WebSphere Application Server Network Deployment, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows, Windows Vista

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ロガー

ロガーは、 メッセージ・イベントおよびトレース・イベントを収集するためにアプリケーションおよびランタイム・コンポーネントによって使用されます。

サーバーの始動が完了したときのように、状態が変更されたり、またはリソース待ちでのタイムア ウトなどの潜在的問題が検出されたために、重大な状態が発生した場合、メッセージがログに書き込まれます。 トレース・イベントはデバッグ・シナリオでログに記録されます。 このシナリオでは、開発者は、潜在的不具合を知るため、 各コンポーネントで起きていることを明確に把握する必要があります。 ログに記録されたイベントは多くの場合、 問題が最初に検出されたときに使用可能な唯一のイベントであり、 問題のリカバリーおよび問題の解決の両方で使用されます。

ロガーは階層的に編成されます。 各ロガーは、子ロガーを持たないことも、1 つ以上持つこともできます。

ロガーは、リソース・バンドルと関連付けることができます。 リソース・バンドルが指定されると、 ロガーに記録されたメッセージをローカライズするために、ロガーによって使用されます。 リソース・バンドルが指定されなかった場合、 ロガーは同じリソース・バンドルを親として使用します。

ロガーは、レベルを指定して構成することができます。 レベルを指定した場合、ロガーによって着信イベントと比較されます。ロガーに設定したレベルより低い重大度のイベントは、ロガーによって無視されます。 レベルが指定されなかった場合、ロガーは親によって使用されたレベルを引き受けます。 ロガーのデフォルト・レベルは、Level.INFO です。

ロガーは、付加されたハンドラーを持たないことも、1 つ以上持つこともできます。 指定された場合、ロガーに記録されたすべてのイベントは、付加されたハンドラーに渡されます ハンドラーは、 ログ・ファイルまたはネットワーク・ソケットなどの出力宛先にイベントを書き込みます。 ロガーが、ログに記録されたイベントを、そのロガーに付加されたすべてのハンドラーに渡し終えると、 ロガーはこのイベントを、ロガーの親に付加されたハンドラーに渡します。 親ロガーがその親ハンドラーを使用しないように構成されている場合、 このプロセスは停止します。 WebSphere Application Server におけるハンドラーは、ルート・ロガーに付加されます。 useParentHandlers ロガー・プロパティーを false に設定し、ロガーがイベントを階層の上のほうのハンドラーに書き込まないようにします。

ロガーはフィルターを持つことができます。これが指定された場合、フィルターが着信イベントごとに起動され、 着信イベントを無視するか否かをロガーに知らせます。

アプリケーションは、ロガーと直接対話してイベントをログに記録します。 ロガーを入手または作成するには、 ロガーの名前を指定して Logger.getLogger メソッドを呼び出します。 通常、ロガー名は、パッケージ修飾クラス名か、 ロガーを使用するパッケージ名のいずれかです。 階層ロガー・ネーム・スペースは、 ロガー名にドットを使用することによって自動的に作成されます。 例えば、「com.ibm.websphere.ras」は、「com.ibm.websphere」という名前の親ロガーを持ち、この親ロガーは「com.ibm parent」という名前の親を持ちます。階層の最上位にある親は、ルート・ロガー と呼ばれます。このルート・ロガーは初期化中に作成されます。 ルート・ロガーは「com」ロガーの親です。

ロガーは階層で構造化されます。ルート・ロガー以外のすべてのロガーには、1 つの親があります。 各ロガーはまた、子を持たないことも、1 つ以上の子を持つこともできます。ロガーは、階層でその親から、 ログ・ハンドラー、リソース・バンドル名、およびイベント・フィルター設定を継承します。 ロガー階層は LogManager 関数によって管理されます。

ロガーはログ・レコードを作成します。ログ・レコードは、 イベントのデータ用のコンテナー・オブジェクトです。 このオブジェクトは、ロギング・インフラストラクチャーの中で、 フィルター、ハンドラー、およびフォーマッターによって使用されます。

ロガーは、ログ・メッセージを生成するためにメソッドの幾つかのセットを提供します。 一部のログ・メソッドは、レベルと、メッセージを構成するのに十分な情報のみを取ります。 それ以外の、さらに複雑な logp (ログ精度) メソッドは、呼び出し元がレベルおよびメッセージ情報に加え、クラス名およびメソッド名属性を渡すのをサポートします。 logrb (リソース・バンドル付きログ) メソッドは、レベル、メッセージ情報、クラス名、およびメソッド名のほか、リソース・バンドルを指定する機能を追加します。 severe、warning、fine、finer、finest などのメソッドを使用すると、 特定のレベルでメッセージをログに記録できます。 ロギングに関する情報や、ご使用のアプリケーションでの ロギングの使用法について詳しくは、 アプリケーションでのロガーの使用 を参照してください。 メソッドの完全なリストについては、http://java.sun.com/j2se/ で java.util.logging 資料を参照してください。




関連概念
ログ・ハンドラー
ログ・フィルター
ログ・フォーマッター
関連資料
ログ・レベル
関連情報
アプリケーションでのロガーの使用
概念トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 7:44:53 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.nd.doc/info/ae/ae/ctrb_loggers.html