カレッジ・スポーツ・ページング・システム

ソフトウェア・アーキテクチャー説明書

 

バージョン 1.0

 

 

改訂履歴

日付

バージョン

説明

作成者

1999 年 11 月 30 日 1.0 初版  
目次

はじめに ページの先頭へ

目的

本書では、さまざまなアーキテクチャー・ビューを使用してシステムの各面を示しながら、システムのアーキテクチャーの包括的な概要を説明します。システムに関して行われた重要なアーキテクチャー上の決定を、 整理して伝えることを目的としています。

範囲

このソフトウェア・アーキテクチャー説明書は、Context Integration により開発される、カレッジ・スポーツ・ページング・システムに適用します。

定義、頭字語、略語

用語集」を参照してください。

参考資料

  1. CSPS 開発構想書 1.0
  2. CSPS 要求管理計画書 1.0
  3. CSPS 反復計画書 1.0
  4. CSPS 補足仕様書 1.0
  5. CSPS ユースケース - ストーリーの承認 1.0
  6. CSPS ユースケース - プロファイルの編集 1.0
  7. CSPS ユースケース - クレジット・カードによる料金の支払い 1.0
  8. CSPS ユースケース - 広告主レポートの印刷 1.0
  9. CSPS ユースケース - 広告コンテンツの掲示 1.0
  10. CSPS ユースケース - フィードバックの提供 1.0
  11. CSPS ユースケース - Web サイトにおけるコンテンツの閲覧 1.0
  12. CSPS ユースケース - コンテンツの送信 1.0
  13. CSPS ユースケース - ページの送信 1.0
  14. CSPS ユースケース - 通知予約 1.0

アーキテクチャーの表現 ページの先頭へ

本書では、一連のビュー (ユースケース・ビュー、プロセス・ビュー、配置ビュー、実装ビュー) として、 アーキテクチャーを表します。これらのビューは、Rational Rose モデルとして提供され、統一モデリング言語 (UML) を使用します。

アーキテクチャーの目標と制約 ページの先頭へ

アーキテクチャーには、重要な意味を持つ要求とシステム上の制約がいくつかあります。内容を以下に示します。

  • 既存の WebNewsOnLine の Web サイトは、ほとんどのコンテンツを画面に 供給します。このシステムへのインターフェースは大きなトラフィック量を処理できる必要があります。
  • 最終的に広告主へ請求書を送るのには、既存の WebNewsOnLine の 従来の Finance System が使用されます (ただし、これは後のリリース要求です)。 このように、広告用の情報をシステムに送ることができる必要があります。
  • 商業上利用可能な 2 つの Web ブラウザーのどちらを使用しても、すべての機能が利用できる必要があります。
  • どのクレジット・カードも、またはほかのどの財務取引も、安全な方法で伝送する必要があります。
  • 「開発構想書」 (参考資料 [1]) と「補足仕様書」 (参考資料 [7]) で説明しているように、すべての性能とロードの要求について、アーキテクチャーが開発途中であることを考慮に入れる必要があります。

ユースケース・ビュー ページの先頭へ

ソフトウェア・アーキテクチャーのユースケース・ビューの説明です。ユースケース・ビューは、反復の対象となる一連のシナリオやユースケースを選択する際の重要な入力情報です。このビューには、重要な中心的な機能を表すシナリオやユースケースのセットが示されます。また、(多くのアーキテクチャー要素を含む) 十分なアーキテクチャー範囲を扱うシナリオやユースケース、またはアーキテクチャー上の特定の細かい点を強調または表現するシナリオやユースケースも示されます。

このシステムにおけるユースケースは次のとおりです。 太字のユースケースはアーキテクチャーにとって重要です。これらのユースケースについては、後でこのセクションの中で説明します。

  • ストーリーの承認
  • バナー広告のクリック
  • プロファイルの編集
  • ストーリーの修正
  • クレジット・カードによる料金の支払い
  • 広告主レポートの印刷
  • フィードバックの提供
  • Web サイトにおけるコンテンツの閲覧
  • 公開コンテンツの読み込み
  • ストーリーの受け入れ拒否
  • コンテンツの掲示
  • ページの送信
  • 通知予約

次のダイアグラムは、システム内のユースケースを表しています。

コンテンツのラベルが示すイメージ

図 1: 潜在的加入者ユースケース

コンテンツのラベルが示すイメージ

図 2: 加入者ユースケース

コンテンツのラベルが示すイメージ

図 3: 広告主ユースケース

コンテンツのラベルが示すイメージ

図 4: 現行システム・ユースケース

コンテンツのラベルが示すイメージ

図 5: ページャー・ゲートウェイ・ユースケース

コンテンツのラベルが示すイメージ

図 6: 編集者ユースケース

重要なユースケースの説明

  1. ストーリーの承認
  2. このユースケースは、編集者がストーリーをカレッジ・スポーツ・ページング・システムに組み込むことを承認するときに行われます。既存の WebNewsOnLine システムから自動的に伝播するストーリーもありますが、 編集者の介入が必要となるストーリーもあります (ストーリーの主題が明確でないか、 ストーリーが属するカテゴリーが明確でないという理由によります)。このフローは広告コンテンツの掲示を承認するのにも使用されます。

  3. プロファイルの編集
  4. このユースケースは、加入者が自分のプロファイル情報を変更する場合、または、新規加入者が登録をする場合に発生します。

  5. クレジット・カードによる料金の支払い
  6. このユースケースは、 新規加入者が年間通知予約料金をクレジット・カード番号と暗証番号を指定して支払う場合に発生します。既存の加入者が更新する場合にも発生します。

  7. 広告主レポートの印刷
  8. このユースケースは、広告主がカレッジ・スポーツ・ページング・システムにアクセスし、広告主の広告コンテンツがいかに読まれているかのレポートを取得する場合に発生します。広告主はレポートのフォーマット (Microsoft(R) Word(R)、Microsoft(R) Excel(R)、HTML) を選択します。

  9. フィードバックの提供
  10. このユースケースは、システム・ユーザー (広告主、加入者、潜在的加入者) が、サービスまたは Web サイトにコメントする場合に発生します。

  11. 広告コンテンツの掲示
  12. このユースケースは、広告主が広告コンテンツ (バナー広告) を Web サイトに掲示し、表示に使用する加入者プロファイルを指定する場合に発生します。

  13. Web サイトにおけるコンテンツの閲覧
  14. このユースケースは、アクティブな加入者がシステムに接続し、 対象情報を閲覧する場合に発生します。ページは動的にビルドされ、ユーザーに、通知予約している一般的なスポーツ・カテゴリーのほか、ページングされたページの見出しを示します。

  15. コンテンツの送信
  16. このユースケースは、コンテンツが既存の WebNewsOnLine Web サイトに掲示される場合に発生します。いくつかのストーリーは カレッジ・スポーツ・ページング・システムへの伝送のタグが付けられ、予定のページングと表示用に送信されます。

  17. ページの送信
  18. このユースケースは、新規のコンテンツがカレッジ・スポーツ・ページング・システムに掲示される場合に発生します。これには、加入者が通知されていることの確認、ページ・メッセージのフォーマット、電子メールによるページの送信が含まれます。

  19. 通知予約
  20. このユースケースは、潜在的加入者がサービスを通知予約する場合に発生します。このユースケースは、ユーザーに契約条件を通知し、受け入れられた場合、プロファイルを編集する (通知予約するカテゴリー、ページャー情報、クレジット・カード情報などを明記) ユースケースを呼び出します。 .

論理ビュー ページの先頭へ

概要

アーキテクチャーの論理ビューの説明です。最も重要なクラス、 サービス・パッケージとサブシステムにおけるクラスの構成と、 サブシステムによるレイヤーの構成について説明します。また、最も重要なユースケースの実現、例えば、 アーキテクチャーの動的な面についても説明します。アーキテクチャー上重要なクラス、サブシステム、パッケージ、 レイヤー間の関係を示すのに、クラス図が含まれる場合があります。

カレッジ・スポーツ・ページング・システムの論理ビューは、5 つの主なパッケージで構成されます。

  • プレゼンテーション
    • アクターがシステムとコミュニケーションを行うのに使用する各形式のクラスが含まれます。バウンダリー・クラスは、プロファイルの保守、広告の掲示、広告レポートの印刷、ストーリーの承認、フィードバックの提供、通知予約、クレジット・カードでの料金の支払をサポートします。
  • アプリケーション
    • システム内の主な処理機能のためのクラスが含まれます。コントロール・クラスは、広告管理、コンテンツ管理、プロファイル管理、通知予約処理、クレジット・カードによる料金の支払、フィードバックの提供をサポートします。
  • ドメイン
    • コンテンツ、プロファイル、通知予約、サポートをサポートするクラスを含むパッケージが含まれます。
  • 永続性
    • 特定のオブジェクトをシステム内に保持するクラスが含まれます。将来的にはコンテンツ・オブジェクトも保持されます (パッケージ化されたコンテンツ管理システムを選択すれば、この必要はなくなります) が、設計のこの時点では、プロファイルのみが保持されています。
  • サービス
    • 保守目的のシステム・レベル・クラスを提供するクラスが含まれます。この時点では、すべての保守は手動です。

論理ビューのイメージ

論理ビュー

論理ビューのイメージ

プレゼンテーション・パッケージ

プレゼンテーション・パッケージのイメージ

アプリケーション・パッケージ

アプリケーション・パッケージのイメージ

ドメイン・パッケージ

ドメイン・パッケージのイメージ

コンテンツ・パッケージ

コンテンツ・パッケージのイメージ

プロファイル・パッケージ

プロファイル・パッケージのイメージ

プロファイル・パッケージのイメージ 2

通知予約パッケージ

通知予約パッケージのイメージ

サポート・パッケージ

 

サポート・パッケージのイメージ

永続性パッケージ

プロセス・ビュー ページの先頭へ

このセクションでは、システム全体を、 軽量プロセス (単一制御スレッド) と重量プロセス (複数の軽量プロセス・グループ) に分けて説明します。互いに通信したり相互作用するプロセス同士は 同じグループにまとめて説明します。プロセス間の主要な通信方法 (メッセージ・パッシング、割り込み、ランデブーなど) についてもここで解説します。

設計のこの時点で、単一のプロセスがカレッジ・スポーツ・ページング・システムにサーバー・レベルの機能を提供するように構想されています。アプリケーション機能のためのスレッドは、このプロセスの一部となります (アプリケーション機能は前のセクションで一覧表示されています)。 システムのプロセス図は次のとおりです。

プロセス・ビューのイメージ

配置ビュー ページの先頭へ

この項では、ソフトウェアが配置されて実行される、1 つ以上の物理的なネットワーク (ハードウェア) の構成について記述します。各構成について、最低限、 ソフトウェアを実行する物理ノード (コンピューター本体、CPU) と その相互接続 (バス、LAN、ポイント・ツー・ポイントなど) についてここで示す必要があります。また、プロセス・ビューからのプロセスの物理ノードへのマッピングも含まれます。

CSPS サーバーは UNIX サーバーです。クライアントのコンピューターは、Web ブラウザーを実行でき、インターネットを経由して CSPS に接続可能な任意のデバイスです (大半は PC ですが、その必要性はありません)。 ページャー・ゲートウェイは、ページング・サービスによって提供される付属の外部デバイスです。

配置ビューのイメージ

実装ビュー ページの先頭へ

すべてのサーバー・ソフトウェアは、単一レイヤー内に常駐します。ブラウザー・クライアントは 2 次的なアクセス・レイヤーを提供します。

サイズと性能 ページの先頭へ

設計どおりのソフトウェアは、同時に 200,000 人のユーザーをサポートします。このレベルを超えて拡大するには、複数レベルのページャー・ゲートウェイを提供するか、同じ層内にページャー・ゲートウェイ・システムを追加します。

品質 ページの先頭へ

このソフトウェアは、既存の WebNewsOnLine のグラフィックス基準をサポートし、既存の WebNewsOnLine サーバーと連係し、さらに自己記述型のユーザー・インターフェースを提供します。

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