FreeBSD のディレクトリ構造は、 システム全体を理解するに当たって重要です。 把握しておくべき最も重要なものは、「/」 ディレクトリです。 このディレクトリは起動時に一番最初にマウントされ、 オペレーティングシステムをマルチユーザで動作させるために 必要な基本システムが含まれています。 また、ルートディレクトリには、 マルチユーザへの移行中に他のファイルシステムをマウントするためのマウントポイントも含まれます。
マウントポイントとは、
追加のファイルシステムと接続するためのディレクトリのことです
(普通はルートファイルシステムにあります) 。
より詳細な説明は
「ディスク構成」
の節にあります。
標準的なマウントポイントには
/usr
, /var
, /tmp
,
/mnt
, /cdrom
があります。
通常これらのディレクトリについては、
/etc/fstab
というファイル中のエントリが参照されます。
/etc/fstab
はさまざまなファイルシステムとマウントポイントの表であり、
システムが参照します。
/etc/fstab
に書かれたファイルシステムは
noauto
オプションが指定されていなければ、
起動時に rc(8) スクリプトによって自動的にマウントされます。
詳細は 「fstab
ファイル」 をご覧ください。
ファイルシステム構造を網羅した説明は hier(7) に書かれています。 ここでは、もっともよく使われるディレクトリについて簡単に 見るだけで十分でしょう。
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
/ | ファイルシステムのルートディレクトリ |
/bin/ | シングルユーザ環境とマルチユーザ環境の両方で重要な ユーザユーティリティ |
/boot/ | オペレーティングシステムの起動時に使われるプログラムと設定ファイル |
/boot/defaults/ | デフォルトの起動設定ファイル; loader.conf(5) 参照 |
/dev/ | デバイスノード; intro(4) 参照 |
/etc/ | システム設定ファイルとスクリプト |
/etc/defaults/ | デフォルトのシステム設定ファイル; rc(8) 参照 |
/etc/mail/ | sendmail(8) のようなメール転送エージェントの設定ファイル |
/etc/namedb/ | named 設定ファイル; named(8) 参照 |
/etc/periodic/ | cron(8) 経由で毎日・毎週・毎月実行されるスクリプト; periodic(8) 参照 |
/etc/ppp/ | ppp 設定ファイル;
ppp(8) 参照 |
/mnt/ | システム管理者が一時的なマウントポイントとしてよく使う 空のディレクトリ |
/proc/ | プロセスファイルシステム; procfs(5) と mount_procfs(8) 参照 |
/rescue/ | 緊急時のために静的にリンクされているプログラム; 詳しくは rescue(8) 参照 |
/root/ | root アカウントのホームディレクトリ |
/sbin/ | シングルユーザ環境とマルチユーザ環境の両方で重要な システムプログラムと管理ユーティリティ |
/tmp/ | 一時的なファイル。
通常、/tmp
の内容はシステムの再起動で失われます。
メモリファイルシステムはよく
/tmp
にマウントされます。
これは rc.conf(5) の tmpmfs 関係の変数を使うか、
/etc/fstab
に設定項目を記入することで自動化できます。
詳しくは mdmfs(8) を参照して下さい。 |
/usr/ | 大部分のユーザユーティリティとアプリケーション |
/usr/bin/ | よく使うユーティリティとプログラミングツールとアプリケーション |
/usr/include/ | C の標準ヘッダファイル |
/usr/lib/ | ライブラリ |
/usr/libdata/ | いろいろなユーティリティのデータファイル |
/usr/libexec/ | システムデーモンとシステムユーティリティ (他のプログラムから実行される) |
/usr/local/ | ローカルのプログラムやライブラリなど。
FreeBSD ports 構成のデフォルトインストール先としても使われます。
/usr/local 内では、
hier(7) に書かれている /usr
のための一般構造が使われます。
例外は man ディレクトリで、
/usr/local/share の下ではなく
/usr/local の下に直接置かれ、
ports 関係文書は
share/doc/port
にあります。
|
/usr/obj/ | /usr/src ツリーのビルドで作られる
アーキテクチャ依存のターゲットツリー |
/usr/ports | FreeBSD Ports Collection (インストールしなくてもよい)。 |
/usr/sbin/ | (ユーザが実行する) システムデーモンとシステムユーティリティ |
/usr/share/ | アーキテクチャに依存しないファイル |
/usr/src/ | BSD のソースファイルまたはローカルのソースファイル、 あるいは両方 |
/usr/X11R6/ | X11R6 のプログラム、ライブラリなど (インストールしなくてもよい) |
/var/ | ログ・一時的なファイル・スプールファイルなどいろいろな用途。
メモリファイルシステムは時々
/var
にマウントされます。
これは rc.conf(5) の varmfs 関係の変数を使うか、
/etc/fstab
に設定項目を記入することで自動化できます。
詳しくは mdmfs(8) を参照して下さい。 |
/var/log/ | いろいろなシステムログファイル |
/var/mail/ | ユーザのメールボックスファイル |
/var/spool/ | プリンタとメールシステムのスプールディレクトリなどなど |
/var/tmp/ | 一時的なファイル。
/var
がメモリファイルシステムでなければ、
ここにあるファイルはシステムが再起動しても失われません。 |
/var/yp | NIS のマップ |
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