IBM WebSphere DataPower XC10 アプライアンス の初期設定および構成

DataPower® XC10 アプライアンス ハードウェアを取り付け、接続すると、アプライアンスを初期設定および 構成する準備は完了します。

始める前に

初期構成を実行するには、シリアル接続を使用する必要があります。ASCII 端末、または端末エミュレーション・ソフトウェアを実行している PC を、アプライアンスのシリアル・ポートにシリアル接続する必要があります。シリアル・コンソールとして PC を使用している場合は、Windows 用または Linux 用の PC ベースのシリアル通信プログラムを使用する必要があります。 VT100 スタイルのコンソールなどの専用ハードウェア・デバイス、または ハイパーターミナルや Minicom などのエミュレーターが稼働する PC が使用できます。提供されたシリアル・ケーブルまたは PL-2303 USB シリアル・ケーブルを使用して、アプライアンスに接続します。
重要: PL-2303 USB シリアル・ケーブルを使用する場合は、先に進む前に、ケーブル用のドライバーをダウンロードしてインストールする必要があります。

基本構成を定義する前に、以下の情報を確認してください。

このタスクについて

初めて DataPower XC10 アプライアンス の初期設定を行うには、このタスクを使用します。 アプライアンスに初めてサインオンする手順は、2 回目以降のサインオン手順と若干異なります。
注意:
  1. xcadminパスワードxcadmin ユーザー ID および パスワードの保存に関する重要な情報を参照してください。
  2. アプライアンスのケースは開けないでください。ケースを開けると、セキュリティー障害が発生したとみなされ、アプライアンスは作動しなくなります。 アプライアンスを復元するには、device clear-intrusion コマンドを実行する必要があります。
  3. アプライアンスに付属されていたシリアル・ケーブルを紛失しないでください。 アプライアンスの初期セットアップにこのケーブルは必要ですが、問題判別のために後から必要になることもあります。このケーブルは、このアプライアンスで機能することを目的として特別に設計されました。 他のシリアル・ケーブルでは、このアプライアンスで機能しない場合があります。

初期の基本ファームウェア構成を実行してください。 この構成は、WebSphere® DataPower XC10 アプライアンス をユーザー環境に追加する最小構成です。

手順

  1. アプライアンスを初期設定します。 以下の手順に従ってください。
    1. アプライアンスに同梱されているシリアル・ケーブルまたは USB シリアル・ケーブルを使用して、シリアル・コンソールをアプライアンスに接続します。 アプライアンスのメッセージを始動時に表示するには、デバイスの前にある CONSOLE コネクターにケーブルを接続し、 ASCII 端末または端末エミュレーション・ソフトウェアを実行している PC を実行している必要があります。 9600 ボー 8N1 (キャラクター長 8 ビット、パリティーなし、1 ストップ・ビット)、およびフロー制御なしで、エミュレーション・ソフトウェアを構成します。 シリアル・コンソールに推奨される端末エミュレーションは、VT100 です。
    2. アプライアンスの電源がオンになっていることを確認してください。 アプライアンスの電源がオンになっていない場合は、電源ボタンを切り替えてください。電源ボタンは、アプライアンスの正面にあります。アプライアンスのブートには数秒かかります。アプライアンスの電源をオンにすると、以下の状態になります。
      • アプライアンス正面の緑色の電源 LED ライトが点灯し、ファンが起動します。
      • シリアル・コンソールにログイン・プロンプトが表示されます。 初期アプライアンス構成では、ユーザー ID とデフォルト・パスワード xcadmin/xcadmin を使用してログインします。
    3. WebSphere DataPower XC10 アプライアンス 使用許諾契約書に同意します。 先に進む前に、初回の場合はライセンスに同意する必要があります。 各ライセンス・プロンプトで、「Accept」、「Reject」、または「StartOver」と入力します。
    4. MGMT イーサネット・ポートを構成します。 クラスレス・ドメイン間ルーティング (CIDR) 形式で IP アドレスを指定します。
    5. MGMT イーサネット・ポートのデフォルト・ゲートウェイを構成します。
    6. データ・グリッドのイーサネット・ポートを構成します。 使用するポートがすべて 1 ギガビット・ポートであるか、またはすべて 10 ギガビット・ポートであるかを指定します。適用可能なポートの CIDR アドレスを構成します。
    7. ドメイン・ネーム・システム (DNS) サーバーを構成します。 DNS サーバーの有効な IP アドレスを指定します。
  2. アプライアンス・ファームウェアを更新します。 WebSphere DataPower XC10 アプライアンスのファームウェアをダウンロードまたは更新するには、 アプライアンス管理許可が必要です。 ファームウェア更新を取得するために、アプライアンスを外部インターネットに接続する必要はありません。 ファームウェアのダウンロードまたは更新について詳しくは、『ファームウェアの更新』を参照して ください。
  3. 新規アプライアンスにファームウェアをはじめてインストールする場合には、 アプライアンスで clear-all コマンドを実行する必要があります。 ファームウェア更新からの再始動が終了した後に、以下の手順を完了します。
    1. xcadmin ユーザーを使用して、アプライアンスとの接続を確立します。 詳しくは、コマンド行インターフェースを使用したアプライアンスでの操作の実行を参照してください。
    2. clear-all コマンドを実行します。
      Console> clear-all
      Force Stopped all XC-10 processes
      Deleting configuration data and logs
      Deleting grid data
      注意:
      clear-all コマンドを実行する前に、他のコマンドを実行しないでください。 他のコマンドを実行すると、アプライアンス構成で問題が生じる可能性があります。
    3. clear-all コマンドの実行後に、 start-progress コマンドを使用して、再始動の完了パーセントをモニターできます。 start-progress コマンドにより 応答「STARTED」が表示されたら、ユーザー・インターフェース にログインできます。
      注意:
      clear-all コマンドの実行中に、他のコマンドを実行しないでください。 start-progress コマンドを使用して進行をモニターするだけにしてください。
  4. 構成を保護するために、xcadmin ユーザーのパスワードを変更します。 デフォルト・パスワードは xcadmin です。 以下のコマンドでパスワードを変更できます。
    user password <old_password> <new_password>
  5. 構成を検証します。 Web ブラウザーのユーザー・インターフェースを使用して、構成を検証します。
    重要: 検証手順では、イーサネット・インターフェースのホスト名を myXC10.ibm.com と想定しています。

    ブラウザーから ユーザー・インターフェースにアクセスするには、 以下の手順を使用します。

    1. Web ブラウザーを開きます。 ネットワークに接続された PC で、Web ブラウザーを開きます。
    2. URL を入力します。 アドレス・バーに、デバイスの初期設定時に定義した URL を入力します。 例えば、https://myXC10.ibm.com と入力します。
      注: http ではなく https プロトコルを使用してください。
    3. アプライアンスにログオンします。 ローカルの XCADMIN のアカウントおよびパスワードを使用して、アプライアンスにログオンします。 入力したパスワードは平文のため、表示されません。
    4. 「ログイン」をクリックします。

      「ようこそ」ページが表示されたら、ローカル XCADMIN アカウントの認証は成功です。

  6. 構成を完了します。

タスクの結果

以上で、WebSphere DataPower XC10 アプライアンス の初期設定は完了です。

次のタスク

ユーザー・インターフェースでアプライアンス設定を構成します。 これらの設定には、ユーザーとユーザー・グループ、セキュリティー、E メール送達、ドメイン・ネーム・システム (DNS) サーバー、および日時の各設定が含まれます。詳しくは、アプライアンスの構成を参照してください。