SCIM 階層の保守


概説

タスク

SCIM 階層の例

組み込み先

Tivoli Problem Management

概説

SCIM 階層

ヘルプ・デスク分析者がサポートする製品についての情報は、次の 4 つのレベルから成る階層に編成されます: システム、コンポーネント、アイテム、およびモジュール。 これらの 4 つのレベルは総称して SCIM と呼ばれます。 ヘルプ・デスクがサポートする各製品には、対応する SCIM 定義がなければなりません。
SCIM 階層のレベル SCIM 階層は次のレベルから構成されています:
SCIM レベル 記述
システム システムは、SCIM 階層の最上位のレベルです。システムとは、コンポーネントのコレクションを表します。 各システムは固有の識別子をもっており、それは Tivoli Problem Management を通してそのシステムを指定するために使用されます。

パーソナル・コンピューターおよび 利便パッケージはどちらもシステムの例です。

コンポーネント コンポーネントは SCIM 階層の 2 番目のレベルです。コンポーネントは、システムの基本ビルド・ブロックです。 コンポーネントは、モニター、CPU、およびプリンターなどの装置の一般的なカテゴリーです。 システムと同様に、コンポーネントも固有の識別子をもっていなければなりません。 ただし、コンポーネントは複数のシステムの定義に使用することができます。

SCIM 階層を定義する際に、システムおよびコンポーネント・レベルとして、特定のブランド、バージョン、またはモデルの製品を考えないでください。 たとえば、"モニター" は有効なコンポーネントですが、"IBM P92 モニター"はそうではありません。 IBM P92 は実際のモニターのモデルですが、一方 "モニター" は単にコンピューターの出力を表示するために使用する装置を説明したものです。 同様に、"アプリケーション"は概念を説明したものであり、 特に購入することはできないので、有効なコンポーネントです。 しかし、 "Tivoli Problem Management" は実際に取引先から購入することができる製品であるので、コンポーネントではありません。 代わりに、特定の製品はアイテムおよびモジュール・レベルで定義します。 モニター、コンピューター、およびプリンターは、"パーソナル・コンピューター" システムのコンポーネントとなることができます。

アイテム アイテムは、階層の 3 番目のレベルです。 このレベルでは、特定のブランドおよびモデルの製品が階層に入力されます。 各コンポーネントは任意の数のアイテムをもつことができます。

各アイテムはコンポーネントの 1 つの特定の例です。 たとえば、 "モニター"・コンポーネントは多くのアイテムをカテゴリー化することができます。 これらの各アイテムは、別のタイプのモニターです: すなわち、"IBM P92"、"NEC 5-D" などです。

階層のアイテム・レベルは購入することのできる機器を指定するので、取引先をすべてのアイテムと関連付けることができます。

モジュール モジュールは、階層の最下位のレベルです。 モジュールは、問題を経験できるアイテムの一部です。

システムがコンポーネントから成っているように、各アイテムはいくつかのモジュールから成ることができます。 たとえば、ワード・プロセッシング・アプリケーションは次のいくつかのモジュールから成り立つことができます: すなわち、 図形処理、印刷、編集などです。 これらのモジュールは別個に購入することはできません。 したがって、これらはモジュール・レベルで適切に定義されています。

Tivoli Problem Management Uses での SCIM の使用法 Tivoli Problem Management は以下の機能の実行時に SCIM 階層を使用します:
Tivoli Problem Management 機能 SCIM の使用法
コール登録 サポートされる製品についての情報を使用して、「コール登録」ダイアログ・ボックスおよび「コール・ディスパッチ」ダイアログ・ボックスの 「システム」、「コンポーネント」、「アイテム」、「モジュール」、および「問題タイプ」 チェック・ボックスが完成されます。 これらのボックスは、問題の一般的な種別を提供します。
Problem Management 各問題レコードには、SCIM および問題タイプの情報が入っています。 この情報は問題解決に役立ち、レポート作成にも使用することができます。
診断エイド ハイパーツリーは、SCIM を使用してハイパーツリー診断プロセス中のどこから開始するかを判別します。 ホット・ニュース共通問題、およびエラー・メッセージ診断エイドは、ヘルプ・デスク分析者が「コール登録」ダイアログ・ボックスで 「診断」 を選択するか、あるいは「問題状況」ダイアログ・ボックスで「診断」を選択した時に、SCIM および場所情報を使用してソリューションの検索を実行します。

SCIM 階層の例

ハードウェアの例

次の表は、コンピューター・ハードウェアのサポート用に使用できる装置構成を示したものです。 この構成にはモジュールは組み込まれていません。 多くの場合、アイテム・レベルのエントリーを形成する装置の各部分がかなり離れている時には、モジュール情報は必要ありません。
システム・レベル コンピューター
コンポーネント・レベル モニター ビデオ・ボード システム装置
アイテム・レベル NEC3D
IBM P92
NANAO T5601
VGA Wonder
Super VGA
Orchid PRO IIS
GP6-300
IBM PC 300PL
AST 586

ソフトウェアの例

次の表は、ソフトウェア・アプリケーションのサポート用に使用できる装置構成を示したものです。 この例には、モジュール情報の使用が含まれています。

Lotus 1-2-3 は、いくつかのモジュールに分割されるアイテムの 1 つです。印刷および図形作成モジュールを別々に購入することはできません。したがって、これらは別個のアイテムとはみなされません。 しかし、 SCIM 階層のモジュール・レベルを指定することによって、コール登録時にこの情報を提供することは、レポート作成および診断の観点から、非常に重要である場合があります。

システム・レベル アプリケーション
コンポーネント・レベル オペレーティング・システム 所有権 スプレッドシート
アイテム・レベル DOS
OS/2
購入
買掛管理
Lotus 1-2-3
モジュール・レベル なし なし 印刷
図形作成
エクスポート
公式
基本

タスク

SCIM 階層の識別

Tivoli Problem Management の Problem Management および診断機能を使用するためには、ユーザーの組織でサポートされているSCIM 階層を識別し、それらを記録しなければなりません。 これらのステップにより、以下のプロセスが単純化されます:
  1. アイテム・レベルで開始します。

    ユーザーの組織によってサポートされるすべてのアイテムを識別します。アイテムは特定のオブジェクトまたは製品です。 これらは通常パーツ番号または型式番号をもっています。 たとえば、ユーザーの組織は XYZ PC、BIG PC、 ABC モデム、FGH モニター、RLM モニター、スプレッドシート Xmaker などをサポートすることができます。

  2. アイテムをコンポーネントと呼ばれるカテゴリーにグループ分けします。

    ステップ 1: の例を続行することにより、XYZ PC および BIG PC を CPU としてカテゴリー化することができます。 CPU は、アイテム XYZ PC および BIG PC が入っているコンポーネントです。 同様に、「モニター」をアイテム「FGH モニター」および「RLM モニター」が入っているコンポーネントとすることができます。

  3. コンポーネントをシステムにグループ分けします。

    システムは関連コンポーネントのグループを識別します。たとえば、「コンピューター」を使用して、ステップ 2 に記述されている CPU および「モニター」のシステムをクラス分けすることができます。

  4. モジュールを識別します。
    • ステップ 1 で識別されたすべてのアイテムをリストします。
    • 固有に識別できる問題を体験することのできるアイテムのパーツを識別します。
    • これらのアイテムのパーツをモジュールとして SCIM に記録します。 たとえば、RAM、ハード・ディスク、およびビデオ・カードは XYZ PC のモジュールとして識別することができます。

これらのステップを完成すると、ユーザーの組織でサポートされるいくつかの識別された SCIM ができます。 これで、この情報を Tivoli Problem Management に記録する準備ができました。 記録するためには、 システムの保守を参照してください。

SCIM レコードの管理

SCIM 階層により、SCIM レコードを作成する順序が決定されます。システムを構成するコンポーネントを追加するためには、その前にそのシステムを追加しなければなりません。 同様に、コンポーネント・カテゴリーに属するアイテムを追加するためには、 その前にそのコンポーネントを追加しなければなりません。

また、既存の SCIM 情報にアクセスするためには、必要な情報が見つかるまで、階層を検索しなければなりません。 たとえば、アイテムの記述を編集したい場合には、最初に該当するシステムを選択してから、コンポーネントを選択し、その後で必要なアイテムを選択します。

ヒント: 任意の SCIM 情報を追加、編集、または削除したい時には、常に「システム」レベルから開始します。