マルチユーザー・アドレス・スペースで作業している複数のユーザーが同じサービス・ポリシーに割り当てられた場合、通常の WLM の動作が保証されます。 そのようなアドレス・スペースでのユーザーの作業は、すべて同じ扱いを受けます。 オペレーティング・システムのディスパッチャー・キュー優先順位で、z/OS ワークロード管理 (WLM) は、 作業の実行をアドレス・スペース・レベルで管理します。
従来の z/OS ワークロードでは、アドレス・スペースに対して 1 度に 1 つのジョブ または 1 つのオンライン・ユーザーのいずれかが存在するため、 アドレス・スペースのサービス・ポリシーは、ディスパッチャー優先順位を決定する場合の考慮事項になります。 CICS や WebSphere Application Server などのマルチユーザー・アドレス・スペースが導入された場合、基本的な WLM/ディスパッチャー・モデルは変更されるのではなく受け入れられます。
ただし、ユーザーの作業が混合サービス・ポリシーに割り当てられているマルチユーザー・アドレス・スペースでは、 最も積極的なサービス・ポリシーのみが、ディスパッチャー優先順位の管理の目的に対して考慮されます。つまり、 最も厳しいパフォーマンスの目標、および最も重要度が高いサービス・ポリシーが、 そのようなアドレス・スペースのディスパッチ優先順位を制御します。
単一アドレス・スペース内で混合サービス・ポリシーを実行する結果として、 最も積極的なサービス・ポリシーがその優先順位を制御するため、 そのようなアドレス・スペースで重要度が低い作業が、アドレス内で最も重要な 作業と同じディスパッチャー優先順位になるというマイナスの側面があります。 つまり、重要度の低い作業が優位になり、サービス・ポリシーを分化したリソース管理を達成しようとするユーザーの試みが失敗します。