アプリケーション・データに継続的にアクセスしなければ、アプリケーション・サーバーはクライアント要求を処理できません。
WebSphere Application Server は、データ可用性を維持するためのさまざまな方法をサポートしています。
データが i5/OS サーバー上に置かれている場合は、
以下のいずれかのオプションを使用して、データの可用性をさらに高めることができます。
データ複製
データ複製を使用して、アプリケーション・データのバックアップ・コピーを作成することで、
アプリケーション・サーバー環境のすべてのコンポーネントの可用性を保証することができます。
データ複製は、クラスター化、リモート・ジャーナル処理、およびサード・パーティーのデータ複製ソフトウェアを使用して、
2 つの物理的に分離されたアプリケーション・データのコピーを保守します。
データ複製は、クラスター内のシステムを地理的に分離できるため、
これらのデータベースに災害時回復機能を提供できます。
クラスター化によって、2 つ以上のサーバー間の通信の基本が提供されます。
この通信は、物理的に分離されたマシン上にデータをバックアップするために必要です。
リモート・ジャーナル処理は、アプリケーション・データのコピーを作成して、
ホット・バックアップを確実に行います。
リモート・ジャーナル処理には以下の 2 つのタイプがあります。
- 同期リモート・ジャーナル処理 (1 次データベースとバックアップ・データベースの両方に同時にデータが書き込まれます)。
このタイプのジャーナル処理では、システム障害の場合でも項目が失われることはありません。
しかし、データが両方のデータベースに書き込まれている間、アプリケーションが待機する必要があるため、
パフォーマンスに悪い影響を与える場合があります。
- 非同期リモート・ジャーナル処理 (アプリケーションから 1 次データベースにデータが直接書き込まれます)。
このタイプのジャーナル処理では、データがバックアップ・システムにコピーされている間、
アプリケーションはクライアント要求の処理を続行できます。
アプリケーションのパフォーマンスに影響を与えませんが、障害が発生した場合に最新の項目が失われることがあります。
切り替え可能ディスク
切り替え可能ディスクは、クラスター化、ローカル・ジャーナル処理、
および独立補助ストレージ・プール (IASP) を使用して、アプリケーション・データの可用性を保証します。
アプリケーション・データは IASP に保管され、障害が発生した場合に、
IASP を別のノードに切り替えることができます。
切り替え可能ディスクの利点は、データ複製が起こらないことです。
したがって、データの同期を気にする必要がありません。
しかし、データベースは Single Point of Failure になります。
さらに、バックアップ・ノードを物理的に 1 次ノードに近づける必要があります。
したがって、この構成では災害時回復が提供されません。
切り替え可能ディスクは、以下のコンポーネントとサービスを使用します。
- サーバー・クラスター。
クラスター内のすべてのノードに High Availability Switchable Resources 機能 (5722-SS1 オプション 41) がインストールされている必要があります。
- クラスター化。
切り替え可能ディスクを使用する場合は、クラスター化によって以下が提供されます。
- IASP の切り替えに必要なサービス。
- バックエンドのデータベース区画の正常性のモニター。
- ローカル・ジャーナル処理。
切り替え可能ディスクは、ローカル・ジャーナル処理を使用して、
データベース・トランザクション境界を保存します。
切り替え可能ディスクは、以下の機能を含む複数のセル・トポロジーでの使用が最適です。
- 複数のセル・トポロジーで説明されるように、すべてのセルがクライアント要求を処理します。
- いずれかのセルが、他のセル上のアプリケーション・サーバーからのデータを受信する、1 次データベース・
システムをホストしています。
- 1 次データベース・システムが IASP に接続されています。
- 他のセルのいずれかが、1 次システムに障害が発生するまで非アクティブとなっている、2 次データベース・シス
テムをホストしています。
1 次システムに障害が発生すると、アプリケーション・データは、この、他のセル内の 2 次データベース・シス
テムに送信され、
IASP は 2 次システムに接続されます。