iOS テストの概要

Rational® Test Workbench Mobile Test Edition for iOS を使用して、ネイティブ iOS アプリケーション、Web アプリケーション、およびハイブリッド・アプリケーションをテストすることができます。iOS デバイスおよび iOS シミュレーターから、テスト・ワークベンチに接続し、テストの記録と実行、およびレポートの表示を行うことができます。 テスト・ワークベンチは、Windows コンピューター、Apple Macintosh コンピューター、または Linux コンピューターにインストールすることができます。

iOS のテスト要件

以下の表に、iOS のテストの要件をリストします。

表 1.
要件 説明
iOS アプリケーションのインスツルメンテーション

ネイティブまたはハイブリッドの iOS アプリケーションのテストを記録して再生するには、そのテスト対象アプリケーション (AUT) のインスツルメント・バージョンが必要です。このバージョンが使用不可の場合、AUT の Xcode ソース・プロジェクトを含む Macintosh コンピューターに AUT をインスツルメントする必要があります。詳細については、iOS アプリケーションのインスツルメントを参照してください。

AUT の Xcode ソース・プロジェクトがない場合は、AUT のインスツルメント・バージョンを開発者から入手して、Macintosh コンピューター、Windows コンピューター、または Linux コンピューターにインストールする必要があります。詳細については、インスツルメントされた iOS アプリケーションのインストールを参照してください。

チーム・メンバーのライセンス

すべてのチーム・メンバーは Apple Developer ID を所有し、同じ Apple Developer ライセンスまたは Apple Enterprise ライセンスを共有する必要があります。

iOS デバイスのライセンス

各 iOS デバイスは、Apple Developer ライセンスまたは Apple Enterprise ライセンスに登録されている必要があります。

各 iOS デバイスには、1 つ以上のプロビジョニング・プロファイルが必要です。このプロビジョニング・プロファイルには、Developer ID、Apple ライセンス、および登録済みの iOS デバイスに関する情報が含まれています。また、このプロファイルにより、テストで使用するデバイスが有効になります。

注: テスト・ワークベンチを Linux コンピューター上で実行する場合は、特別な考慮事項があります。詳しくは、テスト・ワークベンチが Linux 上で稼働しているときに、インスツルメントされた iOS アプリケーションをインストールするを参照してください。

iOS デバイスでテストする

iOS 用のブラウザー・ベース・クライアントを使用して、iOS デバイスで、ネイティブ、ハイブリッド、および Web アプリケーションをテストできます。このクライアントは、使用されるデバイス上の Safari または Chrome ブラウザーで実行される Web アプリケーションです。 ワークベンチ URL を以下のフォーマットでデバイスのブラウザーに入力するだけで、クライアントが実行されます。

フォーマット: http://Workbench_URL:port/mobile

例: http://9.11.22.333:7878/mobile

次の図は、iOS デバイス上のブラウザーでのモバイル・テスト・クライアントを示しています。

モバイル・クライアント

ブラウザー・ベース・クライアントに関するいくつかの重要な詳細は、次のとおりです。

iOS シミュレーターでテストする

iOS シミュレーターの Safari ブラウザーを使用したテストも行えますし、モバイル・テスト・クライアントを iOS シミュレーターにインストールするにあるインストールの指示を実行した後、シミュレーターでネイティブのモバイル・テスト・クライアントを使用することもできます。Chrome は、現在、iOS シミュレーターでは使用できません。

ポップアップ・ウィンドウを使用可能にする

iOS デバイスでモバイル・テスト・クライアントを使用する際は、必ずポップアップ・ウィンドウを使用可能にしてください。ワークベンチの IP アドレスについての、ポップアップ・ウィンドウを許可する必要があります。Safari は暗黙的にポップアップ・ウィンドウを無効化しますが、Google Chrome はポップアップ・ウィンドウの許可を求めるプロンプトを出します。 デバイス固有のすべてのオペレーション (インストール、記録、再生) について、Safari は、ポップアップの確認プロンプトを出します。Chrome の場合、メッセージはほとんど出ません。

パッシブ・モード

テストを実行する準備ができたら、デバイスからテストを開始することも、テスト・ワークベンチからテストを開始することもできます。いずれの場合も、デバイス上で自動的にテストが実行されます。モバイル・テスト・クライアント「パッシブ・モードの開始」をタップするだけで、テスト・ワークベンチに制御が渡ります。

パッシブ・モードの動作はブラウザーごとに異なります。Chrome のパッシブ・モードの動作は、予期されるとおりの動作です。 一方、Safari はより制限的で、パッシブ・モードの確認ダイアログ・ボックスがいくつか表示されます。

複数のデバイスを区別する

iPhone などの特定のデバイスをテスト・ワークベンチに接続する際、テスト・ワークベンチのモバイル・デバイス・エディターに接続が表示されます。

テスト・ワークベンチに接続する複数の iPhone を区別するため、「デバイスの説明」を変更できます。

  1. デバイスで、Safari または Chrome を開き、ワークベンチ URL を参照します。

    これによりモバイル・テスト・クライアントが開きます。

  2. 「バージョン情報」をタップします。
  3. 「デバイスの説明」フィールドに新しいラベルを入力します。
  4. 「登録」をクリックします。

以下の図のような結果になります。

表 2.
変更前 変更後

デフォルトの「デバイスの説明」

変更後の「デバイスの説明」

IBM® Rational Test Workbench Mobile Web Recorder

モバイル Web レコーダーは、テスト対象の Web アプリケーションのユーザー・アクションを記録して再生するために必要な iOS アプリケーションです。これは、記録および再生の処理中に自動的に起動されます。 モバイル Web レコーダーは、Apple App Store からダウンロードできます。 テストが終了したら、標準的な Apple の Activity Monitor を使用してモバイル Web レコーダーを停止できます。

テスト・ワークベンチによる iOS アプリケーションのテスト方法

モバイル・アプリケーションをテストするには、その前にまず、そのアプリケーションをインスツルメント する必要があります。 インスツルメント・アプリケーションには、テストを記録または再生できるコードで拡張されたテストの実行対象アプリケーションが含まれます。

ネイティブ iOS アプリケーションは、Xcode の完全な iOS プロジェクトです。アプリケーションをインスツルメントするためのビルドとコンパイルのプロセスは、すべて Macintosh コンピューター上の Xcode で実行されます。記録と再生の両方の用途で単一のアプリケーションが作成されます。

以下の図は、Macintosh コンピューター上でのネイティブ iOS アプリケーションのビルド・チェーンを示しています。

iOS ビルド・チェーン


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