機能レベルの決定

IBM Rational® ClearQuest® バージョン 7.1.x では、機能レベル 5、6、または 7 のスキーマ リポジトリとユーザー データベースの作成を選択できます。また、既存のスキーマ リポジトリとユーザー データベースを機能レベル 5 から 6 に、または 6 から 7 に上げることもできます。

機能レベルとメタスキーマ バージョンによって、Rational ClearQuest スキーマ リポジトリとユーザー データベースに格納されるデータの構造が定義されます。通常、新しい機能レベルとメタスキーマ バージョンによって、新しい機能をサポートするために、表には新しい列が、データベースには新しい表が追加されます。異なる機能レベルで使用可能な機能については、「機能レベルの機能」を参照してください。

機能レベルは、特定のメタスキーマ バージョンと関連付けられます。以下の表には、Rational ClearQuest のすべてのリリースに関して、サポートされている機能レベルとメタスキーマ バージョンがリストされています。
表 1. サポートされている機能レベルとメタスキーマ バージョン
バージョン メタスキーマ バージョン 機能レベル
2003/7.0.0.0 22 5
7.0.1.0 22 5 および 6
7.1.x 22 5、6 および 7

機能レベル 7 以下のユーザー データベースにアクセスできるのは、バージョン 7.1.x にアップグレードしたクライアントだけです。7.0.1 のクライアントがアクセスできるのは、機能レベル 6 以下のユーザー データベースだけであり、 7.0.0 および 2003.06.xx 以下のクライアントがアクセスできるのは、機能レベル 5 のユーザー データベースだけです。 これらの製品バージョンと機能レベルの互換性の要件は、Designer およびメンテナンス ツールなど、他の Rational ClearQuest コンポーネントにも当てはまります。 段階的にアップグレードするか、一度にすべてをアップグレードするかを決定する際には、こうした要因について十分に留意する必要があります。

ご使用のユーザー データベースを特定の機能レベルにアップグレードする場合、そのユーザー データベースにアクセスするすべてのクライアントが対応するスキーマ リポジトリの製品バージョンにアップグレードしなければなりません。例えば、スキーマ リポジトリが機能レベル 7 で、ユーザー データベースが機能レベル 6 の場合、ユーザー データベースにアクセスするには、クライアントがバージョン 7.1.x になっていなければなりません。

機能レベルを上げることを単純化する 1 つの要因として、ユーザー データベースのアップグレードはインプレース アップグレードで実行できることがあります。つまり、メンテナンス ツールを使用してユーザー データベースの機能レベルをアップグレードできます。この際に、新規データベースを作成してそれにデータをコピーする必要はありません。

Rational ClearQuest データベースは、バージョン 7.1.x をインストールする前に、機能レベル 5 およびメタスキーマ 22 以上になっていなければなりません。データベースがバージョン 2001A.04.20 以降で作成された場合、それらのデータベースはレベル 5 です。
注: IBM Rational ProjectConsole の場合、バージョン 7.1.x のクライアントは、機能レベル 3 のデータベースを機能レベル 5、6、または 7 にアップグレードできますが、このクライアントは機能レベル 3 のデータベースにアクセスすることはできません。

また、データベースの機能レベルを上げる前に、データベース接続がご使用のバージョンの Rational ClearQuest とすべて互換性があることを確認してください。詳しくは、データベースのプロパティと接続情報の設定を参照してください。

すべてを一度にアップグレードする

環境全体を一度にアップグレードする場合、機能レベルをアップグレードするタイミングについては、一度での環境のアップグレードを参照してください。

段階的にアップグレードする

環境を段階的にアップグレードする場合、機能レベルをアップグレードするタイミングについて幾つかの考慮事項があります。 こうした条件は、機能レベル 5、6、または 7 にアップグレードする場合であっても当てはまります。
  • すべてのクライアントは、ユーザー データベースとスキーマ リポジトリをその機能レベルにアップグレードする前に、その機能レベルが対応する製品バージョンにアップグレードする必要があります。そうしないと、クライアントはユーザー データベースにアクセスできません。
  • サーバーとデータベースはすべて、アップグレード前に、機能レベルの対応するリリースがサポートしているバージョンになっていなければなりません。詳しくは、製造元データベースとプラットフォームのサポートを参照してください。
  • ユーザー データベースとスキーマ リポジトリは同じレベルである必要はありません。 既存のスキーマ リポジトリを機能レベル 6 にアップグレードし、関連するユーザー データベースを機能レベル 5 のままにしておくことができます。あるいは、既存のスキーマ リポジトリを機能レベル 7 にアップグレードし、関連するユーザー データベースを機能レベル 5 または 6 のままにしておくことができます。これにより、ユーザー データベースと Rational ClearQuest クライアントを時間をかけて段階的に、より高い機能レベルにアップグレードできるようになります。 ただし、すべてのクライアントは、ユーザー データベースの機能レベルに対応する、同一の製品バージョンにアップグレードする必要があります。
  • 段階的なアップグレードがサポートしているのは、ご使用の MultiSite 環境の単一方向複製だけです。単一方向複製 (つまり、一部のサイトが他のサイトから更新を受信できない) を許容できる場合は、MultiSite 同期サーバーと Shipping Server を段階的にアップグレードできます。単一方向複製とは、下位の機能レベルのユーザー データベースから送信されたパケットは上位の機能レベルのユーザー データベースで受信できるが、上位の機能レベルのユーザー データベースから送信されたパケットは下位の機能レベルのユーザー データベースで受信できないことを意味します。ユーザー データベースは関連するスキーマ リポジトリと同じ機能レベルである必要はありません。 まず、スキーマ リポジトリの機能レベルを上げてから、関連するユーザー データベースの機能レベルを後で上げることができます。単一方向複製をサポートするには、スキーマ リポジトリは互換性のある機能レベルにあることが必要です。例えば、機能レベル 5 のユーザー データベースが機能レベル 7 のスキーマ リポジトリを持っていると、このユーザー データベースから送信されるパケットは、機能レベル 6 のスキーマ リポジトリを持つ機能レベル 6 のユーザー データベースでは受け入れません。
    以下の表には、サイトが作成と受け入れ可能なパケット バージョンが示されています。Rational ClearQuest バージョン 7.1.x は、パケット バージョン 6 から 11 をサポートしています。
    表 2.
    スキーマ リポジトリの機能レベル ユーザー データベースの機能レベル 作成されるパケット バージョン 受け入れられるパケット バージョン
    7 7 11 6, 7, 8, 9, 10, 11
    7 6 10 6, 7, 8, 9, 10
    7 5 9 6, 7, 8, 9
    6 6 8 6, 7, 8
    6 5 7 6, 7
    5 5 6 6

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