トピック

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プロトタイプの使用は、リスクの低減を目的としています。プロトタイプを使用すると、下のような項目をめぐるあいまいさを低減することができます。:

  • 開発製品のビジネス上の現実性
  • 主要技術の性能の安定性
  • プロジェクトの方針や資金調達 (概念の検証プロトタイプの構築)
  • 要求の理解
  • 製品のルック アンド フィール、使いやすさ

プロトタイプは、ユーザー、顧客、管理者に対して具体的で実行可能なものを提示することで製品への支持の取り付けに貢献します。

ただし、プロトタイプの性質や目標は、その存続期間を通じて明確でなければなりません。プロトタイプから実際の製品を作り上げるつもりがない場合でも、プロトタイプは最終製品につながるものとして機能しますので、早計な判断は避けてください。ユーザー インターフェースの迅速な完成を目指した調査、振る舞いプロトタイプが、非常に強力で弾力性に富んだ製品になった例もあります。

プロトタイプのタイプページの先頭へ

プロトタイプのタイプを見る場合、プロトタイプには、何を調べるか、どのように調べ何を得るか、という 2 つの面があります。

最初に挙げた何を調べるかという面から見た場合、プロトタイプには主に 2 種類あります。

  • 振る舞いプロトタイプ。システムの特定の振る舞いを調べる。
  • 構造プロトタイプ。特定のアーキテクチャ上の問題、技術上の問題を調べる。

次に挙げた何を得るかという面から見た場合、プロトタイプには主に 2 種類あります。

  • 調査プロトタイプ。終了すると再利用できないので、使い捨てプロトタイプとも呼ばれる。
  • 発展プロトタイプ。現実のシステムになるまで段階的に発展する。

調査プロトタイプページの先頭へ

調査プロトタイプは、プロジェクトの重要仮定 (機能か技術、またはこの両方) についてテストするための小規模な「テスト」のようなものです。このプロトタイプは、数百行規模のコードなどの形を取り、ソフトウェアやハードウェアの重要コンポーネントのテストなどを行います。また要求の明確化のために、開発者が特定の振る舞いや技術的要求を理解しているかどうかチェックする小規模なプロトタイプの形を取ることもあります。

調査プロトタイプは、元来「使い捨て」を想定したものであり、そのテストは非公式のものとなる傾向があります。また調査プロトタイプの設計は、特に非公式なものとなり、その作業は多くても 1 名か 2 名の開発者が担当する傾向があります。

発展プロトタイプページの先頭へ

発展プロトタイプは、その名前の通り、反復から次の反復へと発展します。そのコードは当初の品質は低くとも、製品の発展に伴い作り直されて行きます。この作り直しを管理するため、発展プロトタイプはより公式に設計され、初期であってもある程度公式のテストを経ています。また製品の発展に従い、設計が公式化されるように、テストも公式化されていきます。

振る舞いプロトタイプページの先頭へ

振る舞いプロトタイプは調査プロトタイプになる傾向があります。これらのプロトタイプは開発中のシステムのアーキテクチャを複製しない傾向がありますが、ユーザーから見たときにシステムが何をするか ( 「皮」) に注目します。この種のプロトタイプは、「やっつけ仕事」であることが多々あり、プロジェクトの標準に併せて構築されることはありません。例えば、Visual Basic はプロトタイプ言語として使用することができますが、C++ は開発プロジェクト用と考えられます。調査プロトタイプは一時的に使用されるものとして最低限の労力で作成され、目的を果たした後は廃棄されます。

構造プロトタイプページの先頭へ

構造プロトタイプは発展プロトタイプとなる蛍光があります。構造プロトタイプは最終的なシステムのインフラストラクチャ(「骨」) を使用する傾向があります。また、実際のシステムにまで発展する傾向もあります。このプロトタイプを「生産」言語とツール セット作成した場合、開発環境のテストができ、一部の要員は新しいツールや手順に慣れることができるというメリットが生まれます。



Rational Unified Process   2003.06.15