ClearQuest Web サーバーのパフォーマンスを最適化するための WebSphere Application Server 設定のチューニング

ClearQuest® Web サーバーのアプリケーション サーバー プロファイルの WebSphere® Application Server 設定を確認する必要があります。ClearQuest を新しいプロファイルにインストールした場合、インストール中に作成されたプロファイルの設定は、最良のパフォーマンスを得られるように最適化されています。既存のプロファイルにインストールした場合、またはサーバーのパフォーマンスに問題がある場合は、パラメータ値に調整が必要になることがあります。

始める前に

WebSphere Application Server アプリケーション・サーバー プロファイルの設定方法については、以下のリソースを参照してください。
  • WebSphere Application Server インフォメーション センター V8.0V8.5 の「パフォーマンスの調整」を参照してください。
  • IBM® DeveloperWorks では、「WebSphere Application Server tuning」を検索して、パフォーマンス改善のための WebSphere Application Server のプロファイル設定の調整に関する記事を確認してください。

Rational Web コンポーネントを V8.0.1 にアップグレードする場合、WebSphere Application Server V8.5.x 上にそのコンポーネントをデプロイするオプションがあります。アップグレードされた Rational Web コンポーネントをデプロイするには、その前に既存の WebSphere Application Server を新規バージョンか、あるいは別の V8.5.x インスタンスにアップグレードします。

ClearCase および ClearQuest V8.0.1 Web コンポーネントは、WebSphere Application Server バージョン 8.0.0.x および 8.5.x でデプロイメントをサポートします。インストールされている Rational 製品のバージョンおよびデプロイメントに使用する WebSphere Application Server のバージョンによっては、ClearCase CCRC WAN server または ClearQuest Web サーバー V8.0.1 へのアップグレードに、WebSphere Application Server および IBM HTTP Server の新規インスタンスをインストールするか、既存のバージョンのアップグレードが必要となることがあります。

ClearCase CCRC WAN サーバーおよび ClearQuest Web サーバー V8.0.1 をサポートする WebSphere Application Server V8.5.x をインストールまたはアップグレードするには、以下の操作を実行します。
  • 次のいずれかの場合に、WebSphere Application Server 8.5.x の新規インスタンスをインストールします。
    • ClearCase または ClearQuest V7.1.1.x、V7.1.2.x から V8.0.1 にアップグレードする場合
    • WebSphere Application Server V7.0.x にデプロイした ClearCase または ClearQuest V8.0 あるいは V8.0.0.1 インストール システムからアップグレードする場合
  • WebSphere Application Server V8.0.0.x にデプロイした V8.0.0.x インストール システムから ClearCase または ClearQuest V8.0.1 にアップグレードする場合は、既存の WebSphere Application Server をバージョン 8.5.x にアップグレードしたり、WebSphere Application Server V8.0.0.x を引き続き使用するオプションもあります。
注: IBM Support 記事には、以下のインストールおよびアップグレードのタスクについて詳しく掲載されています。
  • サポートされるインストール、アップグレード、およびロールバック シナリオのマトリックス
  • WebSphere Application Server および IBM HTTP Server コンポーネントの既存インストール システムのアップグレードに関する情報
  • ClearCase および ClearQuest Web コンポーネントをアップグレード、およびそれらを WebSphere Application Server にデプロイまたは再デプロイする手順

このタスクについて

表 1に、Rational® ClearQuest Web サーバーがデプロイされた WebSphere Application Server プロファイルの推奨設定がリストされています。これらの値は、ClearQuest Web サーバーが ClearQuest のインストール プロセス中またはアップグレード プロセス中に作成された新規プロファイルにデプロイされるときに、デフォルトで適用されます。

最高のパフォーマンスを得るには、JVM ヒープ サイズ パラメータおよび スレッド プール パラメータが ClearQuest Web サーバー プロファイルの推奨設定になっていることを確認します。
表 1. ClearQuest Web サーバー用のデフォルトの推奨 WebSphere Application Server 設定
WAS 設定 パラメータ名 最適化値 説明
JVM ヒープ サイズ setJvmMaxHeapSize 1536 MB Java™ VM メモリ消費量を制御します。この値の設定が低すぎると、メモリ不足エラーが頻繁に発生することがあります。
スレッド プール setMaxSizesOfThreadPools 200 デフォルトのスレッド プールに維持するスレッドの最大数を指定します。この値を変更すると、サーバーの始動と処理時間に影響することがあります。
Performance Monitoring Infrastructure (PMI) disablePMI または enablePMI disablePMI PMI データ収集プロセスを無効にします。このプロセスでは、問題の診断とアプリケーション パフォーマンスのチューニングに関する情報が収集されます。データ収集を無効にすると、サーバーのパフォーマンスが向上します。 必要なときは、トラブルシューティングのために PMI を有効にすることができます。
JVM ログ ファイル サイズ setSystemOutErr 20 MB JVM の SystemOut.log およびSystemErr.log のファイル サイズを設定します。 これらのログのデフォルトのロケーションは、次のとおりです。
Windows
C:¥Program Files¥IBM¥RationalSDLC¥ClearQuest¥cqweb¥cqwebprofile¥logs¥server1
Linux および UNIX
/opt/IBM/RationalSDLC/ClearQuest/cqweb/cqwebprofile
トレース ログ setTraceLog 20 MB  
HTTP インバウンド チャネルの書き込みタイムアウト設定 setDefaultInboundHttpChannelWriteTimeouts 300 秒 HTTP トランスポート チャネルが、応答データの各部分が送信されるのをソケット上で待つ時間を秒単位で指定します。この値の設定が低すぎる場合、接続が除去されたり、ダウンロードに障害が起きたりする可能性があります。その場合、サーバーのログ ファイルに IOErrorAsyncTimeoutException などのエラーが示されることがあります。
注:
ClearQuest Web を「cqwebprofile」と呼ばれる新規 WebSphere プロファイルにデプロイするために Installation Manager を選択する場合、Installation Manager はデフォルト値を最適な設定値に事前設定します。既存の WebSphere プロファイルに ClearQuest Web をデプロイするために選択する場合は、この最適設定値を設定することはできません。ユーザーが最適設定値を設定する必要があります。

wsadmin ツールを使用した WebSphere Application Server アプリケーション サーバー プロファイル設定の変更

teamAdminUtils.jacl ツールを使用して、ClearQuest Web Server プロファイルの WebSphere Application Server プロファイル設定を変更します。

このタスクについて

teamAdminUtils.jacl ツールを使用して、ClearQuest Web プロファイルにデフォルトの推奨設定値を設定することができます。 このコマンドを使用すると特定の値に変更することもできます。例えば、デフォルト値を設定するには setCMRecommendedDefaults を使用します。 単に JVM ヒープ サイズを変更する場合は、setJvmMaxHeapSize を使用します。

wsadmin ツールについて詳しくは、WebSphere Application Server インフォメーション センター V8.5V8.0 を参照してください。

手順

ClearQuest Web サーバー アプリケーション プロファイルの WebSphere Application Server 設定を推奨値に設定

  1. WebSphere Application Server 管理コンソールを開始するか、コマンド ウィンドウまたはシェルを開き、WebSphere Application Server bin ディレクトリに移動します。
    • Windows:
      cd C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥bin¥
    • UNIX または Linux:
      cd /opt/IBM/WebSphere/bin/
  2. setCMRecommendedDefaults コマンドを実行して、ClearQuest Web サーバーをホストするプロファイルに、デフォルト値を適用します。
    • Windows:
      wsadmin.bat -profile -profileName cqwebprofile "C:¥Program Files¥IBM¥RationalSDLC¥ClearQuest¥cqweb¥scripts¥teamAdminUtils.jacl" -c "setCMRecommendedDefaults"
    • UNIX または Linux:
      ./wsadmin.sh -profile -profileName cqwebprofile "/opt/ibm/RationalSDLC/clearquest/cqweb/scripts/teamAdminUtils.jacl" -c "setCMRecommendedDefaults"
  3. WebSphere Application Server プロファイルを再起動して、変更を有効にします。
    • Windows:
      stopServer.bat server1 -profileName cqwebprofile
      startServer.bat server1 -profileName cqwebprofile
    • UNIX または Linux:
      ./stopServer.sh server1 -profileName cqwebprofile
      ./startServer.sh server1 -profileName cqwebprofile
    注: ご使用の WebSphere Application Server が 32 ビット版の場合、指定可能な最大 JVM ヒープ サイズは 1536 MB です。この値を超えると、ClearQuest Web プロファイルを始動できません。64 ビット版では、この値を 2 GB 以上に増やすことができます。これにより、Java GC オーバーヘッドが原因でローパフォーマンスとなることがあります。
    注: この手順の例では、ClearQuest Web サーバーがデフォルト プロファイル cqwebprofile にデプロイされているものとします。 別のプロファイル名に ClearQuest Web サーバーをデプロイする場合は、cqwebprofile の代わりにそのプロファイル名を使用してください。この例では、WebSphere および ClearQuest がデフォルト ディレクトリにインストールされていることを前提としています。
  4. Rational ClearQuest Web サーバー V8.0 または V8.0.0.x のインストール中、またはこのバージョンへのアップグレード中は、IBM Installation Manager は WebSphere Application Server プロファイルに JVM ヒープ サイズ値を設定しません。 デフォルトでは、新規 WebSphere Application Server プロファイルが作成されるときに JVM 値が 256 MB に設定されます。この値は、ClearQuest Web サーバー V8.0 および V8.0.0.x には小さすぎるので、1 GB に増やす必要があります。値を増やすには、以下の操作を実行します。
    1. Windows のコマンド プロンプト ウィンドウ、または UNIX あるいは Linux コマンド シェルで、ClearQuest スクリプト ディレクトリにナビゲートします。次に例を示します。
      • Windows:
        cd C:¥Program Files¥IBM¥RationalSDLC¥ClearQuest¥cqweb¥scripts¥
      • UNIX または Linux:
        /opt/ibm/RationalSDLC/clearquest/cqweb/scripts/
    2. 以下の WebSphere コマンドを実行して、ClearQuest Web サーバーをデプロイした WebSphere Application Server プロファイルの JVM ヒープ サイズを 1024 に設定します。以下に例を示します。
      • Windows:
        C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥bin¥wsadmin.bat -profile -profileName cqwebprofile teamAdminUtils.jacl -c "setJvmMaxHeapSize 1024"
      • UNIX または Linux:
        /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin/wsadmin.sh -profile -profileName cqwebprofile "/opt/ibm/RationalSDLC/clearquest/cqweb/scripts/teamAdminUtils.jacl" -c "setJvmMaxHeapSize 1024"
    3. WebSphere Application Server プロファイルを再起動して、変更を有効にします。例を次に示します。
      • Windows:
        C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥bin¥stopServer.bat server1 -profileName cqwebprofile
        C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥bin¥startServer.bat server1 -profileName cqwebprofile
      • UNIX または Linux:
        /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin/stopServer.sh server1 -profileName cqwebprofile
        /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin/startServer.sh server1 -profileName cqwebprofile

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