単一データベース環境では、オブジェクトがチェックアウトまたはチェックインされた時点で、ユーザーがパラレル・バージョンに関する警告を受けることができます。分散環境では、パラレル・バージョンが別のデータベースにある可能性があります。このため、チェックアウト時またはチェックイン時にパラレル・バージョンを認識できない場合があります。分散データベース環境でパラレル開発を無効にすることは不可能です。
受信操作時には、転送パッケージで受け取られる各新規オブジェクト (プロジェクトとプロダクトを除く) について、パラレル・バージョンがあるかどうかが DCM によってチェックされます。このチェックが行われるのは、事前定義された「Entire database」転送セットを使用してパッケージが生成された場合か、そのオブジェクトが履歴メンバーであった場合です。オブジェクトが履歴メンバーでなく、ユーザー定義の転送セットが使用された場合は、パラレル・チェックが行われません。これらのオブジェクトのパラレル・チェックが行われない理由は、オブジェクトの履歴が完全である保証がないためです。履歴が一貫していないと、誤ったパラレル報告が多発する可能性があります。
DCM 設定「パラレル・チェック」を使用してこの動作を変更して、すべての受信オブジェクト (プロジェクト・オブジェクトとプロダクト・オブジェクトを除く) を対象に含めることができます。これらのパラレル・バージョンの詳細は、転送セットで定義された受信者に送信されるすべての DCM 受信 E メールに含まれています。詳しくは、『DCM 設定の変更』を参照してください。
DCM では、このようなパラレル・バージョンを所有している開発者やそれらを作成した開発者に、パラレル E メール通知を直接送信することもできます。ソース・データベースの転送セットで「ローカル・パラレル通知 (Local Parallel Notification)」オプションが設定されている場合は、パラレル・バージョンの所有者になっている各ユーザーに (パラレル・チェック中に) E メールが送信されます。この E メールには、そのユーザーに関係のある各受信オブジェクトとそのパラレル・バージョンがリストされています。繰り返しますが、この機能が適用されるのは、「Entire database」転送セットを使用している場合か、転送セットの履歴メンバーであったオブジェクトに対してのみです。
E メールの序文のテキストは、database_path/etc/dcm_local_parallel_intro.txt ファイルで定義されます。このテキストには、キーワード %database が含まれています。E メールの送信時には、このキーワードが宛先データベースの絶対パスに置き換えられます。
「Entire database」転送セットを使用せず、履歴メンバーを使用しない場合は、DCM 受信時にパラレル・チェックは行われません。ユーザー定義の転送セットを使用していて、リリースのタスクを複製する手段としてその転送セットにフォルダーを追加している場合に、この状況が発生することがあります。このような場合は別途、コンフリクト検出を使用して定期的にパラレル・チェックを実行してください。コンフリクト検出は、ccm conflicts コマンドまたは Rational® Synergy の「メンバーシップ・コンフリクトの検出」操作を使用して実行します。