クイック・スタート

IBM® UrbanCode Release を使用して生産性を素早く高めるために、以下のトピックを順番に検討してください。

リリースの計画

リリースを計画することは、そのリリースのスコープについてのいくつかの基本的な問題に答えることを意味します。完全に新規のリリースですか。それとも、以前に定義された計画を使用しますか。あるいは、既存のリリースに対する変更がほとんど必要ない、パッチのようなマイナー・リリースでしょうか。これらの質問への答えによって、実動への道筋が決まり、既存のリリースを再使用できるかどうか、そして使用できる場合、どの程度まで使用できるかということが決定されます。

注:

リリース・トレインへの入力は、同期化され、オープンな、チーム・ベースの計画からのものになるようにしてください。このゴールは、明確に述べられた成果物と相互依存のセットを定義することです。

実動への道筋は、最終フェーズである実動に至る一連のフェーズを示しています。最も簡単に言うと、フェーズは 1 つ以上の環境と品質要件を表します。フェーズには、品質状況やゲートなど、さらに項目を定義することができます。

フェーズの進行は、ライフサイクル・モデルによって定義されます。リリースの作成時に、そのリリースで使用可能なフェーズが、そのリリース用に選択されているライフサイクル・モデルに定義されます。必要なフェーズがライフサイクルに定義されていない場合は、モデルを変更するか、完全に新しいモデルを作成することができます。IBM UrbanCode Release では、適合するようにユーザーが変更できるデフォルト・ライフサイクルが提供されています。

以下の図は、同じライフサイクル・モデルを使用する 2 つのリリース、October と November を示しています。モデルに定義されているフェーズは、上部にリストされています。図に示されているように、リリースには環境が割り振られ、各フェーズには 1 つの環境が割り当てられています。例えば、October リリースは DEV フェーズ中に DEV-1 環境を使用し、November リリースはそのフェーズに DEV-2 を使用しています。モデルには、フェーズ間のゲートが定義されています。

2 つのリリースのフェーズとゲートを示すダイアグラム

ライフサイクルは、任意の数のリリースに使用できます。環境とアプリケーションを変えることにより (アプリケーションのラインナップはリリース間で異なることに注意してください)、同じライフサイクルで起こりうるほとんどすべての事柄に対してリリースを作ることができます。ライフサイクルが特定のリリースに適していない場合、例えばフェーズが多すぎたり少なすぎたりする場合は、いつでも新しいライフサイクル・モデルを作成することができます。

IBM UrbanCode Release を使用して実動前と実動の間のトラックを作成し、そのトラックに沿って確実にリリースを実行することができます。リリース・トレインは、いずれのタイプのローリング・ストック (自動プロセス、手動プロセス、およびアドホック・プロセス) によっても提供でき、あらゆるタイプの貨物を運ぶことができます。リリース・トレインの予測可能なスケジュールによって、リリース・プロセスが推進されます。IBM UrbanCode Release を使用して、チーム・ベースの計画を統合し同期して、明確でオープンで理解しやすい計画を作り上げることができますすべての関係者がスケジュールと重要なマイルストーンを認識して、リリースが計画どおりに開始し、期限通りに完了することを確信できます。

リリースの作成

狭義において、リリースを作成するということは、Web ユーザー・インターフェースを使用してそれに命名し、ライフサイクルとチームを選択することです。もっと一般的に言えば、そのリリースがメジャー・リリースかマイナー・リリースかを決定することです。大まかに言うと、マイナー・リリースは、既存の環境とアプリケーション、またはそのアプリケーションのサブセットを使用できるリリースで、メジャー・リリースには新しい環境とアプリケーションが必要です。

アプリケーションとリリースとの関連付け

アプリケーションは必須ではありません (例えば、完全にマイルストーンとインフラストラクチャーに関連したタスクのみで構成されたリリースを作成する場合があります) が、ほとんどのリリースには間違いなくアプリケーションのデプロイメントが含まれます。アプリケーションは、IBM UrbanCode Deploy などの外部ツールとの統合によって得られる場合、または IBM UrbanCode Release 自体の中に作成される場合があります。各リリースでは、IBM UrbanCode Release に定義されているすべてのアプリケーションが使用可能です。任意の数のアプリケーションをリリースに関連付けることができます。

IBM UrbanCode Release と外部ツールとの統合について詳しくは、統合プロバイダーの構成を参照してください。.

実動への道筋の定義

リリースで使用可能なフェーズは、そのリリース用に選択されたライフサイクルに定義されています。ライフサイクル・モデルは、リリースを作成および推進するために使用されるテンプレートと考えるといいかもしれません。ライフサイクルは、ソフトウェアが実動へと進んでいくうえで通過するフェーズの進行を定義します。それは、実動フェーズ、または同様に指定された最終フェーズによって表されます。ライフサイクルは、どの特定環境がリリースに使用されるかではなく、一般的なパターンを指定します。例えば、ライフサイクルには、開発、品質保証、実動のフェーズがある場合があります。実際に使用される環境はリリースごとに変わる可能性がありますが、このライフサイクルに基づいたリリースは 3 つのフェーズをすべて持っています。また、ライフサイクルは、ゲートと呼ばれる、ソフトウェアが次のフェーズに進むことを許可される前に正常に完了する必要がある品質ステップを定義することもできます。

注:

各フェーズに適した開発戦略。ハイセレモニー実動デプロイメントの戦略は、ローセレモニー環境には適さない可能性があります。

実動への道筋を定義するための最初のステップは、既存のライフサイクル・モデルを使用できるかどうか、または完全に新しいライフサイクル・モデルを作成する必要があるかどうかを決定することです。IBM UrbanCode Release の使用を初めて開始する場合は、当然、ユーザーの標準プロセスおよび環境を反映するライフサイクルの作成が必要になります。経験が増えるに従って、リリースのすべてではないが、ほとんどを処理できるライフサイクルの集合が作成されます。したがって、実動への道筋を定義するために必要なアクティビティーは、適切なライフサイクルの可用性によって大体決定されます。以下の表は、さまざまなアクティビティーに対して、再使用可能なライフサイクルが使用可能かどうかを要約したものです。

表 1. ライフサイクルの作成
アクティビティー 説明
1. ライフサイクルのフェーズに名前を付ける。

環境がフェーズにマップされます。

2. 状況を定義する。

状況は、「成功」または「アーカイブ済み」などのユーザー定義値です。

3. ゲートを追加する。

ゲートとは、ゲートによって指定された状況を持っていない限り項目をフェーズ/環境にデプロイできないようにするためのメカニズムです。ゲートは、フェーズの最小入り口要件を確立します。

表 2. ライフサイクルの使用
アクティビティー 説明
1. 環境をフェーズに割り振る。

各ライフサイクル・フェーズ中に使用される環境を識別します。リリース環境は、デプロイメント・ターゲットを表すユーザー定義の構成体です。リリース環境はデプロイメント環境を集約します。

2. 承認を定義します。

承認は、品質 (状況) の考慮事項に関係なく、環境を制御するために使用されるメカニズムです。承認者は、役割によって指定されます。指定された役割を持つすべてのユーザーが承認を提供することができます。

3. デプロイメント計画を選択する。

デプロイメント計画は、特定のフェーズでのデプロイメントを正常に行うために、どの程度のオーケストレーションおよび調整が必要かを定義します。

実動日付と既知の実動前日付

既知の実動日付と実動前日付は、リリース環境へのデプロイメントをスケジュールに入れることによって記録し、普及させることができます。

日付は、新しいデプロイメントがスケジュールに入れられた時 (「ホーム」 > 「スケジュール済みデプロイメント」) に定義されます。

繰り返し期間

繰り返し期間、すなわち繰り返すデプロイメントは、予測可能な間隔で繰り返されるデプロイメントに対して作成されます。繰り返し期間は、毎時、毎日、毎週、またはある cron 式によってトリガーできます。

マイルストーンの定義

マイルストーンは、リリースが正しいトラックに留まるために完了しなければならないアクティビティー (通常、プロセス・チェックリスト項目) です。マイルストーンは、第 1 回目のミーティング、オペレーティング・システムのアップグレード、またはハードウェアやネットワークのアップグレードなど、トラッキングを必要とするすべてのものを表します。マイルストーンは、日付と状況によってトラッキングされます。

マイルストーンは、特定のフェーズまたは環境ではなく、リリース自体に付加されます。マイルストーンは、「リリース」ページ (「ホーム」 > 「リリース」 > 「selected_release」) で作成されます。

注:

マイルストーンを定義する際には、計画中に特定される機能だけに意識を集中させるのではなく、リリース・トレインのスケジュールのスコープを変更したり、その他の影響を与えたりする変更点がある可能性があることに注意してください。

リリース・チームの定義

リリース・チームは、おそらく想像されるとおり、リリースを管理します。チームは、IBM UrbanCode Release セキュリティー・システムに構成されている役割とユーザーで構成されます。リリースには、少なくとも 1 つの役割が構成されている必要があります。標準的な役割は、管理者、リリース・マネージャー、およびユーザーです。それらはすべてデフォルトで使用可能です。役割は再使用が可能です。

役割は、「役割」ページ (「ホーム」 > 「セキュリティーの管理」 > 「役割」) で定義されます。

承認の追加

承認は、品質 (状況) の考慮事項に関係なく、環境を制御するために使用されるメカニズムです。承認が必要なリリースは、承認が与えられるまではフェーズを進めることはできません。承認は、フェーズに付加されます。承認者は、役割によって指定されます。指定された役割を持つすべてのユーザーが承認を行うことができます。


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