デプロイ・ツールを使用して、Liberty プロファイル・サーバー・パッケージ (アーカイブ) ファイルを集合内のホストにインストールすることができます。その後、探索ツールを使用してそれらのサーバーを管理します。
始める前に
- Admin Center フィーチャーを Liberty プロファイル・サーバーにインストールし、構成する必要があります。Liberty プロファイル・サーバーには、集合コントローラー・フィーチャーとすべての必要なセキュリティー構成も含まれています。
Liberty プロファイルのインストール済み環境をデプロイする予定のホストを含む Liberty プロファイル集合を作成するには、以下のトピックを参照してください。
- Liberty 集合の構成 -- 集合コントローラー上で Admin Center を使用可能にするには、集合コントローラーの server.xml ファイルがフィーチャー・マネージャー構成に <feature>adminCenter-1.0</feature> を含んでいる必要があります。さらに、server.xml ファイルが httpEndpoint エレメントに host 値を設定している必要があります。例えば、すべてのホストが集合コントローラーにアクセスできるように、host="*" を追加します。
- Liberty 集合へのホスト・コンピューターの登録 -- registerHost コマンドに、サーバー・パッケージのデプロイ先のパスを設定する hostWritePath パラメーターが含まれている必要があります。デプロイ・ツールを使用する時に、「ターゲット・ディレクトリー」に対してこの同じパスを指定します。ホストが既に登録されている場合は、updateHost コマンドを使用して hostWritePath 情報をリセットすることができます。
各ホストは、jar ユーティリティーの Java ホスト・サポート、およびオプションで unzip ユーティリティーを、そのホストの登録中に指定されたリモート・プロシージャー・コール (RPC) ユーザーの環境 (パス) に含んでいる必要があります。
- デプロイしたい Liberty プロファイル環境は、ZIP、JAR、または PAX のフォーマットで圧縮されたサーバー・パッケージになっている必要があります。サーバー・パッケージは、以下の要件を満たしている必要があります。
- サーバー・パッケージは、少なくとも Liberty プロファイル・ランタイムとサーバーを含んでいる。サーバー・パッケージには、サーバーで実行される Web アプリケーションなどの他のリソースを含めることができます。
- サーバー・パッケージの最上位ディレクトリーは wlp でなければならず、このディレクトリーは、標準の Liberty プロファイル・ディレクトリー (bin、clients、dev、 lafiles、lib、templates、usr) を含んでいる必要がある。
usr ディレクトリーは、デフォルト・ロケーションになければならず、すべてのサーバーはデフォルトの出力ディレクトリーを使用する必要があります。
- 組み込まれているサーバーには、集合メンバーシップ構成設定も鍵ストア・ファイルも含んではいけない。
アーカイブをパッケージ化するために使用可能なツールとしては以下のものがあります。
例えば、ポート番号、データベース接続、メッセージング・システム接続を変更して、インストール済み環境のカスタマイズが必要になる場合があります。
このタスクについて
Liberty プロファイル集合を定義し、サーバー・パッケージを作成したら、デプロイ・ツールを使用して、集合内のホスト上にサーバー・パッケージをインストールします。
ローカル・ホストの Windows コンピューターへのサーバー・パッケージのデプロイ例については、『例: 集合コントローラーの構成、ホストの登録、サーバー・パッケージの作成、およびサーバー・パッケージのデプロイ』を参照してください。
手順
- デプロイ・ツールに移動します。
- ツールボックスから
を選択します。
- 探索ツールのホストの詳細から、を選択します。
デプロイ・ツールを表示するときにブラウザーに表示される URL を使用すれば、これ以降はデプロイ・ツールを直接起動できます。
- 「ターゲット・ホスト」では、サーバー・パッケージをインストールするホスト・コンピューターを選択します。ターゲット・ホストを「使用可能なホスト」から「選択されたホスト」に移動します。
各ターゲット・ホストは、Admin Center によって管理されている集合に登録されている必要があります。『ホスト・コンピューターの Liberty 集合への登録』を参照してください。
- 「サーバー・パッケージ」では、サーバー・パッケージ・ファイルをアップロードするか、サーバー・パッケージ・ファイルを集合コントローラーで使用するかを選択します。次にファイル・パスを指定します。
- 「ターゲット・ディレクトリー」では、Liberty プロファイル・インストール済み環境のターゲット・ディレクトリーを指定します。ディレクトリーが存在する場合、そのディレクトリーは空でなければなりません。ディレクトリーが存在しない場合は、ファイル・システム権限の許可に従って、製品がディレクトリーを作成します。
サーバー・パッケージのフォーマットが ZIP または JAR の場合、インストール・ディレクトリーを指定します。例えば、
サーバー・パッケージが /home/user1 にアップロードされ、liberty ディレクトリーに unzip されるようにするには、/home/user1/liberty を指定します。
サーバー・パッケージのフォーマットが PAX の場合、
インストール・ディレクトリーおよび PAX ファイル名を指定します。例えば、アーカイブが /home/user1/liberty/package_name.pax ディレクトリーに解凍されるようにするには、
/home/user1/liberty/package_name.pax を指定します。
各ターゲット・ホストの RPC ユーザーは、インストール・ディレクトリーの親への読み取りおよび書き込み権限を持っている必要があります。
- 「鍵ストア・パスワード」には、サーバー認証クレデンシャルを含む、新しく生成された鍵ストア・ファイルを保護するためのパスワードを指定します。デプロイされたすべてのサーバーに同じパスワードが使用されます。
製品は、デプロイされた各サーバーの resources ディレクトリーに鍵ストア・ファイルを生成します。
- 「リモート管理資格情報」には、デプロイされたサーバーをリモート管理するために集合コントローラーが各ターゲット・ホストにどのように接続するのかを指定します。
- 「パスワード」には、
Admin Center にログインする際に使用したパスワードを指定します。デプロイされたサーバーを集合に結合する操作は、Liberty の管理ユーザー名とパスワードを使用して実行されます。
- 「デプロイ」を選択します。
タスクの結果
デプロイ・アクションが実行されます。デプロイメントの状況については、デスクトップまたはタブレットでは
を選択し、スマートフォンでは
を選択します。
例: 集合コントローラーの構成、ホストの登録、サーバー・パッケージの作成、およびサーバー・パッケージのデプロイ
この例では、デプロイ・ツールを使用して、集合内の Windows ホストに Liberty プロファイル・サーバー・パッケージをインストールする方法について説明します。
デプロイ・ツールを使用する前に、集合コントローラーを構成し、集合コントローラーにホストを登録し、サーバーをパッケージ化します。
- Admin Center を使用する集合コントローラーを作成し、集合コントローラーを開始します。
- サーバーを作成します。この例では、サーバーの名前は myController です。
wlp/bin/server create myController
- 集合コントローラーを作成します。
wlp/bin/collective create myController --keystorePassword=myControllerPwd
- myController の server.xml ファイルをエディターで開き、以下の変更を行います。
- 生成された集合コントローラー構成を myController の server.xml ファイルに追加します。例えば、集合コマンドの出力をコピーし、それを httpEndpoint エレメントの後で、かつ server.xml ファイルの最後のタグである </server> の前に貼り付けます。
- adminCenter-1.0 フィーチャーをフィーチャー・マネージャーに追加します。
<featureManager>
<feature>jsp-2.2</feature>
<feature>adminCenter-1.0</feature>
</featureManager>
- host 値を myController の server.xml ファイルの httpEndpoint エレメントに追加します。例えば、すべてのホストがコントローラーにアクセスできるように、host="*" を追加します。
<!-- To access this server from a remote client add a host
attribute to the following element, e.g. host="*" -->
<httpEndpoint id="defaultHttpEndpoint"
host="*"
httpPort="9080"
httpsPort="9443" />
- userName および userPassword の値を指定します。
<quickStartSecurity userName="admin" userPassword="adminpwd" />
ヒント: ユーザー名またはパスワードに英語以外の文字が含まれている場合、
サーバーの
jvm.options ファイルを作成し、デフォルト・クライアント・エンコードを UTF-8 と定義します。
-Ddefault.client.encoding=UTF-8
quickStartSecurity エレメントまたは
basicRegistry エレメント内にユーザー・レジストリーがある場合 (これは、ユーザー名およびパスワードを
server.xml ファイルに保管します)、
server.xml ファイルを UTF-8 エンコードで保存します。
jvm.options ファイルについて詳しくは、『
Liberty プロファイル環境のカスタマイズ』を参照してください。
- コントローラーを始動します。
wlp/bin/server start myController
- registerHost コマンドを実行して、ホスト・コンピューターを集合コントローラーに登録します。
この例で、集合コントローラーは、winHost というホスト名を持つ localhost コンピューターで実行されています。このコンピューターは、SSH をサポートしていない Windows オペレーティング・システムを使用しています。そのため、コマンドは RPC ユーザーとパスワードを指定する必要があります。
wlp/bin/collective registerHost winHost --host=localhost --port=9443 --user=admin --password=adminpwd --rpcUser=myWindowsLoginID --rpcUserPassword=myWindowsLoginPwd --hostWritePath=c:¥wlp_example
このコマンドは以下のことを実行します。
- localhost コンピューターを集合コントローラーに登録します。
- user と password には、myController の server.xml ファイルに設定されている userName 値と userPassword 値を指定します。
- rpcUser にはオペレーティング・システムのログイン・ユーザーを指定し、rpcUserPassword にはオペレーティング・システムのユーザー・パスワードを指定します。
- hostWritePath を、デプロイ・ツールがサーバー・パッケージをインストールするディレクトリーのパスに指定します。
プロンプトが出されたら、y を入力して証明書チェーンを受け入れます。
後でこれらの設定を変更する場合は、collective updateHost コマンドを使用することができます。
- デプロイ・ツールを使用して、インストールするサーバー・パッケージを作成します。
- パッケージする既存のサーバーがない場合は、create コマンドを実行して新規サーバーを作成します。
wlp/bin/server create server1
- パッケージする既存のサーバーがある場合は、パッケージしようとしているサーバーが停止していることを確認します。
- package コマンドを実行してサーバー・パッケージを作成します。
wlp/bin/server package server1
このコマンドは、例えば、C:¥wlp¥usr¥servers¥server1¥server1.zip という名前のサーバー・パッケージを作成します。
- デプロイ・ツールを使用してサーバー・パッケージをインストールします。
- ツールボックス、または探索ツールのホスト・ページからデプロイ・ツールを起動します。『Admin Center へのログイン』を参照してください。
- 「ターゲット・ホスト」には、「使用可能なホスト」から「選択されたホスト」にターゲット・ホスト winHost を移動します。
- 「サーバー・パッケージ」には、集合コントローラー上のサーバー・パッケージ・ファイルを選択します。次に、ファイル・パス C:¥wlp¥usr¥servers¥server1¥server1.zip を指定します。
- 「ターゲット・ディレクトリー」には、registerHost コマンドで hostWritePath に設定されたディレクトリー c:¥wlp_example¥member を指定します。
- 「鍵ストア・パスワード」には、サーバー認証クレデンシャルを含む、新しく生成された鍵ストア・ファイルを保護するためのパスワードを指定します。デプロイされたすべてのサーバーに同じパスワードが使用されます。例えば、serverpwd を指定します。
- 「リモート管理資格情報」には、デプロイされたサーバーをリモート管理するために集合コントローラーがホスト・オペレーティング・システムのログイン資格情報をどのように取得するのかを指定します。Windows ホスト・コンピューターを使用するこの例では、
2 つの選択肢があります。ターゲット・ホストは集合コントローラーに登録されているため、
「各ターゲット・ホストに構成された接続メソッドおよび資格情報を使用する」を選択できます。あるいは、
「各ターゲット・ホストで次のオペレーティング・システム・ユーザー名およびパスワードを使用する」を選択し、
オペレーティング・システムのログイン・ユーザーおよびログイン・ユーザー・パスワードを指定することもできます。
- 「パスワード」には、Admin Center にログインする際に使用したパスワードを指定します。
- 「デプロイ」を選択します。
次のタスク
デスクトップまたはタブレットでのデプロイメントの状況の詳細については、タイトル・バーの
を選択します。
スマートフォンでこの状況を表示するには、
を選択します。
「バックグラウンド・タスク」ページで、実行されているすべてのタスクの要約を表示し、実行中、停止済み、および完了済みのバックグラウンド・タスクの詳細なヒストリーにアクセスすることができます。『バックグラウンド・タスクのモニター』を参照してください。