Rational Rose サンプル・モデルで焦点を当てるのは、論理ビューの「ここから開始する (Start Here)」ダイアグラムから利用できる 15 個のダイアグラムです。このダイアグラムは、開始点として機能し、またこのサンプル・モデルの全体目次 (TOC) として機能します。「ここから開始する (Start Here)」ダイアグラムにある各ノートに、対応するダイアグラムへのハイパーリンクがあります。任意のノートをダブルクリックするだけで、自動的にそのダイアグラムに移動します。
Rose モデルには、これらのダイアグラムのほかにも、Rose 往復エンジニアリング (RTE) で使用される Java および C++ ソース・コード付きのパッケージも含まれています。このコードを使用すると、Rational Software Architect または Rational Systems Developer のビジュアル編集機能と変換機能を体験することができ、またそれらの機能を理解しやすくなります。ご使用のアプリケーション・コードをこれらの製品に移動する方法の詳細については、 IBM developerWorks 記事「How to migrate from code-centric to model-centric development using Rational Software Architect」を参照してください。
以下のセクションでは、提供されている各ダイアグラムの名前 (ダイアグラム・タイプを含む)のほか、各ダイアグラムに表示される内容の相違について簡単な要約も示します。相違を調べるには、モデルの実際のダイアグラムを参照してください。
インポートされたダイアグラムは、オリジナルと非常に類似しています。ただし、インポートされたダイアグラムは、(モデル項目からの) 親の名前を含みません。 新規 UML モデリング製品では、ダイアグラム・エディターで短縮バージョンの親の名前を表示する類似の機能をサポートしていません。
ヒント: インポートされたダイアグラムでは、「親の名前の表示」という表示オプションを 使用すれば、親の名前を表示することができます。ただし、このオプションは完全修飾名を表示するものであり、一般にそれらの名前は長いため、ダイアグラムによってはダイアグラム・エディターが乱雑になることがあります。
インポートされたモデルで、ユースケースの名前が互いにオーバーラップしないように、ユースケースの一部を 手動で調整したい場合があります。
インポート・プロセス時、ユースケースの実現は、UML 2.0 コラボレーションとしてインポートされます。ダイアグラム・エディターで、コラボレーションは、楕円状の中に (その下ではなく) 名前ラベルを含んでおり、 コラボレーションが Rose におけるよりも大きく表示されるようにします。
ヒント: ダイアグラム・エディターにある大きなサイズのコラボレーション図形を除去することができます。それには、「Rose モデルのインポート」ウィザードの「設定」ページ (ウィザードの最後のページ) にある「ユースケース」チェック・ボックスのチェック・マークを外します。
インポートされたダイアグラムには、構造化アクティビティー・ノードがあります。これを見ると、UML の以前のバージョンとは異なっていることが分かります。アクティビティー図は、UML 2.0 において大幅に変更されました。
インポート・プロセス時、アクティビティー間の遷移は、UML 2.0 コントロール・フローとしてインポートされます。ダイアグラム・エディターでは、長いダイアグラム要素名はダイアグラム要素内に収まるように切り捨てられます。
Rose でライフライン・ヘッドの上に表示されるテキストは、インポートされたモデルではライフラインの 後ろに表示されます。 UML 2.0 のシーケンス図では、作成メッセージによって作成された場合を除き、すべてのライフライン・ヘッドをダイアグラムのトップに配置します。
Rose モデルでは、ユースケースがシーケンス図を所有します。インポートされたモデルでは、相互作用がダイアグラムを所有します。 UML 2.0 でシーケンス図を所有できる唯一のモデル要素は相互作用です。
コミュニケーション図に戻りメッセージは表示されません。
ユースケースは相互作用を所有できません。 コラボレーションは、ユースケースからの相互作用をサブジェクト分類子として参照します。
相互作用図のライフラインでは、ビジネス・モデル・ステレオタイプのアイコンが表示されません。
UML 2.0 では、コラボレーション図は、コミュニケーション図という名前に変更されました。
Rose モデルでは、ユースケースがコラボレーション図を所有します。インポートされたモデルでは、相互作用がダイアグラムを所有します。コミュニケーション図を所有できる唯一のモデル要素は相互作用です。
コミュニケーション図に戻りメッセージは表示されません。
相互作用図のライフラインでは、ビジネス・モデル・ステレオタイプのアイコンが表示されません。
ユースケース実現としてステレオタイプ化されたユースケースは、コラボレーションとしてインポートされます。
インポートされたモデルでは、ダイアグラム・エディターでコラボレーションを (ユースケース実現キーワードによって) 手動で調整したい場合があります。 Rose ダイアグラムではダイアグラム要素の下にユースケース実現の名前が表示されるのに対し、インポートされたモデルではダイアグラム要素内に名前コンパートメントが表示されます。この相違があるため、コラボレーション図の要素は、インポートされたダイアグラムでより大きくなり、ダイアグラムの外観は Rose のオリジナルとは少し異なるものになります。
Rose モデルでは、ユースケースがこのダイアグラムを所有します。インポートされたモデルでは、コラボレーションがこのダイアグラムを所有します。シーケンス図を所有できる唯一のモデル要素は相互作用です。
多重度の表記は、UML 2.0 において若干変更されました。 Rose および UML 1.4 では、シンプルな n は無制限の上限を表します。 UML 2.0 では、無制限の限度はアスタリスク (*) で表します。
UML 2.0 では、状態図は、状態マシン図という名前に変更されました。
インポートされたモデルでは、遷移ラベルの一部を手動で調整する必要があります。開始状態ラベル名と終了状態ラベル名も調整する必要があります。
「モデル・エクスプローラー」ビューで、このダイアグラムに表示されるすべてのモデル要素がどのように領域によって所有されているか注目してください。
インポートされたダイアグラムは、Rose でのオリジナルのダイアグラムに非常によく似ています。
重要: 「Rational Rose モデルのインポート」プロセスでは、モデルに関連したコードはインポートされません。 ご使用のコードは、標準の Eclipse 機能を使用してインポートする必要があります。
インポートされたダイアグラムでは、ダイアグラム・エディター内のコンポーネントに、Rose でのようなクラシック・コンポーネント図形はありません。
Rose の配置図に表示されるプロセッサー図形は、実行環境としてインポートされます。プロセッサーを接続する接続関係は、コミュニケーション・パス関係としてインポートされます。
各ツールで名前ラベルに相違があるため、名前ラベルを明確に読み取るには、実行環境の図形の一部をサイズ変更することが必要になる場合があります。
重複 GUID は、「Rose モデルのインポート」ウィザードで生成されるモデルのプレフィックスとして保存されます。このウィザードでは、重複に対し、サフィックス _0、_1 というように付加していきます。