WebSphere Application Server Version 6.1 Feature Pack for Web Services   
             オペレーティング・システム: z/OS

             目次と検索結果のパーソナライズ化
このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

z/OS ワークロードの分類

ユーザーは、z/OS ワークロード・マネージャーのインバウンド HTTP、IIOP、および メッセージ駆動型 Bean (MDB) 作業要求を分類するために、共通のワークロード分類文書を使用できます。

始める前に

z/OS システムでは、ワークロード管理を使用する必要があります。 詳しくは、z/OS 用のワークロード管理 (WLM) を参照してください。

このタスクについて

ワークロード分類文書ファイルは、着信 HTTP、IIOP、およびメッセージ駆動型 Bean (MDB) 作業要求を分類し、 それらの要求をトランザクション・クラス (TCLASS) に割り当てる XML ファイルです。 TCLASS 値が割り当てられている場合、TCLASS 値は MVS ワークロード・マネージャー (WLM) に渡されます。WLM は、TCLASS 値を使用して、 インバウンド作業要求を分類し、サービス・クラスまたはレポート・サービス・クラスをそれぞれの要求に割り当てます。

共通ワークロード分類文書は、z/OS 環境で作業要求を分類するために使用するメソッドです。z/OS 環境で作業を分類するために、その他の WebSphere Application Server メカニズムをサポートすることは推奨されていません。 これらのメカニズムは使用しないでください。

デフォルトの メッセージング・プロバイダーで JCA 1.5 リソースに対してデプロイされたメッセージ駆動型 Bean の作業を 分類する場合、またはサービス統合バスで使用するためにメディエーション作業を分類する場合は、 SibClassification エレメントを使用する Classification エレメントを定義する必要があります。 また、TCLASS 値 "SIBUS" を使用するために必要な z/OS ワークロード・マネージャー・アクションを 実行する必要もあります。 バージョン 6 デフォルト・メッセージング・プロバイダーでの MDB アプリケーションによる使用のために、 リスナー・ポートを JMS アクティベーション・スペックと置き換える場合は、 関連する InboundClassification type="mdb" 分類を SibClassifications type="jmsra" 分類に置き換える 必要があります。

プロシージャー

  1. ワークロード分類文書を作成します。 ワークロード種別ファイル の項目の情報を使用してください。ワークロード分類文書と DTD のサンプルについては、 z/OS ワークロード種別文書の例 を参照してください。
  2. HFS に存在するファイルの通常のコード・ページ IBM-1047 で z/OS システム上に文書を作成する場合は、 そのファイルを使用する前に ASCII に変換する必要があります。 以下のいずれかのオプションを使用して、サーバーが使用可能な文書に作業文書を変換します。
    • native2ascii
      これは、ネイティブのコード・ページから ASCII コード・ページにファイルを 変換できる Java SDK のユーティリティーです。 例えば、x5sr02.classification.ebcdic.xml という XML 文書で作業して いる場合に、x5sr02.classification.xml という文書を作成するときは、次のコマンドを使用します。
      /u/userid -> native2ascii ¥
      x5sr02.classification.ebcdic.xml > x5sr02.classification.xml
      コマンド行は、印刷上の理由により、 円記号 (¥) 文字で次の行と分割されています。
    • iconv
      これは、ある指定されたコード・ページから別の指定されたコード・ページにファイルを 変換できる z/OS ユーティリティーです。 例えば、x5sr02.classification.ebcdic.xml という XML 文書で作業して いる場合に、x5sr02.classification.xml という文書を作成するときは、次のコマンドを使用します。
      /u/userid -> iconv -f IBM-1047 -t UTF-8 ¥
      x5sr02.classification.ebcdic.xml >x5sr02.classification.xml
      コマンド行は、印刷上の理由により、 円記号 (¥) 文字で次の行と分割されています。
    • ワークステーションで文書を作成し、バイナリー形式で z/OS システムの正しいロケーション に FTP でファイル転送します。 このオプションを使用して、ワークロード分類文書と同じディレクトリーに Classification.dtd ファイルを作成することもできます。 サーバーにインストールする前に、その文書で XML 妥当性検査を実行することができます。 お好みの妥当性検査パーサーを使用します。例えば、WebSphere Application Developer ワークベンチを使用して、 ワークロード分類文書を構成し、検証することができます。
  3. 管理コンソールで、ワークロード分類文書のロケーションを指定します。 wlm_classification_file 変数を使用して、分類情報を含む XML ファイルを指定します。 管理コンソールで、「環境」>「WebSphere 変数の管理」>「新規」とクリックします。 変数は、セル、ノード、またはサーバー・インスタンス・レベルで設定することができます。 セルまたはノード・レベルで変数を指定する場合、その情報は、ノードまたはセルからの仕様を継承する すべてのサーバーに対してアクセス可能であり、適切である必要があります。
  4. TCLASS 値を使用するために必要な z/OS ワークロード・マネージャー・アクションを 実行する必要があります。 各 TCLASS は、サービス・クラス、レポート・サービス・クラス、またはその両方を、 作業が実行される別プログラムに割り当てる必要があります。CB 分類ルールは更新する必要があります。

    デフォルトの メッセージング・プロバイダーで JCA 1.5 リソースに対してデプロイされたメッセージ駆動型 Bean の作業を 分類する場合、またはサービス統合バスで使用するためにメディエーション作業を分類する場合は、 TCLASS 値 "SIBUS" を使用するために必要な z/OS ワークロード・マネージャー・アクションを 実行する必要があります。

    トランザクション・クラスは、サービス・クラスおよびトランザクションを確立する際の サブ規則として使用されます。 TCLASS 値は、レベル 1 の規則には使用されません。TCLASS をサブ規則ではなく、 レベル 1 の規則として使用する場合は、規則の順序付けに注意する必要があります。 作業に適用する最初のレベル 1 規則が使用されるため、広範囲をカバーする規則の前に、 より具体的な規則を最初にする必要があります。

    例えば、CB 分類規則について以下の 2 つの例を検討してください。
    Subsystem-Type  Xref  Notes  Options  Help
    --------------------------------------------------------------------------
    Modify Rules for the Subsystem Type Row 1 to 17 of 17
    Command ===> ____________________________________________ SCROLL ===> CSR
    Subsystem Type . : CB Fold qualifier names? Y  (Y or N)
    Description . . . CB Class'n w/WLM Trans. CLASSes
    Action codes:  A=After    C=Copy         M=Move     I=Insert rule
    B=Before   D=Delete row   R=Repeat   IS=Insert Sub-rule
    More ===>
           --------Qualifier--------           -------Class--------
    Action    Type     Name     Start             Service     Report
    																		DEFAULTS:  CBCLASS RWASDEF
    ____ 1 	CN  P5SR01* 	1                         CBCLASS RTP5CLUS
    ____ 1 	TC      A0     ___                        CBHUTCH RP5A0
    ____ 1 	TC      A1     ___                        CBHUTCH RP5A1
    ____ 1 	TC      A1B    ___                        CBHUTCH RP5A1B
    ____ 1 	CN    WSIVP2*  ___                        CBSLOW  RWSIVP
    ____ 1 	CN    T%SERV*  1                          CBFAST  RTSMIGT
    ____ 1 	CN      B4*    ___                        CBFAST ________
    上の例では、 サーバー P5SR01x で実行中の別プログラム用に行われた TCLASS 割り当ては、 ワークロード・マネージャーでは使用されません。 次の規則が実行されると、それ以後は分類テーブルの検索が行われません。
    ____ 1 	CN   	P5SR01* 	1 												CBCLASS 
    TCLASS 割り当ては使用されません。P5SR01x サーバーで 実行するすべての別プログラムは、CBCLASS サービス・クラスおよび RTP5CLUS レポート・サービス・クラスに割り当てられます。
    Subsystem-Type  Xref  Notes  Options  Help
    --------------------------------------------------------------------------
    Modify Rules for the Subsystem Type Row 1 to 17 of 17
    Command ===> ____________________________________________ SCROLL ===> CSR
    Subsystem Type . : CB Fold qualifier names? Y  (Y or N)
    Description . . . CB Class'n w/WLM Trans. CLASSes
    Action codes:  A=After    C=Copy         M=Move     I=Insert rule
    B=Before   D=Delete row   R=Repeat   IS=Insert Sub-rule
    More ===>
             --------Qualifier--------           -------Class--------
    Action    Type     Name     Start             Service     Report
                                        																		DEFAULTS:  CBCLASS RWASDEF
    ____ 1   TC      A0     ___                CBHUTCH      RP5A0
    ____ 1   TC       A1       ___                CBHUTCH      RP5A1
    ____ 1 	 TC      A1B      ___                CBHUTCH      RP5A1B
    ____ 1 	CN     P5SR01*     1                 CBCLASS      RTP5CLUS
    ____ 1   CN     WSIVP2*    ___                CBSLOW       RWSIVP
    ____ 1   CN     T%SERV*     1                 CBFAST       RTSMIGT
    ____ 1   CN       B4*      ___                CBFAST       ________
    上の例では、A0、A1、または A1B の TCLASS 値が 分類に提供されると、これらは作業を実行しているサーバーに関係なく使用されます。 この場合、サーバー名は、これらの 3 つの TCLASS 値が存在しない場合にのみ使用されます。
  5. アプリケーション・サーバーを再始動して、ファイルに変更をインプリメントします。 ワークロード分類文書が正しい形式、有効な XML 文書でない場合は、 アプリケーション・サーバーによって無視され、次のメッセージが表示されます。
    BBOJ0085E PROBLEMS ENCOUNTERED PARSING WLM CLASSIFICATION XML FILE (0)
  6. DISPLAY WORK オペレーター・コマンドを使用して、分類情報を表示します。 このコマンドを使用して、分類スキームが目的どおりに作業を分類しているかどうかを判別します。 次のコマンドを実行して、IIOP および HTTP 分類情報を表示します。
    MODIFY|F <servername>,	DISPLAY,WORK,CLINFO
    各アプリケーション・サーバーに対してこのコマンドを実行します。

    以下の例は、新規オペレーター・コマンドの実行による結果を示しています。

    F X5SR02A,DISPLAY,WORK,CLINFO
    
    BBOO0281I CLASSIFICATION COUNTERS FOR IIOP WORK
    BBOO0282I CHECKED 14, MATCHED 14, USED 0, COST 0, DESC: IIOP Default
    BBOO0282I CHECKED 14, MATCHED 3, USED 0, COST 0, DESC: sample
    BBOO0282I CHECKED 3, MATCHED 1, USED 1, COST 3, DESC: a1a
    BBOO0282I CHECKED 2, MATCHED 1, USED 1, COST 4, DESC: a1b
    BBOO0282I CHECKED 1, MATCHED 1, USED 1, COST 5, DESC: a1c
    BBOO0282I CHECKED 11, MATCHED 11, USED 0, COST 0, DESC: other
    BBOO0282I CHECKED 11, MATCHED 1, USED 1, COST 4, DESC: a
    BBOO0282I CHECKED 10, MATCHED 1, USED 1, COST 5, DESC: b
    BBOO0282I CHECKED 9, MATCHED 1, USED 1, COST 6, DESC: c
    BBOO0282I CHECKED 8, MATCHED 2, USED 2, COST 7, DESC: d
    BBOO0282I CHECKED 6, MATCHED 1, USED 1, COST 8, DESC: e
    BBOO0282I CHECKED 5, MATCHED 4, USED 4, COST 9, DESC: f
    BBOO0282I CHECKED 1, MATCHED 1, USED 1, COST 10, DESC: g
    BBOO0283I FOR IIOP WORK: TOTAL CLASSIFIED 14, WEIGHTED TOTAL COST 95
    BBOO0281I CLASSIFICATION COUNTERS FOR HTTP WORK
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: HTTP Default
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: n
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: o
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: q
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: r
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: s
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: p
    BBOO0282I CHECKED 0, MATCHED 0, USED 0, COST 0, DESC: t
    BBOO0283I FOR HTTP WORK: TOTAL CLASSIFIED 0, WEIGHTED
    BBOO0188I END OF OUTPUT FOR COMMAND DISPLAY,WORK,CLINFO
    コマンド出力の説明は次のとおりです。
    BBOO0281I CLASSIFICATION COUNTERS FOR type WORK
    ワークロード分類規則の使用を表示するメッセージのヘッダー・メッセージ。type の値は、HTTP または IIOP です。 インバウンド MDB 分類を表示することはできません。
    BBOO0282I CHECKED n1, MATCHED n2, USED n3, COST n4, DESC: text
    このメッセージは、ワークロード分類の特定の規則に関する情報を表示します。 このメッセージは、以下の情報を表示します。
    • n1 - 規則が検証された回数。
    • n2 - この規則が要求と一致した回数。
    • n3 - この規則が実際に使用された回数。
    • n4 - 規則を使用するコスト、またはこれが使用に適した規則であるかどうかを判別するために必要な比較の回数。
    • text - 表示されている分類規則を識別するための分類規則の記述テキスト。
    BBOO0283I FOR type WORK: TOTAL CLASSIFIED n1, WEIGHTED TOTAL COST n2
    このメッセージは、HTTP または IIOP 作業分類の要約情報を示します。 このメッセージは、以下の情報を表示します。
    • type - 表示されている作業のタイプ。 この値は、IIOP または HTTP となります。
    • n1 - 分類規則を使用して分類された要求の数。
    • n2 - 加重合計コスト。これは各規則の使用回数 (実行された規則比較の数) を規則を使用するコストで乗算し、すべての規則を通じて合計することで計算されます。
    分類された要求の総数 n1 で除算した合計コスト n2 は、 テーブルを使用するコストと等しくなります。 この値が 1 に近づくほど、定義された規則を使用するコストは低くなります。 値 1 は、デフォルトの分類のみがあるということを示すため、一致する要求はありません。
  7. 最適なワークロードの分散およびコストが得られるまで、これらのステップを繰り返します。

結果

ワークロードの分類資料は、インバウンド要求の分類に使用されます。



サブトピック
z/OS ワークロード種別文書の例
ワークロード種別ファイル
トランザクション・クラスを使用した WLM 用のワークロードの分類
関連概念
z/OS 用のワークロード管理 (WLM)
関連タスク
クラスターとのワークロードの平衡化
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 4:10:06 PM EST
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