Apache HTTP Server を Rational DOORS Web Access のリバース・プロキシーとして構成

Apache HTTP Server を Rational DOORS Web Access のリバース・プロキシーとして構成することができます。 リバース・プロキシー・サーバーは、追加のセキュリティー層を提供し、ネットワーク内の HTTP サーバーを保護し、Secure Sockets Layer (SSL) 要求のパフォーマンスを向上させます。 リバース・プロキシーを使用すると、後で必要に応じてデプロイメント・トポロジーを変更できます。

始める前に

  1. Rational DOORS Web Access をインストールしますが、Rational DOORS Web Access コンポーネントまたはサーバーは開始しません。
  2. Apache HTTP Server をインストールします。

このタスクについて

リバース・プロキシー・サーバーは、コンテンツ HTTP サーバーに対する直接アクセスを防ぐ、特殊な HTTP サーバーです。 コンテンツに対する要求はすべて、パブリックに可視であるリバース・プロキシー・サーバー URI を経由し、プライベート Rational DOORS Web Access サーバー URI にリダイレクトされます。
リバース・プロキシー・サーバーを使用すると、以下のような利点があります。
  • 将来のデプロイメント・トポロジーの変更: デプロイメントでリバース・プロキシーを使用すると、アプリケーションがデプロイされるマシン数やポート番号には無関係に、単一のホスト名をパブリック URL に指定できます。 その結果、後でデプロイメント・トポロジーを変更することが可能になります。
  • セキュリティー: リバース・プロキシー・サーバーは、追加のセキュリティー層を提供し、通信ネットワーク内の他の HTTP サーバーを保護することができます。 リバース・プロキシー・サーバーとコンテンツ HTTP サーバーとの間でファイアウォールを使用している場合は、リバース・プロキシー・サーバーからの HTTP 要求のみを許可するようにファイアウォールを構成できます。
  • パフォーマンス: SSL 要求のパフォーマンスを向上させる SSL 加速ハードウェアをリバース・プロキシー・サーバーに装備することができます。
この手順では、以下を行います。
  1. SSL 鍵ストアを準備します。
  2. httpd.conf ファイルおよび httpd-ssl.conf ファイルを変更します。
  3. Apache HTTP Server を始動します。
  4. Rational DOORS Web Access コンポーネントを始動します。
  5. Rational DOORS Web Access サーバーを始動します。

手順

  1. SSL 鍵ストアを準備します。
    1. 提供されている IBM Key Management Utility (IKeyMan) SSL ツールで SSL 鍵ストアを作成するか、開きます。
    2. 鍵ストアの保存時に、パスワードを stash ファイルに保存するオプションを選択します。
    3. 以下の情報を記録します。
      • デフォルト SSL 証明書ラベル
      • 鍵ストア・ファイルへのパス
      • stash ファイルへのパス
  2. httpd.conf ファイルを編集して、SSL 要求を処理するように Apache HTTP Server を構成します。 このファイルは、Apache インストール済み環境内の conf ディレクトリーにあります。
    1. 以下のモジュールのコメントを外します。
      • LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
      • LoadModule proxy_ajp_module modules/mod_proxy_ajp.so
      • LoadModule proxy_http_module modules/mod_proxy_http.so
      • LoadModule ssl_module modules/mod_ssl.so
    2. #Secure (SSL/TLS) connections で始まる、SSL 構成セクションに進みます。
    3. このセクションで、以下の項目を追加します。
      #
      # reverse proxy
      #
      SSLProxyEngine On
      ProxyPreserveHost On
    4. ホスト・ドメインを識別するための項目を追加します。
      ProxyPass / https://host_domain:DWA_Tomcat_port/
      ProxyPassReverse / https://host_domain:DWA_Tomcat_port/
      例えば、次のように指定します。
      ProxyPass / https://private_host.com:7443/
      ProxyPassReverse / https://private_host.com:7443/
      注: この例では、エンド・ユーザーに対して可視であるプロキシー・ポートは 8443 に設定されており、プロキシー要求は private_host サーバー上のポート 7443 にリダイレクトされます。 ご使用の環境に応じて、プロキシー・サーバーと Apache Tomcat を構成する場合に使用対象となるポートは、ポート競合を避けるために別の値に設定される場合があります。
    5. 次の行のコメントを外します。
      Include conf/extra/httpd-ssl.conf
      リバース・プロキシーの構成について詳しくは、The Apache Software Foundation 資料の『Apache モジュール mod_proxy』を参照してください。
  3. Apache インストール済み環境内の /conf/extra ディレクトリーにある httpd-ssl.conf ファイルを編集します。
    1. SSL が構成されている対象のホスト名とポートを更新します。
    2. 以下を含め、必要に応じて設定を更新します。
      • SSLCertificateFile
      • SSLCertificateKeyFile
      注: SSLCertificateKeyFile 鍵ファイルがパスワードで保護されている場合は、サーバーを始動するたびにパスワードを入力する必要があります。 パスワードは削除できますが、削除を行う前に、ご使用の環境でのセキュリティーに対する影響を考慮してください。
      HTTP SSL ファイルの編集について詳しくは、The Apache Software Foundation 資料の『Apache コア機能』および『Apache Module mod_ssl』を参照してください。
  4. Apache HTTP Server を始動します。 エラーはすべて、Apache インストール済み環境の /logs フォルダーにある error.log ファイルに書き込まれます。
  5. Rational DOORS Web Access コンポーネントを始動します。
  6. Rational DOORS Web Access サーバーを始動します。
  7. 次の dbadmin コマンドを入力して、Rational DOORS Web Access パブリック URL およびポートをリバース・プロキシー・サーバーに設定します。
    dbadmin -dwaHost reverse_proxy_url -dwaPort reverse_proxy_portnumber
    dbadmin コマンドについて詳しくは、『Rational DOORS データベース・サーバーの構成』を参照してください。

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