動的ルーティング・フィーチャーは、
環境に変更があったときの WebSphere® プラグイン構成ファイルの再生成を必要とせずに、
Liberty 集合のメンバーへの HTTP 要求のルーティングを可能にします。サーバー、クラスター・メンバー、
アプリケーション、または仮想ホストが、追加、削除、開始、停止、または変更されると、
新しい情報が動的に WebSphere プラグインに送達されます。最新の情報に基づいて要求がルーティングされるようになります。このフィーチャーが提供する動的ルーティング・サービスは、
集合リポジトリーから動的にルーティング情報を取得し、その情報を WebSphere プラグインに送達します。また、このフィーチャーは、
3 つの新しい集合コマンド・アクションも提供します。これらのアクションは一緒に使用されて、
プラグインと動的ルーティング・サービスとの間のセキュア通信に必要な鍵ストアを生成し、
さらに、WebSphere プラグインの Intelligent Management を使用可能にするプラグイン構成ファイルも生成します。
始める前に
重要: 動的ルーティング・フィーチャーを使用するには、
WebSphere Application
Server 用の Web サーバー・プラグインの Intelligent Management に関する、APAR 番号 PI27023 の iFix が必要です。動的ルーティング・フィーチャーを使用可能にする前に、
WebSphere Application Server 用 Web サーバー・プラグインによってサポートされる Web サーバー (例えば IBM HTTP Server) をインストールし、
8.5.5 以上の WebSphere Application Server 用 Web サーバー・プラグインをインストールし、
その後で、この iFix をインストールする必要があります。
- 最新バージョンの IBM Installation Manager をダウンロードし、インストールします。IBM Installation Manager のインストールについて詳しくは、Installation Manager のインストールおよび製品のインストール準備を参照してください。
- Installation Manager を使用して、オンラインの製品リポジトリーにアクセスして、
WebSphere Application Server 用 Web サーバー・プラグインと、
動的ルーティング・フィーチャーに必要な iFix をインストールします。「ファイル」>「設定」と選択して、Installation Manager GUI 設定ページを開きます。
Installation Manager を使用して、以下の場所にある Web ベースのリポジトリーから製品をインストールします。
http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.PLGILAN.v85
注: リポジトリーにアクセスするには、
IBM ID が必要です。このリポジトリーは、分散プラットフォーム専用です。
- インストール・ウィザードを使用して、Web サーバー・プラグインおよび必要な iFix の両方をインストールします。
- ウィザードからプロンプトが出されたら、インストール・ロケーションを指定してインストールを続行します。
ご覧ください:
「Enabling IHS for Liberty Dynamic Routing」のビデオには、
IHS をインストールし、WebSphere Application Server の Web サーバー・プラグインをインストールし、動的ルーティングの iFix を適用する方法が示されています。
[トランスクリプト]
このタスクについて
Intelligent Management を使用して HTTP 要求を Liberty 集合にルーティングするには、ユーザーは、
集合内の 1 つ以上の集合コントローラーで Dynamic Routing フィーチャーを有効にする必要があります。
手順
- コントローラーの server.xml 内の featureManager タグに以下のコードを追加することによって、
そのコントローラーで動的ルーティングを使用可能にします。
<feature>dynamicRouting-1.0</feature>
- 動的ルーティング・フィーチャーが使用可能にされているすべてのコントローラーを開始します。
- コントローラーの 1 つで dynamicRouting setup コマンドを実行して、
鍵ストア・ファイルおよびプラグイン構成ファイルを生成します。以下に例を示します。
./dynamicRouting setup --port=9444 --host=controller1.acme.com --user=admin --password=passw0rd --keystorePassword=webAS --pluginInstallRoot=/opt/HTTPServer_Plugins/ --webServerNames=webserver1
動的ルーティングのコマンドについて詳しくは、『
動的ルーティング・コマンド』を参照してください。
注: 指定するユーザー名 (--user 引数の値) がユーザー・レジストリー内にあり、
管理ロールが割り当てられていることを確認してください。
- 生成された plugin-key.jks ファイルおよび plugin-cfg.xml ファイルを、Web サーバー・ホスト上の一時ディレクトリーにコピーします。
- Web サーバー・ホスト上で、gskcmd (IHS パッケージに含まれています) を実行して、
鍵ストアを CMS フォーマットに変換し、個人証明書をデフォルトとして設定します。CMS フォーマットは、サポートされている、WebSphere プラグインのフォーマットです。以下に例を示します。
gskcmd -keydb -convert -pw webAS -db /tmp/plugin-key.jks -old_format jks -target /tmp/plugin-key.kdb -new_format cms -stash
gskcmd -cert -setdefault -pw <<password>> -db /tmp/plugin-key.kdb -label default
- gskcmd によって生成された plugin-key.kdb ファイル、plugin-key.rdb ファイル、
および plugin-key.sth ファイルを、一時ディレクトリーからディレクトリー <value of the
--pluginInstallRootargument>/config/<web server name>/にコピーします。
- plugin-cfg.xml を、IBM HTTP Server (IHS) httpd.conf ファイル内の WebSpherePluginConfig ディレクティブに指定されたディレクトリーにコピーします。
plugin-cfg.xml は <IntelligentManagement> スタンザを伴って生成されます。
集合において動的ルーティングが使用可能になっている場合、集合コントローラーごとに 1 つの <Connector> スタンザがあります。
以下に例を示します。
<IntelligentMangement>
<Property name="webserverName" value="webServer1"/>
<ConnectorCluster enabled="true" maxRetries="-1" name="default" retryInterval="60">
<Property name="uri" value="/ibm/api/dynamicRouting"/>
<Connector host="controller1.acme.com" port="9444" protocol="https">
<Property name="keyring" value="/opt/HTTPServer_Plugins/config/webserver1/plugin-key.kdb"/>
</Connector>
</ConnectorCluster>
</IntelligentManagement>
- Web サーバーを始動し、集合にインストールされたアプリケーションへのルーティングを開始します。
オプションで、コントローラーの
server.xml に
<dynamicRouting> タグを追加して、
<ConnectorCluster> のプロパティー (
maxRetries や
retryInterval など) を指定できます。
以下に例を示します。
<dynamicRouting maxRetries="4" retryInterval="20" connectorClusterName="collective1"/>
<TraceSpecification name="default" specification=":DEBUG"/>
</dynamicRouting>
生成される
plugin-cfg.xml は次の例のようになります。
<IntelligentMangement>
<TraceSpecification name="default" specification=":DEBUG"/>
<Property name="webserverName" value="webServer1"/>
<ConnectorCluster enabled="true" maxRetries="4" name="collective1" retryInterval="20">
<Property name="uri" value="/ibm/api/dynamicRouting"/>
<Connector host="controller1.acme.com" port="9444" protocol="https">
<Property name="keyring" value="/opt/HTTPServer_Plugins/config/webServer1/plugin-key.kdb"/>
</Connector>
</ConnectorCluster>
</IntelligentManagement>
タスクの結果
これで、
Dynamic Routing フィーチャーが使用可能になり、
Intelligent Management は HTTP 要求を Liberty 集合に動的にルーティングできるようになりました。