動的クラスターとは、重みおよびワークロード管理を使用して、クラスター・メンバーから 収集されたパフォーマンス情報に基づき、動的にクラスター・メンバーのワークロードの バランスを取るサーバー・クラスターのことです。 動的クラスターは、アプリケーション・サーバーの仮想化を使用可能にします。
動的クラスター は、環境内のワークロードに応じて拡張および縮小できる、アプリケーション・デプロイメント・ターゲットです。 動的クラスターは、アプリケーション配置コントローラーや動的ワークロード・ マネージャーなどのオートノミック・マネージャーと連動して、コンピューティング・ リソースを最大限に活用します。動的クラスターは、高可用性やサービス・ポリシーなど、多くの WebSphere® Virtual Enterprise オートノミック機能に必要です。
動的クラスターは WebSphere Application Server Network Deployment を使用して作成できるサーバー・クラスターに類似していますが、動的クラスターをさらに堅固なものにしている重要な違いがあります。完全ライフサイクル管理サーバーの場合、この製品は、サーバー・インスタンスの作成および削除を制御し、またサーバーを始動および停止できます。補助ライフサイクル管理サーバーの場合、この製品は、事前定義されたサーバー・インスタンスのプールからサーバーを停止および始動することで、サーバーの状態を制御できます。
WebSphere Virtual Enterprise バージョン 6.1 以降では、動的クラスターにメンバーを追加するための 2 つのオプション (ルールによるクラスター・メンバーの自動定義、またはクラスター・メンバーの手動定義) があります。
ルールによるクラスター・メンバーの自動定義
ルールを使用してクラスター・メンバーを自動的に定義することにより、さまざまなノード・プロパティーに基づいて動的クラスター・メンバーをホストするノードを自動的に選択する副次式を作成できます。 この副次式はメンバーシップ・ポリシー と呼ばれます。メンバーシップ・ポリシーを作成すると、動的クラスターの作成を終了する前に、ノード・メンバーシップをプレビューできます。
ルールを用いたクラスター・メンバーシップの自動定義は、完全ライフサイクル管理を持つサーバーに対してのみ使用できます。メンバーシップ・ポリシーを使用して動的クラスターを作成すると、選択した任意のノードで動的クラスター・インスタンスを開始できます。 メンバーシップ・ポリシーの基準を満たすノードが使用可能になった場合、動的クラスター・インスタンスはこれらのノードでも開始できます。
クラスター・メンバーの手動定義
サーバー・テンプレート は、サーバーを動的クラスターに追加するときに、出発点として使用できるサーバー構成です。さまざまなバージョンの WebSphere Virtual Enterprise およびさまざまなミドルウェア・サーバー・タイプには、事前定義されたテンプレートがあります。独自のサーバー・テンプレートを定義することもできます。
オートノミック要求フロー・マネージャー (ARFM) に対して、セル・レベルまたはデプロイメント・ターゲット・レベルのいずれかで手動モードを使用している場合は、動的クラスターも手動モードにする必要があります。 また、ARFM がセルまたはデプロイメント・ターゲットに対して手動モードにある場合には、 静的クラスターを使用することもできます。 ARFM が自動モードにある場合は、クラスターに対しては任意の動作モードを使用できます。