概説

ALM スキーマは、セキュリティ、ガバナンス、追跡可能性、およびワークフローの管理を提供します。

ALM スキーマは、相互に関係するいくつかの基本レコード タイプを使用して、完全な追跡可能性とトラッキングが保証されたプロセスで、変更の要求を評価、割り当て、トラッキング、作業、解決します。

基本レコード タイプは、ALMRequest、ALMTask、および ALMActivity です。 ALMRequest レコードは、いくつかのタイプの変更の要求を表します。ALMTask は、要求に取り組み、タスクを完了するための作業単位であるアクティビティの管理に使用されます。

マネージャやチーム リーダーは ALMTask を使用して、実行する作業と、すべてのアクティビティに割り当てられるリソースの管理を行うことができます。

それぞれの ALM 作業レコード タイプには、作業のタイプ (障害、機能拡張、およびリリース要件など) の説明に使用できる [タイプ (Type)] フィールドがあります。ALM パッケージには、ソフトウェア開発のベスト プラクティスに共通する「タイプ」の値が提供されていますが、それらに制限されることなく独自のタイプを作成することができます。

レコード タイプ間の関係が、複数の役割での変更を管理するプロセスの促進に役立ちます。例えば、要求レコードの CreateTask アクションが実行されると、1 つ以上のタスクが作成されます。 この要求のタスクが既に作成されている場合、その要求タイプと同じまたは別のタスク タイプで、1 つ以上のタスクを同じまたは別のセットで作成することを指定できます。タスク レコードの CreateActivity アクションが実行されると、1 つ以上の異なるタイプのアクティビティが作成されます。そのタスクのアクティビティが既に存在する場合は、別のセットのアクティビティを作成することができます。作業プロセスの柔軟性のあるカスタマイズを、オプションで使用することができます。

それぞれの作業タイプは、それらに関連付けられた特定のユーザー役割を持つことができます (例えば、テスト アクティビティにテストの役割を割り当てます)。それぞれの役割には、そのタイプの作業を実行することを許可されたチーム メンバーがリストされます。

ALM 作業プロセスは要求から開始されます。
  1. ユーザーが要求を登録します。変更依頼は拡張依頼、リリース依頼、または障害と表されます。
  2. 選別チームまたは変更制御マネージャが要求を検討して、それを受け入れるか却下します。受け入れる場合はタスクを作成します。これがその要求をインプリメントするために実行する作業の概要になります。要求レコードには、タスク レコードへのリンクが含まれ、タスクはプロジェクトに割り当てられます。
  3. 開発者のリーダーまたは他のチーム リーダーは、そのタスクを検討してからアクティブ化します。タスクのアクティブ化によって、タスクを完了するためのアクティビティが作成されます。チーム リーダーは、これらのアクティビティをチームのメンバーに割り当てます。アクティビティの例として、開発アクティビティ、テスト アクティビティ、文書化 (Doc) アクティビティがあります。 タスク レコードには、アクティビティ レコードへのリンクが含まれ、アクティビティ レコードはタスクにリンクされます。
  4. 開発者、テスト、および文書化のリーダーは、これらのアクティビティをチーム メンバーに割り当てます。メンバーはアクティビティ レコードを更新して、作業の状態を反映させます。作業が完了したときに、変更をデリバーして、アクティビティに「完了」のマークを付けます。
  5. リリース エンジニアは、デリバーされた変更を統合してビルドし、ベースラインを作成します。
  6. テスト担当者は、ベースライン内の変更をテストします。テストのアクティビティが処理されて完了した後、テスト リーダーは、テスト タスクに「完了」のマークを付けます。
  7. 要求を登録したユーザーは、タスクとそのアクティビティを確認し、要求が満たされていたら、「完了」のマークを付けます。
このプロセスによって、元のユーザー要求から、その要求を満たすために必要なすべてのアクティビティまでの追跡可能性が提供されます。
ALM スキーマの役割には、以下のような一般的種類があります。

ユーザーは、所定の時間、複数の役割を果たすことができますが、ALM スキーマでは、さらにはっきりと定義された役割間の遷移ができます。例えば、開発者であるユーザーが要求を登録し、同じユーザーが関連するアクティビティを自分自身に割り当て、それを解決することができます。この例では、同じユーザーが、登録者、開発者のリーダー、開発者、テスト担当者になります。


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