IBM Rational Performance Tester バージョン 6.1 - リリース情報

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目次

1.0 このリリースについて
2.0 インストール情報

2.1 ハードウェア要件
2.2 サポートするソフトウェア

3.0 アンインストール情報
4.0 既知の制限事項、問題、および回避策

4.1 制限事項
4.2 既知の問題と回避策

5.0 資料の更新
6.0 カスタマー・サポートとの連絡
7.0 Eclipse について

1.0 このリリースについて

このリリースでは、システム・パフォーマンスをテストする IBM(R) Rational(R) Performance Tester 製品を完全に再設計しました。この新しいバージョンの Performance Tester は、Web アプリケーションのマルチユーザー・テストをサポートしており、操作性、拡張容易性、マルチプラットフォーム・サポートが大きく向上しています。ホストとして Eclipse 統合開発環境が必要であり、Java ベースの実行エンジンを使用します。

この製品には 2 のコンポーネントがあります。1 つはローカル・コンピューターにインストールする Performance Tester であり、もう 1 つはリモート・コンピューターからロードを生成する IBM Rational Agent Controller です。リモート・コンピューターにインストールした Agent Controller は、ロード・テストの一環としてユーザーをエミュレートするドライバーを実行します。Performance Tester の一部としてローカル・コンピューターにインストールした Agent Controller は、ローカル・コンピューターからエミュレートしたユーザーを実行できます。

2.0 インストール情報

Performance Tester のインストールと構成については、「IBM Rational Performance Tester のインストール」 を参照してください。

License Server の入手

5 人を超える仮想ユーザーを含むロード・テスト、または特定のプロトコルを含む ロード・テストを実行するために Performance Tester を使用する場合は、IBM Rational License Server の IBM Rational Common License のキーを事前に確認する必要があります。このライセンス・キーは、別途購入が必要であり、IBM Rational License Server を実行するシステムにインストールする必要があります。License Server は、Passport Advantage のダウンロード・サイトから入手できます。

メモリー要件

物理メモリーが 768 MB 未満のシステムに Performance Tester をインストールしないでください。そのようなシステムにインストールする場合は、パフォーマンスの低下やメモリー不足に起因するアプリケーションの異常終了が発生する可能性があり、そのような構成はサポートされていないことを了解しておいてください。

インストール・ウィザードの完了後に、システムの JVM ヒープ・サイズを調整してください。 そのためには、Windows で次のようにします。

  1. Performance Tester を開始します。
  2. 「ウィンドウ」>「設定」をクリックします。
  3. 「テスト」ツリーを展開し、「Performance Test ワークベンチ」をクリックします。
  4. JVM ヒープ・サイズの推奨値が表示されます。その数値を「Java 仮想マシンのヒープ・サイズ」フィールドに入力してから、「OK」をクリックします。

2.1 ハードウェア要件

ハードウェア要件については、「IBM Rational Performance Tester のインストール」 を参照してください。

2.2 サポートするソフトウェア

サポートするソフトウェアは、以下のとおりです。

オペレーティング・システム
Web ブラウザー
  • Performance Test の記録のために、HTTP 準拠のすべての Web ブラウザーをサポートしています

    オンライン・ヘルプを表示するために、以下のブラウザーをサポートしています。
  • Microsoft® Internet Explorer 6 (Service Pack 1)
  • Microsoft Internet Explorer 5.5 (Service Pack 1 または 2)
  • Mozilla 1.6
アプリケーション・サーバー
  • Performance Test のターゲットとして HTTP 準拠のすべてのサーバーをサポートしています。
Performance Tester には、Rational ClearCase LT が組み込まれています。Clear Case LT をインストールする方法については、「IBM Rational Performance Tester のインストール」 を参照してください。

その他のソフトウェア構成管理 (SCM) リポジトリーを SCM チーム・アダプターによって Performance Tester に統合することもできます。他の SCM プロバイダーを使用する場合は、その製品のベンダーが用意している商用の SCM 製品のための SCM チーム・アダプターを利用してください。IBM ビジネス・パートナーが提供している SCM 製品とアダプターのリストについては、www.ibm.com/software/ad/studioappdev/partners/scm.htmlにアクセスしてください。 そのリストから、SCM 製品のベンダーの Web サイトにアクセスして、アダプターをダウンロードできます。IBM では、そのようなアダプターを推奨していませんし、保証もしていません。サポートや詳細については、SCM 製品のベンダーに直接連絡してください。

Novell LINUX Desktop Powered by SUSE Linux 9 は、サポートしていません。

3.0 アンインストール情報

Performance Tester のアンインストールについては、「IBM Rational Performance Tester のインストール」 を参照してください。

4.0 既知の制限事項、問題、および回避策

リリース情報では、製品資料の最終処理までに取得できなかったリリース固有の情報 (問題や制限事項など) を取り上げています。

Eclipse ベースの既知の問題と回避策については、製品のインストール・ディレクトリーの eclipse\readme サブディレクトリーにある readme_eclipse.html ファイルを参照してください。この情報は英語のみとなっています。

4.1 制限事項

シェル共用に関する問題

Performance Tester と同じシステムに別の IBM Rational Software 開発プラットフォーム製品をインストールする場合は、Rational Product Updater を実行して、その別の製品を入手可能な最新バージョンに更新する必要があります。このステップによって、Performance Tester と別の Rational 製品の両方を適切に操作できるようになります。

複数のアプリケーションが 1 つの Agent Controller にアクセスする構成

別々のコンピューターに配置した複数の Performance Tester アプリケーションから 1 つの Agent Controller に同時にアクセスする構成は、避けてください。そのような構成では、テストの実行結果の信頼性が低くなる可能性があります。

複数の Performance Tester インスタンス

複数の並行 Performance Tester アプリケーション・インスタンスを 1 つのオペレーティング・システム・デスクトップに配置しないでください。ブラウザー構成の問題が発生し、テストの実行結果の信頼性が低くなる可能性があります。

テスト成果物の名前に # 文字を使用しない

テスト成果物の名前に # 文字を使用しないでください。成果物の名前にこの文字を使用すると、その成果物がアクセス不能になったり、破壊されたりする可能性があります。

Windows ユーザー・グループ特権

Windows コンピューターにログインするカスタマーは、Performance Tester を使用するために管理ユーザー特権を必要とします。

テスト中またはスケジュール実行中のエラー・メッセージ

実行中に以下のエラー・メッセージが表示されることがあります。

java.lang.RuntimeException:java.net.SocketException:Broken Pipe error when schedule launches
この問題を修正するには、この問題が発生したコンピューターの Agent Controller を再始動します。

スケジュール・デプロイメントが 48 % でハングする

スケジュールを起動しても、スケジュールの実行が開始されず、パーセントが 48% のまま動かずに、ローカルの Agent Controller にもリモートの Agent Controller にも何もデプロイされません。

この問題を修正するには、この問題が発生したコンピューターの Agent Controller を再始動します。

4.2 既知の問題と回避策

テストの作成

テスト記録時の有効なファイル名
新規 Performance Test を記録するときに、HTTP プロキシー・レコーダーから記録ファイル名が要求されます。この名前には英数字だけを使用してください。正しくない文字を含めると、「完了」ボタンがぼかし表示のままになります。
ローカル Web サイトの記録
Internet Explorer でローカル Web サイト (内部 LAN 上の Web サイト) のテストを記録する場合、「IWAT3040E レジストリー設定のエラー」ウィンドウが開いて、以下のメッセージが表示されることがあります。

Your IE configuration setting for Proxy Server Exceptions is not supported.
The recorder only supports either no Proxy or both HTTP and Secure Proxy.

Mozilla などの別の Web ブラウザーでも同じようなメッセージが表示されることがあります。問題は、ローカル Web サイトでプロキシーの使用を禁止している構成設定にあります。

ローカル Web サイトでプロキシーを使用できるように Internet Explorer を構成するには、Internet Explorer を開始してから次のようにします。

  1. 「ツール」>「インターネット オプション」をクリックします。
  2. 「インターネット オプション」ウィンドウの「接続」タブをクリックします。
  3. 「LAN の設定」をクリックします。
  4. 「LAN にプロキシ サーバーを使用する」にチェック・マークを付けます。
  5. 「ローカル アドレスにはプロキシ サーバーを使用しない」をクリアします。
  6. 「詳細設定」をクリックします。
  7. 「例外」エリアの「次で始まるアドレスにはプロキシを使用しない」フィールドを調べます。記録する必要がある Web サイトをブロックしているアドレスのストリングを除去するか、フィールドをクリアしてください。
  8. 「OK」をクリックして「プロキシの設定」ウィンドウを閉じます。
  9. 「LAN にプロキシ サーバーを使用する」をクリアします。
  10. 「OK」をクリックして「ローカル エリア ネットワーク (LAN) の設定」ウィンドウを閉じます。
  11. 「OK」をクリックして「インターネット オプション」ウィンドウを閉じます。

Mozilla または Netscape で同じようなエラー・メッセージが表示される場合は、「プロキシ」ウィンドウの「プロキシなしの接続」フィールドの構成設定に問題の原因があります。そのフィールドをクリアするか、記録する対象のアドレスを除去してください。

インポート済みのデータ・プールに関する「パーツを作成できませんでした。」エラー
親 Performance Test プロジェクトがインポートされていても、関連データ・プールを含んでいるプロジェクトがインポートされていない場合は、データ・プールに関連付けられている Performance Test (.testsuite ファイル) を開けないことがあります。その場合は、テスト・エディターに「Unable to create part」エラーが表示されます。エクスポートまたはインポートの前にテスト内でデータ・プールの関連付けを除去すれば、この問題を最小限に抑えることができます。また、ヘルプ・トピック「他のワークスペースへのプロジェクトのコピー」の手順を実行すれば、この問題を完全に回避できます。

テストの編集

カスタム・コード・クラスの名前変更には Java リファクタリングが必要
テスト・エディターでカスタム・コード・アクションの Java クラスの名前を変更しても、その新しい名前を使用するためにそのクラスが移動またはリファクタリングされるわけではありません。 生成済みのカスタム・コードに加えた変更内容は、前の Java クラスに引き続き含まれており、新しい Java クラスは、テスト・エディターに用意されているテンプレートからの名前に基づいて生成されます。

Java クラスの名前を変更するには、まず Java クラスを新しい名前にリファクタリングしてから、テスト・エディターでその名前を参照するように名前を編集してください。

カスタム・コードはテスト・パッケージに配置する必要がある
すべてのカスタム・コードをテスト・プロジェクト内のテスト・パッケージに配置する必要があります。テストのサブパッケージに配置することもできますが、そのサブパッケージ名は、小文字でなければなりません (test.custom.VerifyID など)。

ワークロードの表現

ロケーションの編集はスケジュール・エディターでのみ行う
「新規」>「その他」をクリックしてから、ロケーション・アイコンが表示されるまで「テスト」ツリーを展開することによってロケーションを作成することもできますが、この方法はお勧めできません。この方法で作成したロケーションには、スケジュール内での機能に必要な属性が含まれていません。正しく機能するロケーションを作成するには、ヘルプ・トピック「リモート・ロケーションでのユーザー・グループの実行」の手順を実行してください。

スケジュールまたはテストの実行

パフォーマンス・テスト実行時のワークベンチ内のメモリー・リーク
パフォーマンス・テストの実行に関連してメモリー・リークが発生します。多数のテストを実行する場合は、Performance Tester ワークベンチを周期的に再始動する必要があります。
テストで大きなファイルをアップロードしようとすると、再生が失敗することがある
テストで 500 KB を超えるファイルをアップロードしようとすると、テストまたはスケジュールの実行が失敗することがあります。生成される Java テストが Java クラス・ファイルの最大許容サイズを超えてしまうからです。

この問題を修正するには、アップロードするファイルを小さな部分に分割してください。

アプリケーションが再始動を必要とする場合に「エラーのためテスト実行が打ち切られました」というメッセージが表示される
1 つのアプリケーションを再始動しなければならない場合は、すべての Agent Controller とローカル・コンピューターも再始動する必要があります。このような集合的な再始動が必要になるのは、スケジュールまたはテストの実行によって作成されたオープン・ネットワーク接続をリセットするためです。すべての Agent Controller とローカル・コンピューターの集合的な再始動を実行しないと、「エラーのためテスト実行が打ち切られました」というメッセージが表示されます。
cookie のキャッシュをクリアする必要がある
cookie とは、Web ブラウザーが Web サーバーによって Web ページ間または Web セッション間で有用な状態情報を保持するためにローカルに格納することを許可する情報です。cookie のキャッシュとは、これらの状態情報をすべて保管する動的メモリーです。Performance Tester は、Web ブラウザーの cookie のキャッシュを自動的にシミュレートします。

場合によっては、特定の仮想ユーザーのために動的に格納したすべての cookie を Performance Tester によってクリアするのが望ましいこともあります。テストの呼び出しを巡ってループが存在する場合などがその例です。反復実行間で cookie を保持すべきでない場合、ユーザーは、Performance Tester によって現在の仮想ユーザーの cookie のキャッシュをクリアする必要があります。

この問題を修正するために、現在の仮想ユーザーの cookie のキャッシュをクリアする Java API が追加されました。この API を呼び出すカスタム・コードをテストに追加して、そのカスタム・コードの実行時に cookie のキャッシュをクリアするようにしてください。そのための手順は、次のとおりです。

  1. ヘルプ・トピック「カスタム・コードの追加」の説明に従って、テスト内で cookie のキャッシュをクリアする位置にカスタム・コードを追加します。例えば、テストの末尾などが考えられます。
  2. カスタム・コードの Java ファイルを表示します。
  3. 以下の Java import 文を追加します。
    Import com.ibm.rational.test.lt.execution.http.util.CookieCacheUtil;
  4. exec メソッドの内部に以下の Java コードを追加します。
    CookieCacheUtil.clearCookieCache(log);

以下は、cookie のキャッシュをクリアするためのカスタム・コードの追加部分の例です。生成されるカスタム・コード・テンプレートに追加する行を太字で示しています。

package test;
import com.ibm.rational.test.lt.execution.http.util.CookieCacheUtil;
import com.ibm.rational.test.lt.kernel.logging.IKLog;
public class Class1111180036738 implements com.ibm.rational.test.lt.kernel.custom.ICustomCode {
    public Class1111180036738() {
    }
    public String exec(IKLog log, String[] args) {
        CookieCacheUtil.clearCookieCache(log);
        return null;
    }
}

CodeGen エラーのトラブルシューティング
状況によっては、CodeGen エラーが発生することもあります。CodeGen エラーは、テストまたはスケジュールの実行時に、「Unable to Persist error view」メッセージ、「起動できません」メッセージ、「NULL ポインター」ウィンドウのいずれかの形で発生します。.classpath ファイルを変更し、特定の Java ソースを除去することによって、問題を解決できる場合もあります。

.classpath ファイルを変更するには、次のようにします。

  1. Eclipse の「ナビゲーター」ビューで、.classpath ファイルを開きます。以下のような内容が表示されます。
    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <classpath>
    <classpathentry kind="src" path="src"/>
    <classpathentry kind="con" path="org.eclipse.jdt.launching.JRE_CONTAINER"/>
    <classpathentry kind="lib" path="C:/Program Files/IBM/Rational/SDP/6.0/rpt_prod/eclipse/plugins/com.ibm.rational.test.lt.core_6.1.0/core.jar"/>
    <classpathentry kind="lib" path="C:/Program Files/IBM/Rational/SDP/6.0/rpt_prod/eclipse/plugins/com.ibm.rational.test.lt.datacorrelation.execution.http_6.1.0/datacorrelation.execution.http.jar"/>
    <classpathentry kind="lib" path="C:/Program Files/IBM/Rational/SDP/6.0/rpt_prod/eclipse/plugins/com.ibm.rational.test.lt.kernel_6.1.0/kernel.jar"/>
    ...
    Files/IBM/Rational/SDP/6.0/rpt_prod/eclipse/plugins/com.ibm.rational.test.lt.execution.http_6.1.0/execution.http.jar"/>
    <classpathentry kind="lib" path="C:/Program Files/IBM/Rational/SDP/6.0/rpt_prod/eclipse/plugins/com.ibm.rational.test.lt.provider_6.1.0/provider.jar"/>
    <classpathentry kind="output" path="bin"/>
    </classpath>

  2. 先頭にある classpathentry kind="lib" の行をすべて除去します。
  3. ファイルを保管します。
Java ソースを除去するには、次のようにします。
  1. Eclipse の「ナビゲーター」ビューで、text-string_hex-string.java のようなファイルを含んだフォルダーをすべて開きます (テキスト・ストリングは Test または Schedule のいずれかを含んでおり、長い 16 進数ストリングはその時々で変わります)。例えば、MyTest_Test_C4B984B93C96709D96B4E6C0284611D9.java などです。
  2. そのようなファイルをすべて削除します。
テストまたはスケジュールを再び実行します。.classpath ファイルと .java ファイルが正しい形式で再作成されます。

結果の評価

実行が突然停止した場合は、実行ヒストリーが不完全になる可能性がある
パフォーマンス・テストまたはスケジュールを最後まで実行できなかった場合は、実行ヒストリーが不完全になる可能性があります。実行がユーザーによって停止された場合や、スケジュールの制限時間が設定されている場合に、このようなことが発生します。そうなった場合は、一部の停止イベント (スケジュールの停止、ユーザー・グループの停止、仮想ユーザーの停止など) と一部の判断ロールアップ・イベントが実行ヒストリーから欠落します。
大量のデータをログに記録する場合は、実行ヒストリーが不完全になる可能性がある
実行中にログに記録するデータの量は、2 つのスケジュール設定に基づいています。つまり、「実行ヒストリー・ログ・レベル」「ユーザーのサブセットからのサンプル情報のみ」です。大量のワークロードを実行しているときは、ログに記録するデータも大量になります。特にそう言えるのは、ログ・レベルを「要求」または「すべて」に設定しており、サンプリングがない場合 (つまり、すべてのユーザーのログを記録する場合) です。そのような場合は、実行の終了付近で発生した一部のイベントが実行ヒストリーに保管されません。欠落する可能性のあるイベントのタイプは基本的に、一部の実行済みのテストに含まれていたイベントです。それでも、スケジュール関連、ユーザー・グループ関連、ユーザー関連のイベントなどの階層イベントは確認できます。

1 つの回避策は、ユーザーのサンプリングです。基本的に、多数のユーザーをエミュレートしている場合は、これが望ましい方法です。もう 1 つの回避策は、「実行ヒストリー・ログ・レベル」「ページ」に設定することです。

サンプリングを実行した場合は、実行ヒストリーの信頼性が低くなる可能性がある
Performance Tester は、失敗したページまたはエラーになったページのための検査ポイントを追加します。これらの検査ポイントは、実行ヒストリー内に判断を表示するために必要であり、検査ポイントの統計カウンターの合計に集約されます。サンプリングを使用可能に設定した場合 (デフォルト) は、失敗したページが除外される可能性があります。そうなった場合は、実際には一部のページが失敗しているにもかかわらず、全体の判断は「合格」になるという、信頼性の低いテスト結果が生成されてしまいます。
「CSV ファイル」フィールドにパスを直接入力した場合は、実行統計のエクスポートが機能しない
「ファイル」>「エクスポート」を選択し、「CSV ファイル」フィールドにパスを直接 (「ブラウズ」ボタンをクリックしないで) 入力した場合、Performance Test の実行統計はエクスポートされません。

この問題を回避するには、「ブラウズ」ボタンをクリックし、ファイルの格納先の場所を選択し、ファイルを指定して、「OK」をクリックします。

データ転送が完了するかなり前に実行完了が表示されることがある
実行終了時のパフォーマンス・レポートで、データ転送の完了前に実行完了が表示されることがあります。この状況では、特に説明もなく CPU がほぼ飽和状態になります。

データ転送が完了したかどうかを確認するための確かな方法は、実行ヒストリーを開くことです。実行ヒストリーに実行停止時刻が書き込まれていれば、データ転送は完了しています。

ローカル・コンピューターのファイアウォールによって、実行ヒストリーと統計データの戻りが妨害されることがある
Performance Tester は、コンポーネント間でデータを受け渡すためにネットワーク・ポートを使用します。ネットワーク・ファイアウォールは、この操作を妨害し、実行時にエラーの原因になることがあります。実行完了後に実行ヒストリーを表示できない場合は、ファイアウォールの問題である可能性があります。

ほとんどのネットワーク・ファイアウォールでは、ネットワーク・アクセスをブロックするべきではないアプリケーションの例外リストを作成できます。Performance Tester のコンポーネント間の通信が妨害されないようにするために、例外リストに以下のアプリケーションを追加してください。Agent Controller にのみネットワーク・ファイアウォールがインストールされている場合は、各オペレーティング・システム用として挙げている 2 番目のアプリケーションだけをリストに追加する必要があります。

Windows の場合:
RPT_install_path\IBM\Rational\SDP\6.0\eclipse\jre\bin\javaw.exe RPT_install_path\IBM\Rational\SDP\6.0\IBM_Agent_Controller\bin\RAService.exe  

Linux の場合:
RPT_install_path\IBM\Rational\SDP\6.0\eclipse\jre\bin\javaw RPT_install_path\IBM\Rational\SDP\6.0\IBM_Agent_Controller\bin\RAServer

: Microsoft Windows XP SP2 では、制限の強いファイアウォールがインストールされます。Performance Tester のコンポーネント間の適切な通信を確保するには、そのファイアウォールを使用不可にするか、上記の方法で調整する必要があります。

実行中に CPU の使用率が 100 % に達する
複数のテスト・ドライバーがかかわるテストの実行中に、ローカル・マシンの CPU の使用率が極端に高くなることがあります。デフォルトの 5 秒という統計サンプル間隔でテスト結果を収集している場合は、CPU の使用率が上がり、プログラムが応答しなくなる可能性があります。

この問題を修正するには、サンプル間隔をもっと長い時間 (30 秒ないし 1 分ほど) に変更してください。そうすれば、CPU が 100 % にならない状態で着信データを処理できます。

Linux

MOZILLA_FIVE_HOME 環境変数を設定する必要がある
Red Hat Linux で Performance Tester を実行している場合は、MOZILLA_FIVE_HOME 環境変数を設定する必要があります。この変数を設定しない場合は、オンライン・ヘルプが正しく表示されず、プロトコル・データ・ビューで実行の詳細が表示されません。その他の問題も発生します。

この環境変数を設定するには、shortcut_rpt (デフォルトではインストール・ディレクトリー /opt/IBM/Rational/SPD) に以下の行を追加してください。

MOZILLA_FIVE_HOME=/usr/lib/mozilla-1.4.3
export MOZILLA_FIVE_HOME

ライセンス・クライアントがライセンス・サーバー情報ファイルを解析できない
Linux で実行している場合、ライセンス・サーバー情報は、$HOME/.flexlmrc ファイルに配置されます。このファイルに復帰または改行ではなく EOF が含まれている場合、ライセンス・クライアントはそのファイルを解析できません。この問題を修正するには、ファイルの末尾に復帰または改行を置くようにしてください。
Agent Controller を root として実行している場合、通常のユーザーはワークスペースを削除できない
root ユーザーが Agent Controller を開始した場合は、そのユーザーが、Performance Tester の実行を可能にするために作成されるファイルの所有者になります。ワークベンチと Agent Controller が同じ Linux マシンに配置されており、Agent Controller を開始したのが root ユーザーである場合、ファイルの作成場所は、root ユーザーだけが削除できるワークスペース・ディレクトリーになります。

5.0 資料の更新

製品のホーム・ページにも IBM developerWorks にも、チュートリアル文書や他の資料の更新を用意したライブラリーのセクションがあります。

IBM Rational ゾーン (www.ibm.com/developerworks/rational)には、技術記事、「ハウツー」情報、チュートリアル、サンプル、新しいテクノロジーのプレビューが用意されています。

6.0 カスタマー・サポートとの連絡

IBM ソフトウェア・サポートに連絡する方法については、オンライン・ヘルプの「トラブルシューティングおよびサポート」セクションを参照してください。

Performance Tester の製品ホーム・ページは、www.ibm.com/software/awdtools/rationalappdevです。よくある質問 (FAQ)、既知の問題と修正の一覧、および他のサポート情報については、製品ホーム・ページの Support ページを参照してください。

7.0 Eclipse について

Eclipse は、特許料無料のテクノロジー、およびツールの統合用のユニバーサル・プラットフォームを作成するオープン・ソース・プロジェクトです。Eclipse ベースのツールを使用する開発者は、複数言語、マルチプラットフォームの環境で選択の自由を手にすることになります。Eclipse は、ソフトウェア・ツールの作成、統合、使用を容易にするプラグイン開発のためのフレームワークを提供します。ツールの製作者たちは、中心的な統合テクノロジーを共用し、共同作業を行うことによって、それぞれの専門分野に集中し、新しい開発テクノロジーの作成に専念できます。Eclipse プラットフォームは、JavaTM 言語で記述されており、構造プラグインのための広範囲のツールキットやサンプルも用意されています。すでに、Linux、MAC OS X、QNX、Windows ベース・システムなど、さまざまなオペレーティング・システム環境で展開されています。Eclipse コミュニティーおよび、Eclipse プラットフォームの設計を記述した白書についての詳細は、www.eclipse.org を参照してください。

オープン・ソースの Eclipse プラットフォームで構築されている他のベンダーのプラグイン・ツールを Rational 環境に統合すれば、さらに付加価値が得られます。

著作権および特記事項