WLM は、MVS メインフレームで実行されるコードです。WLM に
照会して、MVS
マシンの負荷について尋ねることができます。ご使用の OS/390 システムで MVS
作業負荷管理が構成済みである場合、Dispatcher は、WLM
から容量情報を受け取り、その情報をロード・バランシング処理で使用できます。
WLM advisor を使用して、Dispatcher は、定期的に Dispatcher ホスト・テーブルにある
各サーバーの WLM ポートを介して接続をオープンし、戻された容量を表す整数を受け取ります。これらの整数は
その時点で使用可能な容量を表しますが、Dispatcher は各マシン
の負荷を表す値を想定しているので、容量を表す整数は advisor によって反転され、負荷値に正規化されます (つまり、
容量を表す整数が大きくて負荷値が小さいことは、サーバーの状態が良いことを
表します)。結果として得られる負荷は、manager 報告書の System 列に入ります。
WLM advisor と他の Dispatcher advisor の間には、重要な違いがいくつかあります。
- 他の advisor は、通常のクライアント・トラフィックを流すポートと同じポートを使用して
サーバーへの接続をオープンします。WLM advisor は、通常のトラフィックとは異なるポートを使用して
サーバーへの接続をオープンします。各サーバー・マシンの WLM エージェントは、Dispatcher WLM advisor が開始するポートと同じポートで listen するように
構成されていなければなりません。デフォルトの WLM ポートは 10007 です。
- 他の advisor は、サーバーのポートが advisor のポートと一致する Dispatcher cluster@port@server
構成で定義されているサーバーを評価するだけです。WLM advisor は、
(cluster@port に関わらず) Dispatcher 構成中のすべてのサーバーに対して advisor 機能を持ちます。
したがって、WLM advisor を使用している場合は、WLM 以外のサーバーを定義してはなりません。
- 他の advisor は、manager 報告書の "Port" 列に負荷情報を入れます。WLM advisor は、manager 報告書の system 列に負荷情報を入れます。
- プロトコル固有の両方の advisor を WLM advisor とともに
使用することができます。プロトコル固有の advisor は通常のトラフィック・ポートでサーバーをポーリングし、WLM advisor は WLM ポートを使用してシステム負荷をポーリングします。
Metric
Server の制約事項: Metric Server エージェントのように、WLM
エージェントは、個々のプロトコル特有のサーバー・デーモンではなく、サーバー・システム全体について報告します。
Metric Server および WLM は、結果を manager 報告書の system 列に入れます。そのため、WLM advisor および Metric Server の両方を同時に実行することはできません。