式ビルダー

式ビルダーは、マッピングに対する条件または変換の作成に役立ちます。 そのような式とは、生成された SQL ステートメント内に示される SQL フラグメントのことです。 式の出力を使用して、ソースからターゲットに値を変換するか、フィルターまたは結合の条件を定義することができます。 ソースからターゲットへの変換は常に使用できますが、複数のソースが生じた場合はただちに必要になります。

マッピング・モデルの「プロパティー」ビューからか、またはマッピングまたはマッピング・グループのコンテキスト・メニューから、式ビルダーを開くことができます。 「プロパティー」ビューの式テキスト・フィールドに条件または変換ステートメントを入力できますが、マッピング・エディター・ビューのメニューおよびフィールドから選択することもできます。 条件または変換を作成するかどうかは、調整のタイプによって決まります。 結合とフィルターは条件であるのに対して、変換はデータを変更します。 条件の結果はブールでなければなりませんが、変換の結果は、ターゲット・オブジェクトのタイプに適合するタイプをもつ値でなければなりません。

作成した式は、現在のマッピング・モデルに保管されます。 式ビルダーには、使用可能な関数のリスト内の SQL 関数が組み込まれます。 そのような SQL 関数は、ターゲットの .dbm のユーザー定義関数を含む一連の標準関数です。マッピング・モデルの式または変換を組み入れた SQL ステートメントを生成することができます。

式ビルダーを使用して、以下のアクションを実行することができます。

式ビルダーの構造

式ビルダーを構成するものは、使用可能なフィールドまたは列のリスト、使用可能な関数とユーザー定義関数 (ターゲット・スキーマによって異なります) のリスト、およびオブジェクト ID を付けて式を表示する編集ペインです。 オブジェクト ID には、少なくともスキーマ名、表名、および列名が入っています。 マッピング内に複数のデータベースがある場合、そのデータベース名が ID に追加されます。 式ビルダーの編集ペインには、復帰を使って複数の行を収容することができます。

式ビルダー内のフィールドまたは列の内容は、現在の式の有効部分であるソース列を反映します。

コンテンツ・アシスト関数

式ビルダーでは、Eclipse の標準コンテンツ・アシスト関数が使用されます。 コンテンツ・アシスト関数には、マップ済み値の現在のコンテキストに従って適用可能な有効な関数のリストが用意されています。 コンテンツ・アシスト・ウィンドウを開くには、ショートカット・キー CTRL+SPACE を押します。

式ビルダーの編集ペインには、以下のショートカット・キーを備えた他のメニュー・オプションもあります。
表 1. 式ビルダーのメニュー・オプション
アクション ショートカット・キー
コピー CTRL+C
切り取り CTRL+X
貼り付け CTRL+V
取り消し CTRL+Y
再実行 CTRL+Z
すべて選択 CTRL+A

式の検証

「設定」ページの「式の検証」チェック・ボックスが使用可能になっている場合、有効でない句は赤色の波形下線付きで編集ペインに表示されます。 式ビルダーは、有効な列だけが式に入っていることを検証します。 式ビルダーは、完全修飾の列名が正しいことを検証します。 式ビルダーは、式の構文と、式内で使用されている ID を検査します。 マッピングが、ソース・サイドの複数のデータベースにまたがっていなければ、その検査は適正です。

マッピング指定言語モデルの例

式、条件、または変換を完了すると、その結果の式が .msl モデルの一環として表示されます。 この .msl モデルでは、式は変数名で表されます。

以下の例は、マッピング・モデルで使用できる有効な式をいくつか示しています。
特定の部署のレコードに対する単純フィルターの例:
COMPANY.DEPARTMENT.DNUMBER = 10

単純な表間結合の例:
COMPANY.DEPARTMENT.ID = COMPANY.EMPLOYEE.DEPID

別のターゲット価格を計算する単純な変換の例:
COMPANY.PRODUCT.PRICE - COMPANY.PRODUCT.DISCOUNT

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