IBM® WebSphere® DataPower® XC10 アプライアンス を使用して、
ご使用の WebSphere Application Server 動的キャッシュからのデータを保管できます。
この機能をセットアップすることにより、動的キャッシュ API を使用して作成されたアプリケーションや、サーブレットのようなコンテナー・レベル・キャッシングを使用するアプリケーションを使用可能にして、アプライアンスのフィーチャーおよびパフォーマンス機能を使用できます。
このタスクについて
WebSphere Application Server 内の動的キャッシュ・プロバイダーを構成して
DataPower XC10
アプライアンス を使用する場合、キャッシュ・データは
WebSphere Application Server のトポロジーの外に保管されます。
キャッシュ・データはすべてアプライアンス内に保管されます。ご使用のアプリケーション・サーバー内でキャッシングに使用される
メモリーを他の目的のためにも使用できます。
手順
- WebSphere Application Server 内のアプライアンスで実行しているカタログ・サービスを指定します。 カタログ・サービスにより、WebSphere Application Server 動的キャッシュ構成で DataPower XC10
アプライアンスと通信できます。
カタログ・サービス・ドメインを作成することで、WebSphere Application Server 管理コンソールでカタログ・サービスを構成できます。
詳しくは、WebSphere Application Server でのカタログ・サービス・ドメインの作成を参照してください。
- DataPower XC10
アプライアンス上にデータ・グリッドを作成して、必要なセキュリティー設定を構成します。 dynaCfgToAppliance スクリプトを実行することも、構成を手動で作成することもできます。
- dynaCfgToAppliance スクリプトを使用したデータ・グリッド構成の作成:
- このスクリプトは、WebSphere eXtreme
Scale クライアントのインストール時にデプロイメント・マネージャー・プロファイルの bin ディレクトリーにインストールされます。
このスクリプトを実行する前に、アプライアンスとデプロイメント・マネージャーの両方が稼働中であることを
確認してください。
dynaCfgToAppliance <IP_address> <cache_name> <appliance_admin> <admin_pw> <SOAP_port> <sas.client.props>
- IP_address
- 動的キャッシュ・データを保管する DataPower XC10
アプライアンスの IP アドレスを指定します。
- cache_name
- 動的キャッシュの JNDI 名を指定します。動的キャッシュの JNDI 名の中にスラッシュ (/) があると
、DataPower XC10
アプライアンスのデータ・グリッドの名前では、そのスラッシュはダッシュに変換されます。例えば、
動的キャッシュ名が services/cache1 であれば、アプライアンスで作成されたデータ・グリッドは
、services-cache1 という名前になります。
DataPower XC10
アプライアンスでは、データ・グリッドの名前の中に ^ . ¥¥ / , # $ @ : ; ¥ * ? <
> | = + & % [ ] " " 文字は使用できません。
- appliance_admin
- DataPower XC10
アプライアンス の ユーザー・インターフェース にログインするための管理者 ID を指定します。
- admin_pw
- DataPower XC10
アプライアンス のユーザー・インターフェースにログインするための管理者パスワードを指定します。
- SOAP_port
- (オプション) デフォルトの 8879 以外のポート番号を使用する場合は、デプロイメント・マネージャーの SOAP ポートを指定します。
- soap.client.props
- (オプション) soap.client.props ファイルのパスを指定します。
WebSphere Application Server でセキュリティーを有効にした場合は、このファイルを指定する必要があります。このファイルは SOAP セキュリティーを
有効にし、WebSphere Application Server デプロイメント・マネージャーを管理するためのユーザー名とパスワードを指定します。
com.ibm.SOAP.securityEnabled=true
com.ibm.SOAP.loginUserid=
com.ibm.SOAP.loginPassword=
soap.client.props ファイルについて詳しくは、
SOAP コネクターおよびプロセス間通信コネクターのプロパティー・ファイル (SOAP connector and Inter-Process Communications connector
properties files) を参照してください。
このスクリプトは、アプライアンス上にデータ・グリッドを作成します。また、スクリプトは、
appliance_admin パラメーターおよび admin_pw パラメーターで指定した DataPower XC10
アプライアンス固有の ID およびパスワードの資格情報を
以下のカスタム・プロパティーを使用して設定します。- xc10.<data_grid_name>.userid
- xc10.<data_grid_name>.password
これらのプロパティー名はケース・センシティブではありません。パスワードの値はエンコードされます。初期構成後にスクリプトを再実行すると、
カスタム・プロパティーが更新されます。
- データ・グリッド構成の手動作成:
- DataPower XC10
アプライアンスのユーザー・インターフェースで動的キャッシュ・データ・グリッドを作成します。
をクリックします。
キャッシュの名前は、WebSphere Application Server 構成の動的キャッシュの JNDI 名と一致している必要があります。JNDI 名を入力する際
、DataPower XC10
アプライアンスのデータ・グリッドの名前で、スラッシュはすべて (/) ダッシュに置換します。例えば、
動的キャッシュ名が services/cache1 であれば、名前を services-cache1 として入力します。
- WebSphere Application Server セルで、xc10.<data_grid_name>.userid
および xc10.<data_grid_name>.password の各カスタム・プロパティーを作成します。
各カスタム・プロパティーの <data_grid_name> の値は、
スラッシュ (/) がダッシュと置き換えられた、データ・グリッドの JNDI 名です。例えば、
前の例で、カスタム・プロパティー名は xc10.services-cache1.userid と xc10.services-cache1.password です。
値は、DataPower XC10
アプライアンス構成内のデータ・グリッドにアクセスできるユーザー ID とパスワードに設定する必要があります。
encodePassword スクリプト (デプロイメント・マネージャーの bin ディレクトリーにあります) を使用して、パスワードをエンコードできます。
- ご使用のバージョンの WebSphere Application Server の構成を完了します。 DataPower XC10
アプライアンスで構成するキャッシュ・インスタンスを作成します。
このキャッシュ・インスタンスの名前は、dynaCfgToAppliance スクリプトの cache_name パラメーターに指定した値と同じである必要があります。
また、baseCache インスタンスを構成することもできます。
ただし、baseCache インスタンスを使用する場合には、Java 仮想マシン (JVM) で以下のカスタム・プロパティーを作成する必要があります。
baseCache インスタンスを構成した場合には、JVM のすべてのキャッシュ・インスタンスにもプロパティーが設定されます。
個々のキャッシュ・インスタンスでカスタム・プロパティーを作成することで、baseCache カスタム・プロパティーの値をオーバーライドできます。
キャッシュ・インスタンスの作成の詳細については、以下のリンクを参照してください。
WebSphere Application Server 管理コンソールでキャッシュ・インスタンスにカスタム・プロパティーを作成するには、
をクリックします。
WebSphere Application Server バージョン 7.0 の場合:
- DataPower XC10
アプライアンスを動的キャッシュ・プロバイダーとして使用可能にします。
管理コンソールで、WebSphere eXtreme
Scale 動的キャッシュ・プロバイダーを選択します。
詳細については、
動的キャッシュ・サービスの設定を参照してください。
- キャッシュの複製設定を構成します。
キャッシュ複製は WebSphere Application Server バージョン
7.0 の管理コンソールで有効に設定できます。詳細については、
キャッシュ複製の構成を参照してください。
- 変更するキャッシュ・インスタンスでトポロジー・カスタム・プロパティーを設定します。 カスタム・プロパティー名を com.ibm.websphere.xs.dynacache.topology、またカスタム・プロパティー値を remote と指定します。
WebSphere Application Server バージョン 6.1 の場合:
- DataPower XC10
アプライアンスを動的キャッシュ・プロバイダーとして使用可能にします。
キャッシュ・インスタンスで com.ibm.ws.cache.CacheConfig.cacheProviderName カスタム・プロパティーを設定することで、キャッシュ・インスタンスの動的キャッシュ・プロバイダーを構成します。
DataPower XC10
アプライアンス を使用するようにプロバイダーを設定するには、値を com.ibm.ws.objectgrid.dynacache.CacheProviderImpl に設定します。
特定のキャッシュ・インスタンスで、デフォルトの WebSphere Application Server 動的キャッシュ・プロバイダーにプロバイダーの設定を戻す場合には、
カスタム・プロパティーの名前を default に設定します。
DataPower XC10
アプライアンスのキャッシュ・プロバイダーを使用するように baseCache を構成し、
他のキャッシュ・インスタンスでデフォルトのキャッシュ・プロバイダーを使用する場合には、
それらのキャッシュ・インスタンスでプロパティーを default に設定する必要が生じることがあります。
- キャッシュの複製設定を構成します。
また、複製ドメインを作成する必要もあります。
複製ドメインは、管理コンソールまたはカスタム・プロパティーで構成できます。
- 管理コンソール: 詳細については、
マルチブローカー複製ドメインによるデータの複製を参照してください。
- カスタム・プロパティー: キャッシュ・インスタンスで com.ibm.ws.cache.CacheConfig.enableCacheReplication カスタム・プロパティーを使用して、
複製ドメインが割り当てられていなくても、複製されたキャッシュであると報告するようにキャッシュを強制することもできます。
カスタム・プロパティー名を com.ibm.ws.cache.CacheConfig.enableCacheReplication、カスタム・プロパティー値を true として指定します。
- 変更するキャッシュ・インスタンスでトポロジー・カスタム・プロパティーを設定します。 カスタム・プロパティー名を com.ibm.websphere.xs.dynacache.topology、またカスタム・プロパティー値を remote と指定します。
タスクの結果
動的キャッシュ・サービスでアプライアンスをキャッシュ・プロバイダーとして使用するように構成することで、アプリケーション・サーバーが使用するメモリーが減少します。
すべてのキャッシュ・データがアプライアンスにオフロードされ、アプリケーション・サーバーのメモリーにはもう保管されません。
次のタスク
- データ・グリッドへのデータの送信を開始する前に、セキュリティーを構成します。
詳しくは、データ・グリッドの保護を参照してください。
- DataPower XC10
アプライアンス ユーザー・インターフェース 内の動的キャッシュデータ・グリッドはモニターできます。詳しくは、データ・グリッドのモニターを参照してください。