WebSphere® Virtual Enterprise 管理セルに、他の WebSphere Application Server 管理セルにルーティングするオンデマンド・ルーター (ODR) によって使用可能になっているサーバーが含まれている場合、クロス・セル通信を使用可能にできます。
始める前に
互いに通信する必要があるセルを構成して、オンデマンド・ルーターを
作成します。
このタスクについて
ODR が別のセル内にあるサーバーに作業をルーティングする必要がある場合、コア・グループ・ブリッジを作成することでクロス・セル通信を構成できます。
通信する WebSphere Virtual Enterprise セルを構成するには、crossCellCGBCfg コマンドを使用する必要があります。管理コンソールでコア・グループ・ブリッジを
作成しないでください。
crossCellCGBCfg コマンドは、以下の構成アクションを実行します。
- ODR を実行するセルと別の WebSphere Application Server 管理セル間で、コア・グループ・ブリッジ・サービスを使用可能にします。
- 両方のセルのすべてのノード・エージェントでコア・グループ・ブリッジを構成します。
- セル間で WebSphere Virtual Enterprise オーバーレイ通信機能を使用可能にします。
crossCellCGBCfg を実行しても、既存のコア・グループ・ブリッジ構成は除去されません。このスクリプトの実行後、環境のコア・グループ・ブリッジ構成を更新できます。
プロシージャー
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クロス・セル通信に関与するノード・エージェントおよびデプロイメント・マネージャーを始動します。
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セルごとに XD-CGB-EXPORT ファイルが作成されていることを確認します。
XD-CGB-EXPORT ファイルは、install_root/profiles/deployment_manager_profile_name/config/cells/cell_name ディレクトリーにあります。
ファイアウォールを使用している場合は、通信をサポートするために、XD-CGB-EXPORT ファイルにリストされているポートの
ファイアウォールが開いていることを確認してください。
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セルごとに overlaynodes.config ファイルが
作成されていることを確認します。
overlaynodes.config ファイルは、install_root/profiles/deployment_manager_profile_name/config/cells/cell_name ディレクトリーにあります。ファイアウォールを使用している場合は、
通信をサポートするために、overlaynodes.config ファイルにリストされているポートの
ファイアウォールが開いていることを確認してください。
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セキュリティーが有効になったセル間の通信の使用可能化
クロス・セル通信に使用しているセルで、Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) 管理セキュリティーなど、ある形式のセキュリティーが有効になっている場合、セル間の通信をセットアップします。
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それぞれのセルで crossCellCGBCfg コマンドを実行してください。
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コマンド・プロンプトで、ODR セルのルーティング先であるそれぞれの
バックエンド・セルについて、ODR デプロイメント・マネージャー・プロセスに対して
次のコマンドを入力します。
crossCellCGBCfg create deployment_manager_host deployment_manager_SOAP_port path_to_external_cell_XD-CGB-EXPORT path_to_external_cell_overlaynodes.config_file
crossCellCGBCfg コマンドでセキュリティーが有効である場合は、次のように追加のパラメーターとしてユーザー ID およびパスワードを含めます。
crossCellCGBCfg
create deployment_manager_host deployment_manager_SOAP_port path_to_external_cell_XD-CGB-EXPORT path_to_external_cell_overlaynodes.config_file user_name password
このコマンドは、XD-CGB-EXPORT および overlaynodes.config ファイルによって表わされる外部セルを ODR が識別できるようにします。XD-CGB-EXPORT ファイルは、serverindex.xml ファイルのサブセットで、
ランタイム環境でクロス・セルの HA マネージャー通信に必要なエンドポイントを
分離します。serverindex.xml ファイルの内容を直接、または管理コンソールでノード・エージェントのエンドポイント・マネージャーを使用して検査する場合、クロス・セル機能で使用されるエンドポイントは P2P_CGBS_UNICAST_ADDRESS です。
ODR セルとバックエンド・セルの間に設けられたファイアウォールでは、ODR と
バックエンド・セルのそれぞれのノード上のこのエンドポイントで表されるポートを
通ってトラフィックが流れることができる必要があります。
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各バックエンド・セルで、そのセルのデプロイメント・マネージャー・プロセスに対して crossCellCGBCfg コマンドを実行し、
ODR セルの XD-CGB-EXPORT ファイルおよび overlaynodes.config ファイル
をインポートします。2 つのバックエンド・セル間のファイルのインポートはサポートされません。
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各セル内のすべてのプロセスを停止します。
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各セルを再開します。
結果
オンデマンド・ルーターは、別のセル内にあるサーバーに作業を
ルーティングします。
例
図 1. クロス・セル通信トポロジーのダイアグラム.
このトポロジーは、それぞれ複数のサーバーを実行している 2 つのセル間の論理分割を示します。それぞれのノード・エージェントは、セル間のピア・アクセス・ポイント・ブリッジを実行し、ピア・アクセス・ポイント・グループのブリッジ部分を形成しています。

次に実行する作業
前のインポートをクリアして再開する場合は、次のコマンドを実行します。
crossCellCGBCfg clear deployment_manager_host deployment_manager_SOAP_port
あるいは、クロス・セル通信で Secure Sockets Layer (SSL) を使用する場合、ODR とバックエンド・セルの各サーバー で CGBS_USE_SSL システム・プロパティーを非ヌル値に設定します。