統合開発環境 (IDE) により、個々の開発者の生産性の向上においてかなりの進歩を遂げましたが、そのような IDE が本当の意味でチーム・ベースの開発をサポートする土台となるプラットフォームは未だ存在しません。 しかし、実際には、開発チームのメンバーは、コードの作成、要件の定義、項目の状況の追跡に従事するのと同じぐらい積極的に、チームでの作業に従事しています。

Jazz Platform では、開発チームのメンバーが開発プロセスを通して、容易にコラボレーションしたり、作業のすべての側面ついての情報を迅速に共用できる場合に、開発プロジェクトが最終的に成功するということが認識されています。

主な課題は、チームの作業を成功させるのに必要 な、さまざまな形式による記帳作業、つまり、チーム・メ ンバーが効率良く共同作業を行うことを可能にするの に重要な作業が、非常に簡単に忘れられているか、または正しく行われていないということです。

Jazz Platform は、チーム、コンテキスト内のコラボレーション、およびワークアイテムという概念を導入および定式化することで、それらの課題に対応しています。

チーム (および「チーム・エリア」と「チーム・セントラル」)

チームの定式化は、Jazz コラボレーション・モデルの主な側面です。 Jazz Platform では、チームとチーム・メンバー、およびその役割とアクセス権を識別する「チーム・エリア」が導入されています。 「チーム・エリア」は、チームのプロジェクトとプロセスの管理にも使用されます。

チームの成果物は、「チーム成果物」ビューにあり、ここからユーザーはアクセス権がある成果物にアクセスできます。

「チーム・セントラル」には、チームのさまざまなイベントやアクティビティーを追跡できる単一のビューがあります。 ユーザーは、このビューからチームのニュース、ビルドの状況、ワークアイテムの状況、および常に変化している開発プロセスの他の側面を確認できます。

「チーム・エリア」、「チーム成果物」ビュー、および「チーム・セントラル」を一緒に使用することで、チームの効率を上げるために必要な成果物と情報をチーム・メンバーは取得できます。 ここで、定式化されたチームという概念を用いて、チー ムがコラボレーションする方法を検討することができます。

コンテキスト内のコラボレーション

コンテキスト内のコラボレーションは、Jazz コラボレーション・モデルの不可欠なテーマです。 Jazz コンポーネントを使用可能にすると、誰が何を何のために行っているかを、現在のタスクのコンテキスト内から直接、個人が簡単に識別できます。 インスタント・メッセージングの E メールや変更のサブスクリプションなどのコラボレーション・メカニズムは、Jazz コンポーネントにビルドされているため、ユーザーは別のコラボレーション・コンテキストに入るのに、開発コンテキストから離れる必要はありません。 コラボレーション・コンテキストは、開発タスクの現在のコンテキストに組み込まれています。 このアプローチによって、ユーザーはそのまま自分 の主なタスクに完全に従事することができます。

Jazz Platform のコラボレーションに対するアプローチでは、以下のような側面をサポートするメカニズムを共用する情報の開発に焦点を当てています。

これらのコラボレーションの各側面は、開発チームの成功に不可欠です。

ワークアイテム

Jazz コラボレーション・モデルのもう 1 つの重要な側面は、記帳タスクおよび関連情報の自動化です。 前述のように、コンテキスト内のコラボレーションの主な側面 によって、ユーザーは既存のタスク・コンテキスト内 でコラボレーション・メカニズムを統合しながら、自 分のメインタスクに焦点を置くことができます。 開発プロジェクトの管理に 必要な、さまざまな記帳タスクにも同じことが当てはまります。

開発プロセスを巡る多くの記帳タスクを自動化するのに役立てるために、Jazz Platform ではワークアイテムを導入しています。 ワークアイテムは、開発タスクを一般化した (および拡張可能な) 概念です。

これはワークアイテムの例です

代表的なワークアイテムのタイプは、障害、機能強化、 およびタスクです。 ただし、ワークアイテムは以下の場合にも使用されます。

ワークアイテムによって、開発タスク、どのチーム・メンバーが開発タスクを行っているか、なぜそれを行っているか、ディスカッション、添付、およびそのタスク関連のものはすべて識別されます。 チーム・メンバーは、ワークアイテムのレビュー、ワークアイテムの照会、ワークアイテムの委譲、更新の通知を受け取るためのワークアイテムのサブスクライブが可能です。 ワークアイテムは、Jazz コラボレーション・モデルの重要な要素としての機能を果たします。