組み込み関数

組み込み関数を使用すると、ソース・ファイルと移行オブジェクト (潜在的な Rational®Synergy オブジェクト) の両方のプロパティーに簡単にアクセスできます。

すべての移行ソースがこれらのプロパティーをすべてサポートしているわけではありません。例えば、プレーン・ファイル・システムからの完全な移行を実行する場合は、releasestatecomment などの属性が定義されません。

マッピング・ルールが未定義のプロパティーにアクセスしようとすると、特別な未定義値が返されます。未定義値に対する操作では、TRUE を返す undefined 関数を除いて、常に未定義値が返されます。未定義値のブール値は FALSE であるため、条件の結果が未定義値である場合、対応するアクションは実行されません。

表 1. 関数および戻りのタイプ
関数 戻りのタイプ 説明
%attribute(expression) 指定された属性のタイプ 指定された属性の値。expression はストリング値として扱われ、属性の名前を指定します。指定された属性が存在しない場合は、特別な未定義値が返されます。
%create_time Date オブジェクトの作成時刻。%attribute('create_time') の簡易形です。
%date(expression) Date ISO8601 でフォーマットされた日付ストリングから変換された日付値。expression は、有効な ISO8601 フォーマットのストリング値でなければなりません。
%encoding String 特定のファイルのファイル・エンコードを表す、Groovy での最良推定値である CharSet 名。
%is_dir Boolean オブジェクトがディレクトリーの場合は TRUE、そうでない場合は FALSE
%is_executable Boolean オブジェクトに実行可能権限がある場合は TRUE、そうでない場合は FALSE
%is_link Boolean (UNIX で) オブジェクトがシンボリック・リンクである場合は TRUE、そうでない場合は FALSE
%is_modifiable Boolean オブジェクトの変更を所有者に許可する変更可能権限がオブジェクトにある場合は TRUE、そうでない場合は FALSE
%is_text Boolean ファイルの内容が ASCII 形式であると Rational Synergy が判別した場合は TRUE、ファイルの内容がバイナリー形式である場合は FALSE
%locale String クライアント・システムのロケール値を含むストリング。Java™ で Locale.getDefault() を使用して返される値です。例えば、「en_US」などのストリングが返されます。詳しくは、http://download.oracle.com/javase/6/docs/api/java/util/Locale.html#getDefault() を参照してください。
%mode 整数 ソース・オブジェクトの UNIX アクセス権モードを含む整数、または最も近い同等の値。
%modify_time Date ソース・オブジェクトの変更時刻
%name String ソース・オブジェクトの単純名。ファイル・システム内のファイルまたはディレクトリーの場合は、パス情報を含まないファイルまたはディレクトリーの名前です。
%owner String ソース・オブジェクトの所有者。%attribute('owner') の簡易形です。
%path String

ソース・オブジェクトの完全なパスを含むストリング。

移行されるファイルの場合は、使用される移行プラグインのタイプによって、このストリングの意味が異なります。プレーン・ソースから移行する場合は、最上位の移行ソース・ディレクトリーからの、そのソース・ディレクトリーの名前も含めた完全な相対パスです (したがって、パス名が空になるオブジェクトは存在しません)。

Rational Synergy オブジェクトの場合は、最上位オブジェクトの名前にそのオブジェクトからの相対パスを付加したものです。管理ワークエリア内のファイルの場合は、そのワークエリアでのファイルのパスが含まれます。

%release String ソース・オブジェクトのリリース。%attribute('release') の簡易形です。
%size Long オブジェクトのサイズ (バイト)
%status String ソース・オブジェクトの状況。%attribute('status') の簡易形です。
%system_property(expression) String

Java で System.getProperty(propertyName) を呼び出した場合と同等のストリングを返します。引数には、Java システム・プロパティーの有効な名前であるストリング値を指定する必要があります。

例えば、%system_property( 'user.language') は、ストリング「en_US」などを返します。

Java システム・プロパティーについて詳しくは、http://download.oracle.com/javase/6/docs/api/java/lang/System.html#getProperties() を参照してください。

%tr(expression1, expression2, expression3[, expression4]) String

POSIX の tr コマンドで expression2expression3 を使用して expression1 の値をパイピングした場合と同等のストリングを返します。tr コマンドについて詳しくは、http://en.wikipedia.org/wiki/Tr_%28Unix%29 を参照してください。

オプションの expression4 引数には、"c"、"d"、または "s" のいずれかの値を指定できます。これらの値はそれぞれ、オプション -c (補完)、-d (削除)、-s (隣接する同一文字の圧縮) を意味します。

例: %tr(%name, ’ab’, ’jk’)

この例の %tr は、文字「a」および「b」がそれぞれ文字「j」および「k」に変換された名前 を返します。

この関数を使用して、ファイル名に含まれる無効な文字や不要な文字をマップできます。以下の形式のルールを使用して、グローバル・マッピングを作成することもできます。

WHEN TRUE SET name to %tr(%name,"…","…")

%type String ソース・オブジェクトの Rational Synergy タイプ。%attribute('type') の簡易形です。
%undefined Boolean 式が未定義の場合は TRUE、式が定義されている場合は FALSE
%version String ソース・オブジェクトの Rational Synergy バージョン。%attribute('version') の簡易形です。

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