ypwhich コマンド

目的

Network Information Services (NIS) サーバーか、指定のマップのマスターであるサーバーのどちらであるかを識別します。

構文

NIS サーバーを識別する場合

ypwhich [ -d Domain ] [ -V1 | -V2 ] [ HostName ]

マップ用のマスター NIS サーバーを識別する場合

ypwhich [ -t ] [ -d Domain ] [ -mMapName ] ]

マップ・ニックネーム・テーブルを表示する場合

ypwhich -x

説明

ypwhich コマンドは、Network Information Services (NIS) を提供するサーバーまたはマップのマスターであるサーバーを識別します。どちらであるかは、ypwhich コマンドの呼び出し方法によって決まります。引数を付けずに呼び出したときは、このコマンドはローカル・マシン用の NIS サーバーの名前を表示します。ホスト名を指定すると、システムはどちらのマスターが使われているかを見付けるために、そのホストを照会します。

フラグ

-d Domain デフォルト・ドメインの代わりに指定されたドメインを使います。
-V1 どちらのサーバーが、古いバージョン 1 の NIS プロトコル・クライアント・プロセスを行うかを示します。
-V2 どちらのサーバーが、現行バージョン 2 の NIS プロトコル・クライアント・プロセスを行うかを示します。どちらのバージョンも指定されないと、ypwhich コマンドは、バージョン 2 のサービスを提供するサーバーをマップしようとします。現在バインドされたバージョン 2 のサーバーがなければ、次に ypwhich コマンドはバージョン 1 のサービスを提供しているサーバーをマップしようとします。サーバーおよびクライアントはどちらも前バージョンに対しては互換性があるため、ユーザーはどちらのバージョンが現在使われているかを気にする必要はほとんどありません。
-t マップ名と同一のニックネームがあるときに便利なニックネーム変換を禁止します。
-m MapName マップのためのマスター NIS サーバーを検索します。ホストは -m フラグを付けて指定できません。MapName 変数は、マップ名またはマップのニックネームのどちらでもかまいません。マップ名が省略されると、-m フラグは使用可能なマップのリストを作成します。
-x マップ・ニックネーム・テーブルを表示します。これにより、コマンドが検出するニックネーム (MapName パラメーターで指定されたもの) がリストされ、各ニックネームに関連するマップ名が示されます。

  1. マップのマスター・サーバーを見付けるには、下記のように入力します。

    ypwhich -m passwd

    この例で ypwhich コマンドは、passwd マップのサーバーの名前を表示します。

  2. passwd のニックネームを持つマップではなく、 passwd という名前のマップを見付けるには、下記のように入力します。

    ypwhich -t -m passwd

    この例で ypwhich コマンドは、完全名が passwd であるマップのサーバー名を表示します。

  3. 古いバージョン 1 の NIS プロトコルを実行するクライアントにリソースを提供するサーバーを表示するには、下記のように入力します。

    ypwhich -V1
  4. マップ・ニックネーム・テーブルを表示するには、下記のように入力します。

    ypwhich -x

関連情報

ypset コマンド