演習 1.3: (オプション) ユースケースの識別

この演習では、PiggyBank オンライン・バンキング・システムにおける重大なユースケースを識別します。このユースケースでは、PiggyBank アプリケーションで実行される機能タスクを記述します。

このユースケースでは、アプリケーションのユーザーが実行する最も基本的な機能タスクを定義します。PiggyBank オンライン・バンキング・システムでは、顧客は自分の口座の残高を表示でき、ある口座から別の口座への振り替えができます。小切手を換金できるのは出納係だけですが、システムではその取り引きが有効であることを検査する必要があります。

機能領域の作成

ユースケース図を作成するには、最初に機能領域を識別する必要があります。すべてのユースケースはバンキング・アクティビティーと関連しているので、機能領域は「勘定業務 (Account Operations)」と呼ばれています。

機能領域を作成するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「ユースケース・モデル」を展開し、「«ModelLibrary» ユースケース・モデル構築ブロック」を展開し、CTRL キーを押して 「${functional.area}」パッケージをユースケース・モデルのルート・レベルの中にドラッグします。
  2. 「${functional.area}」を右クリックしてから、「検索/置換」をクリックします。
  3. 「検索する文字列」フィールドに、 ${functional.area} と入力し、「置換」をクリックします。
  4. 「置換後の文字列」フィールドに、Account Operations と入力し、「OK」をクリックします。

これで機能領域ができています。機能領域は、ユースケース・モデルの最も基本的な構築ブロックを表します。これで、機能領域をユースケースで取り込むことができます。

ユースケース要素の作成

機能を識別した後で、ユースケースをインポートし、ユースケース・モデルの構築を開始できます。

ユースケース・モデル要素を作成するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「勘定業務ユースケース (Account Operations Use Cases)」図をダブルクリックします。
  2. 図エディターで、ノートを右クリックしてから、「図からの削除」をクリックします。
  3. パレットで、「ユースケース」をダブルクリックし、Display Balance と入力してから、ユースケースを図エディターの上部近辺に配置します。
  4. パレットで、「ユースケース」をダブルクリックし、Transfer Money と入力してから、ユースケース要素を「残高表示 (Display Balance)」ユースケースの下に配置します。
  5. パレットで、「ユースケース」をダブルクリックし、Cach check と入力してから、ユースケース要素を「振り替え (Transfer money)」ユースケースの下に配置します。
注意: ユースケース・モデル・テンプレートには、ユースケース図の作成を援助するために既存のユースケースおよびアクターが含まれています。パレットを使用して新規ユースケース要素を作成する代りに、既存の要素を機能領域にコピーして名前変更できます。既存のユースケース要素をコピーするには、「モデル・エクスプローラー」ビューの「«ModelLibrary» ユースケース構築ブロック」パッケージで、分析要素を右クリックしてから、「コピー」をクリックします。機能領域を右クリックしてから、「貼り付け」をクリックします。

(オプション) ユースケースの文書化

ユースケース・モデル・テンプレートには、モデルに関する追加文書を提供する「«perspective» 概要」と呼ばれる概要パッケージが含まれています。このステップはオプションであり、モデルには影響しないとはいえ、PiggyBank オンライン・バンキング・システムにおけるアクターおよびユースケースを編成して文書化する必要があります。

ユースケースを文書化するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「«perspective» 概要」を展開し、「コンテキスト図 (Context Diagram)」を右クリックしてから、「リファクター」>「名前変更」をクリックします。
  2. 図を名前変更するには、Architecturally Significant Use Cases と入力し、Enter を押します。この図には、プロジェクト内のすべてのメイン・ユースケースのリストが含まれることになります。
  3. 「構造的に重大なユースケース (Architecturally Significant Use Cases)」をダブルクリックします。
  4. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「勘定業務 (Account Operations)」フォルダーを展開し、「残高表示 (Display Balance)」「振り替え (Transfer money)」、および「小切手換金 (Cash check)」ユースケース要素を図エディターまでドラッグします。
  5. 前のステップでユースケース図に行ったのと同様に、ユースケースを図の中央に縦方向に整列させます。

プロジェクトの重大なユースケースを文書化することによって、このユースケース・モデルが読みやすくなりました。テキスト入力ツールを使用することによってタイトルを図に追加できます。これで、プロジェクトは次の図のようになります。

PiggyBankユースケース・モデルが表示されている「モデル・エクスプローラー」ビュー。

このモデルには機能領域が 1 つしか含まれていないので、「«ModelLibrary» ユースケース構築ブロック」プロジェクトをプロジェクトから削除できます。この空のパッケージはもう不要であり、モデル階層を乱しています。パッケージを削除するには、そのパッケージを右クリックしてから、「削除」をクリックします。

これで、『演習 1.4: アクターの識別』の開始準備ができました。

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