対話式問題管理システム (IPCS) をバッチ・モードで使用して、CTRACE データのフォーマットを自動化することができます。
始める前に
バッチ・モードで IPCS を使用する前に、IPCS ダンプ・ディレクトリーを作成する必要があります。IPCS をセットアップすると、システムはユーザーに合わせて IPCS をカスタマイズします。このカスタマイズには、IPCS ダンプ・ディレクトリーを作成する際のデフォルト値とともに IBM 提供の BLSCDDIR CLIST の修正も含まれます。
このタスクについて
コンポーネント・トレースからメッセージまたはアプリケーション・トレース・データを表示するには、対話式問題制御システム (IPCS) を使用して、データをフォーマットする必要があります。
特に IPCS、TSO/E および ISPF の使用経験があまりない場合には、バッチ・モードでの IPCS の使用は、データのフォーマットの最も簡単な方法です。 バッチ・モードにより、IPCS を使用して、トレース・データをフォーマットし、それを MVS データ・セットに書き込むことができます。
オプションで、表示用として HFS ファイルにそのデータ・セットの内容をコピーすることも可能です。
システムが BLSCDDIR CLIST を修正した場合、ここでのステップに従うと、IPCS ダンプ・ディレクトリーを作成できます。
- ディレクトリー用の、完全修飾データ・セット名を決めます。
- TSO/E コマンド・プロンプトから、BLSCDDIR コマンドを入力して、データ・セット名を指定します。
例えば、IBMUSER.DDIR というダンプ・ディレクトリーを作成するには、次のように入力します。
%blscddir dsn('ibmuser.ddir')
システムにより IPCS がカスタマイズされない場合には、他の BLSCDDIR CLIST パラメーターを変更する必要があります。
ダンプ・ディレクトリーを作成するための BLSCDDIR CLIST の使用について詳しくは、
「z/OS MVS 対話式問題管理システム (IPCS) ユーザーズ・ガイド (SA88-8568)」および「z/OS MVS 対話式問題管理システム (IPCS) コマンド (SA88-8566)」を参照してください。
以下のステップを行って、バッチ・モードで IPCS を使用し、アプリケーション・トレース・データをフォーマットします。
プロシージャー
- ファイルを作成し、その中に次のサンプル JCL をコピーします。
この JCL は、IPCS を呼び出し、JRAS トレース・データを抽出してフォーマットし、MVS データ・セットに書き込みます。その後、TSO/E OPUT コマンドを使用して、フォーマット済みデータを MVS データ・セットから HFS ファイルにコピーします。
//IBMUSERX JOB ,
// CLASS=J,NOTIFY=&SYSUID,MSGCLASS=H
//IPCS EXEC PGM=IKJEFT01,REGION=4096K,DYNAMNBR=50
//IPCSDDIR DD DSN=IBMUSER.DDIR,DISP=SHR
//IPCSDOC DD SYSOUT=H
//JRASTRC DD DSN=IBMUSER.CB390.CTRACE,DISP=SHR
//IPCSPRNT DD DSN=IBMUSER.IPCS.OUT,DISP=OLD
//SYSTSPRT DD SYSOUT=*
//SYSTSIN DD *
IPCS
DROPDUMP DDNAME(JRASTRC)
PROFILE LINESIZE(80)PAGESIZE(99999999)
SETDEF NOCONFIRM
CTRACE COMP(SYSBBOSS) DDNAME(JRASTRC) FULL PRINT +
NOTERMINAL
DROPDUMP DDNAME(JRASTRC)
END
/*
//OPUT EXEC PGM=IKJEFT01,REGION=4096K,DYNAMNBR=50
//SYSTSPRT DD SYSOUT=*
//SYSTSIN DD *
oput 'ibmuser.ipcs.out' '/u/ibmuser/ipcs/jrastrace.txt' TEXT
/*
- サンプル JCL を編集し、IBMUSER.DDIR を、作成した IPCS ダンプ・ディレクトリーで使用されたデータ・セット名に置き換えます。
- 出力データ・セットを印刷したくない場合にだけ、PROFILE ステートメントで PAGESIZE パラメーターを使用してください。
- HFS ファイル名を、既存の HFS ファイル名に置き換えることもできますが、必ずしも置き換える必要はありません。
指定されたファイル名が存在しない場合には、OPUT コマンド処理により、新しい HFS ファイルが作成されます。
また、そのファイルへの読み取り/書き込みアクセス権が、使用中のユーザー ID に対してのみ与えられます。
既存の HFS ファイルを指定する場合には、OPUT コマンド処理により、そのファイルにあるデータは上書きされます。
OPUT コマンドの詳細については、「z/OS UNIX システム・サービス コマンド解説書 (SA88-8641)」を参照してください。
- 例の中の JRASTRC DD に指定されたデータ・セット名を、CTRACE データを含むデータ・セット名に変更します。
- 必要に応じて、JRASTRC DD ステートメントおよび SYSTSIN ストリームの OPUT コマンドの両方で MVS データ・セットの名前を変更します。
JRAS CTRACE データのフォーマット済み出力は、初めに、
IPCSPRNT DD ステートメントで指定された MVS データ・セットに書き込まれてから、(オプションで) HFS データ・セットにコピーされます。このデータ・セットを事前割り振りするか、またはサンプル JCL を変更してデータ・セットを割り振るかのいずれかが必要です。
このデータ・セットは、VBA レコード・フォーマットで、レコード長は 133 になります。
- JCL をサブミットして、IPCS バッチ・ジョブを開始します。