WebSphere Application Server の公開設定

公開には、サーバーが検出して使用できるように、ファイル (アプリケーション、リソース・ファイル、 およびデプロイメント記述子ファイル) を適切なロケーションにコピーする作業が含まれます。アプリケーションを サーバー上で公開することも、アプリケーションをサーバーのディレクトリーにコピーしないで開発環境内で アプリケーションを実行することもできます。

このタスクについて

注: ワークベンチを使用すると、アプリケーションをサポートする任意の WebSphere® Application Server に対し、そのアプリケーションを公開または削除できます。 開発環境から実動環境に直接アプリケーションをデプロイすることもできますが、これは推奨される方法ではありません。 実動サーバーに対してアクセス制御を行い、アプリケーションは制御された反復可能なプロセスを使用してデプロイする必要があります。

「サーバーをサーバー上のリソースで実行」

「サーバーをサーバー上のリソースで実行する」の公開オプションでは、完全なアプリケーションおよびサーバー固有のそのアプリケーションの構成が、ワークベンチからそのサーバー上のディレクトリーにコピーされます。この公開オプションを使用するには、サーバーには、リモートまたはローカルの WebSphere Application Server のどちらも使用できます。サーバーにおけるアプリケーションのコピー先のデフォルトの場所は、¥directory¥profile¥installedApps¥cellName ディレクトリーであり、この ¥directory¥profile は、 WebSphere Application Server 用のプロファイルのディレクトリーです。

「サーバーをサーバー上のリソースで実行する」の設定を選択する利点は、ご使用のサーバー上のディレクトリーからアプリケーションを実行するので、管理コンソールを使用してアプリケーション・レベルの詳細設定を編集できることです。ただし、この公開オプションでは「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」の公開オプションに比較してより多くのファイルをサーバーにコピーするため、完了に時間がかかることがあります。

公開設定を「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」に切り替える場合は、「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーからそのアプリケーションを削除してから、「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」ラジオ・ボタンを選択し、「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーにそのアプリケーションを再度追加する必要があります。

「サーバーをワークスペース内の リソースで実行する」

サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」の公開オプションでは、ワークスペースからアプリケーションを実行するようサーバーに対して要求します。 この公開オプションは、ローカルの WebSphere Application Server を実行している場合にのみ使用可能であり、リモート・サーバーを実行している場合には使用できません。

「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」の設定は、「サーバーをサーバー上のリソースで実行する」の公開オプションに比較してサーバーにコピーするファイル数が少なく、より高速に作動するよう設計されているため、アプリケーションを開発およびテストする場合に役立ちます。

この公開オプションは、アプリケーションに単一のルートが含まれる時、複数のルートが含まれる時よりも高速にアプリケーションを公開します。これは、サーバーが、アプリケーションの構造に含まれるのは単一のルートのみと想定するからです。 結果として、複数のルートがあるアプリケーションを公開するには、ワークベンチはより長い処理時間を必要とする場合があります。アプリケーションの構成に単一のルートと複数のルートのどちらが含まれるのかを判断するには、プロジェクト構造バリデーターを使用します。詳細については、『ウィザードを使用した Java™ EE プロジェクトの作成および構成』トピックを参照してください。

「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」の設定を有効にして「サーバーにコピーされるアプリケーション・ファイルの最少化」の公開オプションをクリアした場合は、「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーにアプリケーションを追加するよう選択すると、そのアプリケーションはサーバーのディレクトリーにコピーされません。 例えば、アプリケーション・ファイルは、サーバーの installedApps ディレクトリーにはコピーされません。ただし、アプリケーションは、サーバー構成のディレクトリーである ¥directory¥profile¥config¥cells¥cellName¥applications にコピーされます。 ここで、¥directory¥profile¥ は WebSphere Application Server のプロファイルのディレクトリーです。
重要: 「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」オプションを使用している場合、デプロイメント記述子ファイルは管理コンソールを使用した場合にのみ表示できます。さらに、管理コンソールを使用してアプリケーション・レベルの 構成 (Java EE 構成、拡張 EAR 設定、ポリシー・セット添付、バインディング、およびその他の設定を含む) を編集することはできません。管理コンソールで編集できない拡張 EAR 設定の例として、クラス・ローダー・オプション PARENT_LAST があります。 アプリケーション・レベルの構成は、ワークベンチでのみ編集できます。

公開設定を「サーバーをサーバー上のリソースで実行する」に切り替える場合は、「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーからアプリケーションを削除してから、「サーバーをサーバー上のリソースで実行する」ラジオ・ボタンを選択し、「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーにそのアプリケーションを再度追加する必要があります。

注意:
「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」の公開オプションを使用している場合、次のシナリオでサーバーがそのアプリケーションを追跡できなくなります。
  • ワークスペースを削除すると、サーバーはアプリケーションを検索できなくなります。その結果、ご使用のアプリケーションがソース制御管理に入っていない場合にワークスペースが削除されると、そのアプリケーションがファイル・システムから失われる場合があります。
  • アプリケーションをワークスペースから削除する際にサーバーから削除しない場合、サーバーはアプリケーションを検索できなくなります。 その結果、サーバーを開始するときにエラーが発生する場合があります。これは、サーバーはワークスペースから欠落したアプリケーションを開始しようとするためです。管理コンソール、または wsadmin コマンド行ツールを使用して、サーバーから残りのアプリケーション・ファイルを手動で削除してみることができます。
「サーバーにコピーされるアプリケーション・ファイルの最少化」
「サーバーをワークスペース 内のリソースで実行する」オプションが選択されていると、追加の 公開オプション (「サーバーにコピーされるアプリケーション・ファイルの最小化」オプション) が 選択可能になります。この公開オプションは、ローカルの WebSphere Application Server を実行しており、 アプリケーションがワークスペースから実行されている場合にのみ使用可能であり、リモート・サーバーを実行している場合には使用できません。このオプションは、サーバーへコピーするファイルを削減することで、サーバー上の公開時間を最適化するために設計されました。アプリケーション・ファイルがサーバーの installedApps ディレクトリーにコピーされないだけでなく、そのアプリケーションはサーバー構成ディレクトリーにもコピーされません。
重要: 「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」オプションに関する 重要セクションで説明されている、管理コンソールでのアプリケーション・レベルの構成の表示および編集に関する制限と同じものが、この公開オプションにも適用されます。「サーバー にコピーされるアプリケーション・ファイルの最小化」公開オプションに 関する追加の制限は、いくつかの構成オプションが管理コンソールに表示されないことです (このように 設計されているのは、コンソールを使用した変更を防止し、代わりにワークベンチを使用してアプリケーション・レベルの構成を 編集するようにするためです)。

「管理コンソール」でアプリケーションのデプロイメント記述子を表示できるようにするには、 「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーからそのアプリケーションを 削除し、「サーバーにコピーされる最小化アプリケーション・ファイル」のチェック・ボックスをクリアしてその公開設定を無効にし、「サーバーをサーバー上のリソースで実行する」ラジオ・ボタンのみを有効にしてから、「プロジェクトの追加および削除」ウィザードを使用してサーバーにアプリケーションを再度追加する必要があります。

公開後にアプリケーションを自動的に開始

アプリケーションをサーバーへ公開した後にワークベンチがアプリケーションの開始を自動で試みるようにするには、「公開後にアプリケーションを自動的に開始」チェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスは、デフォルトで有効になっています。

アプリケーションをサーバーへ公開した後に手動で開始する場合は、このチェック・ボックスをクリアします。このチェック・ボックスがクリアされている時、公開されたアプリケーションの初期状態は「停止しました」になります。アプリケーションを手動で開始するには、「サーバー」ビューでサーバーを展開し、アプリケーションを右クリックして、「開始」を選択します。

このチェック・ボックスがクリアされている場合、ユニバーサル・テスト・クライアントを実行するためのアプリケーションはサーバー上で始動済みのままになります。

WebSphere Application Server の公開設定を構成するには、以下の手順に従います。

手順

  1. 「サーバー」ビューで、WebSphere Application Server をダブルクリックしてサーバー・エディターを開く。
  2. 「概要」タブをクリックする。
  3. 「WebSphere Application Server の公開設定」セクションを展開する。
  4. ラジオ・ボタンを使用して、次のいずれかを選択する。
    • サーバーをワークスペース内のリソースで実行する
    • サーバーをサーバー上のリソースで実行
  5. オプション: 「サーバーをワークスペース内のリソースで実行する」ラジオ・ボタン を選択した場合、「サーバーにコピーされるアプリケーション・ファイルの最小化」チェック・ボックスを選択できます。ローカルで WebSphere Application Server を実行している場合、 このオプションはデフォルトで有効になっています。
  6. オプション: アプリケーションをサーバーへ公開した後にワークベンチがアプリケーションの開始を自動で試みるようにするには、「公開後にアプリケーションを自動的に開始」チェック・ボックスを選択します。
  7. 保存してエディターを閉じます。
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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: May 29, 2014 10:20

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