アプリケーション遅延スタートを構成することにより、非アクティブな動的クラスターによって消費されているリソースを解放し、セル内の他のクラスター・インスタンスがそれらのリソースを使用可能にできます。
始める前に
- アプリケーション遅延スタートでは、各要求がオンデマンド・ルーターを使用してルーティングされている必要があります。
オンデマンド・ルーターの作成について詳しくは、ODR の作成
を参照してください。
- Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) および Java™ Message Service (JMS) の要求は ODR を介してルーティングされないため、それらの要求を使用することはできません。
Session Initiation Protocol (SIP) アプリケーションを実行する動的クラスターでは、
アプリケーションの遅延スタートを使用しないでください。
- 動的クラスターを作成します。
詳しくは、動的クラスターの作成
を参照してください。
また、アプリケーション遅延スタートは、動的クラスターの作成時にも構成できます。
このタスクについて
アプリケーションの遅延スタート とは、アプリケーション要求が着信したときに、非アクティブにあった動的クラスターの第 1 アプリケーション・サーバー・インスタンスをアクティベーションすることです。
非アクティブにして、後で遅延スタートするアプリケーションを決定します。
アプリケーション遅延スタートは、動的クラスター数のノード数に対する比率が高く、多数の動的クラスターが長期間アクセスされない環境である場合に使用します。
アプリケーション遅延スタートを使用することにより、ユーザーの環境のパフォーマンスおよび効率を向上できます。
プロシージャー
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動的クラスターのプロパティーを編集します。
管理コンソールで、「サーバー」>「動的クラスター」>「dynamic_cluster_name」をクリックします。
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オプション「他の動的クラスターがリソースを必要とする場合、アクティビティーのない期間に開始した、このクラスターのすべてのインスタンスを停止する (If other dynamic clusters need resources, stop all instances of this cluster during periods of inactivity)」オプションを選択します。
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他の動的アプリケーション・クラスターでリソースが必要であるとアプリケーション配置コントローラーが判断した場合の、「インスタンスを停止するまでの待ち時間」を分数で設定します。
結果
アプリケーション配置コントローラーでは、動的クラスターが非アクティブな時間をトラッキングしています。
別の動的クラスターがリソースを必要とする場合は、アプリケーション配置コントローラーによって非アクティブな動的クラスターが指定された時間後に停止されます。
非アクティブなインスタンスによって消費されていたリソースは解放され、追加のリソースが必要な別の動的クラスターで使用できるようになります。
停止された動的クラスターのインスタンスに対して要求が入力された場合は、遅延スタート・コントローラーがアクティブになり、少なくとも 1 つのサーバー・インスタンスが開始されます。
その間に、HTTP エラー・コード 503 (サーバー使用不能) が生成されます。エラー・ページにより、
要求したアプリケーションが開始され、要求が間もなく再実行依頼されることを知らされます。
次に実行する作業
- アプリケーション遅延スタートが動的クラスター・インスタンスを停止するのは、他の動的クラスターがリソースを必要とする場合のみです。
リソースが必要ではない場合に、指定した時間後に動的クラスター・インスタンスを停止するには、proactiveIdleStop カスタム・プロパティーを構成してください。
- 503 エラーに対して使用可能な ODR のカスタム・エラー・ページを構成できます。
エラー・ページには HTTP メタ更新タグを含めることができます。
このタグにより、ブラウザーはある一定の待ち時間の後、要求を自動的に再送します。
カスタム・エラー・ページの構成について詳しくは、ODR の構成
を参照してください。