WebSphere Application Server Version 6.1 Feature Pack for Web Services   
             オペレーティング・システム: z/OS

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このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

カタログ式プロシージャー

この概要は、WebSphere® Application Server for z/OS® で JCL カタログ式プロシージャーを使用する方法について説明します。

WebSphere Application Server for z/OS の各サーバーは、 JCL カタログ式プロシージャーを使用します。 これらのプロシージャーはすべてよく似ていて、メインのカタログ式プロシージャーと、 DD ステートメントを含む INCLUDE メンバーで構成されています。以下に、 カスタマイズ・ダイアログで生成される、コントローラー用のカタログ式プロシージャー・ライブラリー・メンバーの 例を示します。

プロシージャー・ライブラリー・メンバー BBO6ASR:
//BBO6ASR  PROC ENV=,Z=BBO6ASRZ                                  
//  SET™ ROOT='/WebSphere/V6R1'                                   
//BBOSR   EXEC PGM=BBOSR,REGION=0M,TIME=NOLIMIT,                 
// PARM='TRAP(ON,NOSPIE),ENVAR("_EDC_UMASK_DFLT=007") /'         
//BBOENV DD PATH='&ROOT/&ENV/was.env'                            
//  INCLUDE MEMBER=&Z                                            
For 64-bit addressability: 
//BBO6ASR  PROC ENV=,Z=BBO6ASRZ,AMODE=                          
//  SET ROOT='/WebSphere/V6R1'                                   
//STEP1   EXEC PGM=BBOOMTST,PARM='&AMODE'                       
//  INCLUDE MEMBER=&Z                                            //TEST1    IF (STEP1.RC = 0) THEN                                
//BBOSR   EXEC PGM=BBOSR,REGION=0M,TIME=NOLIMIT,                 
// PARM='TRAP(ON,NOSPIE),ENVAR("_EDC_UMASK_DFLT=007") /'         
//BBOENV DD PATH='&ROOT/&ENV/was.env'                            
//  INCLUDE MEMBER=&Z                                            //         ELSE                                                  
//BBGSR   EXEC PGM=BBGSR,REGION=0M,TIME=NOLIMIT,MEMLIMIT=NOLIMIT,
// PARM='TRAP(ON,NOSPIE),ENVAR("_EDC_UMASK_DFLT=007") /'         
//BBOENV DD PATH='&ROOT/&ENV/was.env'                            
//  INCLUDE MEMBER=&Z                                            //         ENDIF                                                 
//                                                               
プロシージャー・ライブラリー・メンバー BBO6ASRZ:
//*                                                                 
//* Output DDs
//*                                                                 
//CEEDUMP DD SYSOUT=*,SPIN=UNALLOC,FREE=CLOSE
//SYSOUT DD SYSOUT=*,SPIN=UNALLOC,FREE=CLOSE
//SYSPRINT DD SYSOUT=*,SPIN=UNALLOC,FREE=CLOSE
//*                                                                 
//*Steplib Setup
//*                                                                 
//STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=WAS.V61.SBBOLD2                          
//         DD DISP=SHR,DSN=WAS.V61.SBBOLOAD
For 64-bit addressability:
//*                                                                 
//* Output DDs
//*                                                                 
//CEEDUMP DD SYSOUT=*,SPIN=UNALLOC,FREE=CLOSE
//SYSOUT DD SYSOUT=*,SPIN=UNALLOC,FREE=CLOSE
//SYSPRINT DD SYSOUT=*,SPIN=UNALLOC,FREE=CLOSE
//*                                                                 
//*Steplib Setup
//*                                                                 
//STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=WAS.V61.SBBOLD2                          
//         DD DISP=SHR,DSN=WAS.V61.SBBOLOAD
//         DD DISP=SHR,DSN=WAS.V61.SBBGLOAD                         
カタログ式プロシージャーの EXEC ステートメントの PGM= パラメーターは、 WebSphere Application Server for z/OS サーバーのタイプを指定します。プログラム名は以下のとおりです。
EXEC PGM ステートメントの PARM= パラメーターには、 PGM= パラメーターで識別されるプログラムに渡されるパラメーターが含まれています。
カスタマイズの注意事項 : 言語環境 (LE) パラメーターを変更するための該当するインターフェースは、 PARM= パラメーターを使用します。 ただし、LE パラメーターを変更する場合は、 まず IBM® サポート・チームに相 談してからにしてください。 LE パラメーターは、アドレス・スペースで実行される主な LE アプリケーションである WebSphere Application Server の最高のパフォーマンスを確実に実現するために、内部で設定されます。 LE パラメーターを追加または変更する必要がある場合は、 必ず IBM WebSphere サポート・チームと共同で作業し、 内部で設定されるパラメーターが漏えいしないようにしてください。

BBOENV DD ステートメントは、 サーバーの was.env (開始パラメーター) ファイルを指します。 このファイルのパスは、 構成 HFS ディレクトリー名 (ROOT JCL 変数を使用してハードコーディング済み) と、 この特定サーバーのシンボリック・リンク (開始時に ENV= パラメーターによって指定) で構成されています。

メインのカタログ式プロシージャー内の INCLUDE ステートメントによって、 INCLUDE メンバー (この場合は BBO6ASRZ) から、すべての JCL ステートメントが組み込まれます。規則では、 INCLUDE メンバーの名前は、メインのカタログ式プロシージャー名の末尾に「Z」の文字を追加したものです。 INCLUDE メンバーは、開始済みタスクに共通の DD ステートメントを提供します。

ロケーション・サービス・デーモンの STEPLIB DD ステートメントにより、使用する WebSphere Application Server for z/OS コード・ベースが決まります。 ロケーション・サービス・デーモンが、その STEPLIB 連結で SBBOLPA モジュールを検出した場合、 そのモジュールは共通ストレージにロードされます。STEPLIB でモジュールが検出されない場合は、 ロケーション・サービス・デーモンは、システムのリンク・パック域でモジュールを探します。
注: モジュールがそのどちらでも検出されない場合は、 ロケーション・サービス・デーモンはエラーを報告して終了します。
モジュールが見つかると (そして必要に応じてロードされると)、 ロケーション・サービス・デーモンは、そのセルの残りのサーバーが使用する ロード・モジュール・アドレスのベクトル・テーブルを保持します。
同じ z/OS システム上にあるロケーション ・サービス・デーモンのセルの他のサーバーはすべて、 ロケーション・サービス・デーモンと同じ製品コード・ベースを使用する必要があります。 コントローラーのカタログ式プロシージャーには、BBOCTL を呼び出す EXEC ステートメントの前に、 追加のステートメントがいくつか組み込まれています。これらは、 ポスト・インストーラー・プログラムの起動に使用されます。このプログラムによって、 製品 HFS とロード・モジュールにサービスが適用されたときに、 構成 HFS とそのホーム・ディレクトリーに、必要な保守が適用されます。

以下のセクションでは、各構成で必要なカタログ式プロシージャーについて説明し、 推奨される命名規則を示して、各サーバーの SAF ユーザー ID の決定方法を説明します。

スタンドアロン・アプリケーション・サーバーのカタログ式プロシージャー

スタンドアロン・ アプリケーション・サーバーは、以下のカタログ式プロシージャーを使用し、そのそれぞれに、対応する INCLUDE JCL メンバーがあります。 両サーバーで構成 HFS と製品コード・レベル (STEPLIB など) が同じであれば、 異なるスタンドアロン・サーバーで同じカタログ式プロシージャーを使用することができます。カスタマイズ・ダイアログは、同じ名前が使用されていたり、 カスタマイズ・ジョブとファイルが再生成されていたりすれば、同じ名前の proclib メンバーを上書きします。 したがって、ローカルの STEPLIB が存在する場合や、プロシージャーに他の変更を加える場合は、 カスタマイズ・ダイアログの使用後に、必ずそれらを再適用してください。

Network Deployment セルのカタログ式プロシージャー

Network Deployment セルは、以下のカタログ式プロシージャーを使用し、 そのそれぞれに、対応する INCLUDE JCL メンバーがあります。

デプロイメント・マネージャーの場合:
  • デプロイメント・マネージャー・コントローラーのカタログ式プロシージャー
  • デプロイメント・マネージャー・サーバントのカタログ式プロシージャー
個々のアプリケーション・サーバー・ノードの場合:
  • アプリケーション・サーバー・コントローラーのカタログ式プロシージャー (ノード・エージェントでも使用されます)
  • アプリケーション・サーバー・サーバントのカタログ式プロシージャー
ロケーション・サービス・デーモン (z/OS システムごとに 1 つ) の場合:
  • ロケーション・サービス・デーモンのカタログ式プロシージャー
たいていの場合、ライブラリー (CICS、DB2 など) を STEPLIB 連結に入れるために変更が必要になるのは、 アプリケーション・サーバー・サーバントのカタログ式プロシージャーのみです。

両サーバーの構成 HFS と製品コード・レベル (STEPLIB など) が同じであれば、 Network Deployment セルの複数のノードでも、あるいは複数セルに対しても、 同じカタログ式プロシージャーを使用することができます。 カスタマイズ・ダイアログは、同じ名前が使用されていたり、 カスタマイズ・ジョブとファイルが再生成されていたりすれば、 同じ名前の proclib メンバーを上書きします。 したがって、ローカルの STEPLIB が存在する場合や、プロシージャーに他の変更を加える場合は、 カスタマイズ・ダイアログの使用後に、必ずそれらを再適用してください。

推奨されるカタログ式プロシージャーの命名規則

WebSphere Application Server for z/OS のカタログ式プロシージャーでは、 一貫した命名規則を使用してください。 プロシージャー名によって、 WebSphere Application Server for z/OS のバージョン、構成 HFS、 および STEPLIB にリストされているデータ・セットが区別されます。 カスタマイズ・ダイアログで、 文字「Z」を付加して INCLUDE JCL メンバー名を作成できるようにするには、 カタログ式プロシージャー名を 7 文字までに制限します。

例えば、 次の規則はスタンドアロン・アプリケーション・サーバーか Network Deployment セルのいずれかに適用されます。 cc は 2 文字のセル ID です。
デプロイメント・マネージャー・コントローラー cc6DCR
デプロイメント・マネージャー・サーバント cc6DSR
ロケーション・サービス・デーモン・コントローラー cc6DMN
アプリケーション・サーバー・コントローラー cc6ACR
アプリケーション・サーバー・サーバント cc6ASR
制御領域付加属性 cc6CRA
シスプレックス内の異なるシステム上のノードで別々のカタログ式プロシージャーが必要な場合 (例えば、 非中断の再始動を許容するために独自に設定可能な STEPLIB ステートメントが必要な場合) は、 ロケーション・サービス・デーモンおよびアプリケーション・サーバー・プロシージャーをシステム固有の proclib に入れるか、 ロケーション・サービス・デーモンおよびアプリケーション・サーバーのカタログ式プロシージャー名に、 1 文字のシステム ID を付加します。

ユーザー ID の、 WebSphere Application Server for z/OS アドレス・スペースへの割り当て

z/OS Security Server (RACF®) を、 z/OS で SAF 準拠のセキュリティー・システムとして使用する場合は、 STARTED クラス・プロファイルを使用して、開始済みタスクのユーザー ID を、 WebSphere Application Server for z/OS の各サーバーに割り当てます。 これらの STARTED プロファイルは、 カスタマイズ・ダイアログのバッチ・ジョブによってセットアップされます。この STARTED プロファイルは、 自分で作成したサーバーに適切なユーザー ID を割り当てる場合には、必要に応じて更新します。

コントローラー (デプロイメント・マネージャー、ロケーション・サービス・デーモン、 ノード・エージェント、またはアプリケーション・サーバーのコントローラー) は、 MVS™ コンソールから、 または内部で実行される、コンソールの START コマンドによって開始されます。 これらのサーバーでは、検査される STARTED プロファイル名の形式は、 procname.jobname のようになっています。

カスタマイズ・ダイアログは、 コントローラーまたはデーモン・カタログ式プロシージャーを作成すると必ず、 そのカタログ式プロシージャーを使用するすべてのコントローラーを、 該当するコントローラー・ユーザー ID と構成グループに関連付ける STARTED プロファイルも作成します。 したがって、スタンドアロン・アプリケーション・サーバーをデフォルト名でセットアップすると、 カスタマイズ・ダイアログは、コントローラー用に以下の STARTED プロファイルを作成します。
  • RDEFINE STARTED BBO6ACR.* STDATA(USER(ASCR1) GROUP(WSCFG1) TRACE(YES))
  • RDEFINE STARTED BBO6DMN.* STDATA(USER(WSDMNCR1) GROUP(WSCFG1) TRACE(YES))
注: TRACE(YES) は、プロファイルの使用時には必ず、 メッセージ IRR812I を MVS コンソールに書き込みます。

サーバント領域 (アプリケーション・サーバー・サーバントと付属プロセス) は、 ワークロード・マネージャー (WLM) を使用して開始されます。これらのサーバーでは、検査される STARTED プロファイル名の形式は、 jobname.jobname のようになっています。

残念ながら、 特定サーバントのカタログ式プロシージャーを使用するすべてのサーバーを、 1 つのサーバント・ユーザー ID に割り当てる方法はありません。そこで、カスタマイズ・ダイアログでは、 ジョブ名プレフィックス BBO に基づいたサーバント用の汎用 STARTED プロファイル、 ジョブ名の先頭が BBO ではない任意のサーバント用の特定 STARTED プロファイル (そのサーバントをサーバント・ユーザー ID に割り当てる)、 および、CRA ユーザー ID への割り当てを行う付属プロセス用の特定 STARTED プロファイルのいずれもが作成されます。 デフォルト名が選択されている場合は、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー用に以下のサーバント STARTED プロファイルが作成されます。
  • RDEFINE STARTED BBO*.* STDATA(USER(ASSR1) GROUP(WSCFG1) TRACE(YES))
    注: サーバー名 BBOS001S がこのプロファイルで「キャッチ」されるため、 特定のアプリケーション・サーバント・プロファイルはありません。
  • RDEFINE STARTED BBOS001A.* STDATA(USER(ASCRA1) GROUP(WSCFG1) TRACE(YES))
カタログ式プロシージャーの名前を選択する場合、 サーバーを該当する SAF ユーザー ID にマップするのに適した STARTED プロファイルが用意されていることを確認してください。 STARTED プロファイルを表示するには、 RACF ISPF パネルまたは RLIST STARTED コマンドを使用します。

SAF 準拠の別のセキュリティー・システムを使用する場合は、 セキュリティー・サーバー・ベンダーに連絡して、WebSphere Application Server for z/OS のセットアップ情報を入手してください。

管理非同期タスクのカタログ式プロシージャー

非同期の管理用タスクにも、カタログ式プロシージャーが必要です。 この非常に単純なカタログ式プロシージャーには、 STEPLIB も構成 HFS ポインターも組み込まれていません。しかしこれは、 実行されるセルのセキュリティー・ドメインに関連した特定のユーザー ID およびグループの下で実行する必要があるため、 個々のセキュリティー・ドメインまたはセルごとに、別々のカタログ式プロシージャー名を選択する必要があります。

推奨:

管理非同期タスクのカタログ式プロシージャーの名前は、 「cc6SH」にしてください。 ここで、cc は、2 文字のセル ID です。




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最終更新: Jan 21, 2008 4:10:06 PM EST
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