シナリオ: データのマイグレーション

プロジェクトを追跡するための新規アプリケーションを開発しています。 HR データベースには、プロジェクトに関する情報が入ります。 アプリケーションを徹底的にテストできるように、テスト環境の HR データベースに実稼働環境のデータを設定することが必要だとします。

具体的には、実動 HR データベース (PRODHR) にある PROJECTS 表からテスト HR データベース (TESTHR) にある PROJECTS 表に、データをマイグレーションしようとしています。

Optim Database Administrator を使用することにより、以下の作業を実行できます。

  1. データをテスト・データベースにマイグレーションするための変更を管理する変更管理スクリプトを作成する。
  2. データのマイグレーション元となる接続として実動データベースを指定する。
  3. 実動データベースのデータをデータ・ファイルに保存するために必要なアンロード・コマンドと再ロード・コマンドを作成した後、そのファイルからテスト・データベースにデータをロードする。
  4. 実際に変更を配置してデータをテスト・データベースにマイグレーションする。

以下のステップは、1 つのデータベースから別のデータベースにデータをマイグレーションする方法を示します。

  1. データ・ソース・エクスプローラーで、実動 HR データベース (PRODHR) との接続、およびテスト HR データベース (TESTHR) との接続のそれぞれがまだ存在しない場合、それらを作成します。
  2. データ・ソース・エクスプローラーで TESTHR データベースの「変更管理」フォルダーを右クリックし、「新規データベース変更」をクリックします。 (TESTHR はデータのマイグレーション先となるデータベース)。 「新しい変更管理スクリプト」ウィザードが開始します。
  3. 「新しい変更管理スクリプト」ウィザードで、 含めるスキーマとして HR を選択して「終了」をクリックします。

    データ・ソース・エクスプローラーにおいて、TESTHR データベースの「変更管理」フォルダーに、TESTHR.changexml という変更管理スクリプトが自動的に作成されます。 さらに、TESTHR がまだ存在していない場合、データ・プロジェクト・エクスプローラーでそれが自動的に作成されます。 そのデータ設計プロジェクトは変更管理スクリプトも含み、それは実際のデータベースに変更を実装するために必要なリソースを管理します。

  4. TESTHR の「変更管理」フォルダーで、変更管理スクリプトをダブルクリックします。 メインメニューから、「変更管理」 > 「データのマイグレーション」をクリックします。 「データのマイグレーション」ウィザードが開始します。
  5. 「データのマイグレーション」ウィザードのステップを実行します。 このウィザードを使用することによって、実動の HR データベース接続がデータのソースであることを指定し、データのアンロード元となる表とデータのロード先となる表の対応を指定します。
    1. 既存の接続を使用することを指定し、接続として PRODHR を選択します。
    2. データをアンロードする表と、データを再ロードする表のペアを特定します。 「アンロード表」を設定した表マッピング項目を HR.PROJECT に追加し (データは実動データベースからアンロードされます)、「再ロード表」を設定した表マッピング項目を HR.PROJECT に追加します (データはテスト・データベースにロードされます)。

    終わったら、変更管理スクリプト・エディターにおいて、変更するオブジェクトのリストに HR.PROJECT 表が表示されます。

  6. 変更管理スクリプト・エディターで、「コマンドのプレビュー」のリンクをクリックします。データ・マイグレーションのためのコマンドが生成され、「コマンド」セクションに表示されます。 コマンドを確認します。
  7. 「データ・オプション」をクリックして、「データ保存のカスタマイズ」ウィザードを開始し、ウィザードのステップを実行します。 このウィザードにより、以下の情報を修正できます。
    1. データのアンロードおよび再ロード情報

      アンロード済みファイルのファイル位置、およびアンロードと再ロードのデフォルトの方式を選択できます。

    2. アンロードおよび再ロード情報

      アンロードおよび再ロードの対象となる表については、テーブルと再ロードのコマンドが表示されます。 さらに、アンロード照会を変更したり、アンロード列と再ロード列のマップ方法を変更したりするためのウィザード・ページを表示できます。

    3. アンロード・コマンドのカスタマイズ

      実動 HR データベースの PROJECT 表からデータをアンロードする方法に関して、照会をカスタマイズできます。

    4. 再ロード・コマンドのカスタマイズ

      実動 HR データベースの PROJECT 表からアンロードされる列を、テスト HR データベースの PROJECT 表に再ロードする方法について、そのマッピングを変更できます。

    5. DB2 メンテナンス・コマンド

      どの DB2 メンテナンス・コマンドを生成するかを変更することができます。

    「コマンド」セクションに、変更コマンド、およびウィザードの各ページで加えられた変更内容が表示されます。

  8. 再生成されたコマンドを確認してください。
  9. 「実行」をクリックします。 変更コマンドの配置ウィザードが開始します。
  10. 変更コマンドを確認し、「終了」をクリックします。 データがマイグレーションされます。

テスト HR データベースにある PROJECT 表にデータがマイグレーションされます。

このシナリオは、独立型タスクとしてのデータのマイグレーションを説明しています。 この目的は、データベース間でデータをコピーすることだけです。 変更内容がもっと複雑な場合は、データベースの構造上の変更とデータのマイグレーションが必要になる場合があります。 たとえば、給料の機密情報を既存の表から新しい表に移動する必要があると組織で決定するかもしれません。 そのため新しい列を持つ新しい表を追加してその列に元の表のデータを入れ、さらに既存の表から列をドロップして、データベースを変更する必要があります。

構造上の変更を加えてデータをマイグレーションするという、この複雑な操作は 1 ステップの処理としてか、または 2 ステップの処理として実行できます。 1 ステップの処理を使用する場合は、コピー/貼り付けの操作を使用し、オブジェクトとデータの両方のマイグレーションを実行することを選択することによって、オブジェクトをマイグレーションする必要があります。 変更管理スクリプトには、構造上の変更を加えるコマンドとデータ・マイグレーションのためのコマンドが含められます。 2 ステップの処理を使用する場合は、メインメニュー・オプションを使用することによって、オブジェクトをマイグレーションし、変更コマンドを配置して構造上の変更を適用し、変更管理スクリプトをリセットし、データ・マイグレーションのためのメインメニューのオプションを使用し、変更コマンドを配置することによりデータをマイグレーションします。

関連概念
シナリオ: 基本的な変更管理
シナリオ: 開発データベースへの変更のマイグレーション
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