シナリオ: 基本的な変更管理

データベース管理者は、情報をより包括的にし、情報へのアクセスを容易にするため、パフォーマンスを向上させるため、またはアプリケーションの変更を適合させるために、データベースを変更するように依頼されることがあります。

このシナリオでは、CUST_CUSTOMER 表内の GENDER_CODE 列のデータ・タイプを変更するように依頼されました。この表は、GSDB データベースの GOSALESACT スキーマ内にあります。

Optim Database Administrator を使用して、以下のステップを実行します。

  1. データベース接続を作成する
  2. 変更するデータベース・オブジェクトを指定する
  3. 加える変更によって影響を受けるオブジェクトを識別する
  4. 変更を構成、保存、および追跡するための変更管理スクリプトを作成する
  5. データベースに変更を適用するためのコマンドを生成する
  6. アンロード・コマンドおよび再ロード・コマンドを使用することによってデータを保存する
  7. フラッシュ・パッケージ・キャッシュ、RUNSTATS、REBIND、および REORG などのメンテナンス用コマンドを作成する
  8. データベースに変更を配置する
  9. 変更の要約レポート、配置レポート、およびデータベース単体テスト・レポートの 3 種類の異なるレポートを作成する

要件: このシナリオは、GSDB データベースで提供されるサンプル・データに基づいています。このシナリオのステップを実際に実行するには、データベースをダウンロードし、http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/idm/v2r2/topic/com.ibm.sampled ata.go.doc/topics/download.htmlに記載されている指示に従ってシステムでそれをセットアップします。

以下のステップをすべて実行して、GSDB データベースに要求された変更を加えます。

  1. GSDB データベースの新規データベース接続を作成します。 「データ・ソース・エクスプローラー」ビューを右クリックし、「新規」をクリックして、「新規接続」ウィザードを開始します。

    GSDB データベースに関する情報 (ユーザー ID とパスワードを含む) を入力します。 使用する DB2 のバージョンを選択し、JDBC ドライバー・クラスの場所を指定します。 「接続のテスト」をクリックして、接続が正常に作成されたことを確認してから、「終了」をクリックします。

  2. 変更管理スクリプトを作成します。 変更管理スクリプトとは、特定時点でデータベースに対して発行する変更の集合のことです。

    変更管理スクリプトを作成するとき、プロジェクトがまだ存在していない場合に、変更管理スクリプト、モデル、 および変更に関連したその他のスクリプトを保持するためのデータ設計プロジェクトが自動的に作成されます。 (データ設計プロジェクトは、データ・プロジェクト・エクスプローラーで表示できます。)

    1. データ・ソース・エクスプローラーで、GSDB データベースの「変更管理」フォルダーを見つけ出します。 「変更管理」 > 「新規データベース変更」を右クリックします。 「新しい変更管理スクリプト」ウィザードが開始します。
    2. 変更管理スクリプトに含めるスキーマとして GOSALESACT を選択します。
    3. 「終了」をクリックします。 変更管理スクリプト、および GSDB データベースの基本モデルとターゲット・モデルが作成されます。 変更管理スクリプト・エディターが表示されます。

      変更管理スクリプト・エディターは、変更を定義するための主なリソースです。 変更管理スクリプト・エディターのさまざまなセクションを活用することにより、変更を加えるために必要なコマンドを作成、検討、生成、および実行できます。 変更管理スクリプト・エディターのさまざまなセクションの詳しい説明については、変更管理スクリプトの使用方法の概要を参照してください。

      変更管理スクリプト・エディターの例を以下の図に示します。

      図 1. inplace_deploy.changexml の変更管理スクリプト・エディター
      このシナリオでの変更管理スクリプト・エディターとリソースの表示
  3. CUST_CUSTOMER 表内の GENDER_CODE 列を変更します。
    1. 変更管理スクリプト・エディターで「変更するオブジェクト」リストの右上隅にあるアイコンをクリックし、データベース・オブジェクトを変更します。選択したスキーマとそのオブジェクトがドロップダウン・ボックスに表示されます。 GOSALESCT スキーマをドリルダウンし、CUST_CUSTOMER 表をダブルクリックします。 GOSALESCT.CUST_CUSTOMER が「変更するオブジェクト」リストに表示されます。
      ヒント: アイコンをクリックする代わりに、CUST_CUSTOMER 表をデータ・ソース・エクスプローラーまたはオブジェクト・リストから「変更するオブジェクト」リストにドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。
      変更するオブジェクト」リストの右側にある「影響を受けるオブジェクト」リストに、CUST_CUSTOMER 表を変更することによって影響を受けるオブジェクトが表示されます。 このシナリオでは、次の 4 つのビューが影響を受けます。
      • VIEW_CUST_CUSTOMER
      • VIEW_CUST_CUSTOMER_MB
      • VIEW_CUST_ORDER_STATUS
      • VIEW_CUST_STATE_TAX

      プロパティー」ビュー (デフォルトでは、変更管理スクリプト・エディターの下にある) に、CUST_CUSTOMER 表に関する情報が表示されます。「プロパティー」ビューでは、表の属性を変更できます。

    2. プロパティー」ビューで、「」タブをクリックして、列情報を表示します。
      ヒント: ビューのタイトル「プロパティー」をダブルクリックすると、ビューを最大化できます。もう一度ダブルクリックすると、ビューが最小化されます。
    3. GENDER_CODE 列をクリックし、データ・タイプを CHAR に変更し、長さを 1 に変更します。
    4. 変更管理スクリプト・エディターで、「保存」をクリックするか、または Ctrl+S を押して、変更を変更コマンド・スクリプトに保存します。
  4. コマンドのプレビュー」リンクをクリックして、GSDB データベースに適用する変更コマンドを生成します。

    コマンドにエラーがあることを示すダイアログが表示されます。「いいえ」をクリックします。このシナリオでは、エラーを後から修正します。変更管理スクリプト・エディターのフォーカスが、「コマンド」セクションに移ります。

  5. 生成されたコマンドを確認します。
  6. オプション: 「変更レポートの表示」をクリックして、変更の要約レポートを確認します。レポートはエディター領域で開きます。 加えた変更を確認してから、レポートを閉じます。

    Optim Database Administrator により、データベースに加える変更、それらの変更からの影響、およびモデル化された変更のために実行する必要のあるアクションについて記述するこのレポートが自動的に生成されます。 このレポートは、GSDB プロジェクトの「その他のファイル」フォルダー内に HTML ファイルとして格納されます。

  7. データ・オプション」をクリックして、データ保存オプションを指定し、生成された変更コマンドで検出されたエラーを修正します。

    Optim Database Administrator により、加えた変更にデータ保存コマンドまたは DB2 メンテナンス・コマンドが必要かどうかが自動的に判断され、データ保存のカスタマイズ・ウィザードが表示されるため、生成された変更コマンドを変更できます。

    このシナリオでは、列のデータ・タイプを INTEGER から CHAR(1) へ変更したため、CUST_CUSTOMER 表を除去し、再作成する必要があります。したがって、データを保存するために UNLOAD コマンドと RELOAD コマンドが必要です。

    1. 「アンロードおよび再ロード・ファイル情報の指定 (Specify Unload and Reload File Information)」ページで、UNLOAD コマンドと RELOAD コマンドに関するデータ・ファイルの場所を指定します。 絶対パスを指定してください。 デフォルトの方式を使用してデータのアンロードと再ロードを行うことを受け入れます。
    2. 「アンロードおよび再ロード情報」ページの「問題」セクションに、「アンロード」表と「再ロード」表の GENDER_CODE 列のデータ・タイプ間の不一致が示されます。 「自動キャスト」をクリックして、不一致を解決します。あるいは、問題があるリスト内の行を選択し、それを右クリックして、「自動キャスト」をクリックすることもできます。
    3. 「DB2 メンテナンス・コマンド」ページで、どのメンテナンス・コマンドを生成するかを指定できます。

      パッケージの再バインドを選択すると、「スキーマの選択」ページ上で、パッケージの再バインドに関するスキーマがデフォルトで選択されます。

  8. 変更管理スクリプト・エディター「コマンド」セクションで、「実行」をクリックして、変更をデータベースに配置します。 「変更コマンドの実行」ウィザードが開始されます。
  9. Optim Database Administrator により、現行の基本モデルとデータベース・カタログは同一であることが確認されます。 この検査が成功した場合は、「次へ」をクリックします。

    検査が成功しなかった場合は、基本モデルをリフレッシュし、変更コマンドを再生成する必要があります。

  10. 表示されたコマンドを確認し、「終了」をクリックして、GSDB データベースに変更を適用します。 「メッセージ」セクションには、実行中のコマンドに関する状況が表示され、変更スクリプトの実行の最終状態が記録されます。また、「SQL 結果」ビューを使用して、各コマンドの状況を確認することもできます。
  11. 変更コマンドが正常に配置されたら、変更管理スクリプト・エディターの上部にある「保存」をクリックするか、または Ctrl+S を押します。

    スクリプトを保存すると、変更コマンドの状態として「配置済み」が保存されます。これによって、後で変更を反転することを決定した場合に、変更を取り消すことができます。

  12. 配置プロセスが完了した後に、配置レポートが自動的に生成されます。 「変更管理」 > 「データベース・テスト・レポートを生成します」を選択することにより、 HTML フォーマットで生成されるデータベース単体テスト・レポートを作成することもできます。 これらのレポートは、変更管理スクリプトと同じプロジェクトの中の「その他のファイル」フォルダーに保管されます。 レポートについて詳しくは、レポートを参照してください。

これでデータベース・カタログは更新され、指定した変更が組み込まれました。

関連概念
シナリオ: 開発データベースへの変更のマイグレーション
レポート
関連情報
変更管理スクリプトの処理
データ・ソース・エクスプローラーでのナビゲーション
データ・ソース・エクスプローラーとデータベース接続


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