリカを作成できるようにするため、レプリカの数を適切な数に設定してください。レプリカの数を編集すると、データ・グリッドの内容が消去されます。
- データ・グリッドの容量限度を構成します。
データ・グリッドの容量限度の構成により、集合のストレージ容量が予測可能な形で使用されることを確実にできます。
詳しくは、データ・グリッドの最大容量の構成を参照してください。
- DataPower XC10
アプライアンス ユーザー・インターフェース でセッション・データ・グリッド (data grid)をモニターできます。詳しくは、ユーザー・インターフェースでのデータ・グリッドのモニターを参照してください。