IBM® WebSphere® DataPower® XC10 アプライアンス ソフトウェアのアップグレードは、ファームウェア更新を使用して行うことができます。
Fix Central Web サイトから新しいファームウェア・バージョンをダウンロードして、アプライアンス・ソフトウェアを更新します。
始める前に
以下の手順を実行するには、アプライアンス管理権限が割り当てられている必要があります。
ファームウェア更新プロセスを開始する前に、すべてのアクティブ・ジョブが完了していることを確認してください。
ファームウェア更新プロセスによって、実行中のアクティブ・ジョブが中断されます。
これにより、データの不整合が発生する可能性があります。更新処理を開始する前に、この動作に備えて計画を立てておいてください。
このタスクについて
IBM から新しいファームウェアの更新をダウンロードし、
アプライアンスを新しいファームウェアで更新することによって、アプライアンスのファームウェアの更新を行うことができます。ユーザー・インターフェース、またはコマンド行でファームウェア更新を実行することができます。
重要: アプライアンスが集合内にある場合、
集合内のあるアプライアンスでファームウェア・アップグレード・プロセスを
完了してから、別のアプライアンスでプロセスを開始する必要があります。集合内の複数のアプライアンスで同時にファームウェアを更新しようとすると、
データ損失が生じる可能性があります。
重要: 9235-92X または 7199-92X アプライアンス・タイプをバージョン 2.0.0.x ファームウェアでアップグレードした後は、バージョン 1.0 ファームウェアにロールバックすることはできません。バージョン 2.0.0.x 間または、ファームウェア・レベルのロールバックおよびアップグレードは制約なく可能です。
手順
- ファームウェア・アップグレードをダウンロードします。
IBM Fix Central にナビゲートして、ファームウェア更新を
ローカル・ファイル・システムにダウンロードします。
「Fix Central」ページの
「製品グループ」で
「WebSphere」を選択し、製品リストから「
WebSphere DataPower XC10 アプライアンス」を選択します。 ご使用のアプライアンス・ハードウェアのタイプに適したファームウェア・アップグレードをダウンロードします。
- アプライアンス・タイプ 9235-92X のアプライアンス・ファームウェアの更新は、.scrypt2 という拡張子の付いた単一のファイルになります。
- アプライアンス・タイプ 7199-92X のアプライアンス・ファームウェアの更新は、.scrypt3 という拡張子の付いた単一のファイルになります。
この
scrypt ファイルには、実行する更新の保全性を保証するために署名が付けられています。
ファームウェア・アップグレードの実行に
ユーザー・インターフェース を使用している場合は、
ユーザー・インターフェース へのアクセスに使用するコンピューターに、このファイルを保存します。
ファームウェア・アップグレードの実行にコマンド行インターフェースを使用している場合、アプライアンスからアクセス可能なサーバーにこのファイルを保存します。
- ユーザー・インターフェースでファームウェア更新を実行するには、以下を行います。
- ユーザー・インターフェースにログオンします。
- 「設定」パネルにナビゲートします。
- WebSphere DataPower XC10 アプライアンス ユーザー・インターフェース上部のメニュー・バーで、
にナビゲートします。
- 「ホーム」パネルで、「ステップ 1: アプライアンスのセットアップ」セクションにある「設定のカスタマイズ」リンクをクリックします。
- 「ファームウェア」を展開します。 このセクションには、現在アプライアンス上にインストールされているファームウェア・レベルが表示されます。
- 新しいファームウェア更新をインストールします。
- 「参照...」をクリックして、新しいファームウェア更新ファイル用のファイル・システムにナビゲートします。
- 新しいファームウェア更新ファイルを選択して、「OK」をクリックします。
- 「アップグレード」をクリックします。ファームウェア更新のアップロードに要する時間は、接続速度によって異なります。
アップロードが完了し、ファームウェア更新が開始されると、メッセージが表示されます。
更新が開始されると、アプライアンスが再始動します。
ユーザー・インターフェースでは、画面に進行状況は示されず、
変更も表示されません。
変更が表示されないのは、アプライアンスの再始動時にはセッションが終了し、
アップグレード・プロセス中にユーザー・インターフェースが使用できないためです。
重要: アプライアンスは、ファームウェア・アップグレードのプロセス中に数回再始動します。
ファームウェア・アップグレード中に、プロセスを中断したり手動でアプライアンスを再始動したりしないでください。
ファームウェア更新が完了したことを確認するには、更新が完了したと予想される頃に、もう一度ログインする必要があります。
実際のファームウェア更新には、開始後、平均して 10 分から 15 分ほどかかりますが、これより長くかかる場合もあります。ファームウェア更新の進行をモニターするには、コマンド行インターフェースで
start-progress コマンドを使用してください。
- コマンド行インターフェースでファームウェア更新を実行するには、以下を行います。
- コマンド行を使用して、またはシリアル・コンソールからアプライアンスに接続します。 詳しくは、コマンド行インターフェースを使用したアプライアンスでの操作の実行を参照してください。
- .scrypt ファイルをアプライアンスに置きます。 コマンド行インターフェースから、次のコマンドを実行します。
file get <url_to_scrypt_file> <firmware_file>
ここで、url_to_scrypt_file は Fix Central から
.scrypt ファイルを保存したローカル・サーバーで、firmware_file はアプライアンスで使用する .scrypt ファイルの名前です。
- ファームウェア更新をインストールします。 以下のコマンドを実行します。
firmware upgrade <firmware_file>
重要: ファームウェア・アップグレードのプロセス中、アプライアンスは数回再始動します。ファームウェア・アップグレード中に、プロセスを中断したり手動でアプライアンスを再始動したりしないでください。
- start-progress コマンドを実行して、アプライアンスの始動の
進行をモニターします。 このコマンドが STARTED を返すと、ファームウェア・アップグレードは
完了しています。
タスクの結果
アプライアンスには更新されたファームウェアのバージョンがあります。ファームウェアのアップグレードが正常に行われたことを確認するために、パネルの「ファームウェア」セクションで現行ファームウェア・レベルを確認できます。
このパネルには、アプライアンス・モデル・タイプとアプライアンスのシリアル番号も表示されます。 集合内の他のアプライアンスに対して、この手順を繰り返します。
次のタスク
新しいアプライアンスに初めてファームウェアをインストールする場合は、ファームウェア更新が完了してから
clear-all コマンドをアプライアンスで実行してください。 ファームウェア更新後のこのコマンドの実行について詳しくは、『
IBM WebSphere DataPower XC10 アプライアンス の初期設定および構成』を参照してください。