Rational Team Concert の概要

Rational Team Concert は、拡張可能なプラットフォーム上に構築された、チーム・コラボレーション・ツールです。 Rational Team Concert™ は、反復の計画、プロセス定義、変更管理、障害追跡、ソース管理、ビルドの自動化、およびレポート作成などの開発プロジェクト・タスクを統合するフィーチャーを提供します。

開発ライフサイクル全体にわたるコラボレーションおよび統合

Rational Team Concert により、作業に関連して情報を直接やり取りすることが簡単になります。機能拡張依頼が変更された場合、 チーム・メンバー全員に変更が自動的に通知されます。 その変更をチャット・セッションで参照し、 成果物にリンクできます。 また、利害関係者には、関心のあるタスク変更の状況についても、 常に自動的に通知されます。

いくつかのビューの機能により、 チームの情報を共有できます。 随時、チームの活動を追跡したり、より詳細に情報を提供したり、 どの情報を表示するかを構成したりできます。

ソフトウェア開発ライフサイクルは、 アジャイル計画、プロセス定義、ソース管理、障害追跡、ビルド管理、および報告を含め、 多くの面で統合されています。 これらの各側面が単一の環境に統合されています。 成果物間の関係を追跡および管理し、正常な開発プロセスを促進し、プロジェクト情報を表立つことなく自動的に収集できます。

プロセスの構成およびカスタマイズ

Rational Team Concert プロジェクトはプロセスに従います。プロセスとは、プロジェクトのワークフローを編成し制御するために使用する、役割、プラクティス、規則、アクセス権、およびガイドラインの集合のことです。 Rational Team Concert を使用すると、定義されたプロセスに従って、チームが簡単かつ効率的に作業できるようになります。 プロセスによってツールの動作が変更されるため、ユーザーによるプロセス準拠の信頼性が高まります。

プロセスを使用して、プロジェクト内で操作を実行するためのユーザー役割やそのアクセス権を定義します。 プロジェクトで最初に使用されるプロセスは、プロセス・テンプレートに定義されています。 プロジェクトおよびチーム全体の要求に合致するように、テンプレートを変更できます。 各コンポーネントはプロセスを意識したものなので、 前提条件および後続アクションとしての動作規則を追加できます。

プロセスは柔軟なカスタマイズが可能です。 チームのニーズに合わせて、極めて厳密なカスタマイズ、あるいは制約を緩和したカスタマイズができます。 リリースのさまざまなポイントでさまざまな規則が適用されるように、プロセスを構成できます。 例えば、リリースの後半でより厳密なプロセスを使用することで、回帰が発生するリスクを軽減することができます。 これを実行する 1 つの方法は、変更を提出する前にチーム・リーダーおよび同僚から承認を取得するようユーザーに要求することです。

変更管理

変更管理の主なフィーチャーはワークアイテムです。 ワークアイテムは、ストーリー、障害、計画項目、および通常のタスクを含めて、 タスクを追跡して調整します。 ワークアイテム、およびワークアイテムが追随するワークフロー・プロセスは、 プロジェクトに合うようにカスタマイズすることが可能です。 ワークアイテムを、IBM® Rational® ClearQuest® などの他の変更管理システムに統合することもできます。ワークアイテムを使用する場合の対話式ワークフロー・ダイアグラムについては、 ワークアイテム入門 (Getting started with work items) を参照してください。

計画

計画機能は、プロジェクト全体、プロジェクト内のチーム、および個々の開発者に対して、 リリースおよび反復の計画、追跡、およびワークロード・バランシングを支援するツールを提供します。 チーム全員が計画にアクセス可能で、 反復の間中、チームの位置や方向を反映するために計画を変更できます。 計画を使用する場合の対話式ワークフロー・ダイアグラムについては、 計画入門 (Getting started with planning) を参照してください。

ソフトウェア構成管理

組み込まれたソース管理システムは、コンポーネント・ベースであり、 Jazz™ プラットフォーム上に構築されます。このソース管理システムは、並行したアジャイル開発および地理的に分散したチームに対して強固なサポートを提供します。 それは、 障害追跡、ビルド、およびプロセス中心の自動化と緊密に統合されています。 IBM Rational ClearCase® などの他のソース管理システムとの統合も提供されています。 ソース管理の使用に関する対話式ワークフロー・ダイアグラムについては、Rational Team Concert ソース管理入門を参照してください。

ビルドの自動化

自動化機能は、開発チームおよびテスト・チームに、 ビルドの把握、制御、およびトレーサビリティーをもたらします。 チーム・メンバーは、 ビルドの進行状況の追跡、ビルドのアラートと結果の表示、およびビルドの要求ができます。 また、変更セットやワークアイテムといった他の成果物まで、ビルドをトレースすることができます。 ビルドを使用する場合の対話式ワークフロー・ダイアグラムについては、 ビルド入門 (Getting started with builds) を参照してください。

レポート作成

Jazz Team Reports コンポーネントにより、チームまたはプロジェクトのアクション、振る舞い、および進行状況を認識できます。 ソフトウェア開発プロセスに関するデータを視覚化することにより、ともすれば見過ごされるか曖昧なままになる可能性のある特定の傾向について、把握しやすくすることができます。 レポートは、この情報を一目で把握できるようにすることで、効果的な意思決定を可能にします。

Rational Team Concert には、レポート・テンプレートの広範囲にわたるライブラリーが含まれており、これらのライブラリーを使用して、プロジェクトの状況を示すレポートを生成できます。いくつかの例として、ビルド結果を示すレポート、ブロッキングしているワークアイテムを示すレポート、チーム・エリア別のワークアイテムを示すレポート、優先順位別のワークアイテムを示すレポート、およびプロジェクト・アクティビティーを示すレポートなどがあります。 テンプレートを変更したり作成することができます。 レポートを使用する場合の対話式ワークフロー・ダイアグラムについては、 Rational Reporting 入門を参照してください。

ダッシュボード

ダッシュボードは、プロジェクトの状況に関する情報を一目で確認できるようにする Web クライアント・コンポーネントです。 より完全な情報を取得するために情報を掘り下げるオプションもあります。 また、すべての Jazz コンポーネントが提供するデータの統合ポイントでもあります。

以下に示すように、ダッシュボードはさまざまな方法で使用できます。
  • プロジェクト・リーダーがプロジェクトの正常性および傾向を追跡できる。
  • チームがダッシュボードをデータ・ソースとして使用して状況を話し合える。
  • 開発者が、割り当てられたワークアイテムに関する情報を表示する個人用ダッシュボードを作成できる。

ダッシュボードを使用する場合の対話式ワークフロー・ダイアグラムについては、 ダッシュボード入門 (Getting started with dashboards) を参照してください。

Jazz テクノロジー・プラットフォームを採用

Rational Team Concert は、Jazz テクノロジー・プラットフォーム上に構築されています。Jazz は、 ソフトウェアのライフサイクルを通して作業を統合するスケーラブルで拡張可能なチーム・コラボレーション・プラットフォームです。このプラットフォームは、新規製品およびツールの開発を支援する有益なビルディング・ブロックおよびフレームワークも提供します。

Jazz テクノロジー・プラットフォームは、グローバルに分散した開発チームをサポートし、小規模なチームから大企業まで対応するスケーラブルなソリューションを提供し、チームによる監査証跡の維持と簿記の自動化を支援して、ソフトウェアの開発をより快適にします。

Jazz テクノロジー・プラットフォームは jazz.net で明快に開発されました。ユーザーはこのサイトで Jazz 機能を調べたり、参加登録したりすることができます。機能拡張依頼を開き、スケジュールを追跡できるほか、ディスカッション・フォーラムへの参加や Jazz 開発者および Rational Team Concert 開発者との対話ができたり、Rational Team Concert とその他の Jazz ベースの製品の実動デプロイメントを確認したりできます。Jazz および Rational Team Concert の開発チームは、彼らが jazz.net にポストした最新マイルストーン・ビルドに関するフォーラムを自ら主催してしています。


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