Tivoli Service Desk 6.0 Developer's Toolkit ツールおよびユーティリティーの手引き
Developer's Toolkit 統合開発環境または IDE は、Developer's Toolkit アプリケーションの作成のための統合作業スペースです。 IDE は、コマンド・プロンプトから作業するのではなく、グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) 環境でオプションを選択することによってアプリケーションをビルドできるように設計されています。IDE を使用して Developer's Toolkit アプリケーションを編成し、アプリケーションのビルドに必要なツールにアクセスすることができます。
IDE 内では、Developer's Toolkit アプリケーションはすべて、プロジェクト・ファイル内で階層構造に編成されます。IDE では、各 プロジェクト は、ターゲット と呼ばれる 1 つまたは複数のウィンドウで構成されたファイルです。ターゲットには、アプリケーションのビルドに使用されるアイテムと呼ばれるコンポーネントが入っています。
アプリケーションをビルドするために、ユーザーのワークフローは通常、この階層の順序に従って行なわれます。 次のステップには、階層方法を使用して Developer's Toolkit アプリケーション・プロジェクトをビルドする処理が要約されています。
プロジェクトは IDE の階層ファイル構造の最上位です。プロジェクトは、ターゲットのリストを示すウィンドウです。プロジェクトは 1 つまたは複数のターゲットをもつことができますが、これは作成しているアプリケーションの複雑さおよびその編成のための選択方法によって異なります。
ターゲットとは、そのプロジェクトと連係されたウィンドウです。ターゲット・ウィンドウには、そのプロジェクトと関連したアイテムのリストが表示されます。 1 つのターゲットにそのプロジェクトのすべてのアイテムを入れることも、複数のターゲットにグループ化することもできますが、これは、ユーザーの Developer's Toolkit アプリケーションの編成方法によって異なります。
アイテムは IDE の階層ファイル構造の最下位です。アイテムとは、ターゲットとリンクされたウィンドウです。アイテム・ウィンドウには、ターゲットと関連した 1 つのアイテムの名前が示されます。 1 つまたは複数のアイテムがターゲットを構成できます。
アイテム・メッセージは、アプリケーションのビルドに使用されるソース・ファイルの全パス (ファイル名も含まれる) です。ファイルは IDE に実際にコピーするのではなく、ファイル名によって参照されるので、ユーザー・プロジェクトに組み込むために IDE 内に作成する必要はありません。ファイルは、IDE のプロジェクトの一部として定義することができます。
編集プログラムは、デフォルト・テキスト・エディターと Interface Designer の 2 つがあります。デフォルト・テキスト・エディターは ASCII テキスト・ファイルの編集に使用されます。ユーザーのオペレーティング・システムには、デフォルトのテキスト・エディターがすでに定義されていますが、それを別のエディターに変更することができます。 詳細については、この章の後にある テキスト・エディターによるアイテムの編集 の項を参照してください。
Interface Designer は .df ファイルの編集に使用されます。Interface Designer の詳細については、Tivoli Service Desk 6.0 Developer's Toolkit Interface Designer の手引き を参照してください。
ソース様式からオブジェクト様式にファイルを変換するビルド・プログラムは 2 つあります。ビルド処理中に、ビルド・プログラムは、元のファイル拡張子から派生した拡張子をもつ新規のファイルを作成します。
ビルド・プログラムはそのファイルをマシン・コードに変換して、ファイル拡張子に "c" を追加します。 .kb (知識ベース) ファイルのビルドでは、.kbc の拡張子でファイルを作成します。
次の例には、ビルド・プログラムおよびそれぞれの変換のファイルのタイプが示されています。
ビルド・プログラム | 変換 |
Interface Generator | .df から .dfc |
TSD Script Parser | .kb から .kbc |
実行プロセスはファイルを実行または表示し、それを行なうと、選択されたファイルを実行するプログラムが指定されます。たとえば、インターフェース・ビューアーは .df ファイルを表示するのに使用されます。
この項では、次のトピックについて説明します。
新規のプロジェクト・ファイルを作成する時には、ユーザー・ファイル用の新しい別個のディレクトリーを作成することをお奨めします。
新規のプロジェクト・ファイルを作成するには、次のようにしてください。
このプロシージャーを使用して、既存のプロジェクト・ファイルをオープンします。
既存のプロジェクト・ファイルをオープンするには、次のようにしてください。
プロジェクト・ファイルに命名するときには、デフォルトの拡張子は .ide です。ただし、任意の拡張子を指定することができます。
プロジェクト・ファイルを元のファイル名で保管するには、次のようにしてください。
プロジェクト・ファイルを別の名前で保管するには、次のようにしてください。
プロジェクト・ファイルをオープンまたは作成すると、それにターゲットを追加することができます。プロジェクト・ファイルで必要となるだけの数のターゲットを作成できますが、少なくとも 1 つは存在していなければなりません。ターゲットには、任意の数のアイテムを追加することができます。ただし、編成化ツールとして、情報またはファイルの論理グループの一部であるアイテムだけが各ターゲットに保有されていなければなりません。
この項では、次のトピックについて説明します。
それぞれのターゲットには、アプリケーションのビルドに使用されるデータの関連グループの一部であるアイテムが保有されています。次のプロシージャーを
使用して、プロジェクト・ファイルにターゲットを追加します。
注: これは必須です。タイトルを提供しないと、エラー・メッセージが表示されて、 ターゲットの受け入れの前に、値を指定しなければならないことを示します。
ターゲットの編集では、ターゲット名を変更することができます。
ターゲットを編集するには、次のようにしてください。
ターゲットを消去すると、そこからすべてのアイテムが除去されますが、この消去処理によってソース・ファイルは何の影響も受けません。
注意: 消去処理はやり直すことができません。ターゲットからアイテムを消去した場合、それを復元する方法は、そのプロジェクト・ファイルを保管しないでクローズするか、あるいはそのターゲットに各アイテムを手操作で戻す方法だけです。
ターゲットからアイテムを消去するには、次の手順を使用してください。
条件 | 結果 |
ターゲットを消去したい場合 | 「Yes」を選択 |
ターゲットを消去したくない場合 | 「No」を選択 |
プロジェクト・ファイルからターゲットを削除する場合には、そのターゲットのすべてのアイテムもプロジェクト・ファイルから除去されます。ソース・ファイルはこの削除によって何の影響も受けません。
条件 | 結果. |
ターゲットを削除したい場合 | 「Yes」を選択 |
ターゲットを削除したくない場合 | 「No」を選択 |
ターゲット・アイテムはソース・ファイルの参照であり、そのターゲットから任意の時点に追加または削除することができます。
この項では、次のトピックについて説明します。
プロジェクト・ファイルのターゲットにアイテムを追加する前に、次のことを考慮してください。
ターゲットにアイテムを追加するには、次のようにしてください。
プロジェクト・ファイルをビルドする時に、まだ作成されていないソース・ファイルのプレースホルダーを追加したい場合があります。プレースホルダーは空のファイルであり、これによって、ソースになるものがなくとも、ユーザー・アプリケーションの構造を設定することができます。たとえば、ヘルプ・テキストをまだ作成していなくとも、結果的にユーザー・アプリケーションのヘルプ・ファイルになるファイルを作成したいことがあります。
プレースホルダーを作成するには、次のようにしてください。
アイテムを特定のターゲットと関連づけたくないため、あるいは別のターゲットに移動する必要があるために、そのアイテムの削除を選択することができます。アイテムを除去する唯一の方法は、現行のターゲットからそのアイテムを除去して、別のターゲットに追加することです。
ターゲットからアイテムを除去するには、次のようにしてください。
条件 | 結果 |
ターゲットを除去したい場合 | 「Yes」を選択 |
アイテムを削除したくない場合 | 「No」を選択 |
ターゲットのアイテムを編集することによって、アプリケーションのビルド時に変更を行なうことができます。 アイテムは、そのアイテムのタイプによって異なったテキスト・エディターに関連付けることができます。たとえば、コードのモジュールはテキスト・エディターと関連付け、ダイアログ・ボックス・ファイルは Interface Designer と関連付けることができます。
この項では、次のトピックについて説明します。
プロジェクト・ファイルのそれぞれのアイテムは、その内容の変更に使用できるテキスト・エディターと自動的に関連付けられます。
テキスト・エディターをオープンするには、次のようにしてください。
注: また、編集したいアイテムをダブルクリックすることによっても、テキスト・エディターをオープンすることができます。
テキスト・エディターをクローズするには、次のようにしてください。
デフォルトのテキスト・エディターを変更したい場合があります。たとえば、定期的に使用するテキスト・エディターがある場合には、IDE によって提供されるデフォルトのテキスト・エディターでなく、それを続けて使用したい場合があります。
デフォルトのテキスト・エディターを変更するには、次のようにしてください。
IDE は、アイテムのオブジェクト・コードをビルドして更新するための幾つかのオプションを提供します。 この項では、次のトピックについて説明します。
ビルドと更新の相違点は、アイテムをビルドする時には、指定されたすべてのアイテムが無条件に再ビルドされます。アプリケーションのビルドの詳細については、TSD Script Parser を参照してください。
アイテムを更新する時には、そのオブジェクト・コードより新しいソース・コードをもつアイテムだけが再ビルドされます。詳細については、 ユーザー・プロジェクトの更新 の項を参照してください。
注: 更新のために選択したアイテムにオブジェクト・コードがない場合には、それが作成されます。
IDE がビルド・プログラムを実行する時には、コマンド行の引き数としてその (1 つまたは複数の) アイテムの名前を渡します。複数のファイルをビルドまたは更新する場合には、正常なビルドまたは更新を確認するメッセージが表示されます。
ビルド・プログラムがアイテムのコマンド行として指定された場合には、アプリケーションで置き換えが行なわれます。コマンド行が定義されない場合には、選択したアイテムの名前が使用されます。選択したアイテムのビルド・プログラムが指定されない場合には、警告メッセージが表示されます。
ターゲットにアイテムをビルドするには、次のようにしてください。
ターゲットのすべてのアイテムをビルドするには、次のようにしてください。
プロジェクトのすべてのアイテムをビルドするには、次のようにしてください。
アプリケーション内のターゲットだけを更新することも、関連付けられたターゲットおよびアイテムも含めて、そのプロジェクト・ファイル全体を更新することができます。
この項では、次のトピックについて説明します。
ターゲットのすべてのアイテムを更新するには、次のようにしてください。
プロジェクト・ファイルのすべてのアイテムを更新するには、次のようにしてください。
知識ベースは、アイテムのビルドおよび更新と同じ方法でビルドされ更新されます。すなわち、更新では、TSD Script Parser は、そのタイム・スタンプが .kbc ファイルより新しいプロジェクトのすべての .kb ファイルを解析し、.kbc ファイルが存在しない場合には、それを作成します。
.kb ファイルの再ビルドによって、TSD Script Parser はその変更時刻に関係なく、プロジェクトのすべての .kb ファイルを解析することができます。
この項では、次のトピックについて説明します。
知識ベースをビルドするには、次のようにしてください。
知識ベースを更新するには、次のようにしてください。
IDE は任意の実行可能ファイルを実行することができます。この項では、次のトピックについて説明します。
ファイルを実行するには、次のようにしてください。
「アイテム」メニューから「実行」を選択します。
あるいは
~ 「実行」ツールバー・ボタンをクリックします。
Developer's Toolkit プログラムを実行するための作業ディレクトリーを設定するには、次のようにしてください。
Tivoli Service Desk 6.0 Developer's Toolkit ツールおよびユーティリティーの手引き