問題診断またはシステム・パフォーマンスの評価に役立つトレースおよびロギング設定の構成
適切な構成プロパティーを設定することにより、そのアプリケーション・サーバーを、トレースを使用可能にした状態で始動するように構成することができます。 アプリケーション・クライアントまたはスタンドアロン・プロセスのトレースは、プロセス始動時にのみ使用可能にできます。
トレース・オプション | 出力ファイル |
---|---|
all | trace.log |
finest または debug | trace.log |
finer または entryExit | trace.log |
fine または event | trace.log |
detail | SystemOut.log |
config | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
info | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
audit | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
warning | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
severe または error | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
fatal | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
off | trace.log および SystemOut.log (トレースが使用不可の場合、出力ファイルは SystemOut.log です) |
WebSphere Application Server V5.1.1 以前では、トレースを構成するためだけにトレース・ストリングが使用されていました。 WebSphere Application Server バージョン 6 以降で開始すると、「トレース・ストリング」は「ロギング・ストリング」になり、トレースとメッセージ・ロギングの両方を構成するために使用されます。
WebSphere Application Server V5.1.1 以前では、WebSphere Application Server の全コンポーネントに対するトレース・サービスがデフォルトで使用不可になっています。 現行状態のトレース・サービスに変更要求を出すと、トレース・ストリングがトレース・サービスに渡されます。 このトレース・ストリングは、使用可能または使用不可にするトレース・レベル、およびコンポーネントに関する詳細情報をエンコードします。
WebSphere Application Server のすべてのバージョンでは、デフォルトで、すべてのコンポーネントに対する トレースが使用不可に設定されています。 トレースおよびメッセージ・ロギングの現行の状態を変更するには、ロギング・ストリングを構成し、サーバーに受け渡す必要があります。 このロギング・ストリングにより、特定のコンポーネントに対し、トレースまたはロギングで使用可能または使用不可にするレベルが指定されます。
トレース・ストリング (または ロギング・ストリング) を入力するか、または管理コンソールを使用して構成することができます。 トレースおよびロギング・ストリングは、特定の文法に従う必要があります。
TRACESTRING=COMPONENT_TRACE_STRING[:COMPONENT_TRACE_STRING]* COMPONENT_TRACE_STRING=COMPONENT_NAME=LEVEL=STATE[,LEVEL=STATE]* LEVEL = all | entryExit | debug | event STATE = enabled | disabled COMPONENT_NAME = COMPONENT | GROUP
LOGGINGSTRING=COMPONENT_LOGGING_STRING[:COMPONENT_LOGGING_STRING]* COMPONENT_TRACE_STRING=COMPONENT_NAME=LEVEL LEVEL = all | (finest | debug) | (finer | entryExit) | (fine | event ) | detail | config | info | audit | warning | (severe | error) | fatal | off COMPONENT_NAME = COMPONENT | GROUP
COMPONENT_NAME は、このトレース・サービス・ロギング・インフラストラクチャーに登録されたコンポーネントまたはグループの名前です。 通常、WebSphere Application Server のコンポーネントは、 Java の完全修飾クラス名 (例えば com.ibm.servlet.engine.ServletEngine) を使用して登録を行います。 また、アスタリスク (*) をワイルドカード文字としてコンポーネント名の末尾に使用すると、 複数のクラスまたはパッケージを表すことができます。例えば、 名前が com.ibm.servlet で始まるコンポーネントをすべて指定するには、 com.ibm.servlet.* というコンポーネント名を使用します。特定のストリングで始まる名前のコンポーネントまたはグループのすべてにロギング・ストリングを適用するには、コンポーネント名またはグループ名の末尾に、ワイルドカード文字のアスタリスク (*) を使用します。 例えば、コンポーネント名として「com.ibm.servlet.*」を指定したロギング・ストリングは、名前が com.ibm.servlet で始まるすべてのコンポーネントに適用されます。 コンポーネント名の代わりにアスタリスク (*) そのものが使用された場合、そのストリングの指定するレベルが、すべてのコンポーネントに適用されます。
ロギング・ストリング | 結果のロギング・レベル | 注 |
---|---|---|
com.ibm.ejs.ras=debug=disabled | com.ibm.ejs.ras=finer | debug (バージョン 5) = finest (バージョン 6) |
com.ibm.ejs.ras=all=disabled | com.ibm.ejs.ras=info | 「all=disabled」はトレースを使用不可にしますが、ロギングは使用可能なままです。 |
com.ibm.ejs.ras=fatal=disabled | com.ibm.ejs.ras=off | |
com.ibm.ejs.ras=off=disabled | com.ibm.ejs.ras=off | off が最も重大度が高いです |
ロギング・ストリングは左から右へ処理されます。 処理の間に、構成したレベルがロギング・ストリングの別の部分によりオーバーライドされた場合、 ロギング・ストリングの一部が変更されたり、または除去される場合があります。
*=off : MyGroup1=info : MyGroup2=finest : com.mycompany.mypackage.*=info : com.mycompany.mypackage.MyClass=finestこのトレース・ストリングは、MyGroup1 グループ、MyGroup2 グループ、および、MyClass クラス用のより具体的なトレースのある com.mycompany.mypackage.* パッケージからのみ、トレースが提供される必要があることを示します。 このストリングをリバースすると、すべてのトレースが無効になります。
バージョン 5 の構文 | バージョン 6 の構文 |
---|---|
com.ibm.ejs.ras.ManagerAdmin=debug=enabled |
com.ibm.ejs.ras.ManagerAdmin=finest |
com.ibm.ejs.ras.ManagerAdmin=all=enabled,event=disabled |
com.ibm.ejs.ras.ManagerAdmin=detail |
com.ibm.ejs.ras.*=all=enabled |
com.ibm.ejs.ras.*=all |
com.ibm.ejs.ras.*=all=enabled:com.ibm.ws.ras=debug= enabled,entryexit=enabled |
com.ibm.ejs.ras.*=all:com.ibm.ws.ras=finer |