ユーザーが非常に大きい結果セットを戻すクエリーを実行すると、システム パフォーマンスと可用性の問題が発生する可能性があります。 これらの問題に対処するため、Rational® ClearQuest® では、クエリーによって戻される行の数についてのハード制限とソフト制限を設定できます。 ハード制限 とは、ユーザー セッションの結果セットに取り込むことができる行の最大数です。 ソフト制限 とは、ClearQuest クライアントでオーバーライドできる、ユーザー セッションに関して設定されたクエリー制限です。ソフト制限は、ハード制限を超えることはできません。
取り込む行の数を制限することで、データベース サーバー上の負荷が軽減し、ClearQuest コアでのメモリの消費が減り、より速くデータを検索することができます。 このクエリー制限を設定する最大のメリットは、ClearQuest コアがある CM サーバーに適用した際に、ClearQuest Web 環境で実現されます。 この環境では、パフォーマンスと可用性は重要です。
ClearQuest データベース セットのマスター プロパティとして、ハード制限およびソフト制限を取得するには、コマンド installutil getmasterproperty を使用することができ、設定する場合は、コマンド installutil setmasterproperty を使用することができます。ClearQuest コアを実行しているローカル環境の場合、これらの制限は動作フラグとして設定することもできます。 実行時には、API の GetQueryLimit を使用して、ハード クエリー制限およびソフト クエリー制限を取得できます。
ハードおよびソフト制限をマスター プロパティとして設定すると、データベース セットのすべてのクライアントが影響を受けます。 これに対し、クエリー制限を動作フラグとして設定した場合に影響を受けるのは、ローカル環境のみです。
ClearQuest Web で動作フラグを使用するメリットは、ClearQuest コアがある CM サーバーでフラグを定義できることです。この場合、フラグによって影響を受けるのは ClearQuest Web クライアントのみです。 したがって、同じユーザーが、ローカルの ClearQuest クライアント (Rational ClearQuest Client、および Rational ClearQuest Client for Windows) を使用する場合には、これらのクエリー制限を受けずに操作することができます。
管理上の目的で、クエリー制限を ClearQuest データベース セットのマスター プロパティとして定義すると、制限により製品の機能の実行が妨げられるため、一部の ClearQuest 統合には不適切な場合があります。 また、クエリー制限をマスター プロパティとして定義すると、非常に大きな結果セットの表示およびレポート作成を行うユーザーにとっても不適切な場合があります。 このようなユーザーの場合、ローカルで定義した動作フラグを使用すると便利です。クエリー制限をローカルで定義すれば、ユーザーはデータベース セットのマスター プロパティ制限をオーバーライドすることができます。