サービス・ポリシーには 1 つ以上のトランザクション・クラス定義が含まれる。 サービス・ポリシーは目標を作成し、ジョブ・トランザクション・クラスは、 ジョブを目標に結びつけるために使用されます。z/OS 常駐アプリケーションを操作する場合、 サービス・ポリシーに定義されている目標は、アクティブなワークロード管理にではなく、 モニターおよびレポートにのみ使用されます。トランザクション・クラスは、 要求に対して伝搬され、z/OS のワークロード・マネージャー (WLM) によって使用される TCLASS 値を提供する目的も持っています。
トランザクション・クラスとは、 精密なモニターに使用できる、サービス・ポリシーに分類される作業用のサービス・ポリシーのサブコンテナーのことです。サービス・ポリシーと トランザクション・クラスとのリレーションシップは 1 対多です。単一の サービス・ポリシーは、複数のトランザクション・クラス定義を持つことができますが、 各トランザクション・クラスは、1 つのサービス・ポリシーにのみ属しています。各サービス・ポリシーは、 デフォルトのトランザクション・クラスを持っており、ほとんどの場合はこれで十分です。使用環境において、より精密にモニターする必要がある場合は、追加のトランザクション・クラスを作成します。 各トランザクション・クラス名は、セル内では固有にする必要があります。
Compute Grid 環境では、 各ジョブはジョブ・クラスに割り当てられます。ジョブ・クラスにより、グリッド・ジョブのセットごとのリソース使用量のポリシーが設定されます。 ジョブで ジョブ・クラスを指定していない場合は、デフォルトのジョブ・クラスが用意されます。
ジョブ・スケジューラーにより、種別ルールのリストが順番に評価され、最初に一致したルールで指定されたトランザクション・クラスが割り当てられます。 セルごとにサポートされている種別ルール・セットは 1 つのみです。デフォルトの構成可能なトランザクション・クラス (デフォルトでは DEFAULT_TC) は、 このセットに関連付けられています。ジョブに一致する種別ルールがない場合、 デフォルト・トランザクション・クラスがそのジョブに適用されます。Compute Grid のみが存在する環境では、トランザクション・クラス名を指定するテキスト・フィールドがあります。
ジョブ・ディスパッチ要求が制御領域に到達すると、TCLASS は HTTP 要求ヘッダーから抽出され、z/OS サービス・クラスの WLM と要求との関連付けに使用されます。指定のサービス・クラスを持つ別プログラムが作成され、 ジョブが実行されるサーバント領域に WLM を使用してディスパッチされます。サービス・クラス目標を達成するためのキューイングおよび優先順位付けは、この時点で z/OS の WLM によって行われます。
WebSphere Extended Deployment 環境に定義されているサービス・ポリシーは、z/OS の WLM では自動的には定義されません。z/OS の WLM で サービス・クラスを定義した後、WebSphere Extended Deployment で対応するサービス・ポリシーおよびトランザクション・クラス を定義する必要があります。また、その逆の場合も同様です。