Universal Description, Discovery, and Integration (UDDI) 仕様には、Web サービスに関する情報を公開したり、検出したりする方法が定義されています。
Web サービス という用語は、企業が、通常はインターネット接続を通じて、
別の企業、子会社、あるいはソフトウェア・プログラムがサービスを利用できるように公開する、
特定のビジネス機能を表します。
UDDI 仕様は、OASIS UDDI の Web ページ にあります。
UDDI 仕様は、サービス指向アーキテクチャー (SOA) レジストリー・サービスに不可欠な、可視性、再使用可能性、および管理の容易性のための規格を定義しています。
UDDI レジストリーは、UDDI 仕様を使用して実装される、Web サービス用のディレクトリーです。これは、WebSphere Application Server のコンポーネントです。
IBM のオンデマンド・サービス指向アーキテクチャーの重要なコンポーネントである UDDI レジストリーは、
以下の方法で、企業とそのパートナー用のテクニカル・コンポーネント検出に関連する問題を解決します。
- 企業がその e-business への投資を保護できるように、制御、柔軟性、および機密性を提供します。
- 技術資産の確認を容易にすることで、効率を高めます。
- 既存のインフラストラクチャーを活用します。
以下の例は、大企業で UDDI レジストリーをどのように使用できるかを示しています。
ある企業に、
社員の電話番号や人事 (HR) 情報を提供する、レガシー・アプリケーションがあります。
このアプリケーションを Web サービスに変えて、レジストリーに公開します。
社内の開発者は、サプライヤーに HR 情報を提供する必要もある、調達機能を備えたアプリケーションを作成したいと考えます。このアプリケーションでは、社員が名前またはシリアル番号を提供すると、
サプライヤーがその社員のアカウント・コードにアクセスできるようにする必要があります。
Web サービスが普及する以前は、開発者は次のいずれかの状態であった可能性があります。
- 開発者が類似のアプリケーションがあることを知らない。
- 開発者はそのアプリケーションについて知っているが、技術的な障壁のため、再利用できない。
- 開発者はそのアプリケーションについて知っているが、かなりの時間と交渉を経てからでなければ、再利用できない。
UDDI を使用すれば、開発者は Web サービスを検索して、
数分で既存のテクニカル・コンポーネントをサプライヤー向けの新規アプリケーションで再使用することができます。
開発者は時間を節約し、短時間でアプリケーションを稼働させるので、効率が良くなり、
企業は時間と資金を節約できます。
UDDI レジストリーは、民間企業の作業用としては初めての、
バージョン 2 規格に準拠した UDDI レジストリーでした。
このバージョンの UDDI レジストリーには次の特性があります。
- バージョン 1.0 とバージョン 2.0 の標準 API に加えて、
UDDI バージョン 3.0 の仕様をもサポートしています。
- 信頼性と定評のある WebSphere Application Server テクノロジーを活用しています。
- 永続的な保管のために、リレーショナル・データベース (DB2 など) を使用します。
UDDI バージョン 3 の新機能
WebSphere Application Server のこのバージョンで提供されている UDDI バージョン 3 仕様の主な特徴は、
以下のとおりです。
- 専用 UDDI レジストリーの重要性についての認識の改善
- 専用 UDDI レジストリーは、社内部門、会社、業界の共同事業体、e-マーケットプレイスなど、
個別の団体によってインストール、所有、管理、および制御されるレジストリーです。
- パブリッシャー割り当てキー
- UDDI エンティティーのパブリッシャーは、レジストリーによって固有のキーを自動的に割り当てられるのではなく、自分のキーを指定できます。つまり、よりわかりやすい、URI ベースのキーを使用でき、さらに複数のレジストリーの管理が容易になります。
- UDDI 情報モデルの改善
- UDDI データ構造は拡張され、これにより、メタデータによってビジネスおよびサービスを表す UDDI の機能が改善されます。
- セキュリティー機能拡張
- デジタル・シグニチャーがさらなるセキュリティーを提供します。主な UDDI エンティティーはそれぞれデジタル署名が可能となり、
これによって UDDI データの保全性と信頼性が改善されます。
- 所有権転送 API
- これらの API は、あるパブリッシャーから別のパブリッシャーへの UDDI エンティティーの所有権転送をサポートします。
- UDDI ポリシー (UDDI policy)
- ポリシーを設定して UDDI レジストリーの振る舞いを定義するため、UDDI レジストリーが使用される各種の環境を認識できます。
- UDDI エンティティーのための HTTP GET サポート
- HTTP GET を使用して、UDDI データ構造それぞれの XML 表記にアクセスすることができます。
これにより、HTTP GET サービスは、UDDI バージョン 2 仕様のディスカバリー URL の範囲を超えて拡張されました。