WebSphere Virtual Enterprise, Version 6.1.1
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動的クラスターの作成

動的クラスターを作成すると、クラスター・メンバーから収集されたパフォーマンス情報に基づき、動的にクラスター・メンバーのワークロードのバランスを取るために、重みが使用されます。動的クラスターを作成することにより、アプリケーション・サーバーの仮想化が使用可能になります。

始める前に

動的クラスターを作成する前に、以下の前提条件を満たしてください。

このタスクについて

動的クラスター は、環境内のワークロードに応じて拡張および縮小できる、アプリケーション・デプロイメント・ターゲットです。 動的クラスターは、アプリケーション配置コントローラーや動的ワークロード・ マネージャーなどのオートノミック・マネージャーと連動して、コンピューティング・ リソースを最大限に活用します。動的クラスターは、高可用性やサービス・ポリシーなど、多くの製品オートノミック機能に必要です。

アプリケーション・サーバーの動的クラスターを作成する場合は、コア・グループごとのアプリケーション・サーバー、ノード・エージェント、およびオンデマンド・ルーターの最大数として 50 が使用されるように推奨されています。動的クラスターは、複数のコア・グループにまたがることはできません。 動的クラスターにインスタンスの数およびスタッキングの数を設定する場合は、この制限について考慮してください。 この制限は、PHP または WebSphere® Application Server Community Edition サーバーの補助ライフサイクル・サーバーの動的クラスターまたは完全ライフサイクル動的クラスターには適用されません。

コア・グループに既に 40 以上のサーバーがある場合は、スクリプト coregroupsplit.py を使用して既存のセルを複数のコア・グループに分割できます。 詳しくは、coregroupsplit.py スクリプト を参照してください。

プロシージャー

  1. 動的クラスターを作成します。 管理コンソールで、「サーバー」 > 「動的クラスター」 > 「新規」を クリックします。
  2. 動的クラスター・サーバー・タイプを選択します。 動的クラスター・サーバー・タイプは、この動的クラスターのメンバーである サーバーのタイプを決定します。そのタイプに応じて、このパネルで、またはメンバーシップ・メソッドの選択時に、動的クラスターの名前を入力します。
  3. 一部の動的クラスターのタイプでは、メンバーシップ・メソッドを選択できます。 メンバーシップ・メソッドでは、クラスター・インスタンスとしてサーバーが動的クラスターに結合される方法を定義します。
    オプション 説明
    ルールによるクラスター・メンバーの自動定義 完全ライフサイクル管理のサーバーを使用している場合は、「ルールによるクラスター・メンバーの自動定義」が可能です。このオプションでは、クラスター・インスタンスを配置可能なノードを定義するメンバーシップ・ポリシーを作成します。
    クラスター・メンバーの手動定義 補助ライフサイクル管理のサーバーを使用している場合は、「クラスター・メンバーの手動定義」が可能です。このオプションでは、既存のサーバーを選択して動的クラスターに追加します。 選択するサーバーは同種にする必要があります。 つまり、サーバーのタイプおよびミドルウェア・サーバーのバージョンが同一であり、同じアプリケーションがインストールされている必要があります。
    問題の回避: 1 つ以上のアプリケーションが既存の動的クラスターをターゲットとしている場合に、新規のミドルウェア・サーバーをその動的クラスターに追加する場合は、そのサーバーを動的クラスターのメンバーとして追加する前に、それらのアプリケーションをそのミドルウェア・サーバーにインストールし、サーバーをそれらのアプリケーションのターゲットにする必要があります。gotcha
  4. 動的クラスター・メンバーを定義します。
    • 前のステップで「ルールによるクラスター・メンバーの自動定義」を選択した場合は、 副次式ビルダーを使用して、動的クラスターのメンバーシップ・ポリシー式を作成します。 この式は、セル内のすべてのノードで比較され、その副次式が true になるすべてのノードを選択します。

    • クラスター・メンバーの手動定義」を選択した場合、 実行するアクションは、動的クラスター内のサーバーの種類によって異なります。
      • サーバー・タイプがアプリケーション・サーバーである場合は、動的クラスターに変換する既存の静的クラスターを選択します。
      • サーバー・タイプが補助ライフサイクル管理の外部で作成されたミドルウェア・サーバーである場合は、 リストからサーバーを選択して、動的クラスターに追加します。補助ライフサイクル・サーバーを追加する場合は、それらのタイプおよびミドルウェア・サーバー・バージョンが同一であり、同じアプリケーションのセットがインストールされていることを確認してください。
        問題の回避: 1 つ以上のアプリケーションが既存の動的クラスターをターゲットとしている場合に、新規のミドルウェア・サーバーをその動的クラスターに追加するには、あらかじめ、それらのアプリケーションをそのミドルウェア・サーバーにインストールし、サーバーをそれらのアプリケーションのターゲットにする必要があります。
        1. 管理されていないアプリケーションをミドルウェア・サーバーにデプロイします。詳しくは、非管理対象 Web アプリケーションのデプロイ を参照してください。
        2. アプリケーションのデプロイメント・ターゲットを定義します。管理コンソールで、「アプリケーション」 > 「すべてのアプリケーション」 > 「unmanaged_app_name」とクリックします。ターゲットを選択して、「追加」をクリックします。
        3. 「適用」をクリックし、変更を保存します。
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  5. 動的クラスター・テンプレートを選択します。 デフォルトのテンプレートに基づいてサーバーをビルドするか、またはご使用の環境の既存のサーバーをテンプレートとして使用できます。 動的クラスターのサーバー・テンプレートは、完全ライフサイクル管理のサーバーで構成された動的クラスターに対してのみ選択できます。動的クラスターの作成時に使用するテンプレートには、既存の定義済みテンプレートを選択するか、またはユーザー独自のサーバー・テンプレートを作成できます。 サーバー・テンプレートの作成について詳しくは、ミドルウェア・サーバー・テンプレートの作成 を参照してください。
  6. 動的クラスター固有のプロパティーを指定します。
    1. クラスター・インスタンスの最小数を定義してください。デフォルトでは 最小インスタンス数は 1 インスタンスで、インスタンスの最大デフォルトは 無制限です。最小値が過大な場合、性能低下が起こる場合があります。
    2. クラスター・インスタンスの最大数を定義してください。デフォルト値では、 クラスター・インスタンスの数に制限はありません。
    3. 垂直スタッキングを使用可能にするかどうかを決定してください。 垂直スタッキングを構成すると、同一ノード上で複数の動的クラスター・インスタンスを開始できます。
    4. 動的クラスターの分離設定を指定します。
  7. 動的クラスター作成を確認してください。終了」>「保存」をクリックし、 マスター構成の変更を保存します。
  8. 操作のモードを選択してください。管理コンソールで、 「サーバー」 > 「動的クラスター」をクリックします。変更する動的クラスターを 選択してください。 動作モードを選択し、「モードの設定」をクリックします。
    重要: 動的アプリケーション配置を使用するには、動作モードとして「自動」または「監視」をクリックします。

結果

動的クラスターが開始される場合、その環境内の各動的クラスターの少なくとも 1 つのインスタンスが即座に使用可能になります。 同一ノード上に複数のプロセッサーがある場合は、その同一ノード上で複数のインスタンスが同時に開始できます。 例えば、ノードに 2 つのプロセッサーがある場合は、同時に 2 つのインスタンスを開始できます。 アプリケーション配置コントローラーは、動的クラスターごとの最小インスタンス数に到達するまで、すべての動的クラスターのノード全体で均等にインスタンスを開始し続けます。

動的クラスター設定のためのガイドラインとして次の配置シナリオ を使用してください。

次に実行する作業

要確認: サーバーの作成後にサーバー・ポートを変更する場合は、各サーバー・インスタンスのポートを変更する必要があります。 動的クラスター・テンプレートを使用してポートを変更することはできません。 垂直スタッキングの構成により、同一ノード上に複数のサーバーが存在する可能性もあるため、それぞれのサーバー・インスタンスに対してポートを固有にする必要があります。



サブトピック
動的クラスター
動的クラスターの分離
アプリケーションの遅延スタート
静的クラスター対動的クラスター
垂直スタッキングの構成
関連概念
動的操作のコンポーネント
関連タスク
定義済みのサービス・レベルを用いたアプリケーションのデプロイ
報告書の作成と管理
PHP サーバーおよび PHP 動的クラスターの作成
関連資料
管理のロールと特権
coregroupsplit.py スクリプト
関連情報
アプリケーション配置カスタム・プロパティー
タスク・トピック    

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最終更新: 2009/09/17 16時30分32秒EDT
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