レポート(特に Web レポート)をデザインする場合は、表示されたデータをレポートのユーザーがナビゲートできるようにする必要があります。つまり、各ユーザーがレポートをすばやくナビゲートし、必要に応じてドリルダウンして追加のデータにアクセスできるように、集計された情報を表示する必要があります。この方法を使用すると、ユーザーが要求したデータだけがデータベース サーバーから転送されるため、Web トラフィックと応答時間を最小限にすることができます。
ユーザーがナビゲートできるレポート デザインの利点の一部を以下に示します。
集計レポートをデザインして配布する方法は、ユーザーが必要なデータを Web 上ですばやく見つけられるようにする比較的簡単な方法です。集計レポートには、他のレポートと同じ量のデータを入れることができます。ただし、集計レポートの[詳細]セクションを非表示にすることで、すぐには必要としない大量のデータをユーザーに表示しないようにすることもできます。
[詳細]セクションを非表示にした場合、ユーザーはまずグループ ツリーをナビゲートして希望するデータを探します。その後、レポートをドリルダウンして特定のデータを要求すると、必要なレコードだけが素早く返されます。これは、数百から数万の大量のページで構成された大規模な集計レポートをナビゲーションしやすくするうえで特に重要な機能です。
レポートに大量のレコードを処理するセクションがある場合、そのセクションをオンデマンド サブレポートに入れることができます。オンデマンド サブレポートは、プライマリ レポートでハイパーリンクとして表示されます。プライマリ レポートを開いた場合、ハイパーリンクをドリルダウンするまでオンデマンド サブレポートのデータは取得されません。
たとえば、各製品および各製品タイプに対する各従業員の四半期の売上を表示するレポートをデザインする際に、週単位の販売情報を追加して、各従業員の進行状況も取得するとします。この追加データは、レポートを表示する大半のユーザーにとって不要な場合があります。このような場合は、レポートの週単位の販売状況を示す部分を抽出し、それをオンデマンド サブレポートにアタッチします。週単位の販売状況に関する詳細情報は、ユーザーがオンデマンド サブレポートをドリルダウンした場合だけデータベースから抽出されます。
大規模なクロス集計や詳細チャートなどの多くのレポート オブジェクトは、オンデマンド サブレポートに含めることが最適です。そうすることで、それらのオブジェクトはドリルダウンするまで処理されません。
これらのレポート オブジェクトは、[サーバー上でグループ化を実行]オプションを使用するレポートの非表示になっている[詳細]セクションにも配置できます。非表示の[詳細]セクションに配置した場合、処理の大半をデータベース サーバーが実行し、レコードの一部分だけがサーバーからローカル コンピュータに転送されます。
通常のサブレポート(オンデマンド サブレポート以外のサブレポート)をメイン レポートにリンクするのではなく、できる限りデータベース テーブルをビジュアル リンク エキスパートでリンクして、レポート データを統合してください。各サブレポートは別々のレポートとして実行されるため、リンク テーブルの方が処理速度が速くなります。