WebSphere Application Server - Express, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows

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PMI データ編成

このページでは、Performance Monitoring Infrastructure (PMI) および Tivoli Performance Viewer (TPV) を使用したモニター、データ収集、およびカウンターの一般的な概要を示します。

Performance Monitoring Infrastructure (PMI) には、 サーバー・サイド・モニターとパフォーマンス・データを検索するためのクライアント・サイド API が用意されています。 PMI は、WebSphere Application Server ドメイン全体 (複数のサーバーを含む) の 統計データを保守します。 各サーバーは、モジュールとサブモジュールに PMI データを編成します。



Tivoli Performance Viewer (これまでリソース・アナライザーと呼ばれていたもの) は、次のオブジェクトからなる 集中階層内にパフォーマンス・データを編成します。
  • ノード。 ノードは WebSphere Application Server 管理可能ドメインの物理マシンを意味します。
  • サーバー。 サーバーは、ネットワーク経由でクライアントに サービスを提供する機能ユニットです。 サーバー自身のためのパフォーマンス・データは 収集されません。
  • モジュール。

    モジュールは、リソース・カテゴリーの 1 つを表しています。このリソース・カテゴリーに関して収集されたデータが、パフォーマンス・ビューアーに報告されます。各モジュールには、少なくとも 1 つの XML 形式の構成ファイルが含まれています。 これらのファイルには編成が定義されており、モジュール内の各パフォーマンス・データの固有 ID がリストされています。 エンタープライズ Bean、JDBC 接続プール、J2C 接続プール、Java 仮想マシン (JVM) ランタイム (Java 仮想マシン・プロファイラー・インターフェース (JVMPI) を含む)、 サーブレット・セッション・マネージャー、スレッド・プール、 トランザクション・マネージャー、Web アプリケーション、 オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB)、Web サービス・ゲートウェイ (WSGW)、動的キャッシュ、などがモジュールになります。

  • サブモジュール。 サブモジュールは、モジュール下の リソース・カテゴリーの細分性を表します。例えば、ORB スレッド・プールは、スレッド・プール・カテゴリー のサブモジュールです。サブモジュールには、他のサブモジュールが含まれる場合があります。
  • カウンター。 カウンターは、分析のためのパフォーマンス情報を 保持するために使用されるデータ型です。 それぞれのリソース・カテゴリー (モジュール) にはカウンターの関連セットがあります。 モジュール内のデータ・ポイントは、MBean ObjectNames または PerfDescriptors によって照会および識別されます。カウンターの例として、 アクティブな Enterprise Bean の数、サーブレット要求への応答にかかった時間、 使用可能メモリー量 (K バイト) などがあります。

Tivoli Performance Viewer は、WebSphere Application Server の管理コンソールに統合されたシン・クライアントです。 Performance Monitoring Infrastructure (PMI) によって提供されるパフォーマンス・データの簡単なビューアーを提供し、 ユーザーはカウンターのデータを見たり、操作したりすることができます。 いくつかのモジュールに特定のカウンター・タイプがある場合があります。 例えば、サーブレットおよび Enterprise Bean の両方のモジュールに、 応答時間カウンターがあります。また、1 つのカウンター・タイプが、モジュール内に複数のインスタンス を持つ場合もあります。 上記の図では、エンタープライズ Bean モジュールと Bean1 の両方に、平均メソッド RT カウンターがあります。

カウンターは、モジュール・レベルで使用可能にでき、モジュール内のエレメントに対して 使用可能/使用不可にすることができます。例えば、上記の図で、 Enterprise Bean モジュールが使用可能になっている場合、 その 平均メソッド RT カウンターはデフォルトで使用可能になります。 ただし、このモジュール・カウンターの残りが使用可能になっている場合でも、平均メソッド RT カウンターを使用不可にすることもできます。また、必要に応じて、 Bean1 に対して平均メソッド RT カウンターを使用不可にできますが、 その場合、モジュール全体に対して報告される集計応答時間には、Bean1 データが含まれなくなります。

WebSphere Application Server には、詳細な制御機能の一部として統計セットが用意されています。 これらは、PMI 統計を使用したシナリオに基づいた、定義済みの固定のサーバー・サイド・セットです。 PMI 仕様レベルには、 「なし」、「基本」、「拡張」、「すべて」、または「カスタム」があります。「なし」を選択すると、すべての PMI モジュールが無効になります。 「基本」を選択すると、基本レベルのモニターを行えるように、J2EE および基本セットの統計が提供されます。 「拡張」を選択すると、基本レベルのモニターとワークロード・モニター、パフォーマンス・アドバイザー、 および Tivoli リソース・モデルなどのより堅牢なモニター・セットが提供されます。 「すべて」を選択すると、すべての統計が使用可能になります。 「カスタム」を選択すると、詳細な制御で、統計を個々に使用可能または使用不可にできます。

統計には 2 つの状態しかありません。使用可能または使用不可です。 同期的更新を使用可能にするオプションを提供するために、WebSphere Application Server は PMI サービス・レベルで構成パラメーター、synchronizedUpdate を提供しています。 この属性が true の場合、すべての統計更新が同期化されます。 デフォルトでは、synchronizedUpdate パラメーターは false に設定されています。 管理コンソールの「順次カウンター更新を使用」チェック・ボックスを選択すると、 同期化された更新を使用可能にできます。 synchronizedUpdate パラメーターは、V5.0.x および V5.1x の「最大」レベルと同等になります。

データ収集は、アプリケーション・サーバーのパフォーマンスに影響を与えることがあります。この場合、使用可能にされているカウンターの数、有効にされているカウンターのタイプ、およびカウンターに関するモニター・レベルの設定によってその影響は異なります。


パフォーマンス・データの編成
統計データを提供するために、 以下の PMI モジュールが使用可能です。
Enterprise Bean モジュール、Enterprise Bean、Bean 内のメソッド
このカテゴリーのデータ・カウンターは、 負荷値、応答時間、および Enterprise Bean のライフ・サイクル・アクティビティーを 報告します。 例には、アクティブ Bean の平均数と、Bean データが ロードされた回数またはデータベースに書き込まれた回数が含まれています。Enterprise Bean メソッドおよび、Enterprise Bean によって使用されるリモート・インターフェースに関する情報が提供されます。 例には、メソッドが呼び出された回数と、メソッドの平均応答時間が含まれています。 また、Tivoli Performance Viewer は、Bean オブジェクトのキャッシュまたは Enterprise Bean のオブジェクト・プールのサイズと使用量についての情報も報告します。 例には、プールからオブジェクトを検索しようとする呼び出しの数と、 プール内でオブジェクトが使用可能であった回数が含まれています。
JDBC 接続プール
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 データベースの JDBC 接続プールについての使用量情報が含まれています。 例に、管理接続または物理接続の数、および 接続または接続ハンドルの総数を示します。
Java 2 コネクター (J2C) 接続プール
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 Java 2 Platform Enterprise Edition (J2EE) コネクター・アーキテクチャーについての使用情報が含まれています。 Java 2 Enterprise Edition (J2EE) コネクター・アーキテクチャーによって、 Enterprise Bean は顧客情報管理システム (CICS)、 および情報管理システム (IMS) などのプロシージャー型下流工程システムと接続および対話することができます。 例に、管理接続または物理接続の数、および 接続または接続ハンドルの総数を示します。
Java 仮想マシン API (JVM)
このカテゴリーのデータ・カウンターには、JVM ランタイムの報告に従って、 プロセスで使用されたメモリーが含まれています。 例は JVM のための使用可能な合計メモリーと空きメモリーの量です。また、JVM ランタイムには、JVMPI からのデータも含まれています。このデータによって、アプリケーション・サーバーを実行している JVM に関 する詳細情報が提供されます。
サーブレット・セッション・マネージャー
このカテゴリーのデータ・カウンターには、HTTP セッションの使用量情報が含まれています。 例には、アクセスされたセッションの合計数、 セッションが要求を実行するのにかかる平均時間、 および同時にアクティブな HTTP セッションの平均数が含まれます。
スレッド・プール
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) スレッドのスレッド・プール、および HTTP 要求を処理するために使用される Web コンテナー・プールについての情報が含まれています。 例には、作成されたスレッドと破棄されたスレッドの数、 プールされたスレッドの最大許容数、 およびプール内のアクティブ・スレッドの平均数が含まれます。
Java トランザクション API (JTA)
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 トランザクション・マネージャーのパフォーマンス情報が含まれています。 例には、 アクティブ・トランザクションの平均数、 トランザクションの平均継続時間、およびトランザクションごとのメソッドの平均数が含まれています。
Web アプリケーション、サーブレット
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 選択されたサーバーの情報が含まれています。例には、ロードされたサーブレットの数、 完了した要求の平均応答時間、およびサーブレットに対する要求数が含まれています。
オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB)
このカテゴリーのデータ・カウンターには、ORB に関する 情報が含まれています。例には、オブジェクト参照ルックアップ時間、要求の総数、およびインターセプターごとの処理時間が示されています。
Web サービス・ゲートウェイ (WSGW)
このカテゴリーのデータ・カウンターには、WSGW に関する 情報が含まれています。例には、同期および非同期の要求と応答が示されています。
システム・データ
このカテゴリーのデータ・カウンターには、マシン (ノード) に関する 情報が含まれています。例には、CPU 使用率およびメモリー使用量が示されています。
ワークロード管理 (WLM)
このカテゴリーのデータ・カウンターには、ワークロード管理に関する 情報が含まれています。例には、要求の数、 更新の数、および平均応答時間が示されています。
動的キャッシュ
このカテゴリーのデータ・カウンターには、動的キャッシュ・サービスに関する 情報が含まれています。例には、メモリー内のキャッシュ・サイズ、 無効化の数、およびヒットとミスの数が含まれています。
Web サービス
このカテゴリーのデータ・カウンターには、Web サービスの情報が含まれています。 例には、ロードされた Web サービスの数、配布および処理された要求数、 要求応答時間、および要求の平均サイズが含まれます。
Alarm manager
このカテゴリーのデータ・カウンターには 、Alarm Manager の情報が含まれています。
オブジェクト・プール
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 オブジェクト・プールに関する情報が含まれています。
スケジューラー
このカテゴリーのデータ・カウンターには、 スケジューラー・サービスに関する情報が含まれています。

PerfMBean で getStatsObject および getStatsArray メソッドを介して PMI データにアクセスすることができます。 PerfMBean に MBean ObjectName (複数の場合もあり) を受け渡す必要があります。

以下の MBean タイプを使用して、関連カテゴリーの PMI データを取得することができます。
  • DynaCache: 動的キャッシュ PMI データ
  • EJBModule*: Enterprise JavaBeans (EJB) モジュール PMI データ (BeanModule)
  • EntityBean*: 特定の EJB PMI データ (BeanModule)
  • JDBCProvider*: JDBC 接続プール PMI データ
  • J2CResourceAdapter*: Java 2 Connectivity (J2C) 接続プール PMI データ
  • JVM: Java 仮想マシン PMI データ
  • MessageDrivenBean*: 特定の EJB PMI データ (BeanModule)
  • ORB: オブジェクト・リクエスト・ブローカー PMI データ
  • Server: サーバー全体の PMI データ。 PerfMBean に recursive=true を渡す必要があります。
  • SessionManager*: HTTP セッション PMI データ
  • StatefulSessionBean*: 特定の EJB PMI データ (BeanModule)
  • StatelessSessionBean*: 特定の EJB PMI データ (BeanModule)
  • SystemMetrics: システム・レベル PMI データ
  • ThreadPool*: スレッド・プール PMI データ
  • TransactionService: JTA トランザクション PMI データ
  • WebModule*: Web アプリケーション PMI データ
  • Servlet*: サーブレット PMI データ
  • WebServicesService: Web サービス PMI データ
  • WSGW*: Web サービス・ゲートウェイ PMI データ

AdminClient API を使用して、各 MBean タイプの MBean ObjectName を照会します。 すべての MBeans を照会し、MBean タイプと突き合わせるか、 または ストリング照会 = "WebSphere:type=mytype,node=mynode,server=myserver,*"; タイプ のストリング照会のみを使用します。

これに従って、mytype、mynode、および myserver の値を設定します。 AdminClient クラスを呼び出し、MBean ObjectNames を照会すると、 値が設定されます。 つまり、複数の ObjectNames を取得することができます。

直前の例では、 星印 (*) 付きの MBean タイプは、 サーバーに同じ MBean タイプの複数の ObjectNames が存在する可能性があることを意味しています。 この場合、ObjectNames はタイプと名前の両方で識別することができます (ただし、 mbeanIdentifier は MBeans の実際の UID です)。 ただし、MBean 名は事前定義されていません。 これらは、アプリケーションとリソースに基づいて、ランタイムに決定されます。 複数の ObjectNames を取得すると、任意の ObjectNames の配列を構成することができます。 その後、ObjectNames を PerfMBean に受け渡し、PMI データを取得することができます。使用できる オプションとしては、再帰的オプションおよび非再帰的オプションがあります。 再帰的オプションはユーザーに Stats および sub-stats オブジェクトをツリー構造で戻し、 非再帰的オプションはその MBean の Stats オブジェクトのみを戻します。 プログラミング情報について詳しくは 、>独自のモニター・アプリケーションの開発 を参照してください。




サブトピック
Enterprise Bean カウンター
JDBC 接続プールのカウンター
J2C 接続プール・カウンター
Java 仮想マシン・カウンター
オブジェクト・リクエスト・ブローカーのカウンター
サーブレット・セッションのカウンター
トランザクションのカウンター
スレッド・プールのカウンター
Web アプリケーションのカウンター
システム・カウンター
動的キャッシュのカウンター
MBean キャッシュ統計
Web サービスのカウンター
Alarm Manager のカウンター
オブジェクト・プールのカウンター
スケジューラーのカウンター
分散および整合性サービス (DCS) のスタック・カウンター
サービス統合バスのカウンター
関連タスク
システム全体の正常性のモニター
管理コンソールによる PMI の使用可能化
関連資料
Web サービス・ゲートウェイのカウンター
Performance Monitoring Infrastructure の設定
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 11:31:28 PM EST
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