新規 UML モデリング製品は、ドメイン固有の情報を
ステレオタイプのプロパティーとして UML 2.0 プロファイルに保管します。
Rational
Rose® は、ドメイン固有の情報をカスタム属性としてモデル・プロパティー・セットに
保管し、ステレオタイプ・イメージをステレオタイプ構成ファイルに定義し、この情報はすべて、モデルのインポート処理時に UML 2.0 プロファイルに変換されます。
UML 2.0 プロファイルは、
特定のプロジェクトおよびプロセス用に UML をカスタマイズし、拡張します。
Rose モデル・プロパティー・セット
Rose モデル・プロパティーは、
Rose モデルと、関係するモデル要素に付加できる変更可能な値です。プロパティー・セットを使用すると、標準の UML 表記では表現できないが、
UML を拡張して、お客様のコード、プロジェクト、またはプロセスのドメイン固有の要求に合わせる必要がある特定の情報を定義できます。
Rose ステレオタイプとは異なり、
Rose モデル・プロパティーはダイアグラム・エディターには表示されません。
特に、プロパティー・セットは、暗黙的に適用され (
UML において必須のステレオタイプ拡張機能に類似)、
それらの名前はステレオタイプの大括弧内には表示されません。
Rose モデルのプロパティー・セット・ファイルには、
.pty のファイル名拡張子があります。
UML 2.0 プロファイル
プロファイルは、特定のドメインまたは目的のために UML 言語の要素 (メタクラス) を拡張する UML ステレオタイプを含むパッケージです。
UML ステレオタイプには、標準の UML プリミティブ・タイプのプロパティー、またはプロファイルに定義される列挙とクラスのタイプのプロパティーもあります。また、アイコンとそれに関連付けられているスケーラブルな図形イメージも含まれている場合があります。UML ステレオタイプは、
Rose ステレオタイプとプロパティー・セットの全特性を結合して単一のメタモデル拡張機構にまとめます。
プロファイルは、UML メタモデルの特定のサブセットを識別し、そのサブセットに適用される可能性のあるステレオタイプと制約を定義します。
UML 2.0 Basic、Intermediate、および Complete の
各プロファイルは、すべてのモデルに自動的に適用されます。
Software Architect および Software Modeler も、Deployment プロファイルと
Default プロファイルを提供し、どちらもすべてのモデルに自動的に適用されます。
UML 2.0 プロファイル・ファイルには、.epx のファイル名拡張子があります。プロファイルは、「モデル・エクスプローラー」ビュー
に表示できます。
インポート処理時に、「Rose モデルのインポート」ウィザード
は、以下のようにすべての Rose ステレオタイプを UML ステレオタイプに変換します。
- UML プロファイルの推奨名は、
Rose ステレオタイプ構成ファイルの名前から派生しています。しかし、オプションで別のプロファイル名を指定することも可能です。
- UML ステレオタイプは、Rose ステレオタイプと同一の名前になります。
- UML ステレオタイプの図形イメージは、ステレオタイプ構成ファイルに存在する場合は、Rose ステレオタイプの MetaFile エントリーから変換されます。
- UML ステレオタイプ・アイコンは、使用可能な場合は、
Rose ステレオタイプの ListImage および ListIndex エントリーからロードされます。
- UML ステレオタイプには、プロパティーがありません。
- UML ステレオタイプは、UML メタクラスのすべてを拡張しますが、
UML メタクラスは、ステレオタイプ構成ファイルの Item エントリー
によって示される Rose 要素タイプに対応しています。
インポート処理時に、「Rose モデルのインポート」ウィザード
は、以下のようにすべての Rose プロパティー・セットを UML ステレオタイプに変換します。
- UML プロファイルの推奨名は、
Rose アドインの表示名 (通常はアドイン名) から派生します。オプションで別のプロファイル名を指定することも可能です。
- UML ステレオタイプには、Rose プロパティー・セットと同一名が付けられます。
- UML ステレオタイプは、表示が抑止され、ダイアグラム・エディターには表示されません。
- Rose プロパティー・セットによって定義された属性は、
UML ステレオタイプのプロパティーに変換され、同一のデフォルト値を持ちます。
- Rose プロパティー・セットの列挙は、UML 列挙に変換されます。列挙に類似名が付くことによる問題を回避するために、
UML 列挙名は、Rose プロパティー・セットと列挙名を連結したものになっています。
- UML ステレオタイプには、アイコンも図形イメージもありません。
- UML ステレオタイプは、プロパティー・セット名
によって示される Rose 要素タイプに対応した UML メタクラスのすべてを拡張します。
Rose ステレオタイプ構成ファイルからインポートされたステレオタイプは、
Rose モデルの、対応するステレオタイプを持つ要素に適用されます。これは、
インポート処理時にすでに適用されたほかのステレオタイプに追加して、適用されることがあります。
インポート処理時に Rose プロパティー・セットからインポートされたステレオタイプは、以下の方法で要素に適用されます。
- 各ツールについて、cg_style 属性が要素に存在する場合は、
プロパティー・セット名に対応する UML ステレオタイプが適用されます。
- taggedValueSet キーワードは、
特定のステレオタイプが UML 1.x のタグ付き値セットを表すことを示しています。これらのステレオタイプは抑止され、ダイアグラム・エディターには表示されませんが、
taggedValueSet キーワードは、正常なインポートに続いて、
新規のモデル要素にこれらのステレオタイプを適用するために必要です。
Rose ステレオタイプ構成ファイルから生成された UML 2.0 ステレオタイプは、
ダイアグラム・エディター内では抑止されません。
- あるモデル要素に言語が存在する場合は、
要素タイプに言語アドインのデフォルト・プロパティー・セットが適用されます。これは、そのアドインの cg_style ステレオタイプに追加して、適用されます。
注: プロパティー・セットからインポートされた UML ステレオタイプは、自動的に抑止され、ダイアグラム・エディターには表示されません。
要素に適用されているプロパティー値を見るには、
「設定」ウィンドウの「ビュー」 ページにある
「未抑止プロパティーの表示 (Show unsuppressed properties)」
チェック・ボックスを選択する必要があります。