ps コマンド

目的

プロセスの現在の状況を表示します。この文書では、標準 ps コマンドについて説明します。

構文

X/Open 標準

ps [ -A ] [ -N ] [ -a ] [ -d ] [ -e ] [ -f ] [ -k ] [ -l ] [ -F format] [ -o Format ] [ -c Clist ] [ -G Glist ] [ -g Glist ] [ -m ] [ -n NameList ] [ -p Plist ] [ -t Tlist ] [ -U Ulist ] [ -u Ulist ]

バークレー標準

ps [ a ] [ c ] [ e ] [ ew ] [ eww ] [ g ] [ n ] [ U ] [ w ] [ x ] [ l | s | u | v ] [ t Tty ] [ ProcessNumber ]

説明

ps コマンドは、アクティブ・プロセスの現行状況、および (-m フラグが指定されていれば) それに関連するカーネル・スレッドを、標準出力に書き出します。 -m フラグを指定するとプロセスに関連するスレッドに関する行が追加表示されますが、追加のスレッド関連の欄を表示するには、-o フラグを THREAD フィールド指定子とともに使用しなければならないので注意してください。

フラグが指定されていなければ、ps コマンドは現行ワークステーションに関する情報を表示します。フラグ -f-ol-lsu、および v は、プロセスに関して表示する情報量のみを決定し、どのプロセスをリストするかを決定するわけではありません。フラグ lsu、および v は相互に排他的です。

-o フラグでは、 ps コマンドはメモリーまたはページング域を調べて、プロセスが作成されたときのコマンド名およびパラメーターを判別します。ps コマンドがこの情報を見つけられなければ、カーネル内に格納されたコマンド名が大括弧で囲まれて表示されます。

COLUMNS 環境変数は、システムで選択された横方向の画面サイズをオーバーライドします。

パラメーター・リストを受け入れるコマンド行フラグ (-o-G-g-p-t-U、および -u フラグ) は、128 エントリーまでに制限されています。たとえば、-u Ulist フラグに指定できるユーザー数は 128 以内です。

ps コマンドに指定したフラグに応じて、標準出力に表示される情報の上に列見出しが表示されます。各見出しの定義を以下にリストします (これらの見出しを表示させるフラグを括弧内に示します)。

ADDR
(-l および l フラグ) 通常の場合は、プロセス・スタックのセグメント番号が入っています。カーネル・プロセスの場合は、プリプロセス・データ領域のアドレスです。
BND
(-o THREAD フラグ) カーネル・スレッドがバインドされる論理プロセッサー番号 (バインドされる場合)。プロセスの場合は、そのすべてのスレッドが同じプロセッサーにバインドされたときに、このフィールドが表示されます。
C
(-fl、および -l フラグ) プロセスまたはスレッドの CPU 使用状況。この値は、システム・クロックが時を刻むごとに増加し、プロセスまたはスレッドが実行中であることがわかります。スケジューラーは、毎秒一度ずつ 2 で除算してこの値を減分させます。 sched_other ポリシーでは、CPU 使用率はプロセスのスケジューリング優先順位を決定する際に使用されます。 大きな値は CPU 集中のプロセスを示し、プロセス優先順位が低くなりますが、小さな値は入出力集中のプロセスを示し、優先順位がそれより高くなります。
CMD
(-f-l、および l フラグ) コマンド名が入っています。完全なコマンド名およびそのパラメーターは、-f フラグで表示されます。
COMMAND
(su、および v) コマンド名が入っています。完全なコマンド名およびそのパラメーターは、-f フラグで表示されます。

F フィールドの表
フラグ 16 進値 定義
SLOAD 0x00000001 プロセスがコア・メモリーで動作中であることを示す。
SNOSWAP 0x00000002 プロセスをスワップアウトできないことを示す。
STRC 0x00000008 プロセスがトレースされていることを示す。
SWTED 0x00000010 トレース中に、プロセスが停止したことを示す。
SFWTED 0x00000020 トレース中に、fork サブルーチンのコール後でプロセスが停止したことを示す。
SEWTED 0x00000040 トレース中に、exec サブルーチンのコール後でプロセスが停止したことを示す。
SLWTED 0x00000080 トレース中に、load または unload サブルーチンのコール後でプロセスが停止したことを示す。
SFIXPRI 0x00000100 pcpu フィールド・ディスクリプターを無視し、プロセスが固定優先順位を持つことを示す。
SKPROC 0x00000200 カーネル・プロセスを示す。
SOMASK 0x00000400 シグナルを受信した後で、古いマスクの復元を示す。
SWAKEONSIG 0x00000800 シグナルが sleep サブルーチンを異常終了することを示す。その内容は、PCATCH フラグの内容に等しいものであっては ならないPCATCH および SWAKEONSIG の両方の内容が、PMASK の内容よりも大きくなければならない。
SUSER 0x00001000 プロセスがユーザー・モードにあることを示す。
SLKDONE 0x00002000 プロセスがロックを行ったことを示す。
STRACING 0x00004000 プロセスがデバッグ・プロセスであることを示す。
SMPTRACE 0x00008000 マルチプロセス・デバッグを示す。
SEXIT 0x00010000 プロセスが終了していることを示す。
SSEL 0x00020000 プロセッサーが、ウェイクアップ/待機の危険のどちらかを選択していることを示す。
SORPHANPGRP 0x00040000 孤立プロセス・グループを示す。
SNOCNTLPROC 0x00080000 セッション・リーダーを制御端末から解放したことを示す。
SPPNOCLDSTOP 0x00100000 子プロセスが停止するときに親プロセスへ SIGHLD シグナルが送信されない ことを示す。
SEXECED 0x00200000 プロセスが稼働したことを示す。
SJOBSESS 0x00400000 現行セッションでジョブ制御が使われたことを示す。
SJOBOFF 0x00800000 プロセスがジョブ制御を受けていないことを示す。
PSIGDELIVERY 0x01000000 プロセスがプログラム・チェック・ハンドラーによって使用されることを示す。
SRMSHM 0x02000000 exit サブルーチンのコール中、プロセスが共用メモリーを除去したことを示す。
SSLOTFREE 0x04000000 プロセスのスロットが空いていることを示す。
SNOMSG 0x08000000 これ以上 uprintf サブルーチン・メッセージがないことを示す。
F
(-l および l フラグ) プロセスおよびスレッドに関連した、より重要な F フィールド・フラグ (16 進数および追加情報) の一部を次の表に示します。

F フィールドの表
フラグ 16 進値 定義
SLOAD 0x00000001 プロセスがコア・メモリーで動作中であることを示す。
SNOSWAP 0x00000002 プロセスをスワップアウトできないことを示す。
STRC 0x00000008 プロセスがトレースされていることを示す。
SKPROC 0x00000200 カーネル・プロセスを示す。
SEXIT 0x00010000 プロセスが終了していることを示す。
SEXECED 0x00200000 プロセスが稼働したことを示す。
SEXECING 0x01000000 プロセスが実行中 (exec を実行中) であることを示す。
TKTHREAD 0x00001000 スレッドがカーネル専用スレッドであることを示す。
注:
/usr/include/sys/proc.h ファイルの p_flags フィールドおよび /usr/include/sys/thread.h ファイルの t_flags フィールドを調べることによって、すべてのプロセス・フラグおよびスレッド・フラグの定義を参照することができます。
LIM
(v フラグ) setrlimit サブルーチンの呼び出しを使用して指定され、使用されるメモリーのソフト制限。制限が指定されなかった場合には、xx として表示されます。この制限をシステム制限 (すなわち、制限なし) に設定した場合には、値 UNLIM が表示されます。
NI
(-l および l フラグ) nice の値。sched other ポリシーの優先順位の計算に使用されます。
PID
(すべてのフラグ) プロセスのプロセス ID。
PGIN
(v フラグ) コアにロードされていないページへのプロセスによる参照から生じたディスク入出力回数。
PPID
(-fl、および -l フラグ) 親プロセスのプロセス ID。
PRI
(-l および l フラグ) プロセスまたはカーネル・スレッドの優先順位。大きい番号ほど優先順位が低い。
RSS
(v フラグ) プロセスの実メモリー (常駐セット) のサイズ (1 キロバイト単位)。
S
(-l および l フラグ) プロセスまたはカーネル・スレッドの状態。

プロセスの場合:

O
存在しない
A
アクティブ
W
スワップ済み
I
アイドル (始動待ちの) 状態
Z
取り消し
T
停止

カーネル・スレッドの場合:

O
存在しない
R
実行中
S
スリープ中
W
スワップ済み
Z
取り消し
T
停止
 
SC
(-o THREAD フラグ) プロセスまたはカーネル・スレッドの中断カウント。プロセスの中断カウントはカーネル・スレッドの中断カウントの和です。
SCH
(-o THREAD フラグ) カーネル・スレッドのスケジューリング・ポリシー。ポリシー sched_othersched_fifo、および sched_rr はそれぞれ 012 と表示されます。
SIZE
(v フラグ) プロセスのデータ・セクションの仮想サイズ (1 KB 単位)。
SSIZ
(s フラグ) カーネル・スタックのサイズ。マルチスレッド・プロセスの場合、この値は常に 0 (ゼロ) です。
STAT
(su、および v フラグ) プロセスの状態が入っています。
0
存在しない
A
アクティブ
I
中間
Z
取り消し
T
停止
K
使用可能なカーネル・プロセス
 
STIME
(-f および u フラグ) プロセスの始動時刻。
SZ
(-l および l フラグ) プロセスのコア・イメージの 1 キロバイト単位のサイズ。
THCNT
(-o thcount フラグ) プロセスが所有するカーネル・スレッド数。
TID
(-o THREAD フラグ) カーネル・スレッドのスレッド ID。
TIME
(すべてのフラグ) プロセスの合計実行時間。
TRS
(v フラグ) テキストの常駐セット (実メモリー) のサイズ。
TSIZ
(v フラグ) テキスト (共用プログラム) イメージのサイズ。
TTY
(すべてのフラグ) プロセスのためのワークステーション制御で、以下の通りです。
-
プロセスがワークステーションと関連付けられていない。
?
不明。
Number
TTY 番号。たとえば、エントリー 2 は TTY2 を示します。
 
UID
(-f-l、および l フラグ) プロセス・オーナーのユーザー ID。-f フラグを指定すると、ログイン名が表示されます。
USER
(u フラグ) プロセス・オーナーのログイン名。
WCHAN
(-l フラグ) プロセスまたはカーネル・スレッドが待機中またはスリープ中であるイベント。カーネル・スレッドの場合、カーネル・スレッドが実行中であれば、このフィールドはブランクになります。プロセスの場合、カーネル・スレッドが 1 つだけスリープしていると、待機チャネルはスリープ中のカーネル・スレッドの待機チャネルとして定義されます。それ以外の場合は、アスタリスクが表示されます。
WCHAN
(l フラグ) プロセスが待機中のイベント (システム内のアドレス)。 数値出力が要求されない限り、アドレスを分類する記号が選ばれます。
%CPU
(u および v フラグ) プロセス始動以降、プロセスが CPU を使用した時間のパーセンテージ。この値は、プロセスが CPU を使用した時間をプロセスの経過時間で割ることによって算出されます。マルチプロセッサー環境では、同じプロセスにある複数のスレッドは異なる CPU 上で同時に稼働できるため、この値をさらに使用可能な CPU の数で割ります。 (このデータを算出するための時間基準は変動するため、すべての %CPU フィールドの合計は 100% を超えることがあります。)
%MEM
(u および v フラグ) このプロセスによって使用される実メモリーのパーセンテージ。

すでに終了しており、そのプロセスの終了を待っていない親プロセスを持つプロセスは、 <defunct> と記されます。 終了しようとしてブロックされたプロセスは、 <exiting> と記されます。 ps コマンドは、メモリーまたはスワップ領域によってプロセスが作成されたときに指定されたファイル名および引数を判別しようとします。

注:
  1. ps コマンドの実行中に、プロセスが変更することがあります。その場合、defunct プロセスの表示データの一部は無意味なものとなります。
  2. ps プログラムはメモリーを検査して、プロセスの作成時に使用されたファイル名および引数を検索します。ただし、プロセスが情報を破壊する可能性があるので、このファイル名と引数の検索方法は信頼性を欠きます。

フラグ

以下のフラグの前には、- (マイナス記号) が付きます。

-A すべてのプロセスに関する情報を標準出力に書き出します。
-a セッション・リーダー、および端末に関連しないプロセスを除くすべてのプロセスに関する情報を標準出力に書き出します。
-c Clist Clist 変数にリストされたワークロード・マネージメント・クラスに割り当てられたプロセスに関する情報だけを表示します。 Clist 変数は、コンマで区切ったクラス名のリストか、二重引用符 (" ") で囲まれたクラス名のリスト (この場合、コンマ、または 1 つ以上のスペース、あるいはこの両方でクラス名同士が区切られています) です。
-d セッション・リーダーを除くすべてのプロセスに関する情報を標準出力に書き出します。
-e カーネル・プロセス以外のすべてのプロセスに関する情報を標準出力に書き出します。
-F Format -o Format と同じ。
-f 完全なリストを生成します。
-G Glist Glist 変数にリストされたプロセス・グループのプロセスに関する情報のみを、標準出力に書き出します。Glist 変数は、コンマで区切ったプロセス・グループ ID のリストか、または二重引用符 (" ") で囲み、コンマか 1 つ以上のスペースで区切ったプロセス・グループ ID のリストです。このフラグは -g Glist フラグと同等です。
-g Glist このフラグは -G Glist フラグと同等です。
-k カーネル・プロセスをリストします。
-l 詳細なリストを作成します。 l フラグも参照してください。
-m プロセスとともにカーネル・スレッドもリストします。プロセスの出力行に続いて、カーネル・スレッドごとに追加の出力行がリストされます。 このフラグは、適切な -o Format フラグが指定されない限り、スレッドに固有のフィールド (bndscountschedthcount、および tid) を表示しません。
-N スレッド統計情報の収集は行いません。このフラグを指定すると、ps は、プロセスのスレッド・チェーンをスキャンしなくても入手できる統計情報だけをレポートします。
-n NameList デフォルトの代わりに代替システム名リスト・ファイルを指定します。NAS Gateway 500 System Software では、情報が直接カーネルに提供されるため、-n フラグは使用されません。
-o Format Format 変数で指定されたフォーマットで情報を表示します。Format 変数には、複数のフィールド指定子を指定できます。 Format 変数は、コンマで区切ったフィールド指定子のリストか、または 1 組の " " (二重引用符) で囲み、コンマか 1 つ以上のスペースで区切ったフィールド指定子のリストか、あるいはその両方です。

それぞれのフィールド指定子にはデフォルトのヘッダーがあります。デフォルトのヘッダーをオーバーライドするには、= (等号) の後にヘッダーのユーザー定義テキストを指定します。フィールドは、コマンド行に指定した順番で欄フォーマットで書き込まれます。 フィールド幅は、少なくともデフォルト幅かユーザー定義ヘッダー・テキストの幅になるように、システムによって指定されます。 ヘッダー・テキストが null の場合 (たとえば、 -o user= が指定された場合)、フィールド幅は少なくともデフォルトのヘッダー・テキストと同じ幅になります。すべてのヘッダー・フィールドが null の場合、ヘッダー行は書き込まれません。

システムが認識するフィールド指定子を以下に示します。

args
実行中のコマンドの完全名を示します。切り捨てが行われることがありますが、すべてのコマンド行引数が含まれます。 このフィールドのデフォルト・ヘッダーは COMMAND です。
bnd
プロセスまたはカーネル・スレッドがバインドされているプロセッサー (もしあれば) を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは BND です。
class
プロセスに割り当てられたワークロード・マネージメント・クラスを示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは CLASS です。
comm
実行中のコマンドの省略名を示します。コマンド行引数は含まれません。 このフィールドのデフォルト・ヘッダーは COMMAND です。
cpu
プロセスのスケジューリング優先順位を決定します。プロセスやスレッドの CPU 使用状況は、システム・クロックが時を刻むごとに増加するので、プロセスやスレッドが実行中であることが分かります。スケジューラーは、毎秒一度ずつ 2 で除算してこの値を減分させます。 sched_other ポリシーの場合、大きな値は、CPU 集中のプロセスを示し、プロセス優先順位が低くなりますが、小さい値は、入出力集中のプロセスを示し、優先順位がより適切になります。
etime
プロセス始動後の経過時間を示します。経過時間は以下のフォーマットで表示されます。

[[ dd-]hh:]mm:ss

dd は日数を、hh は時間数を、mm は分数を、ss は秒数を指定します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは ELAPSED です。

group
プロセスの有効グループ ID を示します。 テキストによるグループ ID が表示されます。 テキストによるグループ ID を獲得できない場合には、10 進表記が使用されます。 このフィールドのデフォルト・ヘッダーは GROUP です。
nice
プロセスの nice の値の 10 進値を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは NI です。
-o Format (続き)
pcpu
使用した CPU 時間と使用可能な CPU 時間の比率を、パーセンテージで示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは %CPU です。
pgid
プロセスのグループ ID の 10 進値を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは PGID です。
pid
プロセス ID の 10 進値を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは PID です。
ppid
親プロセス ID の 10 進値を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは PPID です。
rgroup
プロセスの実グループ ID を示します。テキストによるグループ ID が表示されます。 テキストによるグループ ID を獲得できない場合には、10 進表記が使用されます。 このフィールドのデフォルト・ヘッダーは RGROUP です。
ruser
プロセスの実ユーザー ID を示します。テキストによるユーザー ID が表示されます。テキストによるユーザー ID を獲得できない場合には、10 進表記が使用されます。 このフィールドのデフォルト・ヘッダーは RUSER です。
scount
カーネル・スレッドの中断カウントを示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは SC です。
sched
カーネル・スレッドのスケジューリング・ポリシーを示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは SCH です。
tag
ワークロード・マネージャーのアプリケーション・タグを示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは TAG です。このタグは、最高 30 文字の長さの文字列で、 ps で表示する場合は切り捨てることができます。タグを設定しないプロセスの場合、このフィールドは - (ハイフン) として表示されます。
thcount
プロセスが所有するカーネル・スレッド数を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは THCNT です。
-o Format (続き)
THREAD
以下のフィールドを示します。
  • ユーザー名 (uname フィールド)
  • プロセスおよび各プロセスの親プロセス ID (pid および ppid フィールド)
  • スレッドのカーネル・スレッド ID (tid フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドの状態 (S フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドの CPU 使用状況 (C フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドの優先順位 (PRI フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドの中断カウント (scount フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドの待機チャネル (WCHAN フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドのフラグ (F フィールド)
  • プロセスの制御端末 (tty フィールド)
  • プロセスまたはカーネル・スレッドのバインド先である CPU (bnd フィールド)
  • プロセスによって実行中のコマンド (comm フィールド)。

-o THREAD フラグを指定しても、-m フラグも指定しなければ、スレッドは実際に表示されません。

tid
カーネル・スレッドのスレッド ID を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは TID です。
time
プロセス始動後の CPU の累積時間を示します。時間は以下のフォーマットで表示されます。

[ dd-]hh:mm:ss

dd は日数を、hh は時間数を、mm は分数を、ss は秒数を指定します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは TIME です。

tty
プロセスの制御端末名を示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは TT です。
user
プロセスの実効ユーザー ID を示します。 テキストによるユーザー ID が表示されます。テキストによるユーザー ID を獲得できない場合には、10 進表記が使用されます。 このフィールドのデフォルト・ヘッダーは USER です。
vsz
仮想メモリーでのプロセスのサイズを、キロバイト単位の 10 進整数で示します。このフィールドのデフォルト・ヘッダーは VSZ です。
-o Format (続き)

上記以外の場合には、フィールド・ディスクリプターも含め、複数フィールドを Format 変数による指定フォーマットで表示できます。フィールド・ディスクリプターを Format 変数に使用する場合には、そのフィールド・ディスクリプターを二重引用符 (" ") で囲まなければなりません。フィールド・ディスクリプターとフィールド指定子の対応を以下の表に示します。

Field           Field           Default 
Descriptors     Specifiers      Headers

%a              args            COMMAND
%c              comm            COMMAND
%t              etime           ELAPSED
%G              group           GROUP
%n              nice            NI
%C              pcpu            %CPU
%r              pgid            PGID
%p              pid             PID
%P              ppid            PPID
%g              rgroup          RGROUP
%u              ruser           RUSER
%x              time            TIME
%y              tty             TTY
%U              user            USER
%z              vsz             VSZ
-p Plist Plist 変数に指定されたプロセス番号を持つプロセスに関する情報のみを表示します。Plist 変数は、コンマで区切ったプロセス ID 番号のリストか、または二重引用符 (" ") で囲み、コンマか 1 つ以上のスペースで区切ったプロセス ID 番号のリスト、あるいはその両方です。
-t Tlist Tlist 変数にリストされたワークステーションに関連したプロセスに関する情報のみを表示します。Tlist 変数は、コンマで区切ったワークステーション ID のリストか、二重引用符 (" ") で囲み、それぞれをコンマまたは 1 つ以上のスペースで区切ったワークステーション ID のリストのいずれか、あるいはその両方です。
-U Ulist Ulist 変数に指定されたユーザー ID 番号またはログイン名を持つプロセスに関する情報のみを表示します。Ulist 変数は、コンマで区切ったユーザー ID のリストか、または二重引用符 (" ") で囲み、コンマか 1 つ以上のスペースで区切ったユーザー ID のリストです。リストでは、ps コマンドは、 -f フラグが指定されない限り数値のユーザー ID を表示し、その後でコマンドがログイン名を表示します。 このフラグは -u Ulist フラグと同等です。u フラグも参照してください。
-u Ulist このフラグは -U Ulist フラグと同等です。

オプション

以下のオプションの前には、- (マイナス記号) が付きません。

a 端末を使用するすべてのプロセスに関する情報を表示します (通常はユーザー自身のプロセスのみが表示されます)。
c プロセス・アドレス・スペースに格納されたコマンド・パラメーターではなく、アカウンティング用にシステムに格納されたコマンド名を表示します。
e 80 文字までの制限付きで、コマンドのパラメーターとともに環境変数を表示します。
ew e フラグからの表示を、1 行余分にラップします。
eww e フラグからの表示を、必要な回数だけラップします。
g すべてのプロセスを表示します。
l FSUIDPIDPPIDCPRINIADDRSZPSSWCHANTTYTIME、および CMD フィールドを持つ詳細リストを表示します。
n 数値出力を表示します。詳細なリストでは、WCHAN フィールドは記号ではなく数値で表示されます。ユーザーのリストでは、USER フィールドは UID フィールドに置き換えられます。
s (システム保守担当者によって使用される) 各プロセスのカーネル・スタックのサイズ (SSIZ) を、基本出力フォーマットで表示します。マルチスレッド・プロセスの場合、この値は常に 0 (ゼロ) です。
t Tty 制御している tty が Tty 変数の値であるプロセスを表示します。Tty 変数は、ps コマンドが表示する通りに指定してください。つまり、端末 /dev/tty/0 の場合には 0、端末 /dev/lft0 の場合には lft0、端末 /dev/pts/2 の場合には pts/2 と指定してください。
u ユーザー向け出力を表示します。これには、USERPID%CPU%MEMSZRSSTTYSTATSTIMETIME、および COMMAND フィールドが含まれます。
v PGINSIZERSSLIMTSIZTRS%CPU%MEM フィールドを表示します。
w 幅の広いフォーマットで出力します (80 ではなく 132 桁)。繰り返すと、(たとえば、ww) 任意に幅の広い出力が使用されます。 この情報を使って、コマンドをどれくらいの長さで表示するかが決められます。
x 制御する端末を持つプロセスに加えて、制御する端末を持たないプロセスも表示します。

戻りコード

このコマンドは次の終了値を戻します。

0 正常終了。
>0 エラーが発生しました。

  1. すべてのプロセスを表示するには、以下のように入力します。

    ps -e -f
  2. 特定のユーザーが所有するプロセスをリストするには、以下のように入力します。

    ps -f -l -ujim,jane,su
  3. /dev/console および /dev/tty1 の tty に関連するプロセスをリストするには、以下のように入力します。

    ps -t console,tty/1
  4. 端末と関連していないプロセスをリストするには、以下のように入力します。

    ps -t -
  5. 指定フォーマットをフィールド指定子付きで表示するには、以下のように入力します。

    ps -o ruser,pid,ppid=parent,args

    出力は以下のようになります。

    RUSER   PID     parent  COMMAND
    helene  34      12      ps -o ruser,pid,ppid=parent,args
  6. 指定フォーマットをフィールド・ディスクリプター付きで表示するには、以下のように入力します。

    ps -o "< %u > %p %y : %a"

    出力は以下のようになります。

    < RUSER  >      PID     TT :    COMMAND
    < helene >      34      pts/3 : ps -o < %u > %p %y : %a
  7. 現在の端末によって制御されるプロセスおよびカーネル・スレッドに関する情報を表示するには、以下のように入力します。

    ps -lm

    出力は以下のようになります。

         F S UID  PID PPID  C PRI NI ADDR  SZ WCHAN   TTY  TIME  CMD
    240003 A  26 8984 7190  1  60 20 2974 312       pts/1  0:00  -ksh
       400 S   -    -    -  1  60  -    -   -           -     -  -
    200005 A  26 9256 8984 15  67 20 18ed 164       pts/1  0:00  ps
         0 R   -    -    - 15  67  -    -   -           -     -  -
  8. すべてのプロセスおよびカーネル・スレッドに関する情報を表示するには、以下のように入力します。

    ps -emo THREAD

    出力は以下のようになります。

    USER   PID  PPID  TID S  C PRI SC   WCHAN   FLAG   TTY BND  CMD
    jane  1716 19292    - A 10  60  1       * 260801 pts/7   -  biod
       -     -     - 4863 S  0  60  0 599e9d8   8400     -   -  -
       -     -     - 5537 R 10  60  1 5999e18   2420     -   3  -
    luke 19292 18524    - A  0  60  0 586ad84 200001 pts/7   -  -ksh
       -     -     - 7617 S  0  60  0 586ad84    400     -   -  -
    luke 25864 31168    - A 11  65  0       - 200001 pts/7   -  -
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