WebSphere Application Server V8.0 以降でのロギングとトレース用の HPEL モードの切り替え

WebSphere® Application Server V8.0 以降のロギングとトレースに、基本モードと High Performance Extensible Logging (HPEL) モードの 2 種類のモードがあります。HPEL の機能は基本モードより高速にログとトレースを処理するように設計されています。

始める前に

ワークベンチで HPEL モードでログやトレースを表示する機能は、WebSphere Application Server V8.0 以降が Windows または Linux オペレーティング・システムで動作している場合にのみ利用できます。

このタスクについて

基本モードは、サーバーのデフォルトのロギングとトレース設定です。 基本モードのログとトレースの内容はログ・ファイル、SystemOut.logSystemErr.logtrace.log、および activity.log などの各ファイルにプレーン・テキスト・フォーマットで書き込まれます。

HPEL モードでは、 ログとトレースの内容は、 独自のバイナリー・フォーマットでログ・データまたはトレース・データ・リポジトリーに書き込まれます。プレーン・テキストをバイナリー・ログ・フォーマットに書き込みできない設計は、高速なログとトレース処理機能を実現し、サーバーのパフォーマンスを向上するためです。 HPEL モードを使用可能にするには、WebSphere Application Server に付属している、wsadmin スクリプト、管理コンソールを使用する必要があります。ワークベンチを使用して、バイナリー (HPEL) サーバー・ログのスナップショットを、エディター・ペインに表示される読み取り可能テキストに変換できます。さらに、サーバーの実行中に、 HPEL ログとトレースを「コンソール」ビューに読み取り可能テキスト・フォーマットで表示できます。

HPEL モードのログとトレース・レコードは、基本モードと同じメッセージ・フォーマットを使用します。 次のテーブルは、ログ・レコードを構成するデータを説明します。
データ 説明
タイム・スタンプ イベントが記録された時刻。
スレッド ID イベントが記録されたスレッドの ID で、16 進数表記。
ロガー イベントを記録したロガー。
レベル 記録されたイベントのタイプ。
メッセージ 記録されたイベントからのメッセージ。メッセージに メッセージ ID がある場合は、メッセージ ID に下線が付きます。コンソール・ビューでは、 メッセージ ID をクリックして、メッセージの説明と推奨されるユーザーのアクションが得られます。エディター・ペインでは、メッセージ ID リンクは 使用できず、プレーン・テキストのみが表示されます。
次にログ・レコードの例を示します。
[3/3/11 23:01:30:147 EST] 0000000f ApplicationMg Z   WSVR0221I: Application started: DefaultApplication

この例では、[3/3/11 23:01:30:147 EST] はタイム・スタンプ、 0000000f はスレッド ID、ApplicationMg は ロガー、Z はレベル、WSVR0221I: Application started: DefaultApplicationWSVR0221I がメッセージ ID であるメッセージです。

手順

  1. 「サーバー」ビューで、「WebSphere Application Server V8.0」サーバー・エントリーを右クリックし、「プロパティー」 > 「WebSphere Application Server」を選択します。
  2. 「サーバー・ログ・ディレクトリー」セクションで、基本モードのデフォルト設定に 「エディターで SystemOut.log を開く」および「エディターで SystemErr.log を開く」リンクが表示されます。 これらのリンクをクリックすると、エディター・ペインに SystemOut.log および SystemErr.log ファイルの基本モードのログとトレース内容が表示されます。
  3. 基本モードから HPEL モードに切り替えるには、WebSphere Application Server に付属している、wsadmin スクリプト・ツール、管理コンソールを使用する必要があります。WebSphere Application Server インフォメーション・センターの「Changing from basic mode to HPEL logging and tracing」トピックの手順を完了します。
    ヒント: 「サーバー」ビューに移動して、 ワークベンチ内で管理コンソールを開いて、サーバーを右クリックし、 「管理」 > 「管理コンソールの実行」を選択します。 詳しくは、Maven コンソールへのアクセスを参照してください。
  4. サーバーを再起動して、サーバー構成の変更を有効にします。 「サーバー」ビューで、WebSphere Application Server V8.0 サーバー・エントリーを右クリックして、「再起動」を選択します。
  5. 「サーバー」ビューで、「WebSphere Application Server V8.0」サーバー・エントリーを右クリックし、「プロパティー」 > 「WebSphere Application Server」を選択します。
  6. サーバーが HPEL モードであるとき、「サーバー・ログ・ディレクトリー」セクションに、「バイナリー・サーバー・ログのスナップショットを表示します」リンクが表示されます。このリンクをクリックして エディター・ペインに HPEL モードのログとトレース内容を特定時点のスナップショットとして表示できます。ワークベンチがバイナリーから変換し、読み取り可能なテキストとして表示されます。 バイナリー (HPEL) サーバー・ログのスナップショットには、System.out および System.err の出力が含まれ、エディター・ペインに単一ファイルとして表示されます。
    ヒント: HPEL モードで引き続き実行されているログとトレースの更新が必要がある場合は、「バイナリー・サーバー・ログのスナップショットを表示します」リンクを再びクリックして、 別のバイナリ (HPEL) ログ・ファイルのスナップショット・レポートを生成する必要があります。

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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: May 29, 2014 10:20

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