Rational DOORS のスキーマ

Rational® DOORS® のスキーマは、Rational DOORS のモジュール構造とほぼ一致しています。

すべての Rational DOORS 公式モジュールで 有効な汎用の定義済みスキーマを 使用できます。この定義済みスキーマは、ビュー全体を操作している場合、または抽出されたユーザー定義属性が必要ない、ビューの定義済み属性を操作している場合に使用します。ユーザー定義属性が必要な場合は、Document Studio のスキーマ・ディスカバリー・ウィザードを使用して、Rational DOORS のスキーマを作成します。

定義済みスキーマの照会および属性

定義済みスキーマには、次の照会および属性が含まれています。
表 1. 照会および属性
照会 結果 属性
Module 単一のエンティティー。データ・ソースの構成で指定されたモジュール。
  • 名前: モジュール名
  • 説明: モジュールの説明
  • ベースライン: モジュールのバージョン
Module/Attribute モジュールのモジュール・レベルの属性リスト。
  • 名前: 属性名
  • _value: 属性値
Module/Discussion モジュールのディスカッションのリスト。 該当なし
Module/Discussion/Attribute ディスカッションの属性のリスト。
  • 名前: 属性名
  • _value: 属性値
Module/Discussion/Comment ディスカッションのコメントのリスト。
  • 状況
  • テキスト
  • 変更済み状況 (Changed Status)
  • 作成日
Module/View 単一の結果。文書仕様で Rational DOORS データ・ソースそれぞれに定義されているビュー。
  • 名前: ビューの名前
Module/View/Column 選択されているビューの列見出し名のリスト。
注: この照会は、ビュー・データ自体を取り込むことなく、列情報などビューの構造を取得する方法の 1 つです。列データに関する情報については、「Module/Object/Column」を参照してください。
  • 列テキスト: この属性をテンプレートで使用すると、「<データ属性が見つかりません>」というメッセージが出力に生成されます。
  • メイン: 列がメインの列かどうか
  • 名前: 列の名前
  • 属性: 列の属性は、その列が基づいている Rational DOORS 属性ではなく、Rational Publishing Engine の構成体です。属性には実行時に単一の列テキスト値が入力されます。列の基になっている属性または DXL に関する情報を属性から取得することはできません。
  • _value: 空
Module/Object 指定したバージョンのモジュールが含まれるすべてのオブジェクトのリスト。モジュールは選択したビューでフィルターおよびソートされます。 スキーマ・ディスカバリー・ウィザードでユーザーが昇格させた任意の属性。
  • オブジェクト ID
  • オブジェクト・テキスト
  • オブジェクト見出し
  • 絶対番号
  • オブジェクト・レベル
Module/Object/Attribute 照会が module/object のコンテキストである場合、オブジェクトの属性のリスト。それ以外の場合は、モジュール内の全オブジェクトのすべての属性のリストが含まれます。
  • 名前: 属性名
  • _value: 属性値
Module/Object/Column 現在のオブジェクトに対して選択されているビューからの列データ。
  • 列テキスト: 列からのデータ
  • メイン: 列がメインの列かどうか
  • 名前: 列の名前
  • 属性: 列の属性は、その列が基づいている Rational DOORS 属性ではなく、Rational Publishing Engine の構成体です。属性には実行時に単一の列テキスト値が入力されます。列の基になっている属性または DXL に関する情報を属性から取得することはできません。
  • _value: 空
Module/Object/Table オブジェクトがテーブル見出しの場合、単一の結果 (Rational DOORS テーブル)。現在のオブジェクトが Rational DOORS でない場合、結果は返されません。 該当なし
Module/Object/Table/Row テーブル行。 該当なし
Module/Object/Table/Row/object オブジェクトのコレクション。現在の行のセル。module/object 照会で使用可能な属性リストと同じです。
  • オブジェクト ID
  • オブジェクト・テキスト
  • オブジェクト見出し
  • 絶対番号
  • オブジェクト・レベル
Module/Object/External Link オブジェクトの外部リンクのコレクション。
  • URL: Rational DOORS で定義されている外部リンク・エンティティーおよびその他の属性の URL
Module/Object/Link オブジェクトの Rational DOORS リンクのリスト。 該当なし
Module/Object/Link/Attribute リンクの属性リスト。
  • 名前: 属性名
  • _value: 空
Module/Object/Link/Linked Object リンク・オブジェクトのリスト。 該当なし

イメージ

イメージは、属性の値を使用して Rational DOORS モジュールから抽出されます。イメージのみを照会することはできません。

抽出されたイメージのサイズを構成するには、image max width および image max height プロパティーを指定します。これらのプロパティーは、次の 2 カ所で指定できます。
  • 要素のフォーマット情報。これは、そのテンプレート要素に含まれるイメージのサイズを定義します。テキスト・テンプレート要素でのみ使用できます。
  • 文書仕様メタデータ。これは、すべてのテンプレートのイメージのサイズを定義します。これらのグローバル値よりも要素のフォーマット値が優先されます。

OLE オブジェクト

Rational DOORS データ・ソースから Object Linking and Embedding (OLE オブジェクト) などの埋め込みオブジェクトを抽出できます。HTML、PDF、および XSL-FO の形式では OLE オブジェクトがサポートされていないため、これらの出力では OLE オブジェクトは常にイメージとしてレンダリングされます。
Microsoft Word 出力の場合、 文書仕様のメタデータ・セクションで、OLEs as static images プロパティーを 設定する必要があります。
  • OLEs as static images プロパティーの設定が true の場合、OLE オブジェクトは出力文書に静的イメージとして組み込まれます。OLE オブジェクトが出力文書に静的イメージとして 組み込まれている場合、その文書は自己完結型です。
  • OLEs as static images プロパティーが false に設定されている場合、Microsoft Word 出力文書と同じ ロケーションに ref フォルダーが生成されます。OLE オブジェクトが 出力文書に静的イメージとして組み込まれていない場合、 別の ref フォルダーが必要であるため、その文書は 自己完結型ではありません。
ref フォルダーには、OLE オブジェクトの .rtf ファイルが格納されています。Microsoft Word 出力には、エクスポートされた各 OLE オブジェクトに対して 1 つずつ、 .rtf ファイルを指す組み込みフィールドフィールドがあります。IBM® Rational Publishing Engine では Microsoft Word のフィールドを更新できないため、 Microsoft Word 文書を開いたときにこれらの組み込みフィールドは非表示になっています。フィールドを表示するには、次のいずれかのアクションを実行します。
表 2. アクション
アクション 結果
文書コンテンツ全体を選択して、 Microsoft Word の「フィールドの更新」機能を使用する。 文書に OLE オブジェクトが表示されます。文書は自己完結型ではなくなります。
Rational Publishing Engine によって提供される updateFields マクロを使用する。 文書に OLE オブジェクトが表示されます。文書は自己完結型ではなくなります。
Rational Publishing Engine によって提供される insertOLEs マクロを使用する。 文書に OLE オブジェクトが表示されます。文書は自己完結型になります。
Rational Publishing Engine によって提供される rpe または insertOLEs マクロを使用する。 文書に OLE オブジェクトが表示されます。文書は自己完結型になります。
注: 自己完結型ではない文書を別のコンピューターに移動した場合、OLE オブジェクトは編集できなくなります。この問題を避けるには、rpe または insertOLEs マクロを使用します。

テーブル

Rational DOORS のテーブルは自動的には抽出されないため、明示的に照会する必要があります。このように手動で照会する方法を使用することで、テーブルのフォーマットを細かく制御できます。テーブルの作成対象は、テーブルを開始した Rational DOORS オブジェクトに限定されます。

テーブルを抽出する照会の例

Container DOORS 1 $1 Module/Object
Paragraph
Text
Module/Object/Object/Text
Table DOORS 1 $2 Module/Object/Table
Row DOORS 1 $3 Module/Object/Table/Row
Cell DOORS 1 $4 Module/Object/Table/Row/Object
Text
Module/Object/Table/Row/Object/Object Text

注: Rational DOORS スキーマには、テーブル・セル専用の型はありません。セルのコンテンツを取得するには、Module/Object/Table/Row/Object 照会を使用します。テーブル・セルであるオブジェクトには、オブジェクト見出しオブジェクト・テキストを結合したオブジェクト・テキスト属性があります。

外部リンク

Rational DOORS のリンクに関連する情報は、Module/Object/External Link 照会で取得します。この情報は、外部エンティティーの URL、および外部リンクに対して定義されている一連のその他の属性で構成されます。

内部リンク

Rational DOORS の内部リンクに関連する情報は、照会を使用して取得します。内部リンクは、関連する情報間のリンクを作成します。例えば、設計機能へのユーザー要求からリンクを作成したとします。この場合、オブジェクト・リンクまたはリンク・オブジェクトに対して照会を実行できます。

再帰的取得

Rational DOORS のリンクに再帰的に従うには、「プロパティー」ビューで Recursive Level プロパティーをゼロ以外の値に設定します。これにより、初期オブジェクトおよびそのすべてのリンク・オブジェクトから、指定した再帰レベルまで、リンクに従います。

注: リンクに従うプロセスには時間がかかります。通常、各オブジェクトには多くのリンクが含まれているため、レベルが 1 つ増えると、処理するオブジェクトの数は急激に増加します。時間を短縮するには、ネイティブ・フィルターを使用して、従わないリンクの数を減らしてください。

ネイティブ・フィルター

リンク照会にネイティブ・フィルターを定義できます。これらのフィルターを使用すると処理対象のリンクの数が減るため、文書の生成時間も短縮されます。

向きによるフィルター

すべてのイン・リンクまたはアウト・リンクをフィルター処理するための構文は次のとおりです。

Link direction in|out

リンク・モジュールによるフィルター

リンク・モジュールを使用してすべてのリンクをフィルター処理するための構文は、Link module link_module_path_and_name です。

このフィルターには大/小文字の区別があります。

次の例は、Link Module 1 からのリンクをすべてフィルター処理します。

Link module /Demo/Car/Link Module 1

ターゲット・モジュールによるフィルター

指定したモジュールへのリンクまたは指定したモジュールからのリンクをすべてフィルター処理するための構文は、Link analyze module target_module_path_and_name です。

次の例は、analyze モジュールと system requirement モジュール間のリンクをすべてフィルター処理します: Link analyze module /Demo/Car/System Requirements

ネイティブ・リンク・フィルターの結合

「ネイティブ・フィルター」タブで複数のフィルターを結合できます。1 行に 1 つのフィルターを入力します。
例えば、「ネイティブ・フィルター」タブで、次のようなフィルターを入力します。

Link direction out.
Link analyze module /Demo/Car/System Requirements.

抽出できない項目

Rational Publishing EngineRational DOORS データ・ソースは、モジュール、ベースライン、ビューで定義されます。モジュールのベースライン・リストまたはビューのリストを照会することはできません。Rational DOORS データ・ソースは、モジュール、ベースライン、ビューで定義されます。複数のモジュール、ベースライン、またはビューからデータを抽出するには、次のいずれかの方法を使用します。

フィードバック