分散データ・マネージャーの構成


概説

タスク

組み込み先

Tivoli Problem Management の管理

概説

分散データ・マネージャーの構成

分散データ・マネージャーの次の性質を構成することができます。
  • ユーザー・サイトのアラート・グループ
  • ユーザー・サイトがユーザー・サイトに現在存在しない SCIM 階層 (リモート・サイトからのソリューション転送を介して受信) を管理する方法。リモート・サイトから新規 SCIM 階層が受け取られた時にアラート・グループに 通知するように、分散データ・マネージャーを構成することもできます。
  • トランザクションまたはリモート・サイトへの問題の転送が失敗した場合に使用される通知オプション
  • リモート・サイトへの失敗した問題転送が自動的に取り消されるか、それとも再試行されるか
  • リモート・トランザクションと保留中のトランザクションおよび障害のあった応答と接続を再試行するまでの時間
  • ユーザー・サイトの担当者レコードが自動的にリモート・サイトに転送されるようにしたいかどうか
  • ユーザー・サイトのソリューション・レコードが自動的にリモート・サイトに転送されるようにしたいかどうか

「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックス

分散データ・マネージャーの設定を指定するには、「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスを使用します。

「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスには、次のタブが含まれています。

タブ 機能
オプション 分散データ・マネージャーを使用可能にするか、アラート・グループを指定するか、リモート・トランザクションの失敗の通知を指定するか、再試行回数を指定します。 分散データ・マネージャー・オプションの構成を参照してください。
知識 知識転送、新規 SCIM の受信、および新規ソリューションの受信の各オプションを指定します。 知識オプションの構成を参照してください。
問題 リモート・サイトへの問題転送が失敗した場合のオプションを指定します。問題オプションの構成を参照してください。
担当者 担当者データをリモート・サイトに転送するためのオプションを指定します。担当者オプションの構成を参照してください。

「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスにアクセスするには、次の 1つを行ってください。

  • Tivoli Service Desk アドミニストレーター・プロファイルを使用する場合には、Problem Management メニューから、「分散データ・マネージャー」を選択します。
  • Tivoli Problem Management アドミニストレーター・プロファイルを使用している場合には、「構成」メニューから「分散データ・マネージャー」を選択します。
  • ヘルプ・メニューから、ユーザーのシステム・プロファイルを選択して、「DDM の構成」の下にある指示に従ってください。

タスク

分散データ・マネージャー・オプションの構成

エンタープライズ中の各サイトは、アラート・グループを定義しているはずです。アラート・グループは、分散データ・マネージャー・トランザクションをモニターするように割り当てられ、 分散データ・マネージャーのエラーが起こった場合に、通知を受ける 1 人または複数のユーザーからなります。たとえば、リモート・サイトのアプリケーション・サーバーが停止または中断した場合には、そのサイトへのコール、問題、 およびソリューションの転送はトランザクション・エラーを起こします。ローカル・サイトでは、分散データ・マネージャーは、アラート・グループに障害を通知します。

アラート・グループを既存の Tivoli Problem Management グループとすることも、 あるいはアラート・グループとなる新しいグループを作成することもできます。 アラート・グループをもつように計画する場合には、分散データ・マネージャーの構成前にそれを定義してください。

再試行遅延を指定することもできます。これは、一定のアクションが分散データ・マネージャーによって自動的に再試行されるまでの最小時間です。次のものに対して再試行遅延を構成することができます。

  • トランザクション障害
    トランザクション障害は、リモート・サイトへの問題転送の失敗など、リモート・サイトに対するトランザクションが失敗した時に起こります。
  • トランザクションの保留
    トランザクションの保留は、トランザクションの成否の応答がリモート・サイトから受信されなかった時に起こります。
  • 応答障害
    応答障害は、リモート・サイトがトランザクションの成否の応答を要求元のサイトに送信できなかった時に起こります。
  • 接続障害
    接続障害は、ユーザー・サイトが特定のリモート・サイトとの接続を確立できなかった時に起こります。

各再試行遅延のデフォルト時間は、10 分で、これは最小時間です。 分散データ・マネージャーは、失敗したアクションを再試行する前に後続のリモート・トランザクションを必要とします。各リモート・トランザクションの後に、分散データ・マネージャーは、障害があるトランザクションあるいは保留中の トランザクションを再試行する時間になっているかどうかを判別します。

分散データ・マネージャーの構成オプションを指定するには、次のようにします。

  1. 「オプション」 メニューから、「分散データ・マネージャー」を選択します。
    結果: 「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスが現れます。
  2. 「DDM の使用可能化」を選択します。
    結果: 分散データ・マネージャーが使用可能になります。
  3. 「アラート・グループ」リストから、ユーザー・サイトのアラート・グループとして使用するグループを選択します。
  4. アラート・グループに分散データ・マネージャーのエラーを通知したくない場合には、「アラートの使用可能化」ボックスのチェックマークを消します。
  5. アラート・グループの各メンバーに通知の個別コピーを受信させたい場合には、「個別コピーの送信」ボックスを選択します。
  6. リモート・トランザクションが失敗した場合に、リモート・トランザクションの送信側に通知したくない場合には、「送信側に通知」ボックスのチェックマークを消します。
  7. リモート・トランザクションの失敗が起こった場合に、アラート・グループに通知したい場合には、「アラート・グループに通知」ボックス を選択します。
    注: 「個別コピーの送信」ボックスを選択した場合には、リモート・トランザクションが失敗すると、アラート・グループの各メンバーが通知を受け取ります。また、失敗したリモート・サイトへの問題転送の送信側は、 分散データ・マネージャーがリモート・サイトの問題転送が失敗した場合にそれを自動的に取り消すように構成されていれば、常に障害の通知を受け取ります。
  8. トランザクション障害の新規再試行遅延を指定するには、「トランザクション障害」ボックスに値を入力してください。
  9. 保留トランザクションの新規再試行遅延を指定するには、「保留トランザクション」ボックスに値を入力してください。
  10. 応答障害の新規再試行遅延を指定するには、「応答障害」ボックスに値を入力してください。
  11. 接続障害の新規再試行遅延を指定するには、「接続障害」ボックスに値を入力してください。
  12. 次の 1 つを実行してください。
    • 「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスの別のタブを選択して、分散データ・マネージャーの構成を続行します。
    • 「了解」を選択します。
      結果: 仕様が保管され、「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスがクローズされます。

知識オプションの構成

エンタープライズ内では、それぞれのサイトが異なる SCIM 階層を使用することがあります。リモート・サイトがユーザー・サイトに問題を転送する場合には、その問題と一緒に新規 SCIM 階層を 受け取ることもあります。新規 SCIM 階層がユーザー・サイトでどのように扱われるかを決定する必要があります。次の選択項目があります。
  • 新規 SCIM をユーザー・サイトに自動的に追加する。
    新規 SCIM が追加された後に、ユーザー・サイトの分析者は、新しい問題を登録する時にそれを使用することができます。
  • 新規 SCIM をユーザー・サイトに追加しない。
    新規 SCIM はユーザー・サイトで受け取られると、問題と一緒に保管され、「問題状況」ノートブックに表示することができます。しかし、分析者は、ユーザー・サイトで新しい問題が登録されている時には、新規 SCIM を使用することができません。

新規 SCIM をユーザー・サイトに追加していても、追加していなくても、新規 SCIM の存在をこちら側のアラート・グループに通知することができます。

サイト間でソリューションをどのように管理したいかを構成することができます。ソリューションがユーザー・サイトで更新されるか、自動的に更新されるか、あるいはその両方を行われる時に、ソリューションをリモート・サイトに転送するかどうかを 指定することができます。ユーザー・サイトで新規ソリューションが受け取られた時に、アラート・グループに通知するかどうかを指定することもできます。

知識オプションを構成するには、次のようにします。

  1. 「オプション」 メニューから、「分散データ・マネージャー」を選択します。
    結果: 「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスが現れます。
  2. 「知識」タブを選択します。
    結果: 「知識」タブが現れます。
  3. 新規 SCIM を受信した時に自動的にユーザー・サイトに追加したい場合には、「新規 SCIM の受信時の処置」の下で「自動追加」ボックスを選択します。
  4. ユーザー・サイトに新規 SCIM が受信された時に、アラート・グループに通知したい場合には、「新規 SCIM の受信時の処置」の下で「アラート・グループに通知」ボックスを選択します。
  5. 新規ソリューションを受信した時に自動的にユーザー・サイトに追加したい場合には、「新規 SOLUTIONS の受信時の処置」の下で「自動追加」ボックスを選択します。
  6. ユーザー・サイトに新規ソリューションが受信された時に、アラート・グループに通知したい場合には、「新規 SOLUTIONS の受信時の処置」の下で「アラート・グループに通知」ボックスを選択します。
  7. ソリューションを自動的にエンタープライズ中のリモート・サイトにコピーしたい場合には、「SOLUTIONS の自動複写」ボックスを選択します。
  8. ユーザー・サイトでソリューションが更新された時に、そのソリューションを自動的にエンタープライズ中のリモート・サイトにコピーしたい場合には、「更新での SOLUTIONS の複写」ボックスを選択します。
  9. 次の 1 つを実行してください。
    • 「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスの別のタブを選択して、分散データ・マネージャーの構成を続行します。
    • 「了解」を選択します。
      結果: 仕様が保管され、「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスがクローズされます。
問題オプションの構成 デフォルトでは、分散データ・マネージャーは、リモート・サイトへの問題転送が失敗すれば、それを取り消します。しかし、リモート・サイトへの問題転送が失敗すればそれを定期的に再試行するように 分散データ・マネージャーを構成することができます。

デフォルト設定を変更しなかった場合には、失敗した問題転送はすべて取り消され、ユーザー・サイトの分析者が後でもう一度転送をやり直すことができます。失敗した問題転送を再試行するように 分散データ・マネージャーを構成した場合には、転送を開始した分析者は、再試行が保留中の間は、問題を処理することができません。

問題オプションを構成するには、次のようにします。

  1. 「オプション」 メニューから、「分散データ・マネージャー」を選択します。
    結果: 「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスが現れます。
  2. 「問題」タブを選択します。
    結果: 「問題」タブが現れます。
  3. 問題転送が失敗した場合に、問題の送信側に通知したくない場合には、「送信側に通知」ボックスのチェックマークを消します。
    デフォルトでは、「送信側に通知」ボックスは選択されています。「転送取り消し」オプションが選択された場合には、これを変更することはできません。これにより、分散データ・マネージャーが失敗した問題転送を再試行せずに自動的に取り消すので、 送信側は、問題転送の失敗を通知されるようになります。問題転送が失敗した場合に、問題の送信側に通知したくない場合には、「転送の取り消し」ボックスのチェックマークを消して、「送信側に通知」オプションを使用可能にしてから、 「送信側に通知」チェック・ボックスのチェックマークを消してください。
  4. 問題転送の失敗が起こった場合に、アラート・グループに通知したい場合には、「アラート・グループに通知」ボックスを選択します。
  5. リモート・サイトへの問題転送が失敗した場合に、分散データ・マネージャーにその転送を再試行させずに、取り消させたい場合には、「転送の取り消し」ボックスを選択します。
  6. 次の 1 つを実行してください。
    • 「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスの別のタブを選択して、分散データ・マネージャーの構成を続行します。
    • 「了解」を選択します。
      結果: 仕様が保管され、「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスがクローズされます。
担当者オプションの構成 担当者データがエンタープライズ中のリモート・サイトへどのように転送されるかを構成することができます。担当者データをリモート・サイトへの問題転送と一緒に転送するか、自動的に転送するか、 あるいはその両方を行うかを指定し、 ユーザー・サイトで新規担当者が受信された時にアラート・グループに通知したいかどうかを指定することができます。

担当者オプションを構成するには、次のようにします。

  1. 「オプション」 メニューから、「分散データ・マネージャー」を選択します。
    結果: 「分散データ・マネージャー構成」ダイアログ・ボックスが現れます。
  2. 「担当者」タブを選択します。
    結果: 「担当者」タブが現れます。
  3. 担当者データを自動的にエンタープライズ中のリモート・サイトにコピーしたい場合には、「自動複写」ボックスを選択します。
  4. リモート・サイトへの問題転送に担当者データを組み込みたい場合には、「問題転送での複写」を選択します。
  5. リモート・サイトのアラート・グループに担当者データの転送を通知したい場合には、「アラート・グループに通知」ボックスを選択します。
  6. 次の 1 つを実行してください。
    • 「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスの別のタブを選択して、分散データ・マネージャーの構成を続行します。
    • 「了解」を選択します。
      結果: 仕様が保管され、「分散データ・マネージャー」ダイアログ・ボックスがクローズされます。