WebSphere Application Server Network Deployment, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows, Windows Vista

             目次と検索結果のパーソナライズ化

国際化対応サービス・エラー

特定の条件の下では、国際化対応サービスが開始されなかったり、 アプリケーションの実行中に java.lang.IllegalStateException 例外が発行されたり、 またはデフォルトの振る舞いが実行される場合があります。

java.lang.IllegalStateException 例外は、以下のいずれかを示します。
国際化対応アプリケーションの実行中、次の状態が発生する場合があります。これらの状態により、国際化対応サービスが開始されなかったり、IllegalStateException 例外が発行されるか、またはデフォルトの振る舞いが実行される可能性があります。

予期しないまたは例外の振る舞いが発生した場合、その問題は、大抵これらの状態のいずれかに関連しています。 これらの状態を調査するにはトレース・ログを調べる必要があります。 そのためには、国際化対応サービス機能に関するメッセージを生成するよう、診断トレース・サービスを構成する 必要があります。 ロギングおよびトレースを始めるには、トレースおよびロギングの構成 を参照してください。

国際化対応サービスのトレース・ストリングを以下に示します。これらはいずれも使用します。
com.ibm.ws.i18n.context.*=all=enabled:com.ibm.websphere.i18n.context.*=all=enabled

サービスが無効

始動時の設定が消去されている場合は、国際化対応サービスは初期化されません。国際化対応サービスは、それが有効か無効かを示すメッセージを生成します。 アプリケーションは、サービスが無効の場合は国際化対応 API にアクセスできません。アプリケーションが JNDI ルックアップを実行して UserInternationalization 参照を取得しようとした場合、ルックアップは失敗し、参照を見つけられなかったことを示す NamingException 例外が発生します。さらにサービスは、着信 (発信) ビジネス・メソッドの呼び出し時に、国際化対応コンテキストをスコープ宣言 (伝搬) しません。

サービスが開始されない

国際化対応サービスは、STARTED 状態にあるときは常に作動可能です。 例えば、アプリケーションが国際化対応コンテキストにアクセスしようとしたときに、そのサービスが開始されていない場合、API は IllegalStateException 例外を発行します。 さらにサービスは、サーブレットおよびエンタープライズ Bean のランタイム・サポートを提供していません。

アプリケーション・サーバーは、そのライフ・サイクルを通して、国際化対応サービスを初期化、開始、停止、そして終了 (破棄) します。 初期化中に異常が発生した場合は、サービスは開始されません。サービスが開始された後に重大なエラーが発生すると、状態が BLOCKED に切り替わる場合があります。 サービスは、すべての状態変更に対してメッセージを生成します。

トレース・メッセージにサービスが開始されていないと示されている場合、 問題を判別するために直前のメッセージを調べてください。 例えば、国際化対応サービスは、アクティビティー・サービスが使用不可の場合には開始されず、これについて 国際化対応サービスの初期化中にメッセージが表示されます。

始動中は、以下のメッセージにより、 構成またはランタイムの潜在的な問題が示されます。
No ORB support
サービスはオブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) のインスタンスを取得できません。 この状態は致命的エラーです。SystemErr.log および SystemOut.log ファイルを調べてください。
No TCM support
サービスは、そのスレッド・コンテキスト・マネージャー (TCM) のインスタンスを取得できません。 この状態は致命的エラーです。SystemErr.log および SystemOut.log ファイルを調べてください。
No IIOP (activity service) support
サービスをアクティビティー・サービスに登録できません。この状態は致命的エラーです。アクティビティー・サービスがサポートされていなければ、国際化対応サービスは Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) 要求のコンテキストを伝搬または受信できません。 SystemErr.log および SystemOut.log ファイルを調べてください。
No AsynchBeans support
サービスを非同期 Bean 環境に登録できません。この警告は、非同期 Bean 環境が国際化対応コンテキストをサポートできないことを示しています。
No EJB container support
サービスを Enterprise JavaBeans (EJB) コンテナーに登録できません。 この警告は、国際化対応サービスが Enterprise Bean をサポートできないことを示しています。EJB コンテナーをサポートしていない場合、国際化対応コンテキストは、EJB ビジネス・メソッドに対して適切なスコープ宣言を行いません。 トレース・ログに EJB コンテナー関連のエラー状態が記録されていないか確認してください。
No Web container support
サービスを Web コンテナーに登録できません。この警告は、国際化対応サービスがサーブレットおよび JavaServer Pages (JSP) ファイルをサポートできないことを示しています。Web コンテナーをサポートしていない場合、 国際化対応コンテキストはサーブレット・サービス・メソッドに対して適切なスコープ宣言を行いません。 トレース・ログに Web コンテナー関連のエラー状態が記録されていないか確認してください。
No Metadata support
サービスをメタデータ・サービスに登録できません。この警告は、国際化対応サービスがアプリケーション・デプロイメント記述子内の国際化対応ポリシーを処理できないことを示しています。 メタデータ・サポートがない場合、サービスはデフォルトの国際化対応コンテキスト管理ポリシー [CMI, RunAsCaller] を、 すべてのサーブレット・ライフ・サイクル・メソッドおよびエンタープライズ Bean ビジネス・メソッド呼び出しへ関連付けます。 トレース・ログにメタデータ・サービス関連のエラー状態が記録されていないか確認してください。
No JNDI (Naming service) support
サービスは、UserInternationalization オブジェクトをネーム・スペースにバインドできません。 この状態は致命的エラーです。アプリケーション・コンポーネントは、国際化対応コンテキスト API 参照にアクセスできないため、国際化対応コンテキスト・エレメントにアクセスできません。トレース・ログにネーミング (JNDI) サービス関連のエラー状態が記録されていないか確認してください。
No API support
サービスは、国際化対応コンテキスト API オブジェクトのインスタンスを取得できません。 この状態は致命的エラーです。アプリケーション・コンポーネントは、国際化対応コンテキスト API 参照にアクセスできないため、 国際化対応コンテキスト・エレメントにアクセスできません。

無効なコンテキスト・エレメント

サービスは、無効な国際化対応コンテキスト・エレメントを検出しました。 例えば、国際化対応サービスは、java.util.SimpleTimeZone 以外のタイプの TimeZone インスタンスをサポートしません。 サービスは、使用できないエレメントを検出した場合、メッセージをログに記録し、JVM の対応するデフォルト・エレメントを代わりに使用します。

欠落コンテキスト・エレメント

サービスは、欠落した国際化対応コンテキスト・エレメントを検出しました。 (例えば、国際化対応サービスをサポートしていないアプリケーション・サーバーからの) 着信要求に、国際化対応コンテキストが欠落しています。サービスが呼び出し元の国際化対応コンテキスト・エレメント (この場合は存在しない) に アクセスしようとする場合、サービスはメッセージをログに記録し、Java 仮想マシン (JVM) の対応するデフォルトのエレメントを代わりに使用します。

可能な場合は常に、国際化対応しているエンタープライズ・アプリケーションを構成するすべてのクライアントおよびホスト・アプリケーション・サーバー内で、国際化対応サービスを使用可能にしてください。詳しくは、国際化対応サービスの管理 を参照してください。

無効なポリシー

国際化対応サービスは、 アプリケーション・デプロイメント記述子内で誤った形式の国際化対応ポリシーを検出しました。 国際化対応サービスは、誤った形式の属性を適切なデフォルトに置き換えます。例えば、サーブレットまたは EJB ビジネス・メソッド呼び出しの実行中に、 Entity Bean の国際化対応タイプが「アプリケーション」に設定された場合、サービスはその不整合をログに記録し、代わりに「コンテナー」設定を指定します。

また、AMI アプリケーション・コンポーネントも、暗黙のコンテナー国際化対応属性を備えています。 これらは、デフォルトでサーバーとして稼働します。 サービスは、暗黙のポリシー [AMI, RunAsServer] を自動的に指定し、 このことを示すメッセージをログに記録します。

「ロケール」フィールドおよび「時間帯 ID」フィールドを指定する場合は、 無効なコンテナー国際化対応属性が指定されることがあります。 属性に無効なロケールおよび時間帯 ID を検出すると、サービスは、それぞれの値を JVM の対応するデフォルト・エレメントで置き換えます。 必ず、国際化対応アプリケーションのアセンブル に記載されているガイドラインに従ってください。

欠落ポリシー

サービスは、欠落した国際化対応ポリシーを検出しました。 国際化対応サービスは、欠落しているポリシーを適切なデフォルトに置き換えます。例えば、サーブレットまたは Enterprise Bean の国際化対応タイプがない場合、 サービスは属性を「コンテナー」に設定します。

「コンテナー」国際化対応属性は、CMI アプリケーション・コンポーネントに対しては強制されません。 CMI サーブレットまたは EJB ビジネス・メソッドに「コンテナー」国際化対応属性がない場合、 サービスは暗黙のポリシー [CMI, RunAsCaller] を自動的に指定します。

アプリケーションのデプロイメント記述子に国際化対応ポリシーがない場合、 またはメタデータ・サポートが使用できない場合、サービスは、 すべてのサーブレット・サービス・メソッドおよび EJB ビジネス・メソッドの呼び出し時に、 メッセージをログに記録し、ポリシー [CMI, RunAsCaller] を適用します。




関連資料
トレースおよびロギングの構成
アプリケーション始動の問題
参照トピック    

ご利用条件 | フィードバック

最終更新: Jan 21, 2008 7:44:53 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.nd.doc/info/ae/i18n/ref/rin_troubleshoot.html