WebSphere Application Server for i5/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: i5/OS

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JSPBatchCompiler コマンド

バッチ・コンパイラーは JavaServer Pages の構文を検証し、 JSP ページを Java ソース・ファイルに変換して、 Java ソース・ファイルを Java サーブレット・クラス・ファイルにコンパイルします。 バッチ・コンパイラーはまた、タグ・ファイルを検証し、Java インプリメンテーション・クラスを生成します。この機能を使用して JSP ファイルをバッチ・コンパイルすることにより、 実動 Web サーバー上の JSP への初期クライアント要求に対して高速に応答できるようになります。

WebSphere Application Server にデプロイされたエンタープライズ・アプリケーションおよび Web モジュール同様、 圧縮または解凍したエンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイルおよび Web アプリケーション・アーカイブ (WAR) ファイルに対しても、 バッチ・コンパイラーを実行することができます。 デプロイされたエンタープライズ・アプリケーションがターゲットである場合、 サーバーはバッチ・コンパイラーを実行するために稼働する必要はありません。 ターゲット・サーバーの稼働中にバッチ・コンパイラーが実行されると、 エンタープライズ・アプリケーションが再始動しない限り、サーバーは更新済みクラス・ファイルを認識せず、 クラス・ファイルをロードしません。 ターゲットが圧縮された EAR ファイルまたは WAR ファイルである場合、 バッチ・コンパイラーは実行前にそれを解凍する必要があります。

Web モジュールの処理

バッチ・コンパイラーは、1 つの Web モジュールで同時に作動します。 ターゲットが、複数の Web モジュールを含む EAR ファイル、 またはインストール済みエンタープライズ・アプリケーションのいずれかである場合、 バッチ・コンパイラーは各 Web モジュールで個別に作動します。 これは、JSP ページが Web モジュール・ベースで構成されているため、 Web モジュールの web.xml デプロイメント記述子ファイルを介して行われます。 Web モジュール内では、バッチ・コンパイラーは一度に 1 つのディレクトリーを処理します。 その結果、各 JSP ページを個別に検証および変換し、 そのディレクトリー内の生成された Java ソース・ファイル・グループ全体の Java コンパイラーを呼び出します。 Java コンパイル・フェーズで 1 つの JSP ページが失敗すると、Java コンパイラーは、 そのディレクトリーで正常にコンパイルされた JSP ページの大部分またはすべてのクラス・ファイルを作成しない場合があります。

JSP ファイル拡張子

バッチ・コンパイラーは、 処理すべきファイル拡張子を決定するために以下の 4 つを使用します。
  1. 標準 JSP ファイル拡張子
    • *.jsp
    • *.jspx
    • *.jsw
    • *.jsv
  2. サーブレット 2.4 Web モジュールのデプロイメント記述子ファイルにある jsp-property-group エレメント の url-pattern プロパティー
  3. jsp.file.extensions JSP エンジン構成パラメーター (サーブレット 2.4 以前の Web モジュール)
  4. バッチ・コンパイラー構成パラメーター jsp.file.extensions

バッチ・コンパイラーでは、標準の拡張子が常時使用されます。 Web モジュールがサーブレット 2.4 デプロイメント記述子を含む場合、 バッチ・コンパイラーは jsp-config エレメント内にある url-pattern も処理します。 バッチ・コンパイラー・ターゲットに JSP エンジン構成パラメーター jsp.file.extensions が含まれている場合、 これらの拡張子も処理されます。 バッチ・コンパイラー構成パラメーター jsp.file.extensions がある場合、 指定の拡張子も処理され、JSP エンジン構成パラメーター jsp.file.extensions をオーバーライドします。

JSP「フラグメント」に バッチ・コンパイラーによって処理されていない拡張子を指定することをお勧めします。 スタンドアロンではない、静的に組み込まれているフラグメントは、処理されると変換エラーやコンパイル・エラーを生成します。 JSP 2.0 仕様では、このようなファイルには拡張子 .jspf を使用するように提案しています。

バッチ・コンパイラー・コマンド

Qshell コマンド行からバッチ・コンパイラーを実行するための JspBatchCompiler スクリプトは、 app_server_root/bin ディレクトリーにあります。 Ant を使用したバッチ・コンパイラーを実行するために、Ant タスクも使用することができます。 詳しくは、トピック『バッチ・コンパイラー Ant タスク』を参照してください。

必要なパラメーターは、バッチ・コンパイラー・ターゲットのみです。 ターゲットは、-ear.path、-war.path または -enterpriseapp.name のいずれかです。
JspBatchCompiler -ear.path | -war.path | -enterpriseapp.name <name>
							[-response.file <filename>]
							[-webmodule.name <name>]
							[-filename <jsp name | directory name>
							[-recurse <true | false>]
							[-config.root <path>]
							[-cell.name <name>]
							[-node.name <name>]
							[-server.name <name>]
			[-profileName <name>]
							[-extractToDir <path>]
							[-compileToDir <path>]
							[-compileToWebInf <true | false>]
							[-translate <true | false>]
							[-compile <true | false>]
							[-removeTempDir <true | false>]
							[-forceCompilation <true | false>]
							[-useFullPackageNames <true | false>]
							[-trackDependencies <true | false>]
							[-createDebugClassfiles <true | false>]
							[-keepgenerated <true | false>]
							[-keepGeneratedclassfiles <true | false>]
							[-usePageTagPool <true | false>]
							[-useThreadTagPool <true | false>]
							[-classloader.parentFirst <true | false>]
							[-classloader.singleWarClassloader <true | false>]
			[-additional.classpath <classpath to additional JAR files and classes>]
					
							[-verbose <true | false>]
							[-deprecation <true | false>]
			[-javaEncoding <encoding>
			[-jdkSourceLevel <13 | 14 | 15>]			
							[-compilerOptions <space-separated list of java compiler options>]
							[-useJikes <true | false>]
							[-jsp.file.extensions <file extensions to process>]
							[-log.level <SEVERE | WARNING | INFO | CONFIG | FINE | FINER | FINEST | OFF>]
			*** See batchcompiler.properties.default in app_server_root/bin for more information. ***
   	*** See JspCBuild.xml in app_server_root/bin for information about the public WebSphere Ant task JspC. ***
バッチ・コンパイラーは、次の 3 つのグループの構成パラメーターを認識します。
  1. Web モジュール用の JSP エンジン構成パラメーター。

    トピックJSP エンジン構成パラメーター を参照してください。

  2. バッチ・コンパイラー応答ファイルの構成パラメーター。

    これらのパラメーターは、 バッチ・コンパイラー応答ファイル内にあります。以下の -response.file を参照してください。

  3. バッチ・コンパイラーのコマンド行構成パラメーター。

    これらのパラメーターは、 バッチ・コンパイラーの実行時にコマンド行から入力されます。

バッチ・コンパイラーは、3 つのグループすべての構成パラメーターを調べて、 JSP ページのコンパイル時に使用されるパラメーターの値を判別します。 指定したパラメーターの値を解決する際の優先順位は次のようになります。
  1. パラメーターがコマンド行で見つかった場合は、その値が使用されます。
  2. パラメーターがコマンド行に見つからない場合、バッチ・コンパイラーは、 コマンド行で指定された応答ファイルでパラメーターを探します。
  3. 応答ファイルが指定されていない場合、あるいは応答ファイル内にパラメーターが見つからない場合は、 バッチ・コンパイラーは、Web モジュールの JSP エンジン構成パラメーターでパラメーターを探します。

上記 3 つのグループ内に構成パラメーターが見つからない場合は、 デフォルト値が使用されます。構成パラメーターのデフォルト値を、 そのパラメーターの説明とともに以下に示します。

これらのパラメーターには大/小文字の区別がありませんが、 -profileName だけは例外で、大/小文字の区別があります。 これらの引数に指定された値がスペースで区切られた複数の語で構成されている場合には、 その値を引用符で囲む必要があります。

バッチ・コンパイラーは、 同等の JSP エンジン・パラメーターを作成することはなく、その値の設定も行いません。 つまり、デプロイ済み Web モジュール内の JSP ページを、 実行時に JSP エンジンで変更および再コンパイルする場合は、JSP エンジンの構成パラメーターによってそのエンジンの振る舞いが決まります。 例えば、バッチ・コンパイラーを使用して Web モジュールをコンパイルし、 -useFullPackageNames true オプションを指定する場合、 JSP ファイルはそのオプションをサポートするようにコンパイルされます。しかし、 JSP ランタイムがコンパイル済み JSP ページをロードできるようにするためには、 JSP エンジン・パラメーター useFullPackageNames も true に設定する必要があります。 デプロイ済み Web モジュールで JSP ページを変更した場合、 このエンジンのパラメーターは、バッチ・コンパイルで使用したのと同じ値に設定しなければなりません。

JSP バッチ・コンパイラーを使用するには、 オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドのいずれかを 1 行で 入力します。




関連概念
JavaServer Pages
関連タスク
JSP エンジン・パラメーターの構成
関連資料
バッチ・コンパイラー ant タスク
Web アプリケーション: 学習用リソース
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 5:46:14 PM EST
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