WebSphere Application Server, Version 6.1   
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アプリケーション・プロファイル バージョン 5 からバージョン 6 へのマイグレーション

WebSphere Application Server バージョン 5 アプリケーション・プロファイルを備えたアプリケーションをバージョン 6 アプリケーション・プロファイルにマイグレーションすることができます。 アプリケーション・プロファイル機能は、バージョン 6 の異なる概念で動作し、 バージョン 5.x およびバージョン 6 間ではタスク名のスコープが主な違いとなっているため、 マイグレーションを行う必要がある場合があります。

このタスクについて

バージョン 6 で WebSphere Application Server バージョン 5.x のアプリケーション・プロファイル構成を備えた Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 1.3 アプリケーションを使用することの影響については、バージョン 6 でのバージョン 5 アプリケーション・プロファイルの実行 を参照してください。

バージョン 5.x では、タスク名は、 Bean、Web、またはクライアント・メソッドに割り当てることが可能でした。 自身に構成されているタスク名を持ったメソッドが呼び出されると、 そのタスク名がアクティブ・タスク名 (Run-As specified として知られる) となるか、 呼び出し元のタスク名 (1 は必ず存在する) がアクティブ・タスク名 (Run-As caller として 知られる) となるかのいずれかでした。 バージョン 6 では、アプリケーション・プロファイル機能は、作業単位 (UOW) という 概念の下で機能します。 この場合、UOW は、トランザクションまたはアクティビティー・セッションのいずれかを 意味します。 つまり、メソッドのタスク名が使用されるのは、UOW が開始されるときのみで、 理由はそのメソッドが呼び出されるためです。 これにより、アクティブな作業単位に基づく、 より予測可能度の高いデータ・アクセス・パターンが得られます。 具体的に言うと、このアプローチでは、構成されたアクセス・インテントを 1 つだけ持つ Bean タイプが UOW 内にロードされることが保証されます。それは、アプリケーション・ プロファイル内にアクセス・インテントを 1 つだけ持つ Bean が構成されるためです。 Bean タイプ用のこの構成済みアクセス・インテントは、アセンブル時に決定され、 アプリケーション・プロファイル・サービスによって実行されます。 バージョン 5.x の場合、 Bean タイプはさまざまなアクセス・インテントにロードでき、UOW 内でのデッドロック 問題の原因となることがあります。

バージョン 5.x とバージョン 6 との大きな差は、 タスク名のスコープについてです。バージョン 5.x では、タスクは UOW に関連付けられているとは限りません。バージョン 6 では、タスク名は常に UOW に 関連付けられており、そのタスク名はその UOW の期間中変わりません。 あるメソッドに関連付けられている UOW が、そのメソッドが呼び出されたために開始されると、タスク名がそのメソッドに関連付けられていれば、そのタスク名は UOW の命名に使用されます。 UOW に割り当てられているタスクは、名前付き UOW と見なされます。 タスク名が UOW を開始したメソッドに関連付けられていない場合は、 デフォルトのアクセス・インテントが使用され、UOW は無名です。 UOW が名前付きになるのは、開始されるときのみです。 あるメソッドに関連付けられているタスク名はすべて、 そのメソッドが UOW (コンテナー管理、またはコンポーネント管理のいずれか) を 開始しない場合は無視されます。

バージョン 6 のアプリケーション・プロファイル機能を使用するために バージョン 5.x アプリケーションをマイグレーションするには、以下を実行します。

プロシージャー

  1. メソッドに UOW を構成します。

    バージョン 5.x では、 タスクを UOW に関連付けることは必須条件ではありませんでした。 バージョン 6 では、タスクが UOW に関連付けられるのは、その UOW が開始されるときだけです。 したがって、バージョン 5.x アプリケーションをバージョン 6 に変換する最初のステップは、 関連付けられているタスク名 (最終的にはアプリケーション・プロファイル ) を持つメソッドに UOW を定義することです。UOW は、コンテナー管理またはコンポーネント管理のいずれかであり、同時に、 トランザクションまたはアクティビティー・セッションのいずれかになります。 トランザクションを使用するコンポーネントの開発 では、2 つのタイプのトランザクション (コンテナー管理およびコンポーネント管理) とそれらを作成する方法について説明します。 ActivitySession サービスの使用 では、 アクティビティー・セッション UOW の使用および作成方法について説明します。

  2. メソッド・レベルのタスク名を、作成した UOW の定義に使用した同一メソッドに関連付けます。

    メソッドが呼び出されて、UOW が開始されるとき、タスク名が そのメソッドに関連付けられていれば、そのタスク名はアクティブ・タスク名となり、UOW に関連付けられます。 したがって、タスク名は、UOW に関係し、アプリケーション・プロファイルに関連付ける必要があるメソッドに定義しなければなりません。 タスクは、アプリケーションのデプロイメント記述子により宣言的に、または TaskNameManager API によりプログラマチックに、このどちらかを使用して メソッドと関連付けることができます。

    アプリケーション・プロファイルのためのアプリケーションのアセンブル では、タスク名を宣言的、またはプログラマチックのいずれかで構成する方法について 説明しています。

  3. Run-As caller タスクを再割り当てします。 バージョン 5.x では、 コンテナー・タスクを Run-As caller または Run-As specified のどちらかに 定義することができます。 Run-As caller の場合、構成済みメソッドは、関連付けられたタスクによって呼び出されると、インポートされた (呼び出し元の) タスクによって実行されます。 メソッドは、タスクに関連付けられていない要求によって呼び出されると、タスク無しに実行を続けます。 Run-As specified の場合、 構成済みメソッドは、インポートされた (呼び出し元の) タスクによって 呼び出されることは絶対にありません。 その代わりに、このメソッドは、指定されたタスク名として実行されます。

    バージョン 6 では、 これら 2 つの「Run as」オプションは、明示的に除去されたが、まだ暗黙に存在します。 つまり、タスク名を持つメソッドを定義するときは、そのメソッドが呼び出される際に使用するタスク名を指定します。 これは、バージョン 5.x の Run-As specified に似ています。 ただし、これは正確には「指定どおりの実行」ではありません。 これは、バージョン 6 では、UOW の開始時のみタスク名を UOW に関連付けられるためです。 つまり、メソッドがバージョン 6 で関連付けられているタスク名を持っていても、 UOW がすでに存在するか、そのメソッドが UOW を開始させないならば、 そのタスク名は無視されます。 バージョン 5.x では、メソッドに定義された Run-As specified タスクは、メソッドが呼び出されたときにアクティブ・タスク名になりました。

    バージョン 5.x の Run-As caller オプションも、明示的には述べられていないが、バージョン 6 で暗黙に使用できます。 あるメソッド (呼び出し先) が、関連付けられている UOW を持つ別のメソッド (呼び出し元) によって呼び出されると、呼び出し先は、新規 UOW を開始 しない場合に、呼び出し先の UOW に関連付けされます。 つまり、呼び出し先は呼び出し元のタスクと一緒に実行されます。 UOW の名前は、呼び出し先が指定された独自のタスク名を持っていても、呼び出し先に関連付けられたタスク名です。 UOW は無名の場合があることに注意してください。その場合、タスク名は呼び出し元にも、呼び出し先にも関連付けされません。

  4. オプション: メソッド・レベルのアクセス・インテントを除去します。 バージョン 6.0 では、 メソッド・レベルのアクセス・インテントは推奨されません。メソッド・レベルのアクセス・インテントは、ユーザーのアプリケーションから除去することが提案されています。 その代わりに、タスク名をメソッドに割り当て、次に、必要なアクセス・インテントを持つアプリケーション・プロファイルにタスク名を割り当てます。



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最終更新: Jan 21, 2008 5:05:53 PM EST
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