目的
  • プロジェクトに人材を配置する。
  • 利用可能な要員を、プロジェクトに必要なスキル セットに割り当てる。
  • 利用可能な要員を、比較的独立した共同チームにグループ化する。
ステップ
入力とする成果物:    結果となる成果物:   
役割:  プロジェクト管理者 
ツール メンター:   

ワークフローの詳細:   

プロジェクトの要員配置 ページの先頭へ

プロジェクト管理者は、作業: プロジェクト組織と要員配置の決定で、反復の要員配置のニーズを判断し、組織の人事担当に対し、必要なドメイン、スキル、経験のプロフィールを要員に提供することを依頼します。ほとんどの組織は、プロジェクトのために多数の要員を待機させておく余裕はなく、プロジェクトの開始が常に前のプロジェクトの終了と同時になるとは限りません。したがって、多くの場合、開始時からプロジェクトに従事する少数の要員以外は、多数の要員を雇用する必要があります。これは長いプロセスになる可能性があるので、賢明なプロジェクト管理者は常に先を見越して、現在の反復と併せて将来の反復のためにも要員の確保を開始します。時間外労働や、正社員の代わりに契約社員を起用することによって、人員不足を補うことが可能な場合もあります。これらの解決法の両方に短所があり、組織的かつ継続的な要員レベルの不足は、スケジュールにとって重大なリスクです。

役割への要員スキルの割り当て ページの先頭へ

役割は、ビジネス内の個人または共同作業する個人のグループの振る舞いと責務を定義します。各役割の振る舞いは作業のセットとして定義されます。各役割の責務は通常、文書などの特定の成果物に関連して定義されます。役割の例として、設計者、ソフトウェア アーキテクト、レビュー担当者などがあります。役割は、作業の関連セットを通じて、能力も暗黙的に定義します。

役割は個人ではなく、ビジネスで個人がどのように振る舞うべきかと、これらの個人がどのような責務を持つかを説明するものであることに注意してください。

プロジェクトは一般的に、自由に利用できる多くの要員、つまり特定の能力を持った個人で構成されます。たとえば、ジョーさん、マリーさん、ポールさん、シルビアさんは、一部の重複はあっても異なる能力を持った個人です。プロセスで定義された役割を使用して、プロジェクトに利用可能な要員を、実際に機能できる役割に割り当てます。

個人と役割の関連は、時間の経過と共に変化し、プロジェクトのライフサイクル内のフェーズと、実行される作業によって決定されます。

  • 1 人の個人が、同じ日に、いくつかの異なる役割として機能する場合があります。たとえば、シルビアさんは、午前中はレビュー担当者として働き、午後はユース ケース設計者として働くことがあります。
  • また、1 人の個人が同時に、複数の役割として機能することもあります。たとえば、ジェーンさんは、あるクラスのソフトウェア アーキテクトと設計者の両方を兼務し、このクラスを含むパッケージの所有者でもある場合があります。
  • 複数の人が同じ役割を担ってチームとして機能し、特定の作業を共同で実行することもできます。たとえば、ポールさんとマリーさんが二人とも、同じユース ケースのユース ケース設計者である場合があります。

要員間での成果物の受け渡しができるだけ少なくなるように、責務を割り当てることを心がけます。たとえば、同じ人物またはチームにサブシステムの設計と実装を行わせることによって、既に行われた作業を別の人が再習得する必要がないようにします。

同じチームが設計と実装の両方を行うと、設計から実装への移行がスムーズになります。また、これによって、優れた設計者の育成が促進されます。うまく行くものと行かないものを学習することによって、優れた設計感覚を身に付け、それを将来の作業に取り込むことができます。彫刻家のように、優れた設計者は表現の媒体を理解する必要があります。表現の媒体とは、ソフトウェアでは実装環境です。

チームの形成 ページの先頭へ

プロジェクト組織の形と、反復に必要な要員レベルは、プロジェクト管理者によって、作業: プロジェクト組織と要員配置の決定で決定されています。実際の要員の利用可能性を把握した上で、この構造を微調整し、それに要員を割り当てる必要があります。プロジェクト管理者は、チームの要員が 8 人以上になる場合、サブシステムのラインなど、アーキテクチャ上、合理的な分割方法があるかどうかを再検査します。

チームは、最低 2 人、最高約 7 人で構成されます。8 人以上のチームは通常、自然にサブチームに分割されるので、チームの状況を楽にするためには分割が最善の策です。

チームに要員を割り当てる際、プロジェクト管理者はチームの全体的な経験と知識のレベルを考慮し、ある程度の期間プロジェクトに携わっている要員と「新人」が混在するチームを形成するように心がけます。プロジェクトの開始時、プロジェクト管理者は経験の豊富な要員と経験の少ない要員を混在させる方法に頼らなければなりません。

プロジェクト要員のトレーニング ページの先頭へ

多くの場合、プロジェクトで利用できる要員の能力の調査記録によって、役割へのチーム メンバーの割り当てに、不整合が生じることが明らかになります (チームの補充メンバーを採用したり、外部契約社員を雇用したりして、通常の増員作業を既に行ったと仮定)。この場合、スキルを開発する必要があり、これらの人々のために、スキルが必要になる直前に、適切なトレーニングとメンターを用意しなければなりません。実地で活かされないトレーニングは、効果が急速に減少します。多くの場合、正式なトレーニングの後に作業を「実体験」するためのメンター指導のワークショップを組み合わせることは、新しいスキルを作業に導入する場合には特に効果的です。



Rational Unified Process   2003.06.15