WebSphere Application Server - Express for i5/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: i5/OS

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バージョン 3 UDDI レジストリーの概説

Universal Description, Discovery, and Integration (UDDI) 仕様には、Web サービスに関する情報を公開したり、検出したりする方法が定義されています。 Web サービス という用語は、企業が、通常はインターネット接続を通じて、 別の企業、子会社、あるいはソフトウェア・プログラムがサービスを利用できるように公開する、 特定のビジネス機能を表します。

UDDI 仕様は、OASIS UDDI の Web ページ にあります。

UDDI 仕様は、サービス指向アーキテクチャー (SOA) レジストリー・サービスに不可欠な、可視性、再使用可能性、および管理の容易性のための規格を定義しています。

UDDI レジストリーは、UDDI 仕様を使用して実装される、Web サービス用のディレクトリーです。これは、WebSphere Application Server のコンポーネントです。

IBM のオンデマンド・サービス指向アーキテクチャーの重要なコンポーネントである UDDI レジストリーは、 以下の方法で、企業とそのパートナー用のテクニカル・コンポーネント検出に関連する問題を解決します。

以下の例は、大企業で UDDI レジストリーをどのように使用できるかを示しています。

ある企業に、 社員の電話番号や人事 (HR) 情報を提供する、レガシー・アプリケーションがあります。 このアプリケーションを Web サービスに変えて、レジストリーに公開します。 社内の開発者は、サプライヤーに HR 情報を提供する必要もある、調達機能を備えたアプリケーションを作成したいと考えます。このアプリケーションでは、社員が名前またはシリアル番号を提供すると、 サプライヤーがその社員のアカウント・コードにアクセスできるようにする必要があります。 Web サービスが普及する以前は、開発者は次のいずれかの状態であった可能性があります。
UDDI を使用すれば、開発者は Web サービスを検索して、 数分で既存のテクニカル・コンポーネントをサプライヤー向けの新規アプリケーションで再使用することができます。 開発者は時間を節約し、短時間でアプリケーションを稼働させるので、効率が良くなり、 企業は時間と資金を節約できます。 UDDI レジストリーは、民間企業の作業用としては初めての、 バージョン 2 規格に準拠した UDDI レジストリーでした。 このバージョンの UDDI レジストリーには次の特性があります。

UDDI バージョン 3 の新機能

WebSphere Application Server のこのバージョンで提供されている UDDI バージョン 3 仕様の主な特徴は、 以下のとおりです。
専用 UDDI レジストリーの重要性についての認識の改善
専用 UDDI レジストリーは、社内部門、会社、業界の共同事業体、e-マーケットプレイスなど、 個別の団体によってインストール、所有、管理、および制御されるレジストリーです。
パブリッシャー割り当てキー
UDDI エンティティーのパブリッシャーは、レジストリーによって固有のキーを自動的に割り当てられるのではなく、自分のキーを指定できます。つまり、よりわかりやすい、URI ベースのキーを使用でき、さらに複数のレジストリーの管理が容易になります。
UDDI 情報モデルの改善
UDDI データ構造は拡張され、これにより、メタデータによってビジネスおよびサービスを表す UDDI の機能が改善されます。
セキュリティー機能拡張
デジタル・シグニチャーがさらなるセキュリティーを提供します。主な UDDI エンティティーはそれぞれデジタル署名が可能となり、 これによって UDDI データの保全性と信頼性が改善されます。
所有権転送 API
これらの API は、あるパブリッシャーから別のパブリッシャーへの UDDI エンティティーの所有権転送をサポートします。
UDDI ポリシー (UDDI policy)
ポリシーを設定して UDDI レジストリーの振る舞いを定義するため、UDDI レジストリーが使用される各種の環境を認識できます。
UDDI エンティティーのための HTTP GET サポート
HTTP GET を使用して、UDDI データ構造それぞれの XML 表記にアクセスすることができます。 これにより、HTTP GET サービスは、UDDI バージョン 2 仕様のディスカバリー URL の範囲を超えて拡張されました。

追加 UDDI レジストリー機能

このバージョンの WebSphere Application Server のバージョン 3 UDDI レジストリーは、 UDDI バージョン 3 仕様のサポートに加えて、以下の機能を提供します。
バージョン 2 UDDI 照会および公開 SOAP API の互換性
バージョン 1 およびバージョン 2 の SOAP 照会 API および公開 API の 後方互換性があります。
UDDI 管理コンソール拡張
WebSphere Application Server 管理コンソールには、 管理者が WebSphere 環境の UDDI 固有の特徴を管理できるセクションが含まれています。 この管理には、UDDI ノードの初期化 (ノード ID など) のデフォルトを設定したり、UDDI バージョン 3 ポリシー値を設定したりする機能が含まれています。
UDDI レジストリー管理インターフェース
Java Management Extensions (JMX) 管理インターフェースを使用すると、管理者は WebSphere 環境の UDDI 固有の特徴をプログラマチックに管理できます。
マルチデータベース・サポート
UDDI データは、レジストリー・データベースに残されます。 WebSphere Application Server でサポートされる以下のデータベース製品は、 UDDI レジストリーのパーシスタンス・ストアとして使用することもできます。サポートされているレベルの個々の詳細については、「Detailed system requirements」ページを参照してください。
  • Cloudscape バージョン 10.1
  • DB2 for iSeries バージョン 5.2 および 5.3
  • Oracle バージョン 9i および 10g
ユーザー定義値セットのサポート
ユーザー独自のカテゴリー化スキームあるいは値セットを作成できます。これらは、UDDI レジストリーに付属している North American Industry Classification System (NAICS) などの標準スキームに追加されるものです。
UDDI ユーティリティー・ツール
UDDI ユーティリティー・ツールを使用して、UDDI バージョン 2 API を使用するエンティティーをインポートまたはエクスポートすることができます。
UDDI ユーザー・インターフェース
UDDI ユーザー・コンソールは UDDI バージョン 3 照会および公開 API をサポートしています。
UDDI バージョン 3 クライアント
UDDI バージョン 3 用 Java クライアントは、クライアント・アプリケーションに対する未加工の SOAP 要求の構築を処理します。これは JAX-RPC クライアントであり、UDDI バージョン 3 Web サービス記述言語 (WSDL) およびスキーマから生成されたバージョン 3 データ型を使用します。これらのデータ型は、 未加工の UDDI 要求を構成する XML にシリアライズされたり、デシリアライズされたりします。
UDDI バージョン 2 クライアント
UDDI バージョン 2 要求のために以下のクライアントが提供されています。
  • UDDI4J。UDDI 要求を発行するための Java クラス・ライブラリー。 このクライアントは、WebSphere Application Server バージョン 5 で、UDDI バージョン 1 要求 (uddi4j.jar) およびバージョン 2 要求 (uddi4jv2.jar) の両方に提供されています。これらのクラス・ライブラリーは com.ibm.uddi_1.0.0.jar ファイルの一部としてまだサポートされていますが、現在では両方とも推奨されません。
  • JAXR。Java API for XML Registries (JAXR) は、UDDI および ebXML レジストリーにアクセスするための Java クライアント API です。WebSphere Application Server は、JAXR 1.0 仕様に準拠した UDDI レジストリーにアクセスするために、JAXR プロバイダーを提供しています。
  • EJB。UDDI バージョン 2 要求を発行するための、Enterprise JavaBeans (EJB) インターフェース。 このクライアントはまだサポートされていますが、現在では推奨されません。



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最終更新: Jan 21, 2008 7:05:28 PM EST
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