DCM は受信側データベースにないプロジェクトを受信すると、ソース・データベース内と同じワークエリア・プロパティーを使用してプロジェクトを作成します。
これに対する例外は、ワークエリア・パスが複製されない点です。この例外が発生する可能性があるのは、ワークエリア・パスが存在しない場合か、ワークエリア・パスが受信側データベースで無効になっている場合です。さらに、受信側データベースが同じ LAN 上にある場合も例外が発生します。受信側データベースがソース・データベース内のプロジェクトで使用されたものと同じワークエリア・パスを使用しようとすると、エラーが発生します。そうではなく、受信側プロジェクトでワークエリアの保守が有効になっている場合は、ユーザーが使用したデフォルトのワークエリア・パス・テンプレートに基づいて、新しいデフォルトのワークエリア・パスが指定されます。
新しく受信したプロジェクト用のワークエリアを作成できない場合は、DCM によってそのプロジェクトに対するワークエリアの保守が自動的に無効になります。また、DCM は保守対象ワークエリアなしでプロジェクトを作成しようとします。DCM イベント・ログと、送信される任意の DCM 受信 E メールには、それが行われたことを示す警告が含まれます。
このような操作が行われる理由は、それにより DCM 受信を続行し、プロジェクトにメンバーを取り込むことが可能になるためです。この後、ユーザーは失敗した DCM 受信を再実行せずに、ワークエリアの問題を修正することができます。
デフォルトの動作では、以下のような望ましくない結果になることがあります。
- デフォルトのプロジェクト・パスが、空き領域のほとんどないファイル・システム上にある場合、新しく受信したプロジェクトがそのスペースを使用する可能性があります。この状況は特に、コピー・ベースのワークエリアについて言えます。
- プロジェクトが、それを受信したクライアントとは異なるクライアント用である場合があります。例えば、Windows アプリケーション用のプロジェクトを UNIX クライアント上で受信すると、そのプロジェクトには UNIX ファイル・システム上にあるデフォルトのワークエリアが設定されます。Windows クライアントのユーザーは、後でこのワークエリア・パスを Windows ファイル・システムのロケーションに変更しなければなりません。
- prep プロジェクトの場合、デフォルトのワークエリア・パスを、そのパスからビルドを行う必要のあるビルド・マネージャーが確認または変更できない場合があります。
必要に応じて、以下のことを選択できます。
- ワークエリア・パス・テンプレートを変更する。詳しくは、「Rational Synergy Default Settings」を参照してください。
- 受信したすべてのプロジェクトに対し、ワークエリアの保守を無効にする (この操作を行うには、ccm_admin ロールが必要です)。詳しくは、DCM 設定の変更を参照してください。ユーザーは後で適切なワークエリア・パスを定義し、ワークエリアの保守を有効にすることができます。