Rational Rose® と新規 UML モデリング 製品との主要な差異は、モデルとモデル管理に関する点です。 Software Architect、 Software Modeler、 Systems Developer では 複数のモデルを同時に作成してオープンすることができるのに対し、 Rose では一度にオープンできるのは 1 つのモデルのみです。さらに、 新規 UML モデリング製品では、 モデル・レベルでのみモデルを管理することができます。モデルを洗練し、複数のレベルおよびセクションに分割するのに管理ユニットの概念は使用しません。
新規 UML モデリング製品では、複数のプロジェクトとモデルを 同時にオープンにしておくことができます。 このマルチモデル機能を使用することにより、さまざまなレベルの抽象化をして作業することができ、各モデルを通して追跡可能性を維持することができます。 マルチモデル・アプローチは重要なパラダイム・シフトです。Rose モデルは、 一度に 1 つしかオープンできないので、複数の関連したモデルを一斉に変更する作業が 必要なときに処理が困難になることがあるためです。複数のモデルを同時にオープンし、 ショートカット、関係、およびモデル間の相互参照によって、モデル階層の さまざまなレベルでそれらを結合することができます。
新規 UML モデリング製品のモデル管理機能について深く学習する前に、 Rose 内部で管理ユニットがどのように動作していたかを検討することが重要です。
Rose の管理ユニット
複数のユーザーで Rose モデルのパーツを共用するために、 または単一モデルのサイズを削減するために、モデルを独立したチャンク (これを普通、 管理ユニットという) に分割することができます。 管理ユニットにより、モデルはより小さな管理可能なセクションに分割されるので、 管理が容易になります。 IBM® Rational® ClearCase® などの構成管理システムに管理ユニットを置き、共用することによって、ソフトウェア開発 チームが並行して作業するのはきわめて一般的なことです。
例えば、あるパッケージから管理ユニットを作成すると、 その内容はモデル・ファイルから移動して、新規ファイルに格納されます。 新規ファイル には、以下の情報が含まれます。
新規 UML モデリング製品の モデル管理
新規 UML モデリング製品のモデル管理アプローチは、 Rose から大きく変わりました。新規 UML モデリング製品では、 モデルはモデル・レベルのみで管理および制御します。管理ユニットの概念は、 Rose から引き継がれません。新規 UML モデリング製品は管理ユニットを使用しませんが、 管理ユニットに格納されている情報がインポート時に失われるわけではありません。 Rose モデルをインポートすると、管理ユニットの内容はすべてインポートされた モデルに自動的にコピーされます。 管理ユニットはもはや独立したファイルとしては存在せず、一体構造である 標準の UML 2.0 モデルに組み込まれています。
いったん Rose モデルにインポートすると、モデルを独立した物理モデルに分割することができます。 例えば、Rose モデルが管理ユニットとして定義した複数のサブシステム・パッケージで 構成されている場合は、各サブシステムからなる独立したモデルを作成することもできます。 各サブシステムからそれぞれモデルを作成すれば、 サブシステムが Rose の管理ユニットであったときと同一の管理を行うことができます。
新規 UML モデリング製品には、 インポートされたモデルの分割と管理に役立ついくつかの機能が含まれています。 モデルをインポートすると、以下のことが可能です。
モデルの管理機能は各ツール間で異りますが、 同一の結果を得ることができます。管理ユニットの概念を使用する代わりに、 モデル・レベルでモデルを分割できます。