パターンの概要

IBM® SOA Policy Pattern は、サービス・レジストリーから取得されるポリシー文書に保持されるデータに基づいて MQ JMS メッセージを経路指定します。

IBM SOA Policy Pattern for Red Hat Enterprise Linux V2.0 は IBM PureApplication System (IPAS) ハードウェアまたは IBM Workload Deployer (IWD) をプロビジョンおよび管理し、以下のフィーチャーを提供します (これらはパターンの一部として事前に構成される)。

このパターンによって使用可能になるシナリオ

MQ JMS アプリケーションは、メッセージをこのパターンの JMS 入力キューに送信します。そしてそのメッセージは、その入力メッセージと一致するポリシーに応じて別の MQ JMS キューに経路指定されます。 パターンは JMS ヘッダー情報を使用して、適用可能なポリシーを決定します。その後、そのポリシーを評価してメッセージの経路指定先を決定します。 応答が JMS 送信側アプリケーションに送り返され、メッセージが経路指定されたことが知らされます。 結果的に、パターンは多くの JMS アプリケーションを同時にサポートすることができます。それぞれが、ポリシーのセットを介して表現される独自のルーティング規則を持ちます。

ポリシーは、異なるエンドポイント宛先にメッセージを経路指定するために、時間と曜日などによってスケジュールを指定します。 それ以外の条件またはアクションはこのパターンでサポートされていません。 パターンは WS-MediationPolicy 標準を使用して、メッセージを経路指定する方法とそのタイミングを定義します。 標準の名前空間は http://www.ibm.com/xmlns/stdwip/2011/02/ws-mediation です。 Web Services Mediation Policy 1.0 ドメインは、サービスのメディエーション要件を記述するための一連のポリシー・アサーションを定義しています。

各ポリシーは、SOA ポリシー・ライフサイクルの一部です。 適用されるポリシーのガバナンス状態は、「承認済み」、「非推奨」、または「破棄済み」でなければなりません。 詳しくは、IBM SOA Policy Pattern でのポリシーの使用状況を参照してください。

パターンに含まれるもの

IBM SOA Policy Pattern は、仮想システム・パターンの一例です。 仮想システム・パターンは、パーツの集合によって構成されます。 各パーツは、プロビジョン・プロセスの際に提供されるパターン・パラメーターに基づいて構成されたインストール済みの IBM ソフトウェアを含む仮想オペレーティング・システムのイメージです。

このパターンは、以下の 3 つのパーツを提供します。
  • WebSphere Message Broker V8.0.0.1 および WebSphere MQ V7.0.1.8 を含むイメージ。
  • WebSphere Service Registry and Repository V8.0 および WebSphereApplication Server V8.0 を含むイメージ。
  • DB2® Enterprise Edition (WSRR をサポート) V9.7.5 を含むイメージ。
IBM PureApplication System ハードウェアまたは IBM Workload Deployer ユーザーが事前構成 ESB を提供するために IBM SOA Policy Pattern のインスタンスを作成する際、3 つのイメージが上記のパーツから作成されます。 この構成については、以下の図に示されています。
図 1. IBM SOA Policy Pattern の概要このセクションのテキストによって説明されている構成を表す図。
この構成を作成するために、ユーザーは以下のコンポーネントを実行します。
  1. WebSphere MQ キュー・マネージャーを 1 つ。 JMS サービスを提供し、JMS プログラムがパターンに接続できるようにします。
  2. 事前構成済み WebSphere Message Broker を 1 つ。JMS 宛先間のルーティングを実行します。
  3. 事前構成済み WSRR インスタンスを 1 つ。ルーティングを制御するポリシーを定義し、管理します。
  4. DB2 インスタンスを 1 つ。WSRR をサポートします。
  5. パターンをデプロイするために使用する IBM Workload Deployer または IBM PureApplication System ブラウザー・ベースのユーザー・インターフェース。
  6. ポリシーを作成し、管理するために使用される Business Space ブラウザー・ベースのユーザー・インターフェース。

統合先のその他のアプリケーション

独自のポリシー文書を WSRR にロードします。そのポリシーは、独自の JMS エンドポイント宛先を定義します。 最初の構成で、2 つのサンプル・エンドポイントを使用する 2 つのサンプル・ポリシーとともにレジストリーがロードされます。 IBM SOA Policy Pattern に含まれる WebSphere Message Broker 構成は、入力キューから JMS メッセージを読み取るメッセージ・フローを提供し、レジストリーから取得されるポリシーに基づいて、メッセージを出力キューに経路指定します。

IBM SOA Policy Pattern には、JMS プロバイダーは含まれますが、 JMS アプリケーションは含まれていません。そのため、既存の MQ JMS アプリケーションを追加してソリューションを完成させる必要があります。 JMS 宛先は、標準 WebSphere MQ プロシージャーを使用して定義されます。 作成するメッセージング・トポロジーの種類を制御するための MQ JMS アプリケーションの接続方法を選択できます。 そのアプリケーションは、MQ クライアント・バインディングを使用して、パターンによってホストされる単一キュー・マネージャーをリモートで接続できます。あるいは、MQ 分散メッセージングという手法を使用して、メッセージを既存のリモート・キュー・マネージャーからパターン・キュー・マネージャーにフィードすることができます。

メッセージ・ルーティングの制御方法

パターンがインスタンス化されている場合、ルーティング動作はポリシー管理者によって制御されます。そのポリシー管理者は Business Space (WSRR で提供される) を使用して、ルーティング要件を満たすポリシーを定義および管理します。 それぞれのポリシーごとに JMS 宛先が存在する必要があります。それで、メッセージング管理者は、ポリシーで定義されている各 JMS エンドポイントがメッセージング・サブシステムにも存在することを確認する必要があります。 詳しくは、デプロイされたインスタンスの処理を参照してください。


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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: 2012年10月16日


http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/prodconn/v1r0m0/topic/com.ibm.scenarios.soawmbwsrr.doc/topics/pattern_overview.htm