-Warp4 ベース
Warp Server V4ではOS/2 Warp V3ベースでしたが、Warp Server for e-businessではWarp4ベースになっています。さらにWarp Server for e-businessでは以下のような拡張が含まれています。
メモリー・サポートが拡張され、アプリケーションは3GBまでのアドレス・スペースにアクセスできるようになりました。CONFIG.SYSのVIRTUALADDRESSLIMITパラメータで3072アドレススペースのサイズを指定できます。これはWarp
Server SMPフィーチャーでも使用できます。
CHKDSKが32ビット版になり、JFSにも対応しています。
上記以外に以下のような拡張が含まれています。
JFS(ジャーナル・ファイル・システム)は32ビットファイルシステムで、WEBサーバーでのデータのホスティングやLotus Notesサーバーなどのアプリケーション・サーバーでの使用に適しています。JFSはHPFSよりも大きく高速なキャッシング能力を備えており、よりすぐれたパフォーマンスを提供します。Warp Server for e-businessではハードディスクはボリュームとして管理されます。1つのボリュームを複数のパーティションによって構成することも可能ですが、この構成はファイルシステムがJFSの場合でのみ可能です。JFSはまた、SMPマシンでよりすぐれたパフォーマンスとスケーラビリティを提供できるように最適化されています。
JFSのキャッシュサイズは386HPFSと同様に、最大値の制限はありません。システムに搭載されている物理メモリーのサイズにのみ依存します。省略時値はメモリーの1/8に設定されていますが、この値は、手動インストールをした場合は、チューニングアシスタントによってオーバーライドされます。JFSキャッシュはシステムエリアに取られ、スワップ不可です。
JFSの特徴は以下のとおりです。
機能 | FAT | HPFS | HPFS386 | JFS |
Bootable | Yes | Yes | Yes | No |
最大ファイル・サイズ | 2GB | 2GB | 2GB | 2TB |
最大パーティション・サイズ | 2GB | 64GB | 64GB | 2TB |
オンライン拡張 | No | No | No | Yes |
Disk Spanning | No | No | No | Yes |
Sparse File | No | No | No | Yes |
Unicodeファイル名 | No | No | No | Yes |
最大キャッシュサイズ | 14MB | 2MB | 320MB | 200MB |
最大オープンファイル数 | 65536 | 65536 | 65536 | 65536 |
最大Findファイル数 | 3072 | 3072 | 8192 | 32768 |
ACL | NET.ACC | NET.ACC | FNODE | LNODE |
ACL数 | 8192 | 8192 | 無制限 | 無制限 |
最大コネクション数 | 16384 | 16384 | 16384 | 16384 |
最大共用数 | 1500 | 1500 | 1500 | 1500 |
ディレクトリーあたりの最大ファイル数 | 512 ルートディレクトリー | DASDスペースによる | DASDスペースによる | 4Billion |
Bad Blockロケーション | No | Yes | Yes | Yes via LVM |
Disk Limit | No | No | Yes | No |
Software FT | No | No | Yes | No |
-Logical Volume Manager(LVM)
LVMはハードディスクの物理レイアウトを管理し、ユーザーやアプリケーションに対して、抽象化したレイヤ構造を提供します。LVMの利点の1つは、物理レイアウトをアプリケーションに影響を加えることなく変更できるということです。例えば、ボリュームは複数の物理ディスクにまたがって複数のパーティションを含んで構成することができます。ボリュームサイズは未使用のスペースがあればそのサイズの範囲内で増やすことができます。 Warp Server for e-businessではFDISKはサポートされません。
LVMでは以下の用語を使用します。
パーティション | OSによって使用される連続したエリア。ハードディスクのマスターブート・レコードに定義される。ハードディスク中のプライマリーパーティションは最大4つに制限される。拡張パーティションは1つ以上の論理パーティションを含むことができる。 |
論理パーティション | 拡張パーティション内に置かれる。通常データが置かれるが、OS/2などのOSをブートすることも可能。 |
論理ボリューム | ハードディスクの論理ビューで、複数のパーティションを含み、連続したエリアのように見える。論理ボリュームは互換またはLVMボリュームとして定義できる。 |
アグリゲート | ハードディスク上の論理構造でJFSパーティションの情報を管理するのに使われる。 |
ファイルセット | ファイルやディレクトリーの集まりで、シングルユニットとして扱われる。ファイルセットはアグリゲート上に置かれる。 |
LVMで提供されるインターフェースには以下のものがあります。
MPTSでは以下のプロトコルがサポートされています。
OS/2 Warp Server for e-businessではI2Oサポートをイーサネット、トークンリング、SCSIで提供します。MPTSにはI2O LANドライバー(I2OLOSM.OS2)が含まれており、I2O対応のデバイスが使用可能になっています。このドライバーはNDIS 2.01用に書かれており、NDIS V2.01 MACドライバーとして動作します。
IBMは1997年からI2O対応のPCシステムを出荷しており、これらにはPC Server704やIBM Netfinity7000などがあります。 1999年1月にIBMはI2O対応の高速の通信PCIアダプターをアナウンスしました。インテル、Compaq、ヒューレット・パッカード、Novllなど多数の企業がI2O対応のオファリングを行っています。I2Oの詳細はI2O Spetial Interest Groupのホームページを参照してください。
Warp Server for e-BusinessにはTCP/IP v4.21が含まれています。 拡張された機能には以下のようなものがあります。
FTPD | マルチスレッド
切断したコネクションのリスタート |
TFTPD | マルチスレッド
8KBまでのブロックサイズのサポート セキュリティー・メカニズム |
LPD/LPRPORTD | ストリーミング・サポート |
PSnS v6.01が含まれます。 このコンポーネントではアプリケーション、データ、アクセス制御のバックアップをディスケット、テープ、ローカルおよびリモートのハードディスク、光磁気ディスク、およびADSMサーバーにとることができます。
OS/2 Warp Server V4ではOS/2またはWindowsなどの遠隔地のクライアントシステムから公衆回線を経由してリモートアクセスサーバーにダイアルインする機能をLAN Distanceと呼ばれるフィーチャーによって提供していましたが、今回からポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)サーバーの機能を追加し、PPPクライアントが接続できるようになっています。PPPクライアントにはIBM8235ダイアラーや、Windows95/98 およびNTのリモートアクセスなどが含まれます。
PPPサポートはこれまでSoftware Choiceで提供されていましたが、Warp Server for e-businessにはPPPサーバーとクライアントが含まれています。
リモートアクセスサービスはクライアントにダイナミックにIPアドレスを割り当てることが可能です。
−システム管理サービス
Warp Server for e-busunessにはNetfinity5.2が含まれています。また、あらたにTivoli Management Agent(TMA)が含まれています。TMAはよく知られたクロスプラットフォームのシステム管理フレームワークで、サーバーはTivoli Management Environmentの中では管理オブジェクトとなります。
−LDAPクライアント・サポート
OS/2 Warp Server for e-businessにはLDAPクライアントサポートが含まれており、LDAPサーバーにアクセスしてLDAPサーバーから情報を受け取ることが可能です。
Warp Serverの以前のバージョン4で提供されていた以下の機能は、Warp Server for e-buissinessでは別のコンポーネントで置きかえられます。
Warp Server for e-businessには以下のCDROMから構成されています。
-Server Pakインストール
OS/2 Warp4 | Windows95 | WindowsNT 4.0 | DOS/Win3.1 | |
システム管理 | Tivoli Agent CD1 | N/A | N/A | N/A |
Feature Install | OS/2 Feature Install CD1 | N/A | N/A | N/A |
Networkサービス | MPTS CD1 | OSに含まれています。 | OSに含まれています。 | OSに含まれています。 |
IPサービス | TCP/IP 4.2.1 CD1 | Dynamic IPクライアント CD2 | Dynamic IPクライアント CD2 | DOS LANサービス
CD2 |
ファイル/印刷サービス | OS/2用 CD1 | OSに含まれています。 | OSに含まれています。 | DOS LANサービス
CD2 |
ログオン・サービス | OS/2用 CD1 | Network Client for Windows95 CD2 | Primary Logon Client CD2 | DOS LANサービス
CD2 |
リモート・アクセス | LAN Distance CD2 | OSに含まれています。 | OSに含まれています。 | N/A |
ブラウザー | Netscape4.04 CD1 | OSに含まれています。 | OSに含まれています。 | N/A |
Java | Java Dev Toolkit
CD1 |
Java Dev Toolkit
CD2 |
OSに含まれています。 | N/A |
-Netfinity 5.2
-Lotus Domino Go Webserver 4.6.2.6/IBM WebSphere Application Server
1.1
OS/2 Warp基本オペレーティング・システム(デフォルトインストール) | 96.7MB |
OS/2 Warp基本オペレーティング・システム(フルインストール) | 156.0MB |
・ファイル/印刷共用サービス | 15.0MB |
・TCP/IPサービス | 30.0MB |
・リモートアクセスサービス | 5.9MB |
・Netscape Communicator | 11.0MB |
・TMA | 1.5MB |
・PSnS | 7.2MB |
・LDAP Toolkit | 4.2MB |
・拡張印刷サービス | 54.0MB |
・MPTS | 16.0MB |
・FFST | 0.1MB |
・オンラインマニュアル | 10.0MB |