ディスカバリーの実行およびシステム・モデルのロード

システム・モデルは、シスプレックス内のすべての z/OS® イメージ、CICS® システム、関連するサブシステム、およびその他の論理システム情報を表します。 モデルは、ディスカバリー・アクションの実行時に CICS DA サーバーによって作成されます。 ディスカバリー操作が完了したら、ユーザーはモデルを CICS Explorer® ワークスペースにロードします。

このタスクについて

MVS™ イメージでディスカバリーを実行すると、TCP/IP スタックの名前が照会され、そのスタックの 1 次 IP アドレスが取得されます。 z/OS UNIX システム・サービス・ホスト・サービスは、ドメイン・ネーム・サーバーを照会して IP アドレスを名前に解決するために使用されます。 名前が返されると、この名前が CICS DA サーバーに渡されます。 名前が返されない場合は、IP アドレスが CICS DA サーバーに渡されます。

ディスカバリー・プロセスのこの部分は MVS イメージ上で実行されるため、1 次 IP アドレスの名前はローカルに管理され、クライアント側からは見えない名前となる場合があります。 その場合は、CICS DA のディスカバリー・フェーズを完了できるように、(例えばクライアントの hosts ファイルを変更するという方法により) クライアント側でその TCP/IP 構成を変更しなければならない可能性があります。 ディスカバーされた IP アドレスがサーバー上の名前に解決されず、ディスカバーされた IP アドレスが到達可能ではない場合、ディスカバリー・プロセスは失敗します。

クライアントからディスカバリーを開始すると、CICS DA サーバーは、いくつかのディスカバリー・タスクを開始します。 最初のディスカバリー・タスクでは、シスプレックス内のすべての MVS イメージを特定します。 次にディスカバリー・タスクは、選択された各 MVS イメージで実行されている領域を調べて、サポートされる CICS のリリース、実行中の他のサブシステム、および許可の仮想記憶間 (AXM) サーバーを特定します。 その後ディスカバーされたリソースはさらに分析され、すべての関連リソースおよび論理システム情報 (接続など) が特定され、モデルがサーバーに作成されます。 ディスカバーされるシスプレックス内の MVS イメージの数やサブシステムの数によっては、ディスカバリーに時間がかかる場合があります。 ただし、以前にディスカバリー・タスクの実行中にロードされたモデルは引き続き表示できますが、そのモデルに変更を加えることはできません。

注: CICS DA は、1 つのシスプレックス内の情報のみをディスカバーします。複数のシスプレックスにわたる CICSplex がある場合、CICS DA は、CICS DA がインストールされているローカル・シスプレックスの外部にあるリソースに関する情報は返しません。
CICS DA は、次の情報をディスカバーします。
  • CICS カップリング・ファシリティー・データ・テーブル (CFDT) サーバー
  • CICS 名前付きカウンター・サーバー
  • CICSplexes
  • CICSPlex® SM WUI サーバー
  • CICS 領域 (管理および非管理)
  • CICS システム・グループ
  • CICS 一時ストレージ・サーバー
  • CICS CICS Transaction Gateway
  • CMAS ネットワーク
  • CMAS
  • DB2®
  • IMS™
  • MVS イメージ
  • RTA 仕様
  • WebSphere® MQ
  • WLM 仕様
  • z/OS システム
注: システム、CICS 領域、あるいは他のいずれかのリソースがアクティブでないときは、これが CICSplex 定義の一部である場合を除き、ディスカバーされません。 CICS DA は、管理および非管理 CICS 領域をどちらもディスカバーしますが、非管理 CICS 領域の関連リソースはディスカバーしません。
ディスカバリーが完了したら、モデルを CICS DA クライアントにロードできます。

このタスクは、CICS DA サーバーでディスカバリー操作を開始し、モデルを CICS DA クライアントにロードします。 ディスカバリーを開始する前に、アクティブな CICS DA 接続が必要です。

手順

  1. CICS DA パースペクティブを開きます。 「DA エクスプローラー」ビューに、DA 接続名のリストが表示されます。 ディスカバリーを実行する接続名を右クリックしてから、「ディスカバー」をクリックします。 ディスカバリー要求が CICS DA サーバーに送信されます。 メッセージが CICS DA コンソールに書き込まれ、ワークベンチのステータス・バーに状況として「ディスカバリーの実行中 (Running discovery)」が表示されます。 ディスカバリーが完了すると、ディスカバリー・レポートが CICS DA コンソールに書き込まれ、「コンソール」ビューが見えるように前面に表示されます。
    注: クライアントとサーバー間の接続が何らかの理由で中断された場合は、状況「ディスカバリーの実行中 (Running discovery)」が引き続き表示されます。 ただし、サーバーはディスカバリーの完了時にクライアントに通知できず、「コンソール」ビューは更新されません。見かけ上では、ディスカバリーは完了しません。 CICS DA 監査ログのエントリーを確認して、ディスカバリーが完了したかどうかを調べるか、必要に応じてアクションを再実行してください。 CICS DA 監査ログについて詳しくは、関連リンクを参照してください。
  2. 「DA エクスプローラー」ビューで、ディスカバリーを実行した接続名を右クリックして、「ロード」をクリックします。 「CICS Deployment Assistant モデルのロード」ウィンドウが表示されます。 モデルがサーバーから取得され、モデルのプレビューがウィンドウに表示されます。 ナビゲーション・ツリーを展開して、モデルの内容を表示できます。
  3. 「終了 (Finish)」をクリックして、モデルを CICS DA クライアントにロードします。

タスクの結果

ローカル・モデルがある場合は、「終了 (Finish)」をクリックすると、CICS DA によってローカル・モデルが削除されます。 次に、新規モデルがローカル・ワークスペースにロードされ、「DA エクスプローラー」ビューの接続ナビゲーション・ツリーに表示されます。

Production という名前の CICS DA 接続のモデルの例。
モデル・ツリーには、ディスカバーされたリソースが表示され、リソースごとの総数が括弧で囲まれてタイプの後に表示されています。
セクションを展開してシスプレックス内の個々のリソースを表示したり、エディターで各リソースを開いて詳細を表示することができます。 詳しくは、関連リンクを参照してください。