Installation Manager の応答ファイルを使用して、IBM® i オペレーティング・システムに WebSphere® Application Server Liberty をインストールすることができます。
始める前に
この手順を使用する前に、インストールの準備をします。詳しくは、『IBM i でのインストールのためのオペレーティング・システムの準備』を参照してください。

ローカル・ディレクトリー・ベースのリポジトリー、または
Liberty Asset Repository Service のインスタンスから Liberty アセットをインストールする場合は、リポジトリーを構成します。
Liberty アセット・リポジトリーについて詳しくは、
『Installation Manager を使用したアセットのインストール』を参照してください。
WebSphere
Application Server をインストールする前に、ユーザー・プロファイルが
*ALLOBJ および *SECADM 特殊権限があることを確認します。
製品をインストールするシステムに、Installation Manager をインストールします。
バージョン 8.5.5.4 以降の Liberty プロファイルをインストールするには、IBM Installation Manager バージョン 1.6.2 以降が必要です。
- この製品に付属している Installation Manager を使用する場合は、以下のアクションを実行します。
- 必要なファイルを取得します。
Installation Manager と製品の取得およびインストールには、以下の 3 つの基本的なオプションがあります。
注: パスポート・アドバンテージの ID とパスワードを保有していない場合は、メディアまたはローカル・リポジトリー上の製品リポジトリーから製品をインストールする必要があります。
- Installation Manager をインストールします。
- *ALLOBJ および *SECADM 特殊権限のあるユーザー・プロファイルを使用して、IBM i システムにサインオンします。
- CL コマンド行で STRQSH コマンドを
実行して、Qshell コマンド・シェルを開始します。
- umask が 022 に設定されていることを確認します。
umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
umask
umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
umask 022
- Installation Manager ファイルを解凍した一時ディレクトリーに移動します。
- 一時フォルダーで、次のコマンドを実行します。
installc -acceptLicense -log log_file_path_and_name
- あるバージョンの Installation Manager が既にシステムにインストールされており、それを使用して製品のインストールおよび保守を行う場合は、必要な製品ファイルを取得してください。
製品のインストールには、以下の 3 つの基本的なオプションがあります。
注: パスポート・アドバンテージの ID とパスワードを保有していない場合は、メディアまたはローカル・リポジトリー上の製品リポジトリーから製品をインストールする必要があります。
手順
- オプション: リポジトリーにユーザー名とパスワードが必要な場合は、このリポジトリーにアクセスするためのクレデンシャル・ストレージ・ファイルを作成します。
ヒント: クレデンシャル・ストレージ・ファイルを作成するときに、指定されたリポジトリーの URL を imutilsc コマンドで検出できない場合には、リポジトリーの URL のロケーションの末尾に /repository.config を追加します。
注: Installation Manager バージョン 1.6.2 以降では、
-secureStorageFile および
-masterPasswordFile オプションを使用して、クレデンシャル・ストレージ・ファイルにクレデンシャルを保管する必要があります。Installation Manager バージョン 1.6.2 より前のバージョンでは、
-keyring および
-password オプションを使用して、鍵リング・ファイルのクレデンシャルにアクセスしていました。これらのオプションは、バージョン 1.6.2 で非推奨となりました。ファイル構造が異なるため、鍵リング・ファイルからストレージ・ファイルへのマイグレーション・パスはありません。
-secureStorageFile および
-masterPasswordFile オプションを使用してクレデンシャル・ストレージ・ファイルにクレデンシャルを保管する方法については、
Installation Manager バージョン 1.6 インフォメーション・センターを参照してください。
-keyring および
-password オプションを使用して鍵リング・ファイルにクレデンシャルを保管する方法について詳しくは、
Installation Manager バージョン 1.5 インフォメーション・センターを参照してください。
- *ALLOBJ および *SECADM 特殊権限のあるユーザー・プロファイルを使用して、IBM i システムにサインオンします。
- CL コマンド行で STRQSH コマンドを
実行して、Qshell コマンド・シェルを開始します。
- umask が 022 に設定されていることを確認します。
umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
umask
umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
umask 022
- 応答ファイルを使用して、この製品をインストールします。
Installation Manager をインストールしたディレクトリーの
eclipse/tools サブディレクトリーに移動して、この製品をインストールします。以下に例を示します。
./imcl -acceptLicense
input $HOME/WASFiles/temp/install_response_file.xml
-log $HOME/WASFiles/temp/install_log.xml
-secureStorageFile $HOME/WASFiles/temp/credential.store -masterPasswordFile $HOME/WASFiles/master_password_file.txt
注: - 関連する使用許諾条件、注意事項、およびお知らせは、このオファリングのインストール・イメージまたはリポジトリーの lafiles または product_name/lafiles サブディレクトリーにある使用許諾契約書のファイルで提供されています。
- IBM i システムにおける Installation Manager ファイルのデフォルトのインストール・ロケーションは /QIBM/ProdData/InstallationManager です。
- プログラムが重要なポストインストール指示を標準出力に書き込むことがあります。
詳しくは、IBM Installation Manager インフォメーション・センターを参照してください。
例
以下は、
http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.v85 にある Web ベースのリポジトリーを使用して
/QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V85/LibertyCore ディレクトリーに、オプション・フィーチャーなしで製品をインストールする場合の応答ファイルの例です。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<agent-input>
<server>
<repository location='http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.v85'/>
</server>
<profile id='WebSphere Liberty V8.5' installLocation='/QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V85/LibertyCore'>
<data key='was.install.os400.profile.location' value='/QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V85/LibertyCore'/>
<data key='user.import.profile' value='false'/>
</profile>
<install modify='false'>
<offering profile='WebSphere Liberty V8.5'
features='' id='com.ibm.websphere.liberty.v85'/>
</install>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.eclipseCache'
value='/QIBM/UserData/InstallationManager/IMShared'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.connectTimeout' value='30'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.readTimeout' value='30'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.downloadAutoRetryCount' value='0'/>
<preference name='offering.service.repositories.areUsed' value='true'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.ssl.nonsecureMode' value='false'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.http.disablePreemptiveAuthentication' value='false'/>
<preference name='http.ntlm.auth.kind' value='NTLM'/>
<preference name='http.ntlm.auth.enableIntegrated.win32' value='true'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.preserveDownloadedArtifacts' value='true'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.keepFetchedFiles' value='false'/>
<preference name='PassportAdvantageIsEnabled' value='false'/>
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.searchForUpdates' value='false'/>
</agent-input>
ヒント: - リポジトリーのロケーションが Web ベースの製品リポジトリーまたはローカルの製品リポジトリーをポイントしていることを確認してください。
以下に例を示します。
<repository location='https://downloads.mycorp.com:8080/WAS_85_repository'/>
- この例の以下に示す行は、IBM i のプロファイル・ロケーションのデフォルト値を指定します。
<data key='was.install.os400.profile.location' value='/QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V85/LibertyCore'/>
このデフォルトのロケーションをオーバーライドするには、別のロケーションを指定します。
- この例の以下に示す行は、IBM i の共有リソース・ディレクトリーのデフォルト値を指定します。
<preference name='com.ibm.cic.common.core.preferences.eclipseCache' value='/QIBM/UserData/InstallationManager/IMShared'/>
このデフォルトのロケーションをオーバーライドするには、別のロケーションを指定します。
注: Installation Manager の共有リソース・ディレクトリーは 1 つのみです。
既にシステムにインストールが存在している場合は、その共有リソース・ディレクトリーが使用され、応答ファイルに指定されたものは使用されません。
- 応答ファイルで更新のリモート検索を使用不可にするには、次の設定を
false に設定します。
以下に例を示します。
<preference value='false' name='offering.service.repositories.areUsed'/>
<preference value='false' name='com.ibm.cic.common.core.preferences.searchForUpdates'/>
サイレント設定鍵について詳しくは、IBM Installation Manager インフォメーション・センターを参照してください。
- オファリングの複数のインスタンスをインストールする場合、各追加インスタンスのプロファイル ID を固有のものにする必要があります。
以下に例を示します。
<offering profile='WebSphere Liberty V8.5 - Another User's WAS Liberty CORE'
features='' id='com.ibm.websphere.liberty.v85'/>
これは、応答ファイル内でプロファイル ID を指定する 2 カ所共で変更する必要があります。
以下に、代替アクションを実行するようにこの応答ファイルを操作する際の、変更例を示します。
- インストールのロケーションを変更するには、単にインストール・ロケーションを変更します。
以下に例を示します。
以下の部分を、
<profile id='WebSphere Liberty V8.5' installLocation='/QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V85/LibertyCore'>
以下に置き換えます。
<profile id='WebSphere Liberty V8.5' installLocation='/home/user/IBM/Websphere/AppServer/V85/Server'>
- ライブ・リモート・リポジトリーではなくローカル・リポジトリーからインストールするには、リポジトリー・ロケーションを置き換えます。以下に例を示します。
以下の部分を、
<repository location='http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.v85'/>
以下に置き換えます。
<repository location='/home/user/repositories/WAS85/local-repositories'/>
- オプション・フィーチャーを追加するには、オファリング内の目的の各フィーチャーをコンマ区切りリストの項目として追加します。
次のリストでは、
応答ファイル内で使用されるオファリング ID は括弧で囲まれています。
- 組み込み可能 EJB コンテナーと JPA クライアント (embeddablecontainer)
このオプションは、組み込み可能 EJB コンテナーと JPA クライアントをインストールします。
組み込み可能 EJB コンテナーは、スタンドアロンの Java™ Platform Standard Edition
(SE) 環境でエンタープライズ Bean を実行するのに使用できる Java Archive
(JAR) ファイルです。この組み込み可能コンテナーを使用して、アプリケーション・サーバーの外部でエンタープライズ Bean を実行できます。組み込み可能 EJB コンテナーは、EJB 3.1 仕様の一部であり、主に単体テストのエンタープライズ Bean のビジネス・ロジックに使用されます。
組み込み可能 EJB コンテナーと共に JPA クライアントを使用すると、Java SE 環境で Java Persistence API 機能を使用できるようになります。
注: - フィーチャーを指定しない場合は、デフォルトのフィーチャー (embeddablecontainer) がインストールされます。
例えば、組み込み可能 EJB コンテナーをインストールするには次のようにします。以下の部分を、
<offering profile='WebSphere Liberty V8.5'
features='' id='com.ibm.websphere.liberty.v85'/>
以下に置き換えます。
<offering profile='WebSphere Liberty V8.5'
features='embeddablecontainer' id='com.ibm.websphere.liberty.v85'/>

Liberty Repository からインストールする追加のアセットを指定することができます。
Liberty Repository アセットのリストについては、WASdev.net のダウンロード・ページを参照してください。Liberty Repository アセットをインストールするには、インターネットへのアクセスと IBM Installation Manager バージョン 1.6.2 以降が必要です。Installation Manager の以前のバージョンには、Liberty Repository アセットをインストールするオプションがありません。応答ファイルを使用する場合に、Installation Manager をバージョン 1.6.2 以降に更新していないと、応答ファイルに指定されたアセットはインストール中に無視されます。
追加のフィーチャーをインストールする場合は、応答ファイルに 2 つの追加の data key エレメントを
指定します。シンボル名またはショート・ネームのいずれかを使用することができます。
以下の例は、シンボル名を使用して ポートレット・コンテナー・フィーチャーとポートレット・サービス・フィーチャーをインストールします。
<data key='user.feature' value='com.ibm.websphere.appserver.portlet-2.0,,com.ibm.websphere.appserver.portletserving-2.0'/>
<data key='user.accept.license' value='true'/>
以下の例は、ショート・ネームを使用して ポートレット・コンテナー・フィーチャーとポートレット・サービス・フィーチャーをインストールします。
<data key='user.feature' value='portlet-2.0,,portletserving-2.0'/>
<data key='user.accept.license' value='true'/>
バージョン 8.5.5.5 以降の場合、user.accept.license=true は不要です。

![[8.5.5.4 以降]](../ng_v8554.gif)
バージョン 8.5.5.4 以降、
extprogmodels フィーチャーは使用可能でなくなりました。
代わりに、
extendedPackage-1.0 アドオンをインストールするか、Liberty Repository から必要なフィーチャーを個別にインストールしてください。
詳しくは、以下のトピックを参照してください。
以下の例は、
user.addon パラメーターを使用して拡張プログラミング・モデルをインストールし、ショート・ネームを指定した
user.feature パラメーターを使用してポートレット・コンテナー・フィーチャーとポートレット・サービス・フィーチャーをインストールします。
<data key='user.addon' value='extendedPackage-1.0'/>
<data key='user.feature' value='portlet-2.0,,portletserving-2.0'/>
<data key='user.accept.license' value='true'/>

![[8.5.5.6 以降]](../ng_v8556.gif)
アセットのインストールは、
Liberty Asset Repository Service のインスタンスから、またはローカル・ディレクトリー・ベースのリポジトリーから行うことも可能です。
詳細については、『
Installation Manager を使用したアセットのインストール』を参照してください。
repository エレメントにリポジトリーの URL またはディレクトリーを追加します。
Installation Manager がリポジトリーを認識しない場合は、
repository.config ファイルを直接指し示してください。
アセットをインストールするとき、リポジトリーは、指定した順序でアクセスされます。
次の例で、アセットは、まず、Liberty Asset Repository Service の
https://your_onprem_asset_repo_url のインスタンスからインストールされ、
その後、
/QIBM/LocalAssetRepo のディレクトリー・ベース・リポジトリーからインストールされます。
<server>
<repository location="http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.v85" />
<repository location="https://your_onprem_asset_repo_url" />
<repository location="/QIBM/LocalAssetRepo" />
</server>
デフォルトでは、Liberty Repository は、
インストール中にアクセスされるリポジトリーのうち最後のリポジトリーです。Liberty Repository へのアクセスを使用不可にするには、
user.useLibertyRepository パラメーターを
false に設定します。
<data key='user.addon' value='extendedPackage-1.0'/>
<data key='user.feature' value='portlet-2.0,,portletserving-2.0'/>
<data key='user.useLibertyRepository' value='false'/>
Liberty Repository と含まれるアセットについて詳しくは、『Liberty Repository』を参照してください。