概念: プロセス ビュー
システムのプロセス編成を理解する基礎として、プロセス ビューと呼ばれるアーキテクチャ ビューが分析 / 設計作業分野で使用されます。システムのプロセス ビューは 1 つしかなく、システムのプロセス分解を図示します。たとえば、クラスとサブシステムをプロセスとスレッドにマッピングします。プロセス ビューは反復のたびに洗練されます。参考資料 [BOO98] に記されているように、「UML を使用すると、設計ビューと同じ種類のダイアグラム (すなわち、クラス図、相互作用図、アクティビティ図、ステートチャート図) でこのビューの静的側面と動的側面が把握されますが、これらのスレッドとプロセスを表現するアクティブ クラスに重点が置かれます」。プロセス ビューの作成と使用時に関心が寄せられる事項は、たとえば、並行性の問題、応答時間、デッドロック、スループット、フォールト トレランス、スケーラビリティです。
基礎となるオペレーティング システムの直接的サポートを使用せずに、並行性のための設計をすることが可能です。たとえば、専用に作成されたスケジューラやその他の実行時サポートを使用します。このような場合、並行性のシミュレーションが、オペレーティング システム内ではなく、アプリケーションのインフラストラクチャ レベルで行われます。必要であれば、(標準的なスレッドとプロセスのほかに) その他のステレオタイプを使用して、(実装を導くために) この区別をすることができます。たとえば、Ada プログラミング言語には、Ada タスクに基づく独自の並行性モデルが含まれます。Ada のランタイムはこれを提供する必要があり、ランタイムが実行されるオペレーティング システムが、Ada のタスク処理のサポートに使用できる同等のもの (たとえばスレッド) を持っているかどうかは関係しません。

プロセス ビューは、システムのプロセス編成を示します。
このほかにも次の 4 つのビューがあります。要求の作業分野で処理されるユース ケース ビュー、分析と設計の作業分野と実装の作業分野で処理される論理ビュー、配置ビュー、実装ビューです。
アーキテクチャ ビューは、「ソフトウェア アーキテクチャ説明書」に記述されます。セキュリティ ビューなどのさまざまなビューを自分で追加して、ソフトウェア アーキテクチャのその他の特定の側面を記述することができます。
したがって、アーキテクチャ ビューは要するに、構築されるモデルの抽象化または単純化として見ることができ、詳細を省略することで重要な特性を見やすくします。アーキテクチャは、システムの開発中に構築されるモデルの質を向上するための重要な方法です。
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