データベースのアップグレード

このセクションでは、新しいサーバーへのアップグレード時に Rational® Synergy データベースを Rational Synergy リリース 7.2 以降 にアップグレードする方法を説明します。

このタスクについて

データベース・アップグレード要件

リリース 7.0、7.1、または 7.1a のデータベースを Rational Synergy リリース 7.2 以降 で使用するには、その前にこれらのデータベースをアップグレードする必要があります。また、これらのデータベースをアップグレードする前に、Rational Synergy リリース 7.2 以降 をインストールしておく必要があります。

このタスクについて

このインフォメーション・センターでは、Rational Synergy 7.0、7.1、7.1a、7.2 以降 ベース・モデル・データベースのアップグレード方法を説明します。これらのデータベースは、モデル・データベースからモデル・インストールを使用してカスタマイズされていないデータベースです。

「タイプ定義 (Type Definition)」ダイアログ・ボックスでカスタマイズされたデータベース、または制御ファイルの変更によってカスタマイズされたデータベースは、引き続きベース・モデル・データベースとして見なされます。 これらのデータベースをアップグレードするには、このセクションの手順を使用する必要があります。

モデル・データベース、およびモデル・インストールを使用してカスタマイズされたデータベースをアップグレードするには、IBM® Rational ソフトウェア・サポートにお問い合わせください。

旧データベースのアンパック

アップグレードのためにデータベースを準備するには、アップグレード対象の各データベースに対して以下の作業を実行して、旧データベースをアンパックします。

このタスクについて

データベース・サーバーの作成の説明に従った場合、新しいサーバーは空であり使用可能な状態になっています。

旧データベースのアンパック

ccmdb backup または ccmdb pack を使用して旧リリースからデータベースをパックした場合は、リリース 7.2 以降 がインストールされているこの新しいサーバーにデータベースをアンパックします。

手順

ccmdb unpack コマンドを実行します。
ccm_root$ CCM_HOME=/usr/local/ccm72x; export CCM_HOME
ccm_root$ PATH=$CCM_HOME/bin:$PATH; export PATH
ccm_root$ ccmdb unpack packfile -to database_path [-s server]
注: パック・ファイルが Windows サーバーで作成されたものである場合は、 ccmdb upgrade-w オプションを指定する必要があります (7.2 以降 へのベース・モデル・データベースのアップグレード を参照)。

7.2 以降 へのベース・モデル・データベースのアップグレード

アップグレード対象の UNIX 実動データベースごとに、以下のステップを実行します。

手順

  1. ccm_root としてログオンします。
    $ su - ccm_root
  2. 手動でカスタマイズした内容を保存します。

    アップグレード・プログラムにより、旧 pt ディレクトリーおよび notify ディレクトリーと、旧マイグレーション・ルール・ファイルが自動的に保存されます。

    データベース固有の構成ファイルを変更した場合は、ファイルのバックアップ・コピーを作成してその変更内容を保存してください。

    プロセス・イメージを Rational Synergy インストール済み環境に保管していた場合は、イメージ・ファイルを保存して、Rational Synergy の新規インストール済み環境または別の場所にコピーします。

    イメージを Rational Synergy インストール済み環境に保管していた場合、または Rational Synergy CCM サーバーでホストしていた場合は、イメージ・ファイルを新しい場所からホストするように Web サーバーを更新します。また、URL が変更されている場合は、その新しい URL を参照するように Rational Synergy で URL を更新します。

  3. アップグレード・プログラムを実行します。
    ccm_root$ CCM_HOME=/usr/local/ccm72x; export CCM_HOME
    ccm_root$ PATH=$CCM_HOME/bin:$PATH; export PATH
    ccm_root$ ccmdb upgrade [-w] database_path_1 database_path_2  -l logfile

    database_path は絶対パスとして指定する必要があります。アップグレード対象データベースのリストに応じて任意の数の database_path パスを指定できます。アップグレード・プログラムの実行には、小規模データベースで数分、大規模データベースで数時間かかることがあります。

    Windows データベースを UNIX のインストール済み環境でアンパックできます。UNIX の ccmdb unpack コマンドは、Windows システムで作成されたパック・ファイルを読み取ることができます。 アンパックされたデータベースでは、重要なファイルに Windows スタイルの ASCII データが含まれていることがあります。このようなファイルは更新する必要があります。コマンド ccmdb upgrade でオプション -w を指定すると、アップグレードに加えてデータベース・ファイルの変換が行われます。タイプ ascii およびそのサブタイプのデータベース構成ファイルと制御ファイルはすべて検査され、UNIX ASCII フォーマットに変換されます。ワークエリアは更新されないため、この変換の影響を受けるのはアーカイブ内およびキャッシュ内の制御ファイルのみとなります。

    注: この操作は静的アーカイブ・ファイルの内容を変更するため、使用する際には十分に注意してください。問題が検出された場合に備えて、元のデータベース・バックアップを常に保持しておいてください。

    アップグレード・プログラムについて詳しくは、Rational Synergy アップグレード・プログラムの実行を参照してください。

  4. アップグレード・プログラムによりデータベースの保護が解除されます。 以下のステップを完了して結果をテストするまで、ccmdb protect database_path を使用してデータベースを再保護してください。
  5. データベースのアップグレードが完了したら、ステップ 3 で作成したログ・ファイルと ccmdb upgrade コマンドにより作成された ccm_upgrade.log ファイルの内容を確認します。対処が必要なエラー・メッセージや警告メッセージがあるかどうかを調べます。
  6. 手動でカスタマイズした内容を復元します。

    トリガーなどの、データベース固有の構成ファイルを変更した場合は、2 で保存した変更内容を、変換後のデータベースにマージします。

    注: 保存バージョンをコピーして戻すのではなく、これらのファイルをリリース 7.2 以降 バージョンにマージする必要があります。
  7. 今後参照できるように、以下のディレクトリーを別のディレクトリーに保存します。

    ccmdb upgrade プログラムは、新規 7.2 以降 ファイルをインストールする前に、データベース内の選択されたファイルを保存します。 データベースの最初の項目に対する ccmdb upgrade が完了したら、これらのファイルを別の場所に保存して、今後のアップグレードで上書きされないようにします。保存されたファイルはデータベース・パスに存在します。

    以下のディレクトリーの内容を保存します。
    • old_types
    • oldbin
    • oldpt
    • lib/oldnotify
    以下のファイルの内容を保存します。
    • lib/Unix/migrate.old
    • lib/Windows/migrate.old
  8. 標準タイプを変更します。

    前回のモデル・インストール以降にデータベースで標準タイプを変更している場合、変更された標準タイプは自動的に database_path/old_types ディレクトリーにエクスポートされます。 以下の手順に従って、変更されたすべてのタイプを、対応するリリース 7.2 以降 タイプと比較します。

    1. Rational Synergy CLI を開始します。
    2. 次のコマンドを使用して、リリース 7.2 以降 タイプをエクスポートします。
      ccm typedef -export type_name -to xml_file
    3. リリース 7.2 以降 タイプと、database_path/old_types ディレクトリー内の対応するタイプを比較します。 これは XML ファイルを比較することで行います。
    4. 変更内容を再適用する必要がある場合は、リリース 7.2 以降 でアップグレード済みデータベースの Rational Synergy CLI を開始し、ccm typedef -modify コマンドを実行して変更内容を再適用します。旧リリースの標準タイプのタイプ定義を、アップグレード後のデータベースにインポートする前に、必ずすべての差異を確認および理解してください。このインポートを行うと、タイプ定義のその他のプロパティーが旧リリースの定義に戻ることがあります。それらのプロパティーはリリース 7.2 以降 と互換性がない可能性があります。
  9. タスク属性のカスタマイズ内容をマージします。

    一部のタスク属性の設定と有効値は、データベースの pt ディレクトリーに保持されます。

    この説明に従ってデータベースをリリース 7.0、7.1、7.1a、7.2 以降 からリリース 7.2 以降 にアップグレードした後には、そのデータベースに 2 つの pt ディレクトリーが存在しています。アップグレードを完了するには、旧リリースで行った変更内容を新しい database_path/pt ディレクトリーに再適用する必要があります。 旧 pt ディレクトリーは database_path/oldpt に保存されています。

    注: 保存バージョンをコピーして戻すのではなく、これらのファイルをリリース 7.2 以降 バージョンにマージする必要があります。

    また、task タイプの変更内容 (source_attrs 属性への属性の追加など) をすべて復元する必要があります。

  10. notify のカスタマイズ内容をマージします。

    この手順に従ってデータベースをリリース 7.0、7.1、7.1a、7.2 以降 からリリース 7.2 以降 にアップグレードした後には、そのデータベースに 2 つの notify ディレクトリーが存在しています。アップグレードを完了するには、旧リリースで行った変更内容を新しい database_path/lib/notify ディレクトリーに再適用する必要があります。 旧 notify ディレクトリーは database_path/lib/oldnotify に保存されています。

    注: 保存バージョンをコピーして戻すのではなく、これらのファイルをリリース 7.2 以降 バージョンにマージする必要があります。Rational Change を使用する場合には、変更された通知スクリプトが必要となるため、このマージを実行する必要があります。
  11. DCM 設定をアップグレードします。

    DCM データベースのアップグレードについて詳しくは、Rational Synergy Distributed クラスターのアップグレードを参照してください。

タスクの結果

これで、データベースがリリース 7.2 以降 にアップグレードされました。

データベース・アップグレードのテスト

実動データベースへのアップグレードが完了しました。 アップグレード結果をテストするには、Rational Synergy セッションを開始していくつかの操作を実行します。このトピックでは、それらの操作をいくつか説明します。

このタスクについて

アップグレード後にデータベースを手動で保護した場合は、セッション開始前にデータベースの保護を解除する必要があります。 テストを実行するには、データベースの保護を解除してからセッションを開始します。その後すぐにデータベースを再度保護して、データベースが適切に機能していることが確認されるまで開発者がデータベースの使用を開始できないようにします。テストやアップグレード後のアクションを行うためにセッションを開始するたびに、これらのステップを繰り返します。

手順

  1. アップグレード後のデータベースで cmsynergy コマンドを使用して Rational Synergy セッションを開始します。
  2. Rational Synergy でエクスプローラーおよびワーク・ペインを操作します。
  3. タスクを作成し、ユーザー自身に割り当てます。
  4. プロジェクトを作成します。
  5. 新規プロジェクトに 1 つ以上のソース・オブジェクトを作成します。
  6. それらのソース・オブジェクトのうちの 1 つ以上をチェックインします。
  7. チェックインしたソース・オブジェクトのうち、1 つ以上をチェックアウトします。
  8. それらのソース・オブジェクトのうちの 1 つ以上について、履歴を表示します。
  9. チェックアウトしたいずれかのソース・オブジェクトの旧バージョンを使用します。
  10. プロジェクトを更新し、使用したバージョンが置換されていることを確認します。
  11. 標準ビルド・スクリプトを使用して独自のプロダクトをビルドできることを確認します。
  12. ワークエリアをデータベースと同期します。

タスクの結果

アップグレードのテストについて詳しくは、アップグレードに関する考慮事項を参照してください。


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