インストール済み環境のアップグレードの準備

このセクションでは、Rational® Synergy ソフトウェアをインストールする前に行う必要がある作業について説明します。

このタスクについて

  1. UNIX のインストール要件 の確認
  2. アップグレードの計画
  3. ライセンス情報の入手 (該当する場合)
  4. 旧インストール済み環境の保存
  5. すべてのデータベースのバックアップ
  6. 旧リリースのデータベースのパック
  7. 旧 Rational Synergy リリースのシャットダウン (一部の状況)
  8. オペレーティング・システムのアップグレード (必要に応じて)

アップグレードの計画

データベースで Rational Synergy リリース 7.2 を実行する前に、そのデータベースが 7.2 レベルにアップグレードされており、7.2 モデルが含まれている必要があります。

このタスクについて

UNIX サーバー・ソフトウェアがインストールされており、以下の手順で Informix データベース・サーバーが作成されている必要があります。また、すべての Windows ユーザーのマシンに 7.2 クライアントがインストールされている必要があります。7.2 サーバーでは古いクライアントを使用できません (この逆も同様です)。Windows クライアントのインストール手順については、インストール・ガイドを参照してください。

手順

  1. 新しいサーバーの場所とその構成を決定します。
  2. アップグレード時に新しいサーバーに移動するデータベースのリストを作成します。
  3. アップグレード実行中にデータベースが使用不可になることをユーザーに通知します。
  4. スケジュールについて合意を得ます。
  5. オプションで、データベースを Windows から UNIX に移動できます。このように移動するには、Windows でデータベースをパックし、UNIX でアンパックします。ただし、この後に必ず ccmdb upgrade -w を実行してください。このアップグレード・コマンドについて詳しくは、Rational Synergy アップグレード・プログラムの実行を参照してください。 UNIX から Windows にデータベースを移動するには、UNIX でデータベースをパックし、Windows でアンパックします ((UNIX データベースのアップグレードの前または後のいずれかに実行できます)。
  6. Rational Synergy インフォメーション・センターの次のセクションを読みます。
    • リリース 7.2README ファイル
    • インストール
    • 管理
  7. 新規サーバーへのアップグレードの概要を印刷し、作業を進めながら完了した項目にマークを付けます。

ライセンス情報の入手

Rational Synergy ソフトウェアをインストールして実行するには、有効な IBM Rational License Server が必要です。

手順

旧インストール済み環境の保存

アップグレード前のリリースに関係なく、旧インストール済み環境をバックアップしてください。旧インストール済み環境のバックアップは重要な安全保護手段であるため、省略しないでください。

手順

  1. 旧 UNIX インストール済み環境をバックアップします。
    1. Rational Synergy インストール・ディレクトリー ($CCM_HOME) 内のすべてのファイルを保存します。
    2. ccm_root ユーザーのホーム・ディレクトリー内のすべてのファイルを保存します。
    3. informix ユーザーのホーム・ディレクトリー内のすべてのファイルを保存します。この情報は、Oracle 実行ユーザーには適用されません。
    4. システム始動ファイルおよび構成ファイルをすべて保存します。以下のファイルまたはこれらに相当するファイルを保存します。
      • /etc/services
      • /etc/rc*.d
      • /etc.init.d
  2. 旧構成ファイルを保存します。

    Rational Change を使用しており、旧 ptcli 構成ファイルを変更している場合は、このファイルを保存します。ptcli ファイルは /usr/local/ccm71/etc/ptcli.cfg にあります。

すべてのデータベースのバックアップ

ユーザー ccm_root として ccmsrv status コマンドを使用してすべてのデータベースを表示します。次に、アップグレード前のリリースに関係なく、アップグレード前に各データベースをバックアップします。

このタスクについて

注: データベースのコピーを作成しておくことは重要な安全保護手段であり、同時にこのアップグレード・プロセスの重要な手順であるため、省略しないでください。データベースのバックアップについて詳しくは、UNIX 用データベースのバックアップを参照してください。

手順

  1. スケジュールされている定期的なバックアップ、ビルド、DCM 転送、およびその他のバックグラウンド・ジョブの実行中にアップグレードを実行できないことが予測される場合は、スケジュールされているこれらのアクティビティーを一時的に無効にします。
  2. アップグレードの完了後に、スケジュールされているアクティビティーを再び有効にします。

タスクの結果

標準的なデータベース・バックアップ手順を使用できます。ただし、データベース・コピーの必要性について詳しくは旧リリースのデータベースのパックを参照してください。モデル・データベースをカスタマイズしている場合は、すべての実動データベースと共にそのモデル・データベースをバックアップしてください。

旧リリースのデータベースのパック

旧リリースのデータベースを Rational Synergy 7.2 サーバーにコピーする必要があります。 ccmdb pack および ccmdb unpack を使用します。標準バックアップ手順で ccmsrv archive などの手法を使用する場合は、標準バックアップ手順の代わりまたはこの手順に加えて ccmdb pack を使用する必要があります。

手順

旧インストール済み環境のパスを設定してデータベースをパックします。
ccm_root$ CCM_HOME=/usr/local/ccm71; export CCM_HOME
ccm_root$ PATH=$CCM_HOME/bin:$PATH; export PATH
ccm_root$ ccmdb pack database_path -to packfile

Rational Synergy リリースのシャットダウン

通常、リリース 7.2 のインストール前に旧 Rational Synergy リリースをシャットダウンする必要はありません。 旧リリースをシャットダウンする必要があるのは、新しい別の Informix データベース・サーバーを作成する (非推奨) 代わりに、既存の Informix データベース・サーバーを削除して置換する必要がある場合に限ります。 この情報は、Oracle 実行ユーザーには適用されません。

このタスクについて

注: 旧インストール済み環境を削除する前に、アップグレードに関する考慮事項を参照してください。

手順

  1. アップグレードするサーバーに ccm_root としてログオンします。
  2. アクティブな各データベースで ccmdb shutdown コマンドを実行し、旧インストール・ディレクトリーで実行されているすべてのセッションをシャットダウンします。
    $ su - ccm_root
    ccm_root$ CCM_HOME=/usr/local/ccm71; export CCM_HOME
    ccm_root$ PATH=$CCM_HOME/bin:$PATH; export PATH
    ccm_root$ ccmdb shutdown database_path 
  3. このサーバーで実行中の Rational Synergy デーモンを停止します。旧リリースを実行しているサーバーがこのサーバーのみの場合はすべてのデーモンをシャットダウンします。
    ccm_root$ ccm_stop_daemons
    ccm_root$ exit

    同じ旧リリースで実行中のサーバーが他にもある場合は、このサーバーで実行中のオブジェクト・レジストラーと ESD プロセスのみをシャットダウンします。ccm monitor を使用して CM プロセスのリストを表示し、このサーバーで実行中のオブジェクト・レジストラーと ESD プロセスを強制終了します。

タスクの結果

注: 同じマシンで複数サーバーのオブジェクト・レジストラーと ESD プロセスが実行されていることがあります。アップグレードするサーバーのもののみをシャットダウンするように注意してください。

旧 Informix データベース・サーバーの削除

旧リリースをシャットダウンしており、旧 Informix データベース・サーバーが使用していたディスク・スペースを再利用したい場合は、最初に旧サーバーを削除する必要があります。このセクションの情報は、Oracle 実行ユーザーには適用されません。

このタスクについて

注: 適切なバックアップがあることを確認できるまで、旧 Informix データベース・サーバーを削除しないでください。

手順

  1. すべてのデータベースの適切なバックアップがあることを確認します。
  2. データベース・サーバー・マシンに ccm_root としてログオンします。
    $ su - ccm_root
  3. 旧インストール・ディレクトリーを指し示します。
    ccm_root$ CCM_HOME=/usr/local/ccm71; export CCM_HOME
    ccm_root$ PATH=$CCM_HOME/bin:$PATH; export PATH
  4. データベースのリストを表示します。
    ccm_root$ ccmsrv status [-s server_name]
  5. 各データベースを削除します。
    ccm_root$ ccmdb delete database_path
  6. データベース・サーバー・マシンにユーザー informix としてログオンします。
    $ su - informix
  7. 旧インストール・ディレクトリーを指し示します。
    informix$ CCM_HOME=/usr/local/ccm71; export CCM_HOME
    informix$ PATH=$CCM_HOME/bin:$PATH; export PATH
  8. 旧 Informix データベース・サーバーを削除します。
    informix$ ccmsrv delete -s servername
  9. ユーザー informix を終了します。
    informix$ exit

旧インストール済み環境の削除

旧リリースが不要になった場合は、そのインストール済み環境を削除できます。

このタスクについて

注: 旧リリースのディレクトリーを削除する場合は、別のマシンからの NFS マウントなどによって旧リリースのディレクトリーの一部を共有しているインストール済み環境が他にないことを必ず確認してください。例えば、異機種混合インストール済み環境では、ディレクトリー $CCM_HOME/etc が共有されることがよくあります。
注: アップグレードに関する考慮事項を参照して、旧インストール済み環境を保持する必要があるその他の理由を確認してください。

手順

次のコマンドを実行して旧インストール済み環境を削除します。
$ su -
root# rm -rf /usr/local/ccm71
root# exit

オペレーティング・システムのアップグレード

該当する場合はオペレーティング・システムをアップグレードします。

このタスクについて

Rational Synergy リリース 7.2 でサポートされているオペレーティング・システム・バージョンのリストについては、README ファイルを参照してください。

古いバージョンのオペレーティング・システムで稼働している旧インストール済み環境をシャットダウンした後、新しいバージョンのオペレーティング・システムを必要とする新しい Rational Synergy リリースをインストールする前に、アップグレードを実行します。

あるいは、新しいバージョンのオペレーティング・システムを使用して新しいマシンをセットアップし、このチェックリストに従ってそのシステムで Rational Synergy リリース 7.2 にアップグレードします。


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