分散データ・マネージャーの概要


概説

組み込み先

Tivoli Problem Management の管理

概説

分散データ・マネージャーの概説

分散データ・マネージャーは、Tivoli Problem Management の 1 つの機能です。分散データ・マネージャーを使用可能にすると、コール、問題、およびソリューションを 他の Tivoli Problem Management サイトに転送することができます。サイトとは、特定の Tivoli Problem Management データベースおよびそれにアクセスするクライアント・ワークステーションとアプリケーション・サーバーのことです。 サイトは、同じ建物にある場合もあれば、異なる大陸にある場合もあります。

分散データ・マネージャーは、他のサイトが異なるデータベースを使用していても、そのサイトにコール、問題、およびソリューションを転送できるようにするものです。 たとえば、Oracle データベースで稼働中のサイトが Informix データベースで稼働中の別のサイトに問題を転送することができます。ここでそのサイトは、Microsoft SQL Server で稼働する第 3 のサイトに同じ問題を転送することができます。 こうしたすべてのサイトは、転送された問題を表示または検索することができます。

分析者は、単一のコール、問題、およびソリューションをディスパッチまたは転送することができます。あるいはバッチ・モードで複数の問題を送信 (大量問題転送) したり、複数のソリューションを 送信 (大量ソリューション転送) したりできます。たとえば、アトランタで午後 5 時にヘルプ・デスクがクローズされた場合には、アトランタの分析者は、午後 2 時であるサンフランシスコのサイトに未解決の 問題を転送することができます。 この能力によって、ヘルプ・デスクが中断のないサポートを提供することができます。

Tivoli Problem Management エンタープライズ

エンタープライズは、相互に接続されている複数の Tivoli Problem Management サイトからなります。エンタープライズ中のサイトは、Tivoli Problem Management の 3 層アーキテクチャー (データベース・サーバー、1 つまたは複数のアプリケーション・サーバー、およびクライアント・ワークステーションが組み込まれたもの) を使用します。アプリケーション・サーバーは、リモート・トランザクションを処理します。 リモート・トランザクションを受信するように指定したアプリケーション・サーバーは、1 次ホストと呼ばれています。2 次ホストを定義することもできます。1 次ホストが使用不能である場合には、2 次ホストが自動的に リモート・サイトからのトランザクションを処理します。

各サイトには、エンタープライズ中のすべてのサイトのサイト ID レコードが含まれています。さらに、各サイトにはエンタープライズ中の他のサイトの担当者 ID とグループ ID のデータベース・レコードがあります。 分散データ・マネージャーが使用可能な Tivoli Problem Management は、新規の ID が追加されるか、既存の ID が変更されると、必ず自動的にすべてのサイトの担当者 ID、グループ ID、組織情報、および場所情報を更新します。 サイト、ユーザー、およびグループ ID の情報は、分析者がコール、問題、またはソリューションをリモート・サイトに転送する時に使用されます。

コールまたは問題のライフ・サイクルのいずれかの時点で、分析者は、次のようにエンタープライズ内の他のサイトの分析者にコール、問題、またはソリューションをディスパッチまたは転送することができます。

  1. 分析者は Tivoli Problem Management 内にコールまたは問題を登録します。
  2. 分析者は、リモート・サイト ID とリモート・サイトの担当者 ID またはグループ ID を選択することによって、コールまたは問題のリモート・サイトへの転送を開始します。
  3. アプリケーション・サーバーがそのコールまたは問題をリモート・サイトのアプリケーション・サーバーに転送します。
  4. リモート・アプリケーション・サーバーは、宛先にその転送を通知することによって、トランザクションを完了します。このプロセスは、分析者がリモート・サイトへの転送を都市間で行う場合でも、大陸間で行う場合でも同じです。

問題がリモート・サイトに転送されても、問題を転送した分析者は、引き続き次のことを行うことができます。

  • リモート・サイトにある時の問題の状況を表示する。
  • リモート・サイトにある時の問題全体およびその関連データを表示する。
  • 問題に対するコールをリモート・サイトに関連付ける。
  • リモート・サイトから問題を検索して、それについて作業を再開する。
始める前に 分散データ・マネージャーで Tivoli Problem Management を使用してコール、問題、およびソリューションを最初にリモート・サイトに転送する前に、次のことを行う必要があります。
  1. 分散データ・マネージャーのオプションを構成する。詳細については、分散データ・マネージャーの構成を参照してください。
  2. エンタープライズ内の各リモート・サイトについてのデータをこのサイトのデータベースに追加する。 詳細については、分散データ・マネージャーのためのサイトの構成を参照してください。
  3. ユーザー・サイトのユーザーおよびグループについてのデータをエンタープライズ内のすべてのリモート・サイトにコピーする。
    注: これは、Tivoli Problem Management のインストール後に、分散データ・マネージャーを使用可能にした場合にのみ行う必要があります。詳細については、分散データ・マネージャーのためのユーザー ID およびグループ ID の構成 を参照してください。

ヒント: 1 個人をエンタープライズの分散データ・マネージャー・アドミニストレーターとして指定するように考慮してください。この担当者は、サイト ID およびサイト番号を調整して、固有のユーザー ID を割り当てることができます。

問題とともに転送されるデータ 分析者が問題をリモート・サイトに転送する時には、分散データ・マネージャーが使用可能になった Tivoli Problem Management は、問題と一緒に次のデータベース・レコードのコピーをリモート・サイトに送ります。
  • 問題

分散データ・マネージャーが使用可能になった Tivoli Problem Management は、問題に関連した次のすべてのデータベース・レコードのコピーも送ります。

  • コール
  • 場所
  • 担当者
  • 問題履歴
  • セッション
  • ソリューション
  • ワーク・ヒストリー

注: 分散データ・マネージャーが使用可能になった Tivoli Problem Management は、転送される問題とともに次のデータベース・レコードのコピーは送りません。

  • 他の Tivoli Service Desk 製品に関連したデータベース・レコード
  • インベントリー
コールとともに転送されるデータ 分析者がコールをリモート・サイトに転送する時には、分散データ・マネージャーが使用可能になった Tivoli Problem Management は、コールと一緒に次のデータベース・レコードのコピーをリモート・サイトに送ります。
  • コール
  • 場所
  • 担当者
  • セッション
ソリューションとともに転送されるデータ 分析者がソリューションをリモート・サイトに転送する時には、分散データ・マネージャーが使用可能になった Tivoli Problem Management は、ソリューションと一緒に次のデータベース・レコードの コピーをリモート・サイトに送ります。
  • ソリューション